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「乙女☆プリズム夢の王国」特典ストーリーの世界
父親の責任を問う
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「待て。解散の前に明らかにすべきことがある」
張りのあるバリトンの声が教会内に響いた。
隣国カルダーナ国王の弟、セドリックだ。
「ま、まさか隣国の王弟殿下では?」
「婚儀に参列していたのか……」
セドリックはこの国の学園に留学していたから顔と名前だけは知られている。
「その新郎の男、ひと月前から新婦の実家に滞在していたと聞いている。ならば昨晩から今日にかけて、隣の女と不貞行為を犯したのは伯爵家の本邸のはず」
(まあそうよね。私たちその現場を目撃したしね)
彼、隣国王弟のセドリックが厳しい性格なのは国内貴族なら大体知っている。
彼を育てた隣国王姉からしてマナーに厳しい女性だったので、近い世代の者ほど詳しかった。
「なぜ、花嫁の父たる伯爵代理が把握していなかった? これは新婦の父親の監督責任も追求せねばなるまい」
ざわ、と会場内がざわついた。
(ここでこういう正論を言っちゃうのがセドリックなのよね)
「ま、待て、駄目だ、このままだと……」
「お父様?」
花婿に花嫁を託す役割のため、父テレンスはずっとエスティアの隣にいた。
その父はセドリックの糾弾に青ざめて震えている。
「皆も知っておろう。先代の女伯爵カタリナ様は聖女だった。その娘のエスティアも聖女である。にも関わらず自分の娘の婚約者が、まさか婚儀の当日に不貞行為を犯す不埒者とは」
「私からこの国の国王に、伯爵家の念入りな調査を行うよう口添えしておこう」
その言葉にエスティアの父テレンスは崩れ落ちた。
王家は聖女の血筋を取り入れるため、王族の末端の彼を聖女だった先代女伯爵に婿入りさせている。
これが国内貴族からの指摘なら誤魔化すこともできただろうが、他国の王族、しかも王弟では立場が強すぎる。
王家は伯爵家に対して真っ当な調査をせざるを得なくなる。
調査の結果、伯爵家で父親がどのような立ち居振る舞いをしていたか、実の娘を如何に冷遇し扱っていたか、すべて露呈するだろう。
中止になった婚儀の後で、エスティアは家の使用人や騎士たちを集めて溜め息をついていた。
他の参列者たちは皆帰って行ったが幼馴染みのセドリックやカーティスは残ってくれている。
「まさか、あなたたちがここまでやるとはね」
「お嬢様の意に沿わぬことだったと思います。ですが我らも伯爵家の一員として、もはや我慢がならなかったのです」
「責めはしないわ。むしろ、あんな男と結婚せずに済んでホッとしてる」
本当なら離縁まで、白い結婚で年単位の時間をかけなければならなかった。
これなら一発だ。
婿入りの男がここまで愚行を犯したなら婚約破棄も問題ない。
エスティアは屋敷に戻ってドレスを早々に脱ぐなり、国王に対して婚約破棄の申請書とその理由を書いた手紙を書いて早馬で届けさせた。
(王女のことはあえて書かなかった。参列者の誰かが伝えるでしょ)
むしろ婚約破棄するアルフォートや、父テレンスより頭の痛い存在があの王女様だが、さてどうしたものか。
張りのあるバリトンの声が教会内に響いた。
隣国カルダーナ国王の弟、セドリックだ。
「ま、まさか隣国の王弟殿下では?」
「婚儀に参列していたのか……」
セドリックはこの国の学園に留学していたから顔と名前だけは知られている。
「その新郎の男、ひと月前から新婦の実家に滞在していたと聞いている。ならば昨晩から今日にかけて、隣の女と不貞行為を犯したのは伯爵家の本邸のはず」
(まあそうよね。私たちその現場を目撃したしね)
彼、隣国王弟のセドリックが厳しい性格なのは国内貴族なら大体知っている。
彼を育てた隣国王姉からしてマナーに厳しい女性だったので、近い世代の者ほど詳しかった。
「なぜ、花嫁の父たる伯爵代理が把握していなかった? これは新婦の父親の監督責任も追求せねばなるまい」
ざわ、と会場内がざわついた。
(ここでこういう正論を言っちゃうのがセドリックなのよね)
「ま、待て、駄目だ、このままだと……」
「お父様?」
花婿に花嫁を託す役割のため、父テレンスはずっとエスティアの隣にいた。
その父はセドリックの糾弾に青ざめて震えている。
「皆も知っておろう。先代の女伯爵カタリナ様は聖女だった。その娘のエスティアも聖女である。にも関わらず自分の娘の婚約者が、まさか婚儀の当日に不貞行為を犯す不埒者とは」
「私からこの国の国王に、伯爵家の念入りな調査を行うよう口添えしておこう」
その言葉にエスティアの父テレンスは崩れ落ちた。
王家は聖女の血筋を取り入れるため、王族の末端の彼を聖女だった先代女伯爵に婿入りさせている。
これが国内貴族からの指摘なら誤魔化すこともできただろうが、他国の王族、しかも王弟では立場が強すぎる。
王家は伯爵家に対して真っ当な調査をせざるを得なくなる。
調査の結果、伯爵家で父親がどのような立ち居振る舞いをしていたか、実の娘を如何に冷遇し扱っていたか、すべて露呈するだろう。
中止になった婚儀の後で、エスティアは家の使用人や騎士たちを集めて溜め息をついていた。
他の参列者たちは皆帰って行ったが幼馴染みのセドリックやカーティスは残ってくれている。
「まさか、あなたたちがここまでやるとはね」
「お嬢様の意に沿わぬことだったと思います。ですが我らも伯爵家の一員として、もはや我慢がならなかったのです」
「責めはしないわ。むしろ、あんな男と結婚せずに済んでホッとしてる」
本当なら離縁まで、白い結婚で年単位の時間をかけなければならなかった。
これなら一発だ。
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