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「乙女☆プリズム夢の王国」特典ストーリーの世界
アルフォートの暴露
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「で、遺言は?」
「ないよ! まだ死ぬつもりもない!」
すっかり薄青の目を据わらせたセドリックににらまれ、絨毯の上に正座させられたアルフォートが白状したこととは。
「全部シナリオ書いたやつの指示だったんだ! やらないと俺もエスティアも殺されてしまう!」
「「は?」」
いきなり何を言い出すかと思えば。
「全部って、どこから?」
「学園に入学したときからだ!」
「……具体的には?」
「女好きのろくでなしに見せてたことだ!」
「いや、お前、女好きに見えてろくに手も出せないチキンだろ?」
「ああ。飛べない鳥だ。見た目が派手なだけの」
「俺の評価なんでそんな辛いの!?」
「「自業自得」」
ともあれアルフォートから聞き出したところによると、〝ろくでなしの屑男〟像を意図的に演じていたという。
「お前、元から屑じゃん。従姉妹のエスティアどころか他の女生徒たちにも酷い態度だった」
本当に紳士マナーの講義を受けたのか? と疑問に思うほど酷かった。
クラスの同級生女子たちを平気で値踏みしては顔や体つきに言及しては顰蹙を買っていたし、好き勝手に誘いをかけて断られると相手が泣き出すほど強く罵倒することもよくあった。
どこの場末の不良だという素行の男として有名だった。子爵家の長男のはずなのだが。
「だから、演技! 俺は〝どうしようもない〟〝救いようのない〟男じゃなきゃいけなかった!」
「だから、何で?」
「それにお前とエスティアが殺されるとはどういうことだ?」
言い訳にしては面白くない。
しかし、そのわりにアルフォートは必死だ。
「い、いいのか? 言ってもいいのか? 聞いたらお前たちとて逃げられないぞ、巻き込んで絶対逃してやらないからな!?」
金髪青目の美男子のはずのアルフォートが、冷や汗なのか脂汗なのかわからないほど汗だくになっている。
セドリックはカーティスと顔を見合わせ、頷いた。
「エスティアに関わることなら構わん。聞いてやる」
そして語られた内容は、予想もしないほど重かった。
「我がモリスン子爵家は王家の正統の血筋だ! 現国王が平民の女を王妃にしたせいでサンドローザ王女に王家の血は半分だけ。そのせいでうちの一族から次期国王を出すかもって話が出ていた!」
「「!??」」
これはさすがに想像もしていなかった。
しかも、頭の悪い屑男のはずのアルフォートがまあまあ普通に説明できているのも驚きだった。
「エスティアはまだいい。聖女を出すパラディオ伯爵家のネームバリューで守られている。だが本家嫡男の俺や現当主の息子のテレンス様はヤバい。少しでも有能なところを見せたら間違いなく王家に暗殺される!」
もうアルフォートは冷や汗どころではない。半泣きで鼻水まですすっている。
「モリスン子爵家だぞ? あの大魔道士マーリンの息子や孫が頭の悪いど底辺なわけがない! だが仕方なかったんだ、顔が良いのは変えようがないが成績や言動はコントロールできるから一生懸命頑張った!」
「イケメンなのはプライド持ってんだな……」
「つまり、屑男を装ったのは、『あんな屑なら次期国王は無理』と思わせるためだと?」
「そう、それ! その通り!」
「………………」
再びセドリックはカーティスと顔を見合わせた。どこまで本当のことなのか。
「さっきの口封じのネックレスを装着させられたのはなぜだ?」
「祖父のマーリンにやられたんだよ! このシナリオを書いたのはあのジジイだ。お前は口が軽いから下手にバラさないようにって、あの野郎ー!」
「……まあ賢明だな」
実際、セドリックたちに圧をかけられたぐらいでこうもペラペラと内情を話してしまっている。
この際だから真実を洗いざらい吐かせてしまおう。
それから半日近くかけて可能な限りアルフォートから情報を引き出した。
「こりゃ、しばらく滞在してエスティアやテレンス様を見ていたほうがいいな」
無言で頷き合ったところで、ふと窓の外を見ると、騎乗した近衛隊の制服の青年が門を過ぎたところだった。
ヘーゼルブラウンの短髪の青年だ。学園を卒業して久し振りに見る。
「王女を引き取りに来たか」
「ないよ! まだ死ぬつもりもない!」
すっかり薄青の目を据わらせたセドリックににらまれ、絨毯の上に正座させられたアルフォートが白状したこととは。
「全部シナリオ書いたやつの指示だったんだ! やらないと俺もエスティアも殺されてしまう!」
「「は?」」
いきなり何を言い出すかと思えば。
「全部って、どこから?」
「学園に入学したときからだ!」
「……具体的には?」
「女好きのろくでなしに見せてたことだ!」
「いや、お前、女好きに見えてろくに手も出せないチキンだろ?」
「ああ。飛べない鳥だ。見た目が派手なだけの」
「俺の評価なんでそんな辛いの!?」
「「自業自得」」
ともあれアルフォートから聞き出したところによると、〝ろくでなしの屑男〟像を意図的に演じていたという。
「お前、元から屑じゃん。従姉妹のエスティアどころか他の女生徒たちにも酷い態度だった」
本当に紳士マナーの講義を受けたのか? と疑問に思うほど酷かった。
クラスの同級生女子たちを平気で値踏みしては顔や体つきに言及しては顰蹙を買っていたし、好き勝手に誘いをかけて断られると相手が泣き出すほど強く罵倒することもよくあった。
どこの場末の不良だという素行の男として有名だった。子爵家の長男のはずなのだが。
「だから、演技! 俺は〝どうしようもない〟〝救いようのない〟男じゃなきゃいけなかった!」
「だから、何で?」
「それにお前とエスティアが殺されるとはどういうことだ?」
言い訳にしては面白くない。
しかし、そのわりにアルフォートは必死だ。
「い、いいのか? 言ってもいいのか? 聞いたらお前たちとて逃げられないぞ、巻き込んで絶対逃してやらないからな!?」
金髪青目の美男子のはずのアルフォートが、冷や汗なのか脂汗なのかわからないほど汗だくになっている。
セドリックはカーティスと顔を見合わせ、頷いた。
「エスティアに関わることなら構わん。聞いてやる」
そして語られた内容は、予想もしないほど重かった。
「我がモリスン子爵家は王家の正統の血筋だ! 現国王が平民の女を王妃にしたせいでサンドローザ王女に王家の血は半分だけ。そのせいでうちの一族から次期国王を出すかもって話が出ていた!」
「「!??」」
これはさすがに想像もしていなかった。
しかも、頭の悪い屑男のはずのアルフォートがまあまあ普通に説明できているのも驚きだった。
「エスティアはまだいい。聖女を出すパラディオ伯爵家のネームバリューで守られている。だが本家嫡男の俺や現当主の息子のテレンス様はヤバい。少しでも有能なところを見せたら間違いなく王家に暗殺される!」
もうアルフォートは冷や汗どころではない。半泣きで鼻水まですすっている。
「モリスン子爵家だぞ? あの大魔道士マーリンの息子や孫が頭の悪いど底辺なわけがない! だが仕方なかったんだ、顔が良いのは変えようがないが成績や言動はコントロールできるから一生懸命頑張った!」
「イケメンなのはプライド持ってんだな……」
「つまり、屑男を装ったのは、『あんな屑なら次期国王は無理』と思わせるためだと?」
「そう、それ! その通り!」
「………………」
再びセドリックはカーティスと顔を見合わせた。どこまで本当のことなのか。
「さっきの口封じのネックレスを装着させられたのはなぜだ?」
「祖父のマーリンにやられたんだよ! このシナリオを書いたのはあのジジイだ。お前は口が軽いから下手にバラさないようにって、あの野郎ー!」
「……まあ賢明だな」
実際、セドリックたちに圧をかけられたぐらいでこうもペラペラと内情を話してしまっている。
この際だから真実を洗いざらい吐かせてしまおう。
それから半日近くかけて可能な限りアルフォートから情報を引き出した。
「こりゃ、しばらく滞在してエスティアやテレンス様を見ていたほうがいいな」
無言で頷き合ったところで、ふと窓の外を見ると、騎乗した近衛隊の制服の青年が門を過ぎたところだった。
ヘーゼルブラウンの短髪の青年だ。学園を卒業して久し振りに見る。
「王女を引き取りに来たか」
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