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「乙女☆プリズム夢の王国」特典ストーリーの世界
ライバル? サンドローザ王女
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さて牢屋に拘束している困ったちゃんをどうするかだ。
婚約者と不貞行為に耽っていたあの女性は、王女で間違いない。
なぜ断言できるかといえば、彼女はエスティアの学生時代の友人の一人だからだ。さすがに学園の高等部で三年間ずっと一緒だった友人を見間違えはしない。
「他人の男を奪うような悪女じゃなかったと思うけど……」
だがあんまりにも腹が立ったから、そのまま収監させてしまった。
何日か入れておけば良いお仕置きになって、ほどほどに毒気も抜けるだろうと思っていたが、ヒューレットとの約束もある。
一応話を聞いてから客間に移すことになるだろう。
「サンドローザ。あなた、何やってるのよ……」
呆れたように話しかけると、牢の中の囚人服の女性はふてぶてしく笑った。
牢の中でガウン一枚から着替えたようだが、粗末な囚人服を着ても隠せない派手さの女だ。
見事な黄金の波打つ髪と赤い目のゴージャス系美女。
聖女のロゼット王妃とアーサー国王の一人娘、サンドローザ・プリズム王女殿下である。
「仕方ないでしょ。〝推し〟が別の女と結婚する前にモノにしたかったんだもの」
「推し……?」
その単語はエスティアの記憶を刺激した。
エスティアは前世では少女時代に乙女ゲームを遊んだぐらいで、いわゆる〝オタク〟ではなかったから、オタク文化にそこまで詳しいわけではない。新聞やテレビに出てくる一般的な知識しか知らない。
それでも〝推し〟が何を指すかぐらいは知っているし、自分でも乙プリの好きキャラに使っている。
(推しって、自分のイチオシの、とかそんな意味のスラングなのよね)
「まさかと思うけど。あなたもこことは違う世界の記憶があったりする?」
「え。ひょっとしてエスティア、あんたも?」
しばし、牢の外と中とで見つめ合った。
幸い、まだ騎士たちも尋問を始めていなかったので王女を牢屋から出して、風呂に入れさせて身だしなみを整えさせた。
すると見事な〝王女殿下〟の出来上がりである。
「荷物持って来てるんじゃないの。式には欠席の返事を寄越したくせに」
「だーかーらー! 推しと別の女との結婚式なんて見たくないのよ!」
「……もしかして昨日、アルフォートの部屋にいたのって」
「もちろんあたしよ。あんたたち覗いてたわよね、修羅場になるかもって覚悟してたけど何もなかったから拍子抜け。声くらいかけなさいよ」
「あのねえ」
この王女らしからぬ口調も久し振りだ。
その気になれば国一番の淑女を装える女だが、気の置けない相手には平民の母親譲りの気安い下町娘みたいな口調で話す。
エスティアと並ぶと、どちらが王女かわからなくなってくるほど。
夕飯の時間だったが父テレンスも、客のセドリックやカーティスも食堂に来ていない。
父は自室で、セドリックたちはまだアルフォートの部屋にいるとのこと。
ならばとエスティアも私室に二人分の食事を運ばせ、給仕は断って話し合いをすることにした。
「どういうこと?」
「それはこっちの台詞」
「「乙女☆プリズム夢の王国」」
やはり。彼女もこの乙女ゲームのことを知っている。
婚約者と不貞行為に耽っていたあの女性は、王女で間違いない。
なぜ断言できるかといえば、彼女はエスティアの学生時代の友人の一人だからだ。さすがに学園の高等部で三年間ずっと一緒だった友人を見間違えはしない。
「他人の男を奪うような悪女じゃなかったと思うけど……」
だがあんまりにも腹が立ったから、そのまま収監させてしまった。
何日か入れておけば良いお仕置きになって、ほどほどに毒気も抜けるだろうと思っていたが、ヒューレットとの約束もある。
一応話を聞いてから客間に移すことになるだろう。
「サンドローザ。あなた、何やってるのよ……」
呆れたように話しかけると、牢の中の囚人服の女性はふてぶてしく笑った。
牢の中でガウン一枚から着替えたようだが、粗末な囚人服を着ても隠せない派手さの女だ。
見事な黄金の波打つ髪と赤い目のゴージャス系美女。
聖女のロゼット王妃とアーサー国王の一人娘、サンドローザ・プリズム王女殿下である。
「仕方ないでしょ。〝推し〟が別の女と結婚する前にモノにしたかったんだもの」
「推し……?」
その単語はエスティアの記憶を刺激した。
エスティアは前世では少女時代に乙女ゲームを遊んだぐらいで、いわゆる〝オタク〟ではなかったから、オタク文化にそこまで詳しいわけではない。新聞やテレビに出てくる一般的な知識しか知らない。
それでも〝推し〟が何を指すかぐらいは知っているし、自分でも乙プリの好きキャラに使っている。
(推しって、自分のイチオシの、とかそんな意味のスラングなのよね)
「まさかと思うけど。あなたもこことは違う世界の記憶があったりする?」
「え。ひょっとしてエスティア、あんたも?」
しばし、牢の外と中とで見つめ合った。
幸い、まだ騎士たちも尋問を始めていなかったので王女を牢屋から出して、風呂に入れさせて身だしなみを整えさせた。
すると見事な〝王女殿下〟の出来上がりである。
「荷物持って来てるんじゃないの。式には欠席の返事を寄越したくせに」
「だーかーらー! 推しと別の女との結婚式なんて見たくないのよ!」
「……もしかして昨日、アルフォートの部屋にいたのって」
「もちろんあたしよ。あんたたち覗いてたわよね、修羅場になるかもって覚悟してたけど何もなかったから拍子抜け。声くらいかけなさいよ」
「あのねえ」
この王女らしからぬ口調も久し振りだ。
その気になれば国一番の淑女を装える女だが、気の置けない相手には平民の母親譲りの気安い下町娘みたいな口調で話す。
エスティアと並ぶと、どちらが王女かわからなくなってくるほど。
夕飯の時間だったが父テレンスも、客のセドリックやカーティスも食堂に来ていない。
父は自室で、セドリックたちはまだアルフォートの部屋にいるとのこと。
ならばとエスティアも私室に二人分の食事を運ばせ、給仕は断って話し合いをすることにした。
「どういうこと?」
「それはこっちの台詞」
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やはり。彼女もこの乙女ゲームのことを知っている。
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