28 / 66
「乙女☆プリズム夢の王国」特典ストーリーの世界
雑種王女の危機
しおりを挟む
「これで良かったの?」
「バッチリよ! 出来るだけあたしの引き渡しをだらだら~っと伸ばしてちょうだい」
だがヒューレットが気の毒だ。一応まだサンドローザ王女の婚約者は彼のままなのに。
こうしている間にも、王女がエスティアの婚約者を寝取った噂は国内を駆け巡っているはずだ。
「彼にどんな不満があったの? 学園時代、人気ナンバーワンの貴公子様よ?」
「ああいう血統書付きの男、苦手なのよね。こちとら平民女を母に持つ雑種よ? ムリムリ、ヒューレットと夫婦になったらあたし一生比べられて雑種雑種言われるじゃない!」
「それは、まあ……そうかもしれないけど」
昨日、ヒューレットが一度王都に戻った後で牢から出した王女から、彼女なりの事情を聞いている。
サンドローザは現国王夫妻の一人娘だ。まだ立太子していなかったが、次期女王がほぼ確定している。
だが本人が言う通り母親が平民出身の王妃のため立場が弱い。
そこで婚約者となったのが数代前の王女が降嫁して公爵に爵位が上がったノア家のヒューレットだ。
他にも王族の親戚の血が入っているためサンドローザより王家の血の比率が高かった。
「血筋を煮詰めちゃいけないって何度説明しても頭の固いジジイどもは理解しようともしない!」
「まあねえ。前世の記憶がある私たちからしたら、近親婚のやりすぎは自滅ってわかってるからほどほどに外部の血を取り入れろってわかってるけど、この世界じゃあね」
前世のミナコの時代では遺伝子解析もほぼ終了していて、特権階級などのエリートはそういう血筋だからというより、エリートを作るに相応しい〝環境〟ありきだったと科学的なエビデンスがあった。
ゲームでいうなら、血筋が重要だという世界観の設定や人々の価値観次第だ。
「……あたし、何で母さんの光の魔力を受け継がなかったんだろう。それさえ持ってたらこんなことする必要だってなかったのに」
気丈に振る舞っていてもサンドローザは落ち込んでいる。
昨晩、牢から出したサンドローザから聞かされたのは王家の策略についてだった。
乙女☆プリズム夢の王国の本編の正ヒロインだったロゼットはアーサー王太子と結ばれ王妃となって、一人娘のサンドローザ王女を産んだ。
しかし王女にはロゼットが王妃として認められる一番のメリットだった〝光の魔力〟が継承されなかった。
こうなると、サンドローザは王女であっても半分平民の血の混ざった王家のお荷物だ。
「ヒューレット君と結婚した後、彼により王家の血の濃い女性をあてがって産まれた子供を跡継ぎにする、か。そこまでして平民の血を排斥したいものかしら」
このままヒューレットと結婚したら自分はお飾りの女王になる。
「他の女との子供が生まれた後、私は殺されるかもしれない。そう考えたらもう居ても立ってもいられなくって」
「それ、いつ頃知ったの?」
「学園を卒業する前。国王の執務室で宰相や大臣たちが話しているのを聞いてしまったの」
「……あなたたちがまだ婚約に留まってた理由はそれかあ」
エスティアと同い年の王女は今年二十三歳。まだ未婚なのは年齢的に遅かった。
「バッチリよ! 出来るだけあたしの引き渡しをだらだら~っと伸ばしてちょうだい」
だがヒューレットが気の毒だ。一応まだサンドローザ王女の婚約者は彼のままなのに。
こうしている間にも、王女がエスティアの婚約者を寝取った噂は国内を駆け巡っているはずだ。
「彼にどんな不満があったの? 学園時代、人気ナンバーワンの貴公子様よ?」
「ああいう血統書付きの男、苦手なのよね。こちとら平民女を母に持つ雑種よ? ムリムリ、ヒューレットと夫婦になったらあたし一生比べられて雑種雑種言われるじゃない!」
「それは、まあ……そうかもしれないけど」
昨日、ヒューレットが一度王都に戻った後で牢から出した王女から、彼女なりの事情を聞いている。
サンドローザは現国王夫妻の一人娘だ。まだ立太子していなかったが、次期女王がほぼ確定している。
だが本人が言う通り母親が平民出身の王妃のため立場が弱い。
そこで婚約者となったのが数代前の王女が降嫁して公爵に爵位が上がったノア家のヒューレットだ。
他にも王族の親戚の血が入っているためサンドローザより王家の血の比率が高かった。
「血筋を煮詰めちゃいけないって何度説明しても頭の固いジジイどもは理解しようともしない!」
「まあねえ。前世の記憶がある私たちからしたら、近親婚のやりすぎは自滅ってわかってるからほどほどに外部の血を取り入れろってわかってるけど、この世界じゃあね」
前世のミナコの時代では遺伝子解析もほぼ終了していて、特権階級などのエリートはそういう血筋だからというより、エリートを作るに相応しい〝環境〟ありきだったと科学的なエビデンスがあった。
ゲームでいうなら、血筋が重要だという世界観の設定や人々の価値観次第だ。
「……あたし、何で母さんの光の魔力を受け継がなかったんだろう。それさえ持ってたらこんなことする必要だってなかったのに」
気丈に振る舞っていてもサンドローザは落ち込んでいる。
昨晩、牢から出したサンドローザから聞かされたのは王家の策略についてだった。
乙女☆プリズム夢の王国の本編の正ヒロインだったロゼットはアーサー王太子と結ばれ王妃となって、一人娘のサンドローザ王女を産んだ。
しかし王女にはロゼットが王妃として認められる一番のメリットだった〝光の魔力〟が継承されなかった。
こうなると、サンドローザは王女であっても半分平民の血の混ざった王家のお荷物だ。
「ヒューレット君と結婚した後、彼により王家の血の濃い女性をあてがって産まれた子供を跡継ぎにする、か。そこまでして平民の血を排斥したいものかしら」
このままヒューレットと結婚したら自分はお飾りの女王になる。
「他の女との子供が生まれた後、私は殺されるかもしれない。そう考えたらもう居ても立ってもいられなくって」
「それ、いつ頃知ったの?」
「学園を卒業する前。国王の執務室で宰相や大臣たちが話しているのを聞いてしまったの」
「……あなたたちがまだ婚約に留まってた理由はそれかあ」
エスティアと同い年の王女は今年二十三歳。まだ未婚なのは年齢的に遅かった。
27
あなたにおすすめの小説
国一番の美少女だけど、婚約者は“嫌われ者のブサイク王子”でした
玖坂
ファンタジー
気がつけば、乙女ゲームの“悪役令嬢”ポジションに転生してました。
しかも婚約者は、誰もがドン引きする“ブサイクで嫌われ者の王子様”
だけど――あれ?
この王子、見た目はともかく中身は、想像以上に優しすぎる……!?
国一番の美少女に転生した令嬢と、誰にも愛されなかった王子が、少しずつ成長していく物語。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
悪役令息の婚約者になりまして
どくりんご
恋愛
婚約者に出逢って一秒。
前世の記憶を思い出した。それと同時にこの世界が小説の中だということに気づいた。
その中で、目の前のこの人は悪役、つまり悪役令息だということも同時にわかった。
彼がヒロインに恋をしてしまうことを知っていても思いは止められない。
この思い、どうすれば良いの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる