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「乙女☆プリズム夢の王国」特典ストーリーの世界
エスティアが弱っている! →慰めますか?
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セドリックとカーティスがエスティアの居場所を尋ねようと伯爵家の使用人を探していたところ。
当のエスティアが父テレンスに追放を言い渡したと噂話しているのを聞いて慌てた。
「これ取り返しのつかないことにならないか?」
「だがエスティアに何と言う? 所詮我々は部外者だ」
顔見知りの執事から主人は執務室だと教えられ向かうと、当主の机に座ってエスティアが項垂れていた。
胡桃の無垢材に漆を塗り重ねた重厚な執務机の上に、背の低い木箱が無造作に置かれていた。
「それ何だ?」
「魔力ポーションだそうよ。手切れ金代わりなんですって」
カーティスは思わずセドリックと顔を見合わせてしまった。
詳しい話を聞き出したカーティスとセドリックは何とも言えない顔になった。
(どこまでが本当なんだ? パラディオ伯爵領が臭いから喧嘩になってた? テレンス様の性格だと普通に言いそうな話だよな)
(……作り話なのか、本当にあったことなのか。絶妙のストーリーではあるな)
ひそひそと小声で話し合う男二人の前で、エスティアはどんよりと光のない死んだ魚のような目で肩を落としていた。
「愛のない結婚や、その両親から生まれた子供はかわいそうよね……」
自嘲するように口元だけで笑うエスティアは痛々しかった。
これはどうフォローしたものか。
セドリックが内心冷や汗をかきながら思案していると、隣のカーティスから肘で小突かれた。
(弱ってるときにすかさず慰める! イチコロだぜ!)
(………………)
赤茶の髪とグレー目の快活な男がぐっと親指を立ててきた。よし行ってこい!
(な、難易度が高い!)
そこでするっと甘い言葉がかけられる男だったら、今頃セドリックはとっくにエスティアとゴールインできていただろうに。
当のエスティアが父テレンスに追放を言い渡したと噂話しているのを聞いて慌てた。
「これ取り返しのつかないことにならないか?」
「だがエスティアに何と言う? 所詮我々は部外者だ」
顔見知りの執事から主人は執務室だと教えられ向かうと、当主の机に座ってエスティアが項垂れていた。
胡桃の無垢材に漆を塗り重ねた重厚な執務机の上に、背の低い木箱が無造作に置かれていた。
「それ何だ?」
「魔力ポーションだそうよ。手切れ金代わりなんですって」
カーティスは思わずセドリックと顔を見合わせてしまった。
詳しい話を聞き出したカーティスとセドリックは何とも言えない顔になった。
(どこまでが本当なんだ? パラディオ伯爵領が臭いから喧嘩になってた? テレンス様の性格だと普通に言いそうな話だよな)
(……作り話なのか、本当にあったことなのか。絶妙のストーリーではあるな)
ひそひそと小声で話し合う男二人の前で、エスティアはどんよりと光のない死んだ魚のような目で肩を落としていた。
「愛のない結婚や、その両親から生まれた子供はかわいそうよね……」
自嘲するように口元だけで笑うエスティアは痛々しかった。
これはどうフォローしたものか。
セドリックが内心冷や汗をかきながら思案していると、隣のカーティスから肘で小突かれた。
(弱ってるときにすかさず慰める! イチコロだぜ!)
(………………)
赤茶の髪とグレー目の快活な男がぐっと親指を立ててきた。よし行ってこい!
(な、難易度が高い!)
そこでするっと甘い言葉がかけられる男だったら、今頃セドリックはとっくにエスティアとゴールインできていただろうに。
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