50 / 106
第一章「最強ランカーのリアル彼氏はスパダリ覚醒する」二条泰然編
遠慮の理由3
しおりを挟む
ぬるり、と指が後孔に触れた瞬間、泰然はまたひとつ、声を飲み込んだ。
怜司の指が、自分の奥に集中している。
一本目をゆっくりと差し入れ、微細な動きで内側の様子を確認しながら……その進入のすべてに、やたらと神経を使っている。
「……っ、ん……」
「痛くない?」
「……ない……けど……」
「ほんとに?」
「……ほんと……だから、もう……」
言葉の最後はほとんど溜め息に溶けた。
しかし。
「まだ早いね」
「……ッ!!」
ふざけんなこのドS!!!
泰然は心の中で全力で叫んだ。
でも、言えない。
だって、顔を上げた怜司の目が本気すぎて。
誰よりも真剣で、優しくて、自分のことしか考えてないってわかってしまうから。
「……君の身体が、僕を迎える準備を〝完全に〟整えてくれるまで、入れたくないんだ」
「……完全て、どのレベルだよ……っ」
うめくように言うと、怜司はにこりと笑った。
「自分で〝欲しい〟って言うまで」
「いってる!! もう十分言ってるだろうが!!!」
心の中では連呼してるけど、口には出せない。
それに、実際のところ……
(……怜司の指、ほんと、気持ちいいし……)
くやしいけど、気持ちよくなってしまっている。
今はすでに三本目。
奥のほうを優しく撫でるように、外壁をくるりと回るように、その動きはもはや〝慣らし〟というより、〝愛撫〟の域だった。
「っ、ふ、んぁ……っ」
指先がぐっ、と深いところを押し上げるたびに、泰然の腰が勝手に跳ねる。
怜司はそれすら逃さず見つめていて——
「ほら。奥、ピクってなった。ここ、好きだよね?」
「……っ、お前、絶対わざとやってるだろ……っ」
「うん。だって、気持ちよくなってくれるのが嬉しいから」
「その言い方がまたムカつく……」
叫びそうになるのを堪えて、枕に顔を埋める。
指が抜けたと思ったら、次は舌先でぬるりと舐められて、今度こそ絶叫するかと思った。
「ひっ!? ちょっ、れ、怜司、舐めっ……そこ……っ」
「だって、ここ大事なとこだから。もっとやわらかくなってほしい」
怜司は、ほんのり熱を帯びた舌を差し入れながら、
唾液を送り込んでまで〝準備〟に余念がない。
「お願いだから、入れてって……言ってんのに……っ」
「ダメ。今の君、まだちょっとだけ緊張してる」
「それお前のせいだからな!」
叫びたい。でも可愛いと言われそうで言えない。
理不尽の塊みたいな優しさに、泰然の理性はもう崩れそうだった。
それが最近、泰然の様子が不自然だった理由。
〝優しすぎる〟という暴力で、可愛がられすぎて自我がぐらぐらしていたのだ。
(マジで、こいつ……一回、自分がされたほうがいい……っ)
そんなことを思いながら、泰然は怜司の指と舌の愛撫にまた一つ、啼かされるのだった。
くちゅ、ぐちゅ、と。
指と舌で愛される音が、部屋の中にいやらしく響く。
けれどそれは決して下品ではなかった。
怜司の動きは、あくまで優しく、丁寧で、愛を持っている。
それが、泰然にはむしろ……たまらなく、もどかしかった。
そして——酔いが回った今夜に限っては、それが〝言葉〟になってしまった。
「……も、おまえそれやだ! もっとして!」
怜司の指が止まる。
視線が、泰然の顔に向けられた。
その瞳は、驚きよりも、むしろ……静かに、深く沈んでいた。
「……もっとって、どんな?」
怜司の声は、やけに落ち着いていた。
けれどその奥に、何かが微かに軋む音がした気がした。
「……もっと強くていい……もうちょっと、激しいのが、いい……」
その一言が、部屋の温度を変えた。
言ってはいけなかった。
泰然自身も、すぐにそう思った。
けれどもう遅かった。
怜司の顔がゆっくりと泰然に近づき、囁くように言った。
「……もっと気持ちよく、していいんだ?」
まるで、ずっとその言葉を待っていたかのように。
いつもの優しさに紛れていた〝本当の欲望〟が、目の奥でかすかに光った。
「うん……怜司、……はやくきて」
甘く、熱く、蕩けた声。
その瞬間、怜司の理性が……優しく崩れ落ちた。
唇が触れた。
舌が入り込み、喉の奥まで溶かされるほどの深いキス。
指が抜けると、その代わりに、怜司の熱が、すぐにそこへ押し当てられる。
「……君がそう言ったんだよ?」
低く、息に混ざった声が、耳の奥をくすぐる。
「もう、止めないからね……泰然」
そして——ゆっくりと、でも確かに。
先ほどまで〝丁寧に準備していた〟その場所に、怜司が入り込んでくる。
「んっ……っく、ぁ……!」
深い。
重たい。
熱が押し寄せてきて、泰然の内側をいっぱいにしていく。
そして、怜司の動きは……もう、〝我慢〟ではなかった。
ぐぷっ、と湿った音を立てながら、怜司が深くまで入り込んでくる。
ゆっくりではなかった。
優しくもなかった。
けれど、痛みはなかった。
それはすべて、怜司がこれまで過剰なくらい〝丁寧に慣らした〟結果だ。
「んっ……っ、あああっ……っ!」
押し込まれるたび、内側の感覚が擦られ、圧迫され、溶かされていく。
怜司の腰が一度深く沈んだかと思うと、
次の瞬間には、容赦のない勢いで打ちつけられていた。
「やっ……あっ、そんな、はげし……っ!」
「〝激しいのがいい〟って言ったのは君だよ、泰然」
低く、熱く、呟くように囁かれる声が、耳の奥を痺れさせる。
それと同時に、奥の奥——
いつもは優しく触れられるだけだった場所を、怜司が何度も正確に突いてくる。
「っく……っあ、あああっ、まって……ムリ、そんなにっ……!」
「でも、君の中……すごく気持ちよく締まってるよ。もっと欲しいって、言ってるみたい」
「そんなのっ……しらないっ……っ、バカ……!」
身体が跳ねる。
汗が肌を這い、濡れた音が室内にいやらしく響く。
怜司の動きは止まらない。
執着に似た愛情が、そのすべてに乗っている。
ただ貫くのではない。
愛する相手のすべてを味わい、飲み込み、溶かすように犯していく。
強く、弱いところばかり攻められて、急激に泰然は高められていき、達したが。
――怜司の動きが、止まらない。
「も……っ、ムリ、ムリだって……っ、もう、イッて、るのに……っ」
「でも、まだ締めてくる。まだ、僕を欲しがってる」
「ちがっ……それは、おまえがっ、気持ちよすぎ、てっ……!」
泰然の目の端から涙が滲む。
理性と羞恥と快楽がぐちゃぐちゃに混ざり合って、
もうどこに身体の境界があるのかもわからない。
それでも、怜司は優しい声で囁く。
「……君を壊したいわけじゃない。でも、君の奥に、僕の全部を残したい」
「っ……あ、あっ、うっ……もう、ムリ……でも……っ」
それでも、気持ちいい——
泰然の口から漏れたその言葉は、
まるで愛の証明だった。
「怜司っ……すき……っ、あああっ……!」
「……僕も、愛してる。君が全部、僕のものだって、何度でも証明するよ」
最後の一突きが、奥の最深部に届いた瞬間——
泰然の身体が大きく跳ね、硬く、強く、全身を震わせて果てた。
その震えを追うように、怜司もまた、深く、深く想いを吐き出す。
二人の熱が、絡み合いながら静かに収まっていく。
「……っふ、はぁ……っ、はあ……っ」
終わったばかりのベッドの上で、泰然は完全に力を使い果たしていた。
怜司の腕の中で、息を吸うのもやっと。
けれど、ひとつだけ——どうしても言いたいことがあった。
「……ぉまえ、……ばか……っ」
ふにゃ、とした声。
怒っているのか、甘えているのか、自分でもよくわからない。
でもとにかく、伝えたかった。
「……ばか、ばか、ドエス……っ」
「うん、ごめんね。可愛い泰然があんまり甘えてくるから、止まらなくなっちゃった」
謝罪の言葉なのに、怜司の声は甘ったるくて、ほとんど反省の色はない。
「反省して、ないだろ……?」
「うん、してない」
「はあ!? 堂々と!?」
「だって……泰然、最後のほう、ほんとに可愛すぎたから……」
怜司が、髪を撫でる。
その手があまりにも優しくて、泰然は思わず目を閉じてしまう。
「……可愛い顔で泣いて、震えて、僕のこと呼んで……。あれはもう、僕の一生分の幸せが詰まってた」
「……っ、そういうとこだよ……言うな……っ」
抗議の声もふにゃふにゃだった。
もう怒る元気なんてない。
むしろ、頭のどこかではわかっていた。
(こいつ……俺のことが好きすぎるだろ)
そんなの、今さらだった。
ふわりとキスされる。おでこ、瞼、頬、唇。
大切に扱われるのがわかってしまうキスばかりだった。
「動けるようになるまで、ちゃんと僕が抱いてるから。安心して、甘えて」
「ん……むり……おまえ中、まだ……いる……っ」
「うん。出たくない。今夜はこのまま、君の中で眠りたいな」
「へんたいか……っ」
「うん。泰然限定のね」
怜司の微笑みに、泰然はもう何も言えなくなった。
体の奥には、まだ怜司の熱が残っている。
けれど、それすらも安心の証のようで——
「……しょーがねぇな……おまえは……」
小さく呟いたその言葉を聞いて、怜司はまたひとつ、嬉しそうに笑った。
「うん。しょうがないよね。だって、泰然が可愛すぎるから悪い」
そんな溺愛の囁きに包まれて、
泰然は、じんわりとぬくもりの中に溶けていくように、眠りに落ちていった。
怜司の指が、自分の奥に集中している。
一本目をゆっくりと差し入れ、微細な動きで内側の様子を確認しながら……その進入のすべてに、やたらと神経を使っている。
「……っ、ん……」
「痛くない?」
「……ない……けど……」
「ほんとに?」
「……ほんと……だから、もう……」
言葉の最後はほとんど溜め息に溶けた。
しかし。
「まだ早いね」
「……ッ!!」
ふざけんなこのドS!!!
泰然は心の中で全力で叫んだ。
でも、言えない。
だって、顔を上げた怜司の目が本気すぎて。
誰よりも真剣で、優しくて、自分のことしか考えてないってわかってしまうから。
「……君の身体が、僕を迎える準備を〝完全に〟整えてくれるまで、入れたくないんだ」
「……完全て、どのレベルだよ……っ」
うめくように言うと、怜司はにこりと笑った。
「自分で〝欲しい〟って言うまで」
「いってる!! もう十分言ってるだろうが!!!」
心の中では連呼してるけど、口には出せない。
それに、実際のところ……
(……怜司の指、ほんと、気持ちいいし……)
くやしいけど、気持ちよくなってしまっている。
今はすでに三本目。
奥のほうを優しく撫でるように、外壁をくるりと回るように、その動きはもはや〝慣らし〟というより、〝愛撫〟の域だった。
「っ、ふ、んぁ……っ」
指先がぐっ、と深いところを押し上げるたびに、泰然の腰が勝手に跳ねる。
怜司はそれすら逃さず見つめていて——
「ほら。奥、ピクってなった。ここ、好きだよね?」
「……っ、お前、絶対わざとやってるだろ……っ」
「うん。だって、気持ちよくなってくれるのが嬉しいから」
「その言い方がまたムカつく……」
叫びそうになるのを堪えて、枕に顔を埋める。
指が抜けたと思ったら、次は舌先でぬるりと舐められて、今度こそ絶叫するかと思った。
「ひっ!? ちょっ、れ、怜司、舐めっ……そこ……っ」
「だって、ここ大事なとこだから。もっとやわらかくなってほしい」
怜司は、ほんのり熱を帯びた舌を差し入れながら、
唾液を送り込んでまで〝準備〟に余念がない。
「お願いだから、入れてって……言ってんのに……っ」
「ダメ。今の君、まだちょっとだけ緊張してる」
「それお前のせいだからな!」
叫びたい。でも可愛いと言われそうで言えない。
理不尽の塊みたいな優しさに、泰然の理性はもう崩れそうだった。
それが最近、泰然の様子が不自然だった理由。
〝優しすぎる〟という暴力で、可愛がられすぎて自我がぐらぐらしていたのだ。
(マジで、こいつ……一回、自分がされたほうがいい……っ)
そんなことを思いながら、泰然は怜司の指と舌の愛撫にまた一つ、啼かされるのだった。
くちゅ、ぐちゅ、と。
指と舌で愛される音が、部屋の中にいやらしく響く。
けれどそれは決して下品ではなかった。
怜司の動きは、あくまで優しく、丁寧で、愛を持っている。
それが、泰然にはむしろ……たまらなく、もどかしかった。
そして——酔いが回った今夜に限っては、それが〝言葉〟になってしまった。
「……も、おまえそれやだ! もっとして!」
怜司の指が止まる。
視線が、泰然の顔に向けられた。
その瞳は、驚きよりも、むしろ……静かに、深く沈んでいた。
「……もっとって、どんな?」
怜司の声は、やけに落ち着いていた。
けれどその奥に、何かが微かに軋む音がした気がした。
「……もっと強くていい……もうちょっと、激しいのが、いい……」
その一言が、部屋の温度を変えた。
言ってはいけなかった。
泰然自身も、すぐにそう思った。
けれどもう遅かった。
怜司の顔がゆっくりと泰然に近づき、囁くように言った。
「……もっと気持ちよく、していいんだ?」
まるで、ずっとその言葉を待っていたかのように。
いつもの優しさに紛れていた〝本当の欲望〟が、目の奥でかすかに光った。
「うん……怜司、……はやくきて」
甘く、熱く、蕩けた声。
その瞬間、怜司の理性が……優しく崩れ落ちた。
唇が触れた。
舌が入り込み、喉の奥まで溶かされるほどの深いキス。
指が抜けると、その代わりに、怜司の熱が、すぐにそこへ押し当てられる。
「……君がそう言ったんだよ?」
低く、息に混ざった声が、耳の奥をくすぐる。
「もう、止めないからね……泰然」
そして——ゆっくりと、でも確かに。
先ほどまで〝丁寧に準備していた〟その場所に、怜司が入り込んでくる。
「んっ……っく、ぁ……!」
深い。
重たい。
熱が押し寄せてきて、泰然の内側をいっぱいにしていく。
そして、怜司の動きは……もう、〝我慢〟ではなかった。
ぐぷっ、と湿った音を立てながら、怜司が深くまで入り込んでくる。
ゆっくりではなかった。
優しくもなかった。
けれど、痛みはなかった。
それはすべて、怜司がこれまで過剰なくらい〝丁寧に慣らした〟結果だ。
「んっ……っ、あああっ……っ!」
押し込まれるたび、内側の感覚が擦られ、圧迫され、溶かされていく。
怜司の腰が一度深く沈んだかと思うと、
次の瞬間には、容赦のない勢いで打ちつけられていた。
「やっ……あっ、そんな、はげし……っ!」
「〝激しいのがいい〟って言ったのは君だよ、泰然」
低く、熱く、呟くように囁かれる声が、耳の奥を痺れさせる。
それと同時に、奥の奥——
いつもは優しく触れられるだけだった場所を、怜司が何度も正確に突いてくる。
「っく……っあ、あああっ、まって……ムリ、そんなにっ……!」
「でも、君の中……すごく気持ちよく締まってるよ。もっと欲しいって、言ってるみたい」
「そんなのっ……しらないっ……っ、バカ……!」
身体が跳ねる。
汗が肌を這い、濡れた音が室内にいやらしく響く。
怜司の動きは止まらない。
執着に似た愛情が、そのすべてに乗っている。
ただ貫くのではない。
愛する相手のすべてを味わい、飲み込み、溶かすように犯していく。
強く、弱いところばかり攻められて、急激に泰然は高められていき、達したが。
――怜司の動きが、止まらない。
「も……っ、ムリ、ムリだって……っ、もう、イッて、るのに……っ」
「でも、まだ締めてくる。まだ、僕を欲しがってる」
「ちがっ……それは、おまえがっ、気持ちよすぎ、てっ……!」
泰然の目の端から涙が滲む。
理性と羞恥と快楽がぐちゃぐちゃに混ざり合って、
もうどこに身体の境界があるのかもわからない。
それでも、怜司は優しい声で囁く。
「……君を壊したいわけじゃない。でも、君の奥に、僕の全部を残したい」
「っ……あ、あっ、うっ……もう、ムリ……でも……っ」
それでも、気持ちいい——
泰然の口から漏れたその言葉は、
まるで愛の証明だった。
「怜司っ……すき……っ、あああっ……!」
「……僕も、愛してる。君が全部、僕のものだって、何度でも証明するよ」
最後の一突きが、奥の最深部に届いた瞬間——
泰然の身体が大きく跳ね、硬く、強く、全身を震わせて果てた。
その震えを追うように、怜司もまた、深く、深く想いを吐き出す。
二人の熱が、絡み合いながら静かに収まっていく。
「……っふ、はぁ……っ、はあ……っ」
終わったばかりのベッドの上で、泰然は完全に力を使い果たしていた。
怜司の腕の中で、息を吸うのもやっと。
けれど、ひとつだけ——どうしても言いたいことがあった。
「……ぉまえ、……ばか……っ」
ふにゃ、とした声。
怒っているのか、甘えているのか、自分でもよくわからない。
でもとにかく、伝えたかった。
「……ばか、ばか、ドエス……っ」
「うん、ごめんね。可愛い泰然があんまり甘えてくるから、止まらなくなっちゃった」
謝罪の言葉なのに、怜司の声は甘ったるくて、ほとんど反省の色はない。
「反省して、ないだろ……?」
「うん、してない」
「はあ!? 堂々と!?」
「だって……泰然、最後のほう、ほんとに可愛すぎたから……」
怜司が、髪を撫でる。
その手があまりにも優しくて、泰然は思わず目を閉じてしまう。
「……可愛い顔で泣いて、震えて、僕のこと呼んで……。あれはもう、僕の一生分の幸せが詰まってた」
「……っ、そういうとこだよ……言うな……っ」
抗議の声もふにゃふにゃだった。
もう怒る元気なんてない。
むしろ、頭のどこかではわかっていた。
(こいつ……俺のことが好きすぎるだろ)
そんなの、今さらだった。
ふわりとキスされる。おでこ、瞼、頬、唇。
大切に扱われるのがわかってしまうキスばかりだった。
「動けるようになるまで、ちゃんと僕が抱いてるから。安心して、甘えて」
「ん……むり……おまえ中、まだ……いる……っ」
「うん。出たくない。今夜はこのまま、君の中で眠りたいな」
「へんたいか……っ」
「うん。泰然限定のね」
怜司の微笑みに、泰然はもう何も言えなくなった。
体の奥には、まだ怜司の熱が残っている。
けれど、それすらも安心の証のようで——
「……しょーがねぇな……おまえは……」
小さく呟いたその言葉を聞いて、怜司はまたひとつ、嬉しそうに笑った。
「うん。しょうがないよね。だって、泰然が可愛すぎるから悪い」
そんな溺愛の囁きに包まれて、
泰然は、じんわりとぬくもりの中に溶けていくように、眠りに落ちていった。
19
あなたにおすすめの小説
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
ヒートより厄介な恋をα後輩に教え込まれる
雪兎
BL
大学三年のΩ・篠宮湊は、何事も理屈で考えるタイプ。
ヒート管理も完璧で、恋愛とは距離を置いてきた。
「フェロモンに振り回されるのは非合理的」
そう思っていたのに――。
新学期、同じゼミに入ってきた後輩は、やたら距離の近いα・高瀬蒼。
人懐っこくて優秀、なのに湊にだけ妙に構ってくる。
「先輩って、恋したことないでしょ」
「……必要ないからな」
「じゃあ俺が教えますよ。ヒートより面倒なやつ」
余裕のあるα後輩と、恋に不慣れなΩ先輩。
からかわれているはずなのに、気づけば湊の心は少しずつ乱されていく。
これは、理屈ではどうにもならない
“ヒートより厄介な恋”を教え込まれる物語。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
泣き虫だったはずの幼なじみが再会したら僕を守るために完璧超人になっていた話。
ネギマ
BL
気弱で泣き虫な高校生、日比野千明は、昔からいじめられっ子体質だった。
高校生になればマシになるかと期待したが状況は変わらず、クラスメイトから雑用を押し付けられる毎日を送っていた。
そんなある日、いつものように雑用を押し付けられそうになっている千明を助けたのは、学校中が恐れる“完璧超人”の男子生徒、山吹史郎だった。
文武両道、眉目秀麗、近寄りがたい雰囲気を纏う一匹狼の生徒だったが、実は二人は、幼い頃に離れ離れになった幼なじみだった――。
計画的ルームシェアの罠
高木凛
BL
両親の転居をきっかけに、幼馴染の一ノ瀬涼の家に居候することになった湊。
「学生のうちは勉強に専念しろ」なんて正論を吐く涼に反発しながらも、湊は心に決めていた。
しかし湊は知らない。一ノ瀬涼の罠に。
【初回3話は毎日更新! 以降は火・木19時更新予定】
塩対応の同室αが実は俺の番を狙っていた
雪兎
BL
あらすじ
全寮制の名門学園に入学したΩの俺は、入寮初日から最悪の同室相手に当たった。
相手は学年でも有名な優等生α。
成績優秀、運動もできる、顔もいい。なのに——
めちゃくちゃ塩対応。
挨拶しても「……ああ」。
話しかけても「別に」。
距離も近づけないし、なぜか妙に警戒されている気がする。
(俺、そんなに嫌われてる……?)
同室なのに会話は最低限。
むしろ避けられている気さえある。
けれどある日、発情期トラブルで倒れた俺を助けてくれたのは、
その塩対応αだった。
しかも普段とは違い、必死な顔で言われる。
「……他のαに近づくな」
「お前は俺の……」
そこで言葉を飲み込む彼。
それ以来、少しずつ態度が変わり始める。
距離は相変わらず近くない。
口数も少ない。
だけど――
他のαが近づくと、さりげなく間に入る。
発情期が近いと察すると、さりげなく世話を焼く。
そして時々、独占欲を隠しきれない視線。
実は彼はずっと前から知っていた。
俺が、
自分の運命の番かもしれないΩだということを。
だからこそ距離を取っていた。
触れたら、もう止まれなくなるから。
だけど同室生活の中で、
少しずつ、確実に距離は変わっていく。
塩対応の裏に隠されていたのは――
重すぎるほどの独占欲だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる