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0章〜覚醒〜
目覚め
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凄まじい後頭部からの鈍痛と共に、記憶の線が、プチっと切れるような気がした。
過去に感じた様々な出来事から、切れる瞬間すらも忘れて。考えることも出来ず、何から何まで消え去る。
ただ真っ暗な無の空間を、俺はさまよい続けていたのだろう。
しかし、それは嫌なことではなかった。
でも、嬉しい事でもない。
今になって思う。
それが、’’俺達の望む世界’’だったんだ。
やがて記憶の果ては原初へと引き返し、
|泥黎(ないり)の目覚めが訪れる……。
『……ちゃん……お兄ちゃん……。
お兄ちゃん!!』
俺は、この声の主が誰なのか知らない。
そして、’’会った’’ことも無い。
多分それは、自分自身が何者なのかを知っているから。
自分の正体が分からなければ、きっと会ったことがあると、勝手に想像する。
だから俺は正直に答えた。
『誰だ?……お前……』
当然だが、彼女は哀しそうな顔をする。
そう、もし知っている振りをしても、絶対に後でバレてしまうから。
だってそいつは知らない人間だから。
知らないという事実は変わらない。知らない人間なんて知らない。
だけど、話した方が彼女のためにもなるだろうという、俺の勝手な思いやり……。いや、自身の欲だったのかも知れない。
ただ言えることは、相手が誰であろうと同じ行動を取っていただろう。
『そ、……そっか、……忘れちゃったか……』
そんな事を言いつつも、彼女は笑顔を取り戻して、俺を見てくれた。
これが、俺の初恋の話。
僅かな入れ違いが産んだ別れの儚さと、
叶うはずのない望みを掛けた恋物語がそこにはあった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『この星の生命は、生き永らえど、歴史を刻む事が叶わない』
大昔にそう予言した人が居た。
だけど、その予言に従って準備を整えられる程、人は出来た存在じゃない。
信じなかった人類を憎めばいいのか、その予言者を憎めばいいのか…。
答えはどちらも憎まない…だ。
その人が男だとか女だとか、何という名前だったか、人はどうあるべきだったか、とかそんな事はどうだっていい。
そう、今、全ての事がどうでも良かった。
自分が男でも女でも、どんな名前でも構わない。
だけど、’’その予言’’だけはどうでも良くは無かった。
どうせ偉人になるための戯言だろうと、誰もがそう思っていた。
この日が来るまでは…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
西暦2999年
「う、嘘だ……あんなに巨大な隕石だなんて聞いてないぞ…」
上空を見上げれば人々は、急速に接近する予測事象(物体)を目撃する事になる。
それは、我々の予想をはるかに超えるスケール。人類を滅亡させるには、十分過ぎたのだ。
「デカすぎる……流石にあの大きさじゃ………」
「やばいって、マジで逃げた方がいい! 」
「……でも逃げるって何処に…………!!」
「移星船……!移星船に早く乗らなきゃ!」
「’’|YEARS(禁断の果実)’’だ……あれしか……あれしか無いんだよ!俺達には!!」
「死ぬの……私……」
街中に鳴り響く大きな警報音は絶え間なく鳴り響き、人々を狂わせ。
目を痛めそうなほど強く発光する、大質量物体が、街の住民達をとめどなく絶望させる。
大勢の街の人々は恐れるままに都市中を混乱させ続ける。
やがて死を恐れる者は’’偽りの逃げ道’’へと駆け。
死を覚悟し、残り僅かな余生と向き合って過ごす者も居た。
「押さないでください!これ以上は入れません!」
「子供がいるのぉ!!子供だけでも乗せてあげて!!」
まさに、『地獄絵図とはこの事だ』
そう痛切に思いつつ走って来たのは私たち。 傍から見れば、全身傷だらけの男女二人。
「はぁ…はぁ……はぁ.......。お前ら……っ!移星船に乗り込めてない人がまだこんなにいるんだぞ!」
その男は、ろくに市民を誘導出来ず呆然と立っている政府の市民保護兵に大声で怒鳴った。
「...っ!!船がもう残っていないんですよ!.......何ですか貴方たちは...!?」
「残ってるだろっ!!ほらあそことかに!」
指を指した方向には、~立ち入り禁止~と記されているものの、この星から脱出できる、’’移星船’’が多く並べられていた。
「それは……我々が…、避難する為のものですから……!」
「お前……本気で言ってんのか?お前はそんなんで良いのかそんなんで!!」
「…………」
「なんの為の保護兵なんだ!? えぇ!?ひとりでも多くの人のために、身を呈しようと思わないのか!!」
自分の事なんてどうでもいい。
少しでも、罪の無い人間が助かるように、生き延びられるように。
彼は全ての責任を背負ってここまで来たのだ。
「そう言われましても!!…上のものの命令でありましてですね!」
「……っ!!」
男が保護兵を睨む。
「じゃぁなんだ……、お前は俺達や他の市民に、大人しくお引き取り下さいとでも言うのか? この期に及んでまで……それが何を意味するかわかってんだろうな……!?」
男の喧嘩腰な態度に怯む保護兵も、少し考えるかの様な間を作った。
言い返す言葉も無ければ、政府が悪いと言っている余裕も無い。
「……ねぇ、八つ当たりはダメだよ……」
少女は、胸ぐらを掴もうとする男を口頭で抑え、保護兵の腕を引く。
顔を見せたくないのか、俯いていてその表情はわからない。
「………もういい!!……俺だけでもあの移星船を民間人に開放させる」
そう言って男は颯爽とその場を離れようとする。
硬く握った手は、痙攣するように震えていて、何処か弱々しい。
「やめて!………もう無理だよ……っ
生きられないよ……」
その少女の声を聞いた保護兵が、現実に絶望し、徐々に泣き崩れて地面に這い蹲う。
少女の言葉も半端に聞き流そうとする。当然男にも余裕は無い。
だが、見ずとも彼女が悲しい顔、悲しい気持ちになっている事はわかった。
だから、あえて男は自分であろうとした。
「そんな事ない……そうだよ、せめて満員に乗り込んだ船だけでも飛ばそう…!」
しかし、人の群がる港からは依然として移星船が飛び立つ様子はなかった。
「……更に乗り込もうとしてる人がいるから危険なんじゃないかな……」
「そんな場合かよ、どいつもこいつも! ……なんでこんなことに……」
弱り目に祟り目で精神もボロボロに崩壊。立ち上がっても何も出来ないことに落胆し、男は髪を毟り始めた。
「……どちらにしても、…もう手遅れ。例え早く移星船が出れたとしても、隕石が衝突したんじゃ、衝撃の影響で墜落するだろうし…ね」
彼女は男と似ている。
自分では無い誰かの為ならば、己の死など|顧(かえり)みない。
「これも最後の悪あがきなんだけどね…」
虚ろげな少女の決意と断念の言明。
その言葉に、抵抗を感じざるを得なかった。’’そうなるべき’’だと分かっていても。
「まだだ……待ってくれ…まだ分からない。希望はあるはずなんだ!!」
逃げ道なんて、最初から無いと分かっていたじゃないか。諦めるんだ俺…残りの数分間生きていられるじゃないか。幸せじゃないか!
「……?」
少女は立ち上がって、こう言う。
「希望も何も無いよね、探したってあるはずもない……。最初から私たち次第の運命だったの、そして勝負は決まっていた」
「……」
最後までそばにいて欲しかった、だけど、彼女を止めることは出来ない。
彼女の意志を尊重したかった。例え可能性がゼロだとしても、それは間違いではない。
「やっぱり、私達がやるしかないんだよ…」
「………分かった。信じる…。俺はここでお前を見送ってから……。眠る…っ」
閃々なる光を反射するのは、頬を伝う水の’’線’’。
男の目からは、ありったけの涙が零れでて止まらなかった。
流石に抑えきれなかった。
’’初めて’’泣いた。
これが涙か……
男が、骨折した右足を地べたに寝かせて、少女にこう言った。
「早く行け…。行けよ!!お前なんて大嫌いだ!!」
他では例えられないこの絶望は
何度感じても慣れることはない……
永遠にこの絶望は続く。
一秒でも安らぎの時間があれば、どれ程幸せか……
男はずっと下を向いていた。
彼女を見送りもせず、姿が見えなくなるまで…。
「ねぇ、また会えるよね?……お兄ちゃん」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
過去に感じた様々な出来事から、切れる瞬間すらも忘れて。考えることも出来ず、何から何まで消え去る。
ただ真っ暗な無の空間を、俺はさまよい続けていたのだろう。
しかし、それは嫌なことではなかった。
でも、嬉しい事でもない。
今になって思う。
それが、’’俺達の望む世界’’だったんだ。
やがて記憶の果ては原初へと引き返し、
|泥黎(ないり)の目覚めが訪れる……。
『……ちゃん……お兄ちゃん……。
お兄ちゃん!!』
俺は、この声の主が誰なのか知らない。
そして、’’会った’’ことも無い。
多分それは、自分自身が何者なのかを知っているから。
自分の正体が分からなければ、きっと会ったことがあると、勝手に想像する。
だから俺は正直に答えた。
『誰だ?……お前……』
当然だが、彼女は哀しそうな顔をする。
そう、もし知っている振りをしても、絶対に後でバレてしまうから。
だってそいつは知らない人間だから。
知らないという事実は変わらない。知らない人間なんて知らない。
だけど、話した方が彼女のためにもなるだろうという、俺の勝手な思いやり……。いや、自身の欲だったのかも知れない。
ただ言えることは、相手が誰であろうと同じ行動を取っていただろう。
『そ、……そっか、……忘れちゃったか……』
そんな事を言いつつも、彼女は笑顔を取り戻して、俺を見てくれた。
これが、俺の初恋の話。
僅かな入れ違いが産んだ別れの儚さと、
叶うはずのない望みを掛けた恋物語がそこにはあった。
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『この星の生命は、生き永らえど、歴史を刻む事が叶わない』
大昔にそう予言した人が居た。
だけど、その予言に従って準備を整えられる程、人は出来た存在じゃない。
信じなかった人類を憎めばいいのか、その予言者を憎めばいいのか…。
答えはどちらも憎まない…だ。
その人が男だとか女だとか、何という名前だったか、人はどうあるべきだったか、とかそんな事はどうだっていい。
そう、今、全ての事がどうでも良かった。
自分が男でも女でも、どんな名前でも構わない。
だけど、’’その予言’’だけはどうでも良くは無かった。
どうせ偉人になるための戯言だろうと、誰もがそう思っていた。
この日が来るまでは…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
西暦2999年
「う、嘘だ……あんなに巨大な隕石だなんて聞いてないぞ…」
上空を見上げれば人々は、急速に接近する予測事象(物体)を目撃する事になる。
それは、我々の予想をはるかに超えるスケール。人類を滅亡させるには、十分過ぎたのだ。
「デカすぎる……流石にあの大きさじゃ………」
「やばいって、マジで逃げた方がいい! 」
「……でも逃げるって何処に…………!!」
「移星船……!移星船に早く乗らなきゃ!」
「’’|YEARS(禁断の果実)’’だ……あれしか……あれしか無いんだよ!俺達には!!」
「死ぬの……私……」
街中に鳴り響く大きな警報音は絶え間なく鳴り響き、人々を狂わせ。
目を痛めそうなほど強く発光する、大質量物体が、街の住民達をとめどなく絶望させる。
大勢の街の人々は恐れるままに都市中を混乱させ続ける。
やがて死を恐れる者は’’偽りの逃げ道’’へと駆け。
死を覚悟し、残り僅かな余生と向き合って過ごす者も居た。
「押さないでください!これ以上は入れません!」
「子供がいるのぉ!!子供だけでも乗せてあげて!!」
まさに、『地獄絵図とはこの事だ』
そう痛切に思いつつ走って来たのは私たち。 傍から見れば、全身傷だらけの男女二人。
「はぁ…はぁ……はぁ.......。お前ら……っ!移星船に乗り込めてない人がまだこんなにいるんだぞ!」
その男は、ろくに市民を誘導出来ず呆然と立っている政府の市民保護兵に大声で怒鳴った。
「...っ!!船がもう残っていないんですよ!.......何ですか貴方たちは...!?」
「残ってるだろっ!!ほらあそことかに!」
指を指した方向には、~立ち入り禁止~と記されているものの、この星から脱出できる、’’移星船’’が多く並べられていた。
「それは……我々が…、避難する為のものですから……!」
「お前……本気で言ってんのか?お前はそんなんで良いのかそんなんで!!」
「…………」
「なんの為の保護兵なんだ!? えぇ!?ひとりでも多くの人のために、身を呈しようと思わないのか!!」
自分の事なんてどうでもいい。
少しでも、罪の無い人間が助かるように、生き延びられるように。
彼は全ての責任を背負ってここまで来たのだ。
「そう言われましても!!…上のものの命令でありましてですね!」
「……っ!!」
男が保護兵を睨む。
「じゃぁなんだ……、お前は俺達や他の市民に、大人しくお引き取り下さいとでも言うのか? この期に及んでまで……それが何を意味するかわかってんだろうな……!?」
男の喧嘩腰な態度に怯む保護兵も、少し考えるかの様な間を作った。
言い返す言葉も無ければ、政府が悪いと言っている余裕も無い。
「……ねぇ、八つ当たりはダメだよ……」
少女は、胸ぐらを掴もうとする男を口頭で抑え、保護兵の腕を引く。
顔を見せたくないのか、俯いていてその表情はわからない。
「………もういい!!……俺だけでもあの移星船を民間人に開放させる」
そう言って男は颯爽とその場を離れようとする。
硬く握った手は、痙攣するように震えていて、何処か弱々しい。
「やめて!………もう無理だよ……っ
生きられないよ……」
その少女の声を聞いた保護兵が、現実に絶望し、徐々に泣き崩れて地面に這い蹲う。
少女の言葉も半端に聞き流そうとする。当然男にも余裕は無い。
だが、見ずとも彼女が悲しい顔、悲しい気持ちになっている事はわかった。
だから、あえて男は自分であろうとした。
「そんな事ない……そうだよ、せめて満員に乗り込んだ船だけでも飛ばそう…!」
しかし、人の群がる港からは依然として移星船が飛び立つ様子はなかった。
「……更に乗り込もうとしてる人がいるから危険なんじゃないかな……」
「そんな場合かよ、どいつもこいつも! ……なんでこんなことに……」
弱り目に祟り目で精神もボロボロに崩壊。立ち上がっても何も出来ないことに落胆し、男は髪を毟り始めた。
「……どちらにしても、…もう手遅れ。例え早く移星船が出れたとしても、隕石が衝突したんじゃ、衝撃の影響で墜落するだろうし…ね」
彼女は男と似ている。
自分では無い誰かの為ならば、己の死など|顧(かえり)みない。
「これも最後の悪あがきなんだけどね…」
虚ろげな少女の決意と断念の言明。
その言葉に、抵抗を感じざるを得なかった。’’そうなるべき’’だと分かっていても。
「まだだ……待ってくれ…まだ分からない。希望はあるはずなんだ!!」
逃げ道なんて、最初から無いと分かっていたじゃないか。諦めるんだ俺…残りの数分間生きていられるじゃないか。幸せじゃないか!
「……?」
少女は立ち上がって、こう言う。
「希望も何も無いよね、探したってあるはずもない……。最初から私たち次第の運命だったの、そして勝負は決まっていた」
「……」
最後までそばにいて欲しかった、だけど、彼女を止めることは出来ない。
彼女の意志を尊重したかった。例え可能性がゼロだとしても、それは間違いではない。
「やっぱり、私達がやるしかないんだよ…」
「………分かった。信じる…。俺はここでお前を見送ってから……。眠る…っ」
閃々なる光を反射するのは、頬を伝う水の’’線’’。
男の目からは、ありったけの涙が零れでて止まらなかった。
流石に抑えきれなかった。
’’初めて’’泣いた。
これが涙か……
男が、骨折した右足を地べたに寝かせて、少女にこう言った。
「早く行け…。行けよ!!お前なんて大嫌いだ!!」
他では例えられないこの絶望は
何度感じても慣れることはない……
永遠にこの絶望は続く。
一秒でも安らぎの時間があれば、どれ程幸せか……
男はずっと下を向いていた。
彼女を見送りもせず、姿が見えなくなるまで…。
「ねぇ、また会えるよね?……お兄ちゃん」
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