【完結】【R18】 二人の主人と三人の家族

mimimi456/都古

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小話

お菓子ゲームR15*

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カリカリ...ポリポリ、サクリ。

俺、このチョコのない方が好きだ。
持ち手のとこの、ほんのり甘い味がして。それがちょっとだけ和己のキスの味に似てる。

ひとは興奮すると唾液の成分が変わる。
和己なんかは、いつもそうだから。いつも俺がキスするだけで興奮して甘い味の唾液を出して俺に、こくりと飲ませる。

「だはぁーー…っ、りょーごぉおー!」


ほら来た。
今日はスタジオは休みだったんだ。
それなのに和己は仕事。写真家のくせにポスターやらロゴやら広告やらするから休みが無くなるんだ。

この前、動画配信アプリで写真家のひとがジオラマを作って写真撮ってるのを見た。発泡スチロールを削る所とか、絵筆で色を付ける所なんかを見て納得したくらいだ。

ーー写真家って皆、こうなのか。

あれもして、これもして。
色への拘り方も凄かった。

「ふぁに?」

拘るのも仕事するのも良いけど。
その度にこうやって俺に泣き付くのは、少しめんどくさい。

細長いスティック状のチョココティーングされたお菓子。
カレンダーの日付と、お菓子の形状がそっくりだからって。
この時期は、何時もCMしたり値下げしたりしてて。

だから食べてる。ひとりで。

「なぁんで、ひとりで食べてるのぉーっ。俺にも頂戴っ。」

「やだ。」

サクサクサクサク...カリカリカリカリ。

久しぶりに食べると美味しい。
しかも前に買った時より絶対、本数減ってる。
だからあげない。

「仕事ばっかしてる和己が悪い。」


サクサクサクサク。

だから俺はひとりで寂しく、和己のキスの味がする菓子を食べてる。


サクサク、カリカリ。サクリ。

意地張ってる、と思う。
けど和己も悪いと思う。今日、休みって言った。
だから。

早く仕事終わらせるまで俺は和己とはキスしない。

そう言うと、椅子がもぞ、と傾いた。

「俺とならキスしてくれるか、良悟。」

「ん。♡」

それに比べて陸也は、ちゃんと朝から俺の側に居てくれる。
今は椅子にもなってくれて、だから半分しか寂しくない。
残り半分が寂しいのは…やっぱり和己のせいだと思う。
俺のせいじゃない。

お菓子をまた一本食べ終えて、陸也とキスをした。

「ん、ふ。♡」

今日はまだ煙草の味のしない、チョコレートのキス。
でもやっぱり和己のキスの方が甘い気がする。

「和己、」

「なぁに。」

拗ねてる。凄い眉をしかめて陸也を睨んでる。
俺の椅子さんを睨むなっ。

「ゲームする。」

あれだ。お互いお菓子の端から食べ合って、先にパキッと折った方の負け。

和己が勝ったら、キスしてこのお菓子もあげる。
俺が勝ったらさっさと仕事を終わらせるか、今日はもう仕事するな。

じゃないと、折角三人一緒に家に居るのに。
和己だけがリビングに居ない。寂しいだろ…っ。

「良いよ。やろっ良悟。♡俺、勝つけど良いよね?」

「負けた方が良いと思う…。」

「そう言う問題じゃないんだって。好きな子には格好付けたいんだよ。」

「ふぅん。変なの。」

「ははっ!」

陸也が不意に笑ったせいで、俺の体がガタガタ揺れるっ。
楽しいっ。

「残念だな和己。格好良いと思われてないぞ?」

「うるさいよ。お前、試験は良いのかよ。」


ぁ。和己が言い返した。しかも陸也があんまり言われたくないことをズケズケ言った。悪い男だっ。

「意地悪したっ。」

「ああ、そうだ。いじめられたぞ。慰めてくれ良悟。そうだな、キスが良い。甘いのをしてくれるか?」

「ふふっ、ふ、んふっ。良いよ…っ、♡」

態とらしくガックリ肩を落として、さも酷いことをされたとアピールする。そんなに酷くは無いと思うっ。
ただ、陸也は休みの日まで勉強したくないだけだ。

勉強好きなのにな。
よっぽど嫌いなんだ、建築士の勉強するの。

「んー…♡ぅ、わ、あっ、!」

ドカドカ足音がして。
一瞬、肩が痛いなって思ったら、和己の腕の中に居て、和己の甘い唇をいつも通り、ちゅうっ。て吸い付いて、こくり。

まだ垂れてもない唾液を喉が飲み込んだ。

そういうクセが付いてるんだな。
和己とキスしたら、飲み込む。俺のは陸也が飲む。

「んー…っ、ふ。♡」

和己の匂いがして、和己の体温がわかって、和己の味がして。
胸が、きゅっ、てなった。

これが欲しかったんだっ、


「かず、み…っ。♡んっ、んぅっ。♡」

たったキスひとつで、甘えた声がでる。
強請りつけて、何度でも我慢した分のキスがして欲しくてっ、身体を擦り寄せた。

肩も、胸も、陸也の膝に乗っていた筈の尻も和己の腕の中に収まりたくて、スリスリくっ付いた。

そしたら、和己の手がいつも通りにお尻をサラッと撫でた。

「ぅ。♡」

キスの最中に、違う声が漏れる。
気持ち良くてゾク、としたからつい。でた。

「俺の、負けで良いよりょーご。」

さりさり、俺の尻を撫でる指先がさっきからほんとに撫でたいところを避けてるのが分かる。
だって何時ならもうとっくにソコに触ってるのに。

我慢してるんだ。

さっき、俺とゲームしたいって言ったから。
けど、もう忘れたのか。

「俺は<負けた方が良いと思う>ってちゃんと言った。」

だから初めから。
そう、ゲームは始まる前からもう和己の負けは決まってた。


「ぇ。嘘、おい。陸也、聞いてたか?」

「ああ。勿論だ。聞いてなかったのか和己。」

「俺…いつ負けたの、良悟?」

「いま。♡」

「えぇ...っ。まぁ、いいや、良いよ。俺の負け。ねぇ良悟。」

「ん。なに和己。」

「寂しかった?」

ぎゅ、と和己が俺を抱きしめた。
ズルい。そんな聞き方するな。

「分かってるくせに。」

「うん。分かってるよ。ごめんね良悟。」

「… …、」

別に。
和己の邪魔がしたい訳じゃない。
俺は和己の仕事が好きだ。仕事を楽しんでる和己の事も好きで、愛してる。大事にしたいと思ってる。

けど。

「今日、休みって言った。」

「そうだね。今から休みでも良い?遅くなってごめんね良悟。」

「んー…っ、わかった、」

「パソコンだけ消して来て良い。直ぐ戻るよ。20秒数えてて。数えてくれる?」

「ん、やる。」

「ゆっくり数えてね。」

「分かった。」

そして、同じやり取りを3回はした。
数えてね、直ぐ戻るからね、って3回も言い聞かせて。
それでやっと俺は安心して和己の腕から抜け出して、陸也の膝の上に座り直した。

「おかえり良悟。どこ行ってたんだ?膝の上が寒かったぞ。」

「ん、和己の仕事終わらせろって言って来た。」

「そうだな。上手く行ったな。」

「ん。上手く行った、良かった...っ、」

「20数えるんだろ。」

「ん。」

そして俺は20からカウントダウンし始めた。
途端に見た事ない早さで立ち上がって、直ぐソコの自室に和己がダッシュして行った。

俺は、17まで数えて止まった。

「陸也。」

「どうした良悟?」

「俺、意地悪し過ぎた…、」

「偶には良いさ。和己は働き過ぎだ、だろ?」

「ん。」

「俺達はお前が居ないと仕事も出来ない男だぞ。どう見てもさっきの和己には、良悟が不足してる。」

「ん。」

そうだと思う。
だって唸りながらリビングに入って来た。
だから間違ってはないと思う。

「俺達が優先すべき事は、仕事じゃない。」

「俺。俺がいちばんだいじっ、」

「ああ。えらいな。よく理解してる。」


わしゃ、と頭を撫でてくれた。
こめかみに陸也のキスが落ちて来て、頬にも、顎にも落ちた。

「んふっ、くすぐったい、」

「可愛くてついな。」

「ん。♡」


それからたっぷり陸也といちゃいちゃして、いっぱいキスして、いっぱい身体中を撫でてもらってる頃に和己が大慌てでドカドカ足音を鳴らしながら戻ってきた。

ーーさっきも見たな。


「お待たせっ!良悟っ!!」

今度はちゃんと俺の為に休む、ことにしたらしい。
1個前にリビングに来た時よりはずっとマシな顔になってる。

陸也の言う通りだ。

俺達は俺達以上に優先する事はひとつだってない。

二人は俺を寂しくさせたらダメだし。
俺は二人が無理するのを止める。

「俺が足りてないくせに、仕事なんかするな。ばか。」

そう言ってやった。
ぎゅーって、ハグをされながら。

「ぁー…あはは、かぁわいぃー。ホント、可愛い。カッコいいねぇ良悟。俺、ドキドキしちゃう。」

「チョロい。」

「チョロいな、和己。」

「うるせぇよ。俺は良悟にはチョロくて良いーのっ。お前には別な。」

「陸也にきびしい。」

「そうだよ。良悟は特別。♡俺を叱ってくれる俺の可愛い黒柴くん。♡」



結局、ゲームはしなかった。
というか、ゲームにならなかった。

お互い端からポリポリ食べて、真ん中まで来てキスしながら食べないと砕けないくらい小さくなるまで、分け合って食べたから。

ゲームって言うか。

えっちなキスしながらお菓子食べた。

「美味しい?♡」

和己がにこにこしながら聞く。

「甘かった。」

「俺ともしてくれ。」

「んっ。♡」



ーーーーー完



ポッ○ーゲームってやつですね。笑
初めて書いたわ
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