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本編'24
7月23日
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昨日の今日で休むという選択肢が個人事業主には無い。
虚しいねぇ。
でも、仕事が有るっていうのは有り難い事だし。
今日は一件面接が有る。
「チヨさん、今日良悟くん来るってほんとですか?」
「うん。」
「遂に口説き落としたんですか?」
「それが、どうも違うんだよね。」
「えー。」
「まぁ、期待せずに待ってて。」
俺がメインで雇ってるのはヨノカさんひとりだ。
コトカさん、アイカさんには偶に手伝って貰うくらいで事務処理が溜まっていく。
正直、人手が欲しい。
カメラは俺がやる、メイクはヨノカさんにしてもらうとしても。
専門なんて無くて良いから逆に何でも出来る人が欲しい。
休憩室なんて名ばかりの物置スペースから書類を引っ張り出してキーボードを叩いて切手を貼ったり銀行に行ってくれる人が欲しい。
良悟は正に適任なんだよね。
数学以外に何が出来ないのか教えて欲しい。
でも、なんで急に俺に雇われる気になったのかなぁ。
それだけが少し心配。
「失礼しまーす。」
あ。来たね。
「お疲れ良悟。」
「おはよう和己。さっきヨノカさんに会った。相変わらず綺麗なひと。」
残念。
おはよう、って言われちゃった。
まだお仕事モードなんだね。
「緊張してる?」
「若干、」
「そこ座って良いよ。」
「うん。」
パイプ椅子くらいしか無いけど。
思ったより真剣に良悟が俺を面接官だと思ってるみたい。
「じゃあ、理由を教えてくれる?」
「写真に興味ある、とか言った方が良い?」
「有るなら聞きたいけど、何で今なのかそっちの方が気になるかなぁ。」
興味があるのは本当だろうな。
何でもやってみたいと思えるのは良悟の凄い所だし、仕事には手を抜かない。飽きてもね。
だから、聞きたいのはなんで今なのか。
前に聞いた時とは何が違うのかなぁ。
「今行ってるパートで、時間を伸ばさないかって打診されて。」
「うん。」
「使い潰されそうで、嫌なので。どうせ潰されるなら好きな事させて欲しいなと思って。デザインでも事務処理でも雑務でもなんでもやる。拘りとかは無い。只、知らない人に潰されるのはもう嫌だ。」
「それは、今勉強中の12月の試験に受かった場合どうなるの。あと5ヶ月くらいだけど。」
「今行ってるパートを辞める。試験に受かって資格を取ってもあまり長い人員は募集して無い。5時間か7時間か。それでも多分、7時間働くのは今は無理だと思う。」
「つまり、5時間他で働いて残りをうちでって事かな。」
「行く行くは。」
「うちでフルで働いても良いんだよ。」
「そ…れは、」
「何か不満」
「いえ、不満というよりか。」
「うん。」
「価値観を滞らせたく無い。アレもコレも見て学べるものがあるかも知れない、から…まだ辞めたくない。」
「そうなんだ。」
頑張り屋さんだね。
それで潰れないかが心配なんだけど。
「とりあえず、今のパートは残業断れるの?」
「はい、そもそも俺以外は帰ってるし呼ばれもしない。」
「は?」
今、なんて言った。
店長に呼ばれて残業するの良悟。
それっておかしくない?普通な訳?
「普通、だと思うけど。というか聞いてくるだけまだマシだし、帰っても何か言われたりシフトが減ったりしてない。」
「それってその内、色々押し付けられて断れなくなる奴じゃ無いの。」
「うぐ、だ…だから残業辞めたいです、理由になってください。」
「掛け持ちするから残業出来ませんって事ね。」
「そう。でも、そこに私情は入れないで欲しい。」
オーケー。
中々難しい事言うじゃん。
でもどっちみち俺は良悟に働いて欲しいと思ってるから。
変な店長に使い潰されたく無いからうちにおいで、なんて理由は今更要らないかなぁ。
「良いよ。採用。俺に八木良悟の価値を見せて。」
「はいっ」
「じゃあ、キスしてくれる?」
「何言ってンだ。」
「社長命令だけど」
「セクハラって知ってますか、八代さん。」
「ぁ、モデルも引き続きしてくれる、八木さん。」
「勿論。別料金ですか。それとも込み?」
「別で払うよ。手当にして振り込もうね。」
「分かった。」
時給の話したっけ。
手続きもしないとなぁ。書類も出して。
俺とヨノカさんだけだったけど、良悟も入れないと。
モデルも日当だったからそこ話しとかないとな。
キス…しなかったなぁ。
一瞬でも返事に詰まるかと思ったのに、速攻キレて来たな。
オーケー上等。
絆されたりしないなら、使えそうだね良悟。
「あとは、時給の話と…あー…服装は基本自由、名札は苗字でもあだ名でも好きな様に着けて。とりあえず他所と同じで3ヶ月は研修期間。辞めたくなったら無理せず言って。えーと先ずは1週間13時までやってみて、その後少しずつ伸ばそっか。あと、基本は土日休みだけど予約が入れば開ける。他にする事なかったら午後は帰っても良いよ。只、時給だから気を付けてね。その分、有給を前借りしても良いし。あと書類を持ち帰るのは止めようか。俺以外が無くすと面倒な事になる。あと、んーっと通勤手当は無理かな。15分掛からないよね。タイムカードは会社のタブレット端末で押す。給料日は25日。明細は自分の端末から見てね。スマホでもタブレットでもイケるから一緒にブックマーク作ろっか。あと、腕時計してきて。」
あ。しまった。
一気に喋るなって散々言われるんだけど…いやでも良悟だから。
「分かった。俺からもひとつお願いが有る。」
「なぁに良悟。」
「… 俺を、名前で呼ぶな。」
「じゃあ、こっちも一つ提案。」
「はい。」
「指輪嵌めて来てね。」
「あの、」
「お願い。」
「提案って言った」
「お願いなら良い?客が色目を使って修羅場なんて嫌なんだよね俺。だから、指輪して来てね持ってるでしょ八木さん。」
只でさえ色眼鏡で見られる仕事だからね。
内面まで覗き込まれる様な錯覚を起こさせ、お姫様みたいな気分にも味合わせる。
俺はこの顔と指輪をしてない薬指で仕事するけど、現場に可愛い男の子が居たら困るんだよ。
俺のものに妙な色は着けさせない。
「ぁー…の、」
「ん?どうかした」
目の前でパイプ椅子に座る良悟が、俯いてる。
どうしたのかな、冷房効いてない?
ちょっと強めなんだけど、お茶くらい出すべきだった?
慌てる俺の耳に、ぼそっ、と小さな声がしたけど小さ過ぎた。
「ごめん、聞こえなかったなに?」
少し腰を浮かせて耳を寄せる。
やっぱり疲れてるのかな。
「ど。」
「ど?」
「どきどきする...っ、かずみ、ぃ」
真っ赤な顔でうるうるの瞳と思わず漏れ出るようなか細い声。
「な、」
俺はーー今までの人生で殆ど使った事が無い位の理性を集合させて、全力で良悟から顔を逸らした。
見たら死ぬ。
俺の理性と心臓と職業倫理が死ぬ。
「どうしたの、?」
「ーーわ、っかんなぃ」
いやいや。俺も分かんないよ。
どうしたの良悟。
パニックって顔じゃ無い。
恥ずかしがって、照れてるだけ。
何だ、なんだろっ、どれ。
「和己に、」
「うん…、」
「八木さん、なんて呼ばれるの初めてだ…っ、」
恋に落ちた音がする。
おかしいな、俺はとっくに落ちてる筈だろ。
でもほら、前はスコン、て感じだったじゃん。
今のは何というかレンガでゴッ、と殴り付けられた様な感触がしたなっ、
「い、やいや。駄目。駄目だよ…慣れて、お互い苗字で呼ぼう。俺の為にもそうしよ、ねっ、!ほら決まり!もう決めたからね良悟!」
「うん…っ。」
ああああっ、そんな声出したら駄目だって。
はぁー…そっか。そっか。
これは完全っに予想外だったなぁ。
あんまりな不意打ちにちょっとだけ好奇心が湧いた。
「そんなに良かった?」
「言って良いの、」
「良いよ。ちょっと雑談しよっか。」
「… 和己が知らない大人みたいで、格好良い、」
「そ、かぁ。」
イライラする。理性がグラグラする。
可愛い過ぎるのも良い加減にしないと、俺は目の前のスタッフに襲い掛かりそうなんだけど。
駄目だ。
ごめんね良悟
「あーーじゃあ、ちょっと好きにしてて。書類探してくるね。」
探すまでも無く、実はもう殆ど出来てるんだよ。
前からちょっとずつ進めててさ。
名札も作っちゃったよね。楽しくてさ8パターンも有るの。
明細アプリにも良悟の社員番号仮登録済みでさ。
何遊んでんだよ、って思ってたんだけど。
実際に使える日が来るなんて思わなかったなぁ。
「さーて。仕事仕事…」
あと45分くらいだけどやる事やらないとね。
「八木さん、ちょっと良い?」
「はいっ、!」
呼べば来てくれる。
その良悟が上着を脱いでワイシャツ、スラックス姿で居る。
「それ良いね。」
「それ?」
「シャツとスラックス、制服にしたらメリハリ付くんじゃない?」
「ぁ。確かに。八代さんはメリハリ要らないんですか…」
「あぁ、俺のスイッチバカだから直ぐ入って直ぐ切れるから大丈夫だよ。それより見ててくれる?名札どれが良いかな。」
「んふっ、何これ?」
「俺の妄想の産物。息抜きかも。」
代永良悟の名札も、八木良悟の名札も、山羊をデフォルメしたのとか、平仮名とか。名前だけとか色々作った。
良悟はどれを選んでくれるかなぁ。
ーーーーー
昔、真夜中の公園でコンビニ弁当を食べる日が、ポツポツと有った。
和己はカツカレーを選んでいた。
あの頃はまだ夏と言っても今より涼しかった。
細い身体の割によく食うな、と横目で見ていた。
「またお留守番か。」
「そ。」
「辛いな。」
「まぁな。」
恋人とまたお留守番の練習をしているらしい。
訳ありそうな恋人だ、と思った。
「この前の続き、考えた?」
「あぁ、あれか。今時変わってるな代永。」
「良いじゃん、面白いだろ。」
始まりは確か、金は無いが欲しい物は有る…そんな話だった。
アレが食いたい、あそこ行きたい、あれやりたい。
そして、夢の話になった。
写真の専門学生と、建築科の生徒が並んで青臭い話をした。
写真が好きだ、家を建てたい。
じゃあどんな写真、どんな家を誰の為の何を。
「思ったよりありきたりな答えしか出なかった。」
「何だったよ?」
「家族、が欲しい。」
「あぁ。良いよな…俺も。出来るなら家庭って奴を持たせてやりたい。」
「養子なら手伝えるぞ。」
「男同士で養子は授かれないって。」
そうだな、と返した。
どうしようもないから、夢の話とも言える。
「俺、この前さ」
「あぁ。」
「一緒に公園行って写真撮るのに付き合ってくれたんだよ。俺はまじで全然写真の事しか考えてなかったのにさ、振り向いたら嬉しそうに笑ってンの。意味が分かんなくてさ。」
俺にも分からなかった。
自分を放って何かに夢中になる奴をどうして笑って待っていられる。
「… デカい棒を咥えて楽しそうに歩く犬、見た事有るか。」
「え?俺そんな感じ?棒ではしゃぐ犬?」
「さぁなっ。」
面白い恋人だな、と思った。
お留守番の練習をして、一人での過ごし方を模索している割に、愛情溢れる彼氏らしい。
「お前は?家族って事は奥さん?」
「そうだな。家族になってくれるなら、過ごしやすい家を建ててやりたい。」
「その前にまず、手繋ぐだろ。」
「指輪も買ってやりたいな。」
「写真なら撮ってやるよ。」
「良いな。是非頼む。」
他には無いのか、と聞いた俺に和己がひとつ追加で答えてくれた。
「何見てるんだ?」
「んー?良悟の雇用契約書。」
額に入れたい、なんて言うからコピーにしろとよく分からないアドバイスしておいた。
「良かったな。」
「すげぇ嬉しい。」
「昔、言ってたろ。」
髪をくしゃっと撫でた。
今なら分かる。
お留守番が苦手で、一人の時間の使い方が分からない和己の恋人は、俺の家族にもなってくれた。
良悟の愛情深さは、俺達二人分を包める位ある。
自分を放っても何かに打ち込んでいる姿が、どれだけ可愛いのか教えてくれたのも良悟だ。
最近はずっと試験勉強してるな。
偶に、飽きて床に積む所が可愛い。
まだその癖治ってなかったのか、と思う。
「記憶力良すぎ。まだ覚えてた訳?」
「楽しかったからな。真夜中の公園でコンビニ弁当を食べる時間が。」
「青春ってか。」
「違うのか?」
笑って言ってやれば、お互い様のようだ。
昨日今日と疲れ切った良悟は、俺の部屋で着替えを手伝ってくれた後、ベッドで行ってしまった。
その間に沢山話をしてくれて、ネクタイを引き抜いてシャツのボタンを外してくれた。
今日は、恥ずかしそうにしていた。
俺が初めてスーツを着た時も、同じ顔をしたな。
「ずっと可愛いな良悟は。」
「同感。」
「さっき、スーツ姿を褒められた。」
「俺も。知らない大人みたいでカッコいいって言われちゃった。」
つい、羨ましくなって良いなと溢してしまったが。
目をジトっとさせて和己が俺の皿を指す。
「俺にはオムライスのハート無かったからなっ、」
「ふっ、ははっ、すまんっ、」
バカな事を言った。
半分要るか、と聞いたらそれはお前の分だろと答えてくれる。
そうか。
これは、良悟が俺にくれたハートか。
無い物強請りをしている場合じゃなかったな。
「なぁ陸也。」
「どうした?」
「俺も、夢が叶ったよ。」
「ああ。おめでとう和己。」
因みに、俺の夢は和己がこの前叶えてくれた。
毎日眺めてる、とは気恥ずかしくて言えないが。
タキシードの二人は何度見ても様になってる。
乱れた分も尚更良い。
「あ。陸也」
「なんだ?」
「野菜室は開けるなよ。良悟が何か企んでるからな。」
「サプライズか?」
「そ。見ても見てないふりしとけよ。」
「楽しみだ。」
ーーーーー
「ちょっ、ちょっ、シギさん!?」
慣れない鍵で玄関を開けると、押し込む様に背中をぐいぐい押され慌てて靴を脱いだ。
「なんだよっ、」
「風呂。」
「いや、座りたい」
「良いから、行け。」
ペシっと尻を叩かれた。
文句垂れながら向かった先で、またぐいぐい背中を押されて洗濯機の前に来た。
ん、風呂じゃねぇの?
「ハンカチ」
「あぁ、うん」
ポケットからスポッと抜いて洗濯機へ。
この前もズボンにハンカチ入ってるって言われた。
俺的には洗えてると思うんだけど、あ。
そういや、干す時散々めんどくさかったな。
「ベルト。」
いや、でもさ結局自分で干すとなると。
もうポケットの中だろうが、洗濯機の中だろうが一緒なんだよな。
でも、シギさんがちゃんと分けろって言うから。
ちゃんとしないと。
「イヤっす♡」
「あ?」
「アンタが外してよハジメさん。」
ぐいぐい押された背中を、今度はこっちから押し付けてやる。
首だけで振り返ったシギさんはかっけぇ顔してた。
イイツラ。
「んっ、!?」
仕返しにバックルをグッと掴まれて引き上げると、前が食い込んだ。
「ふ…っ、ぅ、」
やらしい声が漏れて、腕の外からシギさんが手を伸ばして俺ベルトをカチャカチャする。
ああ。やべぇ、興奮する
「部屋まで持って行けよ。」
「ん…っ、」
シギさんの唇が、耳の後ろに当たって声が響くっ、
「ハジメ、さんっ、」
後ろから顔を寄せられて、俺も顔だけ振り返ってキスした。
俺が漏らした息をシギさんが食べながら、覚えたかって聞く。
唇を合わせながら喋るってどんなテクだよ
「洗濯機に入れるなよ。」
「ぅわ、」
外されたベルトのせいで、ズボンがストンっと床に落ちた。
最悪のタイミング過ぎんだろ。
もっとキスしたかったのに。
けど、尻に何か当たってるのが…有る
「ハジメさん、」
「ん」
「硬ぇの。これ。当たってる…。」
「放っとけ」
「なんで?抜かねぇの?俺やるよ?」
「風呂が先だ。」
「じゃあ風呂で抜けば良くね?」
「…風邪引くぞ。」
「今から熱いことするのに、引く訳無ぇじゃんっ。」
バサバサ脱いで、ちゃんとシギさんの言う通り洗濯機に入れる。
ホントに、うっかりベルトも入れそうになった。
真っ先に浴室に入って、シャワーから出た水を浴びる。
「うあーー気持ちいぃーっ、」
俺は全裸でシャワー浴びてるのに、ハジメさんは腰にタオル巻いて突っ立ってる。
「シギさん、冷たい水も苦手なんすか?」
「風邪引くぞ」
だから引かねぇって。外は猛暑だってのに。
やっぱ知覚過敏じゃねぇの。
でもアイス食ってたよなチョコとバニラのソフトクリーム。
「水浴び楽しいか。」
「まぁ楽しいよ?冷てぇし。」
「お前、犬に似てるって言われてるらしいぞ。」
「誰に?」
「千田の嫁さん。」
「マジっすか、やったっすね。俺気に入られてんのかなー?」
俺はもう完璧に八代さんのファンなんで。
あの美人のお陰でシギさんとパンツの話出来たし、結婚がどうのって気にしてるのも聞いた。
何なら千田を躾けたのも八代さんだろ。
お陰で音声データもらって俺はもう八代さんに足向けて寝れねぇ。
「あ、お湯来た。ほら、シギさんっ。」
濡れた手でシギさんの腕引いて、態々隠してるタオルを取り払う。
「すげぇ。」
手で触ると、ビクってなった。
コイツで何人の女を食ったんだろうな、この人。
俺だって、男も女も食ったけど。
この人のブツは、俺だけが使う。
「光輝、」
「なに?」
「食い千切りそうな目で見るな、」
「ハハッ、千切ったら使えねぇじゃん。駄目っす、コレは俺が使うんだから...こうっ、やって...んぷっ、優しく舐めて...ハジメさんの精子は俺が搾り取ってやるんで」
むわっ、とするニオイが濃くて頭クラクラするっ、
「ーーふっ、」
ハジメさんが、息を殺して俺の頭を掴んでる。
この人、咥えられるのあんま好きじゃねぇんだよな。
でも、イクのを我慢してるこの人の顔、マジで抜ける。
あぁ、やべ。
俺も勃っちゃった、
ぬち、ぬち音を立てて擦っていく。
左手でハジメさんのを支えながら、右手では自分のを扱く。
「はぁ、っ、は、ぁ...っ、ぁ、いいっ、」
見てる、俺もハジメさんも。
自分の声が反響してる。
先にイッたのは俺だった。
俺が出したのを見て、出したのが分かった。
見られてた。
足を開いて、ゴシゴシ擦ってやらしーもん咥えて興奮しまくって射精までした俺がハジメさんのオカズだった。
「んべっ、♡」
ちゃんと、ハジメさんのせーしも口に受け止めて手に出してバイバイする。
シャワーが全部流して行った。
勿体無ぇな。
ハジメさんのDNAが排水溝に流れていくのを見届ける。
「俺のと混ぜたら、すげぇエロかったかも。」
そしたらこのムダ撃ちも、ムダじゃ無くなる。
「良いなぁ。俺も腹の中に欲しいわ」
孕むかどうかは関係なくてさ。
この人が愛してるって証が欲しい。
あんま言わねぇ人だってのは分かってるし、別に良いんだけどさ。
もう一回、聞きてぇな。
「何考えてんだ、」
「ぅえっ?」
ハジメさんまで膝を曲げてタイルにしゃがみ込んだ。
「いゃ、別に」
「言ってみろ。俺の物は何でもやる。」
最近の、シギさんは甘い。
優しく触ったり、勢いに任せて抱いたりしねぇくせに。
今みたいな事を言う様になった。
アンタのもの何でもくれるって。
そりゃ嬉しいけど。
アンタがやりたく無いものまで、貰うのは気が引ける。
「腹の中に欲しいんだろ。」
「うん」
「他には。」
「うーん、」
「無ぇのか」
「いや。有るんだけどさ...ハジメさんが苦手な奴なんだよな」
シャワーが相変わらず降って来て、ちょっと鬱陶しくなって来た。
ホントに風邪引くかもな。
「愛してるって、もっかい言ってくんね...っ、すか」
虚しいねぇ。
でも、仕事が有るっていうのは有り難い事だし。
今日は一件面接が有る。
「チヨさん、今日良悟くん来るってほんとですか?」
「うん。」
「遂に口説き落としたんですか?」
「それが、どうも違うんだよね。」
「えー。」
「まぁ、期待せずに待ってて。」
俺がメインで雇ってるのはヨノカさんひとりだ。
コトカさん、アイカさんには偶に手伝って貰うくらいで事務処理が溜まっていく。
正直、人手が欲しい。
カメラは俺がやる、メイクはヨノカさんにしてもらうとしても。
専門なんて無くて良いから逆に何でも出来る人が欲しい。
休憩室なんて名ばかりの物置スペースから書類を引っ張り出してキーボードを叩いて切手を貼ったり銀行に行ってくれる人が欲しい。
良悟は正に適任なんだよね。
数学以外に何が出来ないのか教えて欲しい。
でも、なんで急に俺に雇われる気になったのかなぁ。
それだけが少し心配。
「失礼しまーす。」
あ。来たね。
「お疲れ良悟。」
「おはよう和己。さっきヨノカさんに会った。相変わらず綺麗なひと。」
残念。
おはよう、って言われちゃった。
まだお仕事モードなんだね。
「緊張してる?」
「若干、」
「そこ座って良いよ。」
「うん。」
パイプ椅子くらいしか無いけど。
思ったより真剣に良悟が俺を面接官だと思ってるみたい。
「じゃあ、理由を教えてくれる?」
「写真に興味ある、とか言った方が良い?」
「有るなら聞きたいけど、何で今なのかそっちの方が気になるかなぁ。」
興味があるのは本当だろうな。
何でもやってみたいと思えるのは良悟の凄い所だし、仕事には手を抜かない。飽きてもね。
だから、聞きたいのはなんで今なのか。
前に聞いた時とは何が違うのかなぁ。
「今行ってるパートで、時間を伸ばさないかって打診されて。」
「うん。」
「使い潰されそうで、嫌なので。どうせ潰されるなら好きな事させて欲しいなと思って。デザインでも事務処理でも雑務でもなんでもやる。拘りとかは無い。只、知らない人に潰されるのはもう嫌だ。」
「それは、今勉強中の12月の試験に受かった場合どうなるの。あと5ヶ月くらいだけど。」
「今行ってるパートを辞める。試験に受かって資格を取ってもあまり長い人員は募集して無い。5時間か7時間か。それでも多分、7時間働くのは今は無理だと思う。」
「つまり、5時間他で働いて残りをうちでって事かな。」
「行く行くは。」
「うちでフルで働いても良いんだよ。」
「そ…れは、」
「何か不満」
「いえ、不満というよりか。」
「うん。」
「価値観を滞らせたく無い。アレもコレも見て学べるものがあるかも知れない、から…まだ辞めたくない。」
「そうなんだ。」
頑張り屋さんだね。
それで潰れないかが心配なんだけど。
「とりあえず、今のパートは残業断れるの?」
「はい、そもそも俺以外は帰ってるし呼ばれもしない。」
「は?」
今、なんて言った。
店長に呼ばれて残業するの良悟。
それっておかしくない?普通な訳?
「普通、だと思うけど。というか聞いてくるだけまだマシだし、帰っても何か言われたりシフトが減ったりしてない。」
「それってその内、色々押し付けられて断れなくなる奴じゃ無いの。」
「うぐ、だ…だから残業辞めたいです、理由になってください。」
「掛け持ちするから残業出来ませんって事ね。」
「そう。でも、そこに私情は入れないで欲しい。」
オーケー。
中々難しい事言うじゃん。
でもどっちみち俺は良悟に働いて欲しいと思ってるから。
変な店長に使い潰されたく無いからうちにおいで、なんて理由は今更要らないかなぁ。
「良いよ。採用。俺に八木良悟の価値を見せて。」
「はいっ」
「じゃあ、キスしてくれる?」
「何言ってンだ。」
「社長命令だけど」
「セクハラって知ってますか、八代さん。」
「ぁ、モデルも引き続きしてくれる、八木さん。」
「勿論。別料金ですか。それとも込み?」
「別で払うよ。手当にして振り込もうね。」
「分かった。」
時給の話したっけ。
手続きもしないとなぁ。書類も出して。
俺とヨノカさんだけだったけど、良悟も入れないと。
モデルも日当だったからそこ話しとかないとな。
キス…しなかったなぁ。
一瞬でも返事に詰まるかと思ったのに、速攻キレて来たな。
オーケー上等。
絆されたりしないなら、使えそうだね良悟。
「あとは、時給の話と…あー…服装は基本自由、名札は苗字でもあだ名でも好きな様に着けて。とりあえず他所と同じで3ヶ月は研修期間。辞めたくなったら無理せず言って。えーと先ずは1週間13時までやってみて、その後少しずつ伸ばそっか。あと、基本は土日休みだけど予約が入れば開ける。他にする事なかったら午後は帰っても良いよ。只、時給だから気を付けてね。その分、有給を前借りしても良いし。あと書類を持ち帰るのは止めようか。俺以外が無くすと面倒な事になる。あと、んーっと通勤手当は無理かな。15分掛からないよね。タイムカードは会社のタブレット端末で押す。給料日は25日。明細は自分の端末から見てね。スマホでもタブレットでもイケるから一緒にブックマーク作ろっか。あと、腕時計してきて。」
あ。しまった。
一気に喋るなって散々言われるんだけど…いやでも良悟だから。
「分かった。俺からもひとつお願いが有る。」
「なぁに良悟。」
「… 俺を、名前で呼ぶな。」
「じゃあ、こっちも一つ提案。」
「はい。」
「指輪嵌めて来てね。」
「あの、」
「お願い。」
「提案って言った」
「お願いなら良い?客が色目を使って修羅場なんて嫌なんだよね俺。だから、指輪して来てね持ってるでしょ八木さん。」
只でさえ色眼鏡で見られる仕事だからね。
内面まで覗き込まれる様な錯覚を起こさせ、お姫様みたいな気分にも味合わせる。
俺はこの顔と指輪をしてない薬指で仕事するけど、現場に可愛い男の子が居たら困るんだよ。
俺のものに妙な色は着けさせない。
「ぁー…の、」
「ん?どうかした」
目の前でパイプ椅子に座る良悟が、俯いてる。
どうしたのかな、冷房効いてない?
ちょっと強めなんだけど、お茶くらい出すべきだった?
慌てる俺の耳に、ぼそっ、と小さな声がしたけど小さ過ぎた。
「ごめん、聞こえなかったなに?」
少し腰を浮かせて耳を寄せる。
やっぱり疲れてるのかな。
「ど。」
「ど?」
「どきどきする...っ、かずみ、ぃ」
真っ赤な顔でうるうるの瞳と思わず漏れ出るようなか細い声。
「な、」
俺はーー今までの人生で殆ど使った事が無い位の理性を集合させて、全力で良悟から顔を逸らした。
見たら死ぬ。
俺の理性と心臓と職業倫理が死ぬ。
「どうしたの、?」
「ーーわ、っかんなぃ」
いやいや。俺も分かんないよ。
どうしたの良悟。
パニックって顔じゃ無い。
恥ずかしがって、照れてるだけ。
何だ、なんだろっ、どれ。
「和己に、」
「うん…、」
「八木さん、なんて呼ばれるの初めてだ…っ、」
恋に落ちた音がする。
おかしいな、俺はとっくに落ちてる筈だろ。
でもほら、前はスコン、て感じだったじゃん。
今のは何というかレンガでゴッ、と殴り付けられた様な感触がしたなっ、
「い、やいや。駄目。駄目だよ…慣れて、お互い苗字で呼ぼう。俺の為にもそうしよ、ねっ、!ほら決まり!もう決めたからね良悟!」
「うん…っ。」
ああああっ、そんな声出したら駄目だって。
はぁー…そっか。そっか。
これは完全っに予想外だったなぁ。
あんまりな不意打ちにちょっとだけ好奇心が湧いた。
「そんなに良かった?」
「言って良いの、」
「良いよ。ちょっと雑談しよっか。」
「… 和己が知らない大人みたいで、格好良い、」
「そ、かぁ。」
イライラする。理性がグラグラする。
可愛い過ぎるのも良い加減にしないと、俺は目の前のスタッフに襲い掛かりそうなんだけど。
駄目だ。
ごめんね良悟
「あーーじゃあ、ちょっと好きにしてて。書類探してくるね。」
探すまでも無く、実はもう殆ど出来てるんだよ。
前からちょっとずつ進めててさ。
名札も作っちゃったよね。楽しくてさ8パターンも有るの。
明細アプリにも良悟の社員番号仮登録済みでさ。
何遊んでんだよ、って思ってたんだけど。
実際に使える日が来るなんて思わなかったなぁ。
「さーて。仕事仕事…」
あと45分くらいだけどやる事やらないとね。
「八木さん、ちょっと良い?」
「はいっ、!」
呼べば来てくれる。
その良悟が上着を脱いでワイシャツ、スラックス姿で居る。
「それ良いね。」
「それ?」
「シャツとスラックス、制服にしたらメリハリ付くんじゃない?」
「ぁ。確かに。八代さんはメリハリ要らないんですか…」
「あぁ、俺のスイッチバカだから直ぐ入って直ぐ切れるから大丈夫だよ。それより見ててくれる?名札どれが良いかな。」
「んふっ、何これ?」
「俺の妄想の産物。息抜きかも。」
代永良悟の名札も、八木良悟の名札も、山羊をデフォルメしたのとか、平仮名とか。名前だけとか色々作った。
良悟はどれを選んでくれるかなぁ。
ーーーーー
昔、真夜中の公園でコンビニ弁当を食べる日が、ポツポツと有った。
和己はカツカレーを選んでいた。
あの頃はまだ夏と言っても今より涼しかった。
細い身体の割によく食うな、と横目で見ていた。
「またお留守番か。」
「そ。」
「辛いな。」
「まぁな。」
恋人とまたお留守番の練習をしているらしい。
訳ありそうな恋人だ、と思った。
「この前の続き、考えた?」
「あぁ、あれか。今時変わってるな代永。」
「良いじゃん、面白いだろ。」
始まりは確か、金は無いが欲しい物は有る…そんな話だった。
アレが食いたい、あそこ行きたい、あれやりたい。
そして、夢の話になった。
写真の専門学生と、建築科の生徒が並んで青臭い話をした。
写真が好きだ、家を建てたい。
じゃあどんな写真、どんな家を誰の為の何を。
「思ったよりありきたりな答えしか出なかった。」
「何だったよ?」
「家族、が欲しい。」
「あぁ。良いよな…俺も。出来るなら家庭って奴を持たせてやりたい。」
「養子なら手伝えるぞ。」
「男同士で養子は授かれないって。」
そうだな、と返した。
どうしようもないから、夢の話とも言える。
「俺、この前さ」
「あぁ。」
「一緒に公園行って写真撮るのに付き合ってくれたんだよ。俺はまじで全然写真の事しか考えてなかったのにさ、振り向いたら嬉しそうに笑ってンの。意味が分かんなくてさ。」
俺にも分からなかった。
自分を放って何かに夢中になる奴をどうして笑って待っていられる。
「… デカい棒を咥えて楽しそうに歩く犬、見た事有るか。」
「え?俺そんな感じ?棒ではしゃぐ犬?」
「さぁなっ。」
面白い恋人だな、と思った。
お留守番の練習をして、一人での過ごし方を模索している割に、愛情溢れる彼氏らしい。
「お前は?家族って事は奥さん?」
「そうだな。家族になってくれるなら、過ごしやすい家を建ててやりたい。」
「その前にまず、手繋ぐだろ。」
「指輪も買ってやりたいな。」
「写真なら撮ってやるよ。」
「良いな。是非頼む。」
他には無いのか、と聞いた俺に和己がひとつ追加で答えてくれた。
「何見てるんだ?」
「んー?良悟の雇用契約書。」
額に入れたい、なんて言うからコピーにしろとよく分からないアドバイスしておいた。
「良かったな。」
「すげぇ嬉しい。」
「昔、言ってたろ。」
髪をくしゃっと撫でた。
今なら分かる。
お留守番が苦手で、一人の時間の使い方が分からない和己の恋人は、俺の家族にもなってくれた。
良悟の愛情深さは、俺達二人分を包める位ある。
自分を放っても何かに打ち込んでいる姿が、どれだけ可愛いのか教えてくれたのも良悟だ。
最近はずっと試験勉強してるな。
偶に、飽きて床に積む所が可愛い。
まだその癖治ってなかったのか、と思う。
「記憶力良すぎ。まだ覚えてた訳?」
「楽しかったからな。真夜中の公園でコンビニ弁当を食べる時間が。」
「青春ってか。」
「違うのか?」
笑って言ってやれば、お互い様のようだ。
昨日今日と疲れ切った良悟は、俺の部屋で着替えを手伝ってくれた後、ベッドで行ってしまった。
その間に沢山話をしてくれて、ネクタイを引き抜いてシャツのボタンを外してくれた。
今日は、恥ずかしそうにしていた。
俺が初めてスーツを着た時も、同じ顔をしたな。
「ずっと可愛いな良悟は。」
「同感。」
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「俺も。知らない大人みたいでカッコいいって言われちゃった。」
つい、羨ましくなって良いなと溢してしまったが。
目をジトっとさせて和己が俺の皿を指す。
「俺にはオムライスのハート無かったからなっ、」
「ふっ、ははっ、すまんっ、」
バカな事を言った。
半分要るか、と聞いたらそれはお前の分だろと答えてくれる。
そうか。
これは、良悟が俺にくれたハートか。
無い物強請りをしている場合じゃなかったな。
「なぁ陸也。」
「どうした?」
「俺も、夢が叶ったよ。」
「ああ。おめでとう和己。」
因みに、俺の夢は和己がこの前叶えてくれた。
毎日眺めてる、とは気恥ずかしくて言えないが。
タキシードの二人は何度見ても様になってる。
乱れた分も尚更良い。
「あ。陸也」
「なんだ?」
「野菜室は開けるなよ。良悟が何か企んでるからな。」
「サプライズか?」
「そ。見ても見てないふりしとけよ。」
「楽しみだ。」
ーーーーー
「ちょっ、ちょっ、シギさん!?」
慣れない鍵で玄関を開けると、押し込む様に背中をぐいぐい押され慌てて靴を脱いだ。
「なんだよっ、」
「風呂。」
「いや、座りたい」
「良いから、行け。」
ペシっと尻を叩かれた。
文句垂れながら向かった先で、またぐいぐい背中を押されて洗濯機の前に来た。
ん、風呂じゃねぇの?
「ハンカチ」
「あぁ、うん」
ポケットからスポッと抜いて洗濯機へ。
この前もズボンにハンカチ入ってるって言われた。
俺的には洗えてると思うんだけど、あ。
そういや、干す時散々めんどくさかったな。
「ベルト。」
いや、でもさ結局自分で干すとなると。
もうポケットの中だろうが、洗濯機の中だろうが一緒なんだよな。
でも、シギさんがちゃんと分けろって言うから。
ちゃんとしないと。
「イヤっす♡」
「あ?」
「アンタが外してよハジメさん。」
ぐいぐい押された背中を、今度はこっちから押し付けてやる。
首だけで振り返ったシギさんはかっけぇ顔してた。
イイツラ。
「んっ、!?」
仕返しにバックルをグッと掴まれて引き上げると、前が食い込んだ。
「ふ…っ、ぅ、」
やらしい声が漏れて、腕の外からシギさんが手を伸ばして俺ベルトをカチャカチャする。
ああ。やべぇ、興奮する
「部屋まで持って行けよ。」
「ん…っ、」
シギさんの唇が、耳の後ろに当たって声が響くっ、
「ハジメ、さんっ、」
後ろから顔を寄せられて、俺も顔だけ振り返ってキスした。
俺が漏らした息をシギさんが食べながら、覚えたかって聞く。
唇を合わせながら喋るってどんなテクだよ
「洗濯機に入れるなよ。」
「ぅわ、」
外されたベルトのせいで、ズボンがストンっと床に落ちた。
最悪のタイミング過ぎんだろ。
もっとキスしたかったのに。
けど、尻に何か当たってるのが…有る
「ハジメさん、」
「ん」
「硬ぇの。これ。当たってる…。」
「放っとけ」
「なんで?抜かねぇの?俺やるよ?」
「風呂が先だ。」
「じゃあ風呂で抜けば良くね?」
「…風邪引くぞ。」
「今から熱いことするのに、引く訳無ぇじゃんっ。」
バサバサ脱いで、ちゃんとシギさんの言う通り洗濯機に入れる。
ホントに、うっかりベルトも入れそうになった。
真っ先に浴室に入って、シャワーから出た水を浴びる。
「うあーー気持ちいぃーっ、」
俺は全裸でシャワー浴びてるのに、ハジメさんは腰にタオル巻いて突っ立ってる。
「シギさん、冷たい水も苦手なんすか?」
「風邪引くぞ」
だから引かねぇって。外は猛暑だってのに。
やっぱ知覚過敏じゃねぇの。
でもアイス食ってたよなチョコとバニラのソフトクリーム。
「水浴び楽しいか。」
「まぁ楽しいよ?冷てぇし。」
「お前、犬に似てるって言われてるらしいぞ。」
「誰に?」
「千田の嫁さん。」
「マジっすか、やったっすね。俺気に入られてんのかなー?」
俺はもう完璧に八代さんのファンなんで。
あの美人のお陰でシギさんとパンツの話出来たし、結婚がどうのって気にしてるのも聞いた。
何なら千田を躾けたのも八代さんだろ。
お陰で音声データもらって俺はもう八代さんに足向けて寝れねぇ。
「あ、お湯来た。ほら、シギさんっ。」
濡れた手でシギさんの腕引いて、態々隠してるタオルを取り払う。
「すげぇ。」
手で触ると、ビクってなった。
コイツで何人の女を食ったんだろうな、この人。
俺だって、男も女も食ったけど。
この人のブツは、俺だけが使う。
「光輝、」
「なに?」
「食い千切りそうな目で見るな、」
「ハハッ、千切ったら使えねぇじゃん。駄目っす、コレは俺が使うんだから...こうっ、やって...んぷっ、優しく舐めて...ハジメさんの精子は俺が搾り取ってやるんで」
むわっ、とするニオイが濃くて頭クラクラするっ、
「ーーふっ、」
ハジメさんが、息を殺して俺の頭を掴んでる。
この人、咥えられるのあんま好きじゃねぇんだよな。
でも、イクのを我慢してるこの人の顔、マジで抜ける。
あぁ、やべ。
俺も勃っちゃった、
ぬち、ぬち音を立てて擦っていく。
左手でハジメさんのを支えながら、右手では自分のを扱く。
「はぁ、っ、は、ぁ...っ、ぁ、いいっ、」
見てる、俺もハジメさんも。
自分の声が反響してる。
先にイッたのは俺だった。
俺が出したのを見て、出したのが分かった。
見られてた。
足を開いて、ゴシゴシ擦ってやらしーもん咥えて興奮しまくって射精までした俺がハジメさんのオカズだった。
「んべっ、♡」
ちゃんと、ハジメさんのせーしも口に受け止めて手に出してバイバイする。
シャワーが全部流して行った。
勿体無ぇな。
ハジメさんのDNAが排水溝に流れていくのを見届ける。
「俺のと混ぜたら、すげぇエロかったかも。」
そしたらこのムダ撃ちも、ムダじゃ無くなる。
「良いなぁ。俺も腹の中に欲しいわ」
孕むかどうかは関係なくてさ。
この人が愛してるって証が欲しい。
あんま言わねぇ人だってのは分かってるし、別に良いんだけどさ。
もう一回、聞きてぇな。
「何考えてんだ、」
「ぅえっ?」
ハジメさんまで膝を曲げてタイルにしゃがみ込んだ。
「いゃ、別に」
「言ってみろ。俺の物は何でもやる。」
最近の、シギさんは甘い。
優しく触ったり、勢いに任せて抱いたりしねぇくせに。
今みたいな事を言う様になった。
アンタのもの何でもくれるって。
そりゃ嬉しいけど。
アンタがやりたく無いものまで、貰うのは気が引ける。
「腹の中に欲しいんだろ。」
「うん」
「他には。」
「うーん、」
「無ぇのか」
「いや。有るんだけどさ...ハジメさんが苦手な奴なんだよな」
シャワーが相変わらず降って来て、ちょっと鬱陶しくなって来た。
ホントに風邪引くかもな。
「愛してるって、もっかい言ってくんね...っ、すか」
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