【完結】【R18】 二人の主人と三人の家族

mimimi456/都古

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続編'25

6月の花嫁(4

5月の後半を週末の度にそうやって過ごした。

「ふ…。」

金曜の夜に散々、俺の身体を弄り回す主導権を行使し、土曜には労わる様にずっとくっ付いてたり、抱っこされたり、お腹をグゥと三本の指で押されたりして、昼にもどっちかと少しだけえっちな事をする。

そして日曜日になると、月曜日が怖くなってまた眠れなくなる…ところを、お腹を押されキスをされパジャマを着たまま腰を打ち付けられながらキスされたり口に突っ込まれたり、手に握らされたりすると、途端に怖くなくなった。

だってそうだろ。
どう見ても一番怖いのは、陸也と和己が正気を失った時だと思う。

陸也は、猪狩誠の骨にヒビを入れたかもしれない。
和己は、俺の養子になった。

俺が理性的な行動を取ってないと、この二人は何をやらかすか分からない、と思う。多分二人ともがお互いを止めてくれると信じてるけど。それは二人の内片方が冷静だった場合だ。

和己は、俺に送られて来たメッセージを読んだんだと思う。
俺は、読ませてないけど俺の事で和己が知らない事が有ったら駄目だから、陸也が見せてると思う。俺の事は二人が話し合って決める。

俺の晩御飯、俺のパジャマ、俺の生き方。

俺もそれで良いと思ってる。
けど、例外は何時だって有る。

猪狩誠からの謝罪を陸也が預かった、あの時と同じだ。

俺がそうしたい、と思うなら。
そうすべきだ。

よっぽど二人が反対するなら考え直すけど。


「りょーご。」

「ん…ふ、?なに?」

「その色気仕舞える?」

「ん…ごめん。」

一応、謝ってはみたけどこんな身体にしたのは和己と陸也だから。
俺にはどうしようもない…っふ、ぅ。
立って息を吸うだけで、お腹が変になる。

ゾクん。♡
ぞくん。♡
ぞくっ。♡

思わず快感に意識が向くと、うしろがきゅうッてなる。
まるでイッ時に二人のちんこをぎゅうぎゅうに締めて性液を搾り取ろうとしてるみたいに、勝手に身体がなるんだ。

そう仕込んだのは、俺じゃない。

俺の主人がそうした。

「今、感じてるでしょ。」

「ん…っ、ごめん。♡」


今日はヨノカさんが有給を取った。
代わりに俺がクリーニング屋に希望休を入れて朝から、八代さんのスタジオで働いていた筈なんだけど。

する事が無くなった。
和己も特にする事が無いらしい。

そうなると二人で雑談でもしたくなる。
初めは、雇い主らしく仕事どう、とか。何かやってみたい事はある、とか。この前のポスターのレタリング良かったね、とか。

そんな事を話してたけど。

俺が駄目だった。
和己の目をチラッと見て、その時の仕事をしてる和己の真剣な顔と楽しそうにきらきらしてる目が、ドキドキして…こういうとこが好きなんだよなって、思うと。

なんか、こう。

ずっと、一生懸命写真を撮って来た和己がカッコ良く見えた。
顔だけはいつ見てもかっこいいけど、俺は今まで仕事してる和己の事を良く知らなかったから。

余計にそう感じるんだと思う。

「和己がかっこいい…。」

「ぇ、?」

持ってたボールペンをカチリ、とノックして芯を意味も無く出しては引っ込める。
カチャカチャ鳴って、そんな音だけがスタジオに3回くらい響いて和己が顔を真っ赤にして見せた。

「んふ、かわいい。」

「待って、どうしたの、急に…言うのっ、?」

「ん、いま思ったから。言おうと思った。」

「いまぁ?ここで?そんな事するのりょーご、???俺、ここ職場よ?」

「うん。だからごめん…ふ、は。」


ここが職場じゃなかったら、俺は押し倒されてキスされてもういつでも"出来上がってる"身体は多分、無意識に和己の腰に足を巻き付けると思う。

ここがスタジオで良かった。

だって俺は今、勤務中だし。
タイムカードをきちんと打った。PCの時計と連動してるからまだあと2時間は俺は和己の部下ということになる。


「店、閉めよっか」

「社長が言うなら良いんじゃ無いですか。」

「…有給にしよう。良悟。」

和己がPCのカレンダーを開いてあと2時間を有給に、設定した。
自由な会社だ。

「良悟の有給、俺に頂戴。使っても良い?」

「ん。」

そこからは早かった。
パタン、とPCを閉じてスタジオの戸締りもして、またパタンと俺の車のドアを閉めた頃には外で陸也と待ち合わせする事になってた。

「俺と、デートしよっ良悟。♡」

「わかった。どこ行く?」

「どこ行こっか?」

一度家へ帰って、和己が入念に俺の服を選ぶ。
その間、陸也にメッセージを送っておく。

ーー和己にデートに誘われた

返事はすぐに返ってくる。
客への連絡にも自分のスマホを使ってるからだ。俺を心配して携帯に齧り付いてる訳じゃない。

ーー合流したら俺ともデートしてくれ。

楽しみにしてる、と返して目の前を向く。
和己はどう思ってるんだろうな。多分、俺の両親と会った事は無いと思うけど。

実家に来た事は有るから、若しかしたら顔だけなら知ってるかもしれない。実家の靴箱の上には写真立てが有ったから。
和己ももしかしたらそれを見て覚えてるかも。

俺の両親に興味が有ればだ。
興味を惹かれない物には、目が行かない。

俺ばっか見てる

「和己。」

「なぁに?」

「キスしたい」

「良いよ。俺も良悟とキスしたかったんだぁ。」


何時でもしたいくせにっ。カッコ付けてるんだ。

何度か何時もの、小鳥さんのキスをして俺の身体が発情するのを防いだ。がっつきそうになると宥める様に唇を引かれて、お利口に待てが出来たらまた優しいキスをくれて、偉いねって甘い声がする。

「良悟。」

「ん…。」

「お散歩行こっか。」

「んぅ。?」

「今から行けば、あいつの仕事が終わる頃までには着くと思うんだよね。途中であちこち寄って、俺とお散歩デートしてくれない?」

「暑いから、大変だと思う」

「だから薄着しようね。あと凍らせたペットボトルも有るよ。氷も有るし水筒も有るよ。どう?俺とデートしてくれる?」


ほんの少しの違和感。
何の為に態々ペットボトルを凍らせて、俺が味が嫌いだからって使わない製氷機で氷を作って、水筒まで用意したのか俺は聞いたほうが良いかも知れない。

けど、何をされても大丈夫だと思えるくらいには和己の事を信じてる。お留守番の時と同じ。

これは、俺の何かを試してるーー。

「分かった。行くっ。」



ちょっとだけ興奮して、うしろがまたきゅうっ、てなったのは内緒だ。そんな事が知れたら首輪を付けて外を歩きたいと言い出すかも知れない。

「途中のコンビニで塩レモンの飴買う。」

「うわ、それ俺が去年食べたって奴?」

「ん。」

「不味かった気がするんだよね。ほんとに買うの?」

「買う。また熱中症になったら和己に食わせる。」


嫌なら気を付けろ、と少し口酸っぱくして言う。
あの時は結構心配したんだからな。



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