【BL】【完結】君に贈る僕の狂気

mimimi456/都古

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僕らは友達だったね

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「うん。ごめんね、ちょっと予定が立て込んでて。」

「日が昇るかと思ったぜ…ったく。」


こいつは何時もシャワーの匂いがする。
コロンでも香水でもなく、石鹸の匂いだ。

「その予定って、女じゃねぇよな?」

楽しみ過ぎて俺との現場検証に遅くなった、ってんなら次からはもう誘ってやらねぇ。

「そんなんじゃないよ。本当に予定だったんだ。食事だよ。」

街灯なんかない。
月明かりと、手に握った小さい懐中電灯を頼りにあちこち眺めていく。そんで、ライトをこいつに持たせて、俺はまたシャッターを切る。

ーーこいつに会ったのは、去年か。もうそんなになるのか。
Needle Killerが2回目の事件を起こした後だった。

コーヒーをぶっかけられた。
よりにもよって夜中に現場に忍び込んだ後だった。眩しい太陽にうんざりしながら、けど帰って撮ってきた写真をじっくり眺めようと思ってたんだ。

それをこいつが邪魔した。俺の機嫌は最悪だった。
ケーキと、まぁまぁ美味いコーヒーを奢るって言うから。

そっから話が合った。
こういう話を対面で誰かとするのは初めてだった。
皆が皆、ディスプレイの向こうだからな。

「ねぇ、ジュン、あそこじゃないかな。ニードルが置いてあった場所。」

「ぇ、何処だ?」

「ほら。ここなら丁度良いんじゃない?」

「ああ、だな。チョークの跡も残ってる。」


Needle Killerは何時も髪飾りを、窓辺に置く。
丁度、俺の目の高さだ。

「目の前に有るのに見えなかったの、ジュン?フシアナ?」

「うるせっ。」

背の高い人間ばかりの国で、俺はなかなかに小さい。
そうは言っても俺だって170あるんだぞ。こいつらがデカいんだ。
因みに、髪飾りってのはカンザシだ。

こいつらに言ったって通じるわけが無い。
日本人の俺からしたって言いにくい。ニードルで十分伝わるし、コイツはイーサンだけど、俺はエシィーって呼ぶ。

どう頑張っても俺のアクセントが、"イーさん。"になるからだ。

お前の名前も悪いけど、俺のイントネーションも悪い。

「エシィー、もうちょい右寄って。」

「OK」

「エシィー、今度は向こう行こうぜ。」

「sure」

「エシィー、朝飯食いに行かね?」

「yes,sir」


最初は楽しそうなエシィーも、俺のエスカレートする要求に少しつまらなそうに返事をする。
だから、軍隊みたいな返事を冗談めかして返したくせに、途端ビックリした様に緑の瞳がキラキラして、月明かりを吸う。

ーー良い色だな。

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