【BL】【完結】君に贈る僕の狂気

殺人鬼が贈るヒント2

時々、そう言う目を向けられてるのは知ってるーー。

渡米する前に散々言われた。
アイツらは好きな物には躊躇いなく愛情表現をする、と。

なんとなく分かるだろ。顔とか雰囲気でノンケかストレートか。
それがこの国では言動になる。
明らかに否定的なことを言う奴はストレートだ。ヘテロだ。

けど、こいつらは何よりも<愛情表現>を大切にする文化が有る。

差別なんか、愛があれば軽々越える。
あっという間に法律も変える。ヘテロでも家を出る前には必ず"love you"と言って玄関を出る。

どんなに強面な奴でも、どんなに無愛想な奴でも必ず。
だから、こいつが散々俺を飯に誘うのもどこに誘っても着いてくるのも、飯食う俺をじっ、と眺めてるのも多分そうだ。

俺も悪い、とは思ってる。

恥ずかしい思いをすると反射で笑って誤魔化すだろ、俺ら。

それが、はにかんでる様に見えるんだとよ。
はにかんでンのが俺でも、こいつらはトキメクんだとよ。
阿保か。

けどここは、愛情表現の国だ。
チャーミングをすっ飛ばした俺なんかの笑った顔で、心臓にドスッと矢が突き刺さったらしい。

ーーこいつが初めてじゃ無い

けど、ここまで甘ったるい雰囲気を醸し出すのはこいつだけだ。
こっちまで恥ずかしくなる…っ、その顔止めろ、

さっきからウェイトレスがニコニコしながら俺達を見てる。
そんなんじゃない…っ、こいつはただの友達だ。

何度も説明した。
何回も聞かれるからだ。色んなひとに。ただ飯を食ってるだけなのに。

デートなの？
可愛いわね、メロメロじゃないっ、て。

いくら否定しても無駄なんだ。
こいつがこんなメロメロした顔してっから、全く意味が無い…っ、だからその顔止めろっ、！


その日の昼、ニュース番組が湧いた。
またNeedle Killerが事件を起こした。

「なん...だ、これ」