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新たな暮らしと、皇太子の帰還
新たな暮らしと、皇太子の帰還⑤
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「私、折角ハイネ様に帝国の国民としてもらいましたのに、少しだけ……疎外感を感じていたかもしれませんわ。公国との戦争でのハイネ様の活躍を手放しで喜びたいのに、出来なくて……」
ジルが正直に伝えてみると、ハイネは複雑そうな顔をした。
「俺の功績を、アンタに喜んで貰いたいって思ってる。でも、ジルの立場じゃ、そんなに割り切れないものなのかもな」
「そうなんだと思います」
「俺は、アンタの事を、国とは切り離して考えられるようになった。一人の個人として。アンタ自身も、あまり過去に引きずられて、将来を台無しにすべきじゃない気がする」
「はい……」
彼が言うように完全に割り切って暮らせたらどんなにいいだろう。ハイネの事を国と切り離して考えられるようになれたら、きっと彼と過ごす時間がもっと特別な時間になる。でも公国への罪悪感は少しだけジルの心に影を落とし……、時間をかけないと消えてはくれなそうだ。せめてハイネに無駄に心配をかけさせないようにはしたい。
夏の日差しや、繋いだ手からの熱に汗をかきながら歩く事二十分程で市場に到着した。
「最近パンが高くて本当に困るわ」
「外食するにしてもあり得ない金額を取られる」
「長期的にこの状況は厳しいな」
ジル達の傍を通り過ぎる人々が口々に食料品等の値段について文句を口にしていて、ジルはもっと聞きたくなり、つい後ろを振り返ってしまう。
「やっぱ加工品まで値上がりしてるんだな」
ハイネも今の話を聞いていた様で、ジルに話をふってきた。
「物価の調査をしたかったんですの?」
「あぁ。小麦、大豆、じゃがいも、この辺が俺が戦地に行っている間に高騰したみたいで、気になったんだ」
「どれも保存が効く農産物ですわね」
「そうそう」
じゃがいもについては、一か月以上前に聞いた事を思い出す。たしかハイネの弟のコルト皇子との会話に話題として出たはずだ。
「コルト皇子に聞いたのですけど、帝国南部のマリク伯領でジャガイモが不作だったらしいのですわ」
「げっ! アイツと喋ったのか……」
「ええ、ブラウベルク帝国大学にあの方も通ってらっしゃっているので、仲良くさせていただいています」
「俺に関して変な話題出てないよな?」
「何も変な話題なんて出ておりませんわ。昔はモテていたとか、そのくらいです!」
「くそ……。余計な事言わない様に口止めしないと……」
バツの悪そうなハイネの表情は少しお兄さんぽさがあり、新たな彼の面を発見出来た事に嬉しさを感じる。
「コルト様を、ハーターシュタイン公国から連れ戻された事、嬉しく思いましたわ」
「死なせたら、寝ざめが悪いだろうからな!」
「本当は凄く心配してたんですわよね?」
「コルトの話題はもういいから!」
ハイネはジルの手を引き、足取りも荒く野菜等を取り扱うテナントに向かう。弟を思っての行動は、素敵だと思えるのに、ハイネにとっては恥ずかしいらしい。彼らしいと言えば彼らしく、クスリと笑う。
テナントに入ると、中央部にいる店主が妙にジルとハイネを見てくる。
「お嬢さん! 昨日アンタ皇太子と喧嘩別れして、もう他の男に乗り換えたのかい?」
「の……乗り換え!?」
「オッサン……。余計な事言わないで仕事に集中しろ」
昨日の騒動が傍目からは喧嘩別れに見えたのかと、ジルは驚く。そもそもお付き合いもしていないのに、おかしな話である。
だが、ジルの事は識別出来たようだが、ハイネの事は変装の効果からなのか、気づいていない。彼の安全を思えば、自分が軽い女だと思わせた方がいいかもしれない。
「そうですわ! こちらの彼の方が優しいんですもの! あの方とは縁を切っちゃいました!」
満面の笑顔でハイネに抱きつくと、店主はガハハと笑う。
「お嬢さんくらい可愛かったら、高貴な男から庶民までとっかえひっかえ出来るんだろうなぁ!」
何だか自分の中の大事な物を犠牲にした様な気もするが、彼が無事に過ごせるなら大した事はないだろう。
「や、柔らかい……」
頭上から聞こえる絞り出すような声を不思議に思い、ハイネの顔を見ると、真っ赤になっていた。
「むむ……胸が当たってる!!」
「へ!? きゃあ!!」
ジルが胸元を見下ろすと、ハイネの腕に思いっきり胸を押し当てていたため、直ぐに飛びのく。
(ハイネ様に破廉恥って言った次の日に私自身が彼にセクハラしちゃった!)
「罪な女だねぇ。その歳で男心を弄べるとは大したもんだ! これ持って帰りな!」
何がウケたのか分からないが、店主はニヤニヤしながら、ジルにリンゴを二つ手渡してくれるので、放心状態で受け取る。
夏という事もあり、薄手のラベンダーカラーのワンピースを着ていたし、下着も重装備じゃない。それがハイネの腕にくっついてしまった事を思うと、倒れそうになる。
「ジル……。他の男には絶対同じ事をするなよ!」
ハイネは鋭い目つきでジルに凄むが、ズリ落ちた眼鏡だと形無しだ。
「うぅ……。リンゴあげますから、忘れてください!!」
泣きそうになりながらリンゴを彼に押し付ける。
「これで忘れろって、無理だし……」
忘れられないとか言う意地悪な男は放置し、店主に向き直る。
「おじ様! 小麦と大豆、それからジャガイモの仕入れた時の値段って控えていらっしゃいます?」
「あぁ、有るには有るけど、……まさか見たいのかい?」
「えぇ! 可能でしたら! お礼に売れ筋じゃない物を購入していきますわ」
「そりゃあ助かる! このビーツをニ十個買ってくれ。帳面はそれと引き換えに見せてやろう」
「買いましょう!」
小ぶりな麻袋にビーツを詰める店主に渡すために財布と取り出すと、ハイネに制される。
「俺が払う。調査に付き合ってもらってるのに、アンタには払わせられないから」
「あら、そうですの? ではお言葉に甘えます」
ビーツと引き換えに目的の物を借り、テナント近くにあるベンチに二人で腰かけ、帳面を覗き込む。胸元を見られないように、きっちりケープを合わせておく。
「やっぱり七月からかなり値上がりしてるな」
ハイネの長い指がジャガイモの仕入れ値が書かれた行をなぞる。六月末から八月末にかけて十回程仕入れており、約三倍まで跳ね上がっていた。他の二品目についても同じ様な状況だった。
想像以上の値動きに驚く。最近外食をしていなかったので、気づかなかったのだが、離宮のシェフと普段からもっと話すべきだったかもしれない。
「これだと、かなり帝都の方々の暮らしに打撃を与えているかもしれませんわね」
「だな。ジャガイモが不作だったのは報告を貰ってたけど、他は何でこんなに値上がりしてるんだ……」
「う~ん……」
バザルの村から穀物が全般的に出荷できなくなってはいるものの、一つの村だけで、こんなに影響が出るとは考え辛い。
「国の研究機関に調査に行ってもらうかな……」
ハイネの発言に、ジルはおずおずと手を挙げた。
「あの……私も行かせてもらってもよろしいでしょうか?」
「まじか……」
ジルが正直に伝えてみると、ハイネは複雑そうな顔をした。
「俺の功績を、アンタに喜んで貰いたいって思ってる。でも、ジルの立場じゃ、そんなに割り切れないものなのかもな」
「そうなんだと思います」
「俺は、アンタの事を、国とは切り離して考えられるようになった。一人の個人として。アンタ自身も、あまり過去に引きずられて、将来を台無しにすべきじゃない気がする」
「はい……」
彼が言うように完全に割り切って暮らせたらどんなにいいだろう。ハイネの事を国と切り離して考えられるようになれたら、きっと彼と過ごす時間がもっと特別な時間になる。でも公国への罪悪感は少しだけジルの心に影を落とし……、時間をかけないと消えてはくれなそうだ。せめてハイネに無駄に心配をかけさせないようにはしたい。
夏の日差しや、繋いだ手からの熱に汗をかきながら歩く事二十分程で市場に到着した。
「最近パンが高くて本当に困るわ」
「外食するにしてもあり得ない金額を取られる」
「長期的にこの状況は厳しいな」
ジル達の傍を通り過ぎる人々が口々に食料品等の値段について文句を口にしていて、ジルはもっと聞きたくなり、つい後ろを振り返ってしまう。
「やっぱ加工品まで値上がりしてるんだな」
ハイネも今の話を聞いていた様で、ジルに話をふってきた。
「物価の調査をしたかったんですの?」
「あぁ。小麦、大豆、じゃがいも、この辺が俺が戦地に行っている間に高騰したみたいで、気になったんだ」
「どれも保存が効く農産物ですわね」
「そうそう」
じゃがいもについては、一か月以上前に聞いた事を思い出す。たしかハイネの弟のコルト皇子との会話に話題として出たはずだ。
「コルト皇子に聞いたのですけど、帝国南部のマリク伯領でジャガイモが不作だったらしいのですわ」
「げっ! アイツと喋ったのか……」
「ええ、ブラウベルク帝国大学にあの方も通ってらっしゃっているので、仲良くさせていただいています」
「俺に関して変な話題出てないよな?」
「何も変な話題なんて出ておりませんわ。昔はモテていたとか、そのくらいです!」
「くそ……。余計な事言わない様に口止めしないと……」
バツの悪そうなハイネの表情は少しお兄さんぽさがあり、新たな彼の面を発見出来た事に嬉しさを感じる。
「コルト様を、ハーターシュタイン公国から連れ戻された事、嬉しく思いましたわ」
「死なせたら、寝ざめが悪いだろうからな!」
「本当は凄く心配してたんですわよね?」
「コルトの話題はもういいから!」
ハイネはジルの手を引き、足取りも荒く野菜等を取り扱うテナントに向かう。弟を思っての行動は、素敵だと思えるのに、ハイネにとっては恥ずかしいらしい。彼らしいと言えば彼らしく、クスリと笑う。
テナントに入ると、中央部にいる店主が妙にジルとハイネを見てくる。
「お嬢さん! 昨日アンタ皇太子と喧嘩別れして、もう他の男に乗り換えたのかい?」
「の……乗り換え!?」
「オッサン……。余計な事言わないで仕事に集中しろ」
昨日の騒動が傍目からは喧嘩別れに見えたのかと、ジルは驚く。そもそもお付き合いもしていないのに、おかしな話である。
だが、ジルの事は識別出来たようだが、ハイネの事は変装の効果からなのか、気づいていない。彼の安全を思えば、自分が軽い女だと思わせた方がいいかもしれない。
「そうですわ! こちらの彼の方が優しいんですもの! あの方とは縁を切っちゃいました!」
満面の笑顔でハイネに抱きつくと、店主はガハハと笑う。
「お嬢さんくらい可愛かったら、高貴な男から庶民までとっかえひっかえ出来るんだろうなぁ!」
何だか自分の中の大事な物を犠牲にした様な気もするが、彼が無事に過ごせるなら大した事はないだろう。
「や、柔らかい……」
頭上から聞こえる絞り出すような声を不思議に思い、ハイネの顔を見ると、真っ赤になっていた。
「むむ……胸が当たってる!!」
「へ!? きゃあ!!」
ジルが胸元を見下ろすと、ハイネの腕に思いっきり胸を押し当てていたため、直ぐに飛びのく。
(ハイネ様に破廉恥って言った次の日に私自身が彼にセクハラしちゃった!)
「罪な女だねぇ。その歳で男心を弄べるとは大したもんだ! これ持って帰りな!」
何がウケたのか分からないが、店主はニヤニヤしながら、ジルにリンゴを二つ手渡してくれるので、放心状態で受け取る。
夏という事もあり、薄手のラベンダーカラーのワンピースを着ていたし、下着も重装備じゃない。それがハイネの腕にくっついてしまった事を思うと、倒れそうになる。
「ジル……。他の男には絶対同じ事をするなよ!」
ハイネは鋭い目つきでジルに凄むが、ズリ落ちた眼鏡だと形無しだ。
「うぅ……。リンゴあげますから、忘れてください!!」
泣きそうになりながらリンゴを彼に押し付ける。
「これで忘れろって、無理だし……」
忘れられないとか言う意地悪な男は放置し、店主に向き直る。
「おじ様! 小麦と大豆、それからジャガイモの仕入れた時の値段って控えていらっしゃいます?」
「あぁ、有るには有るけど、……まさか見たいのかい?」
「えぇ! 可能でしたら! お礼に売れ筋じゃない物を購入していきますわ」
「そりゃあ助かる! このビーツをニ十個買ってくれ。帳面はそれと引き換えに見せてやろう」
「買いましょう!」
小ぶりな麻袋にビーツを詰める店主に渡すために財布と取り出すと、ハイネに制される。
「俺が払う。調査に付き合ってもらってるのに、アンタには払わせられないから」
「あら、そうですの? ではお言葉に甘えます」
ビーツと引き換えに目的の物を借り、テナント近くにあるベンチに二人で腰かけ、帳面を覗き込む。胸元を見られないように、きっちりケープを合わせておく。
「やっぱり七月からかなり値上がりしてるな」
ハイネの長い指がジャガイモの仕入れ値が書かれた行をなぞる。六月末から八月末にかけて十回程仕入れており、約三倍まで跳ね上がっていた。他の二品目についても同じ様な状況だった。
想像以上の値動きに驚く。最近外食をしていなかったので、気づかなかったのだが、離宮のシェフと普段からもっと話すべきだったかもしれない。
「これだと、かなり帝都の方々の暮らしに打撃を与えているかもしれませんわね」
「だな。ジャガイモが不作だったのは報告を貰ってたけど、他は何でこんなに値上がりしてるんだ……」
「う~ん……」
バザルの村から穀物が全般的に出荷できなくなってはいるものの、一つの村だけで、こんなに影響が出るとは考え辛い。
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