恋愛小説無題 死ぬほど愛する女が出来たので、それを小説にしてみた

三鷹たつあき

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それにしても馬鹿な男。馬鹿龍平

第三十八話 純愛と様々な欲望=??

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これまで何度か誰かを恋慕うことはあった。振り返れば大衆が口にする常識的な情熱だったと身に染みて思う。その情熱の中には純愛とは別に性欲とか独占欲とか支配欲という不純物が混じっていた。純愛と不純物の割合が同じくらいだったのではないだろうか。その混合物のことを世間では愛と銘打つのではないだろうか。

龍平が姫奈に抱く愛とは性欲が存在しない分、純愛の濃度が取り分け高いと訴えかけた。だから他よりも優れた愛なのだと。多少の独占欲や支配欲も混ぜ合わさっていることは否定しない。嫉妬はするのだから。姫奈が他の男とお喋りをするだけでも、苛立ちもするし悔しいと催す。ましてや姫奈が自分とは別の男と性交をするなんて絶対に黙っているわけにはいかない。そんなことになったら相手の男だけに限らず姫奈すら殺してしまいたくなるかもしれないと熱っぽく語るのだ。
 
龍平は上等な口述を並べたつもりだったが、熱意は姫奈には及んでいないようだ。

「あなたの気持ちはよく分かったわ。気持ちはね。ただ、あなたの愛というものの解釈についてはまったく納得がいかないわ。あなたは容器の中に純愛と様々な欲望が混じりあったものを愛と表現するけれど、純愛というものの存在が非常に疑わしいわ。

容器の中に入っているものは思い遣りや慈しみ、そしてあなたのいう欲というものではないかしら。それが唯一絶対の愛というものではないかしら。あなたの語る純愛というものには性欲も独占欲も支配欲も含まれていないのでしょう。そんなものが果たして愛だといえるかしら。あなたの語る純愛というものはプラトニックラブとも違うわね。」
 
プラトニックラブとは、肉体的な欲求を離れた精神的恋愛のことである。

「プラトニックラブには性欲が含まれていないだけで、他の欲は十二分に含まれているわ。そもそもわたしはプラトニックラブさえも否定するけどね。恋愛とは肉体的な欲求より、精神的な結合を大切にするべきですって。肉体的な繋がりを避けることで精神的な繋がりが濃くなるのですって。馬鹿げているわ。ろくなセックスをしたことがないものの戯言であるとしか思えない。

あなたにも同じことが言えるわ。まあ、いいでしょう。あなたにはわたしがしっかりとセックスというものの素晴らしさを教えてあげるから。」
 
龍平は性交の欲求というものを自身が姫奈に対して抱く好意より下に見ていた。欲しがるものが性的刺激以外のものであるということは姫奈にとっても悦びであろうと見做していた。少なくとも敬遠されるとは予測していなかった。

「性欲のない恋愛なんて認められないわ。恋愛とは性欲に詩的表現を加えただけのものなのだから。男であろうと女であろうと性欲はあるの。食欲や睡眠欲のない人間なんているかしら。いるでしょうね。ただ、彼らは病気なの。決して健康な人間ではないわ。

性欲だって同じこと。持たざる者は健康であるとは言えないわ。性欲がないなんて口にする人間は、己が貧しきものであると打ち明けているだけなのよ。

毎日草ばかり食べている人間がもう草なんて食べたくない、食欲がないと言っているようなもの。肉も魚も食べたことがないから、自分には食欲がないものだと勘違いしているだけなのよ。

あなただってセックスのことなんてなにも知らないでしょう。童貞に毛が1本生えた程度の男なのだから。太くいきりたった陰茎を膣の奥まで差し込んで激しく腰を振り合う快感なんて想像もつかないでしょう。貧しきもの。」
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