聖女に異世界へ飛ばされた 【完結】

もち米

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「ルミナスーーーいや、アヴェーヌ侯爵令嬢と呼ぶべきだな。今日という日に大変申し訳ないが婚約破棄させてもらう!!!!」


それなのに、何故かパーティが始まる直前に婚約者に呼ばれ、物凄い勢いで破棄宣言をされた。

私は一瞬なんのことか分からなくて、婚約者を見つめる。
すると、婚約者のエドワード様が顔を赤くした。

そして、再度何かを堪えるように眉間にシワを寄せながら婚約破棄しようと言った。


「なぜ、ですか?私が何かなさいましたか?!」

「君は何もしていない!残念ながら君は美しいし、穏やかで口調も柔らかい。気遣いもできて、小さい子の面倒も上手であり、勉強面に関しても何もいうこともない。視察、執務の方も数回共にしたが、とても飲み込みが早く素晴らしいと皆も褒めていた。」

そう流暢に話すエドワード様に、私はではなぜ婚約破棄を?と聞いた。

すると、急に床に手をつけて首を垂れるような格好になる。
私は慌てて近寄るも「私だって!」という彼の声で止まった。

「願わくば君と共に生涯を歩みたい!!だがしかし、話は君とは結ばれない運命!そう、運命と書いてサダメと読む!」

「あ、あの…エドワード様?」

「これから私はヒロインの魅了により、君を傷つけ更には国外追放するんだ!私は…私は、その前に君が傷つく前に、君を君のことを幸せにできる場所へと…」

「あのっエドワード様?」


床に頭をつけているからほぼほぼ聞こえないが、何やらエドワード様に魅了をかける不届き者がいるということは分かりました。

私はエドワード様の肩にそっと触れ、大丈夫ですよと声を掛けた。


「な、何が大丈夫なんだ?君はこれから私に、」

今まで見たことないくらい情けない顔をしたエドワード様が私を見つめる。

眉も下がり自慢の髪の毛も乱れ、サファイヤの瞳は潤んでいる。

「エドワード様、大丈夫です。エドワード様に変な魔法をかける不届き者は私が排除いたします。」

「いや、しかしだな、その魔法は強くていくら、魔法に優れた君でも防ぎようがないというか、私はどちらかというと剣術や算術の方が優れていてだな、」

「、実はエドワード様を驚かせようと内緒にしていたんですけど、」

私はでも、しかし、と弱気な彼に安心させるように笑いかける。

すると、彼は私の内緒という単語に反応し首を傾げた。

その可愛らしい仕草に思わず笑ってしまう。


私はそんな彼を見ながら、小さく唱えた。
精霊よ、姿を現せーーーと。


『はぁい?呼んだかしら?愛しのルミナス』

「ええ、呼んだわ。ちょっとお願いがあるの。いいかしら?」

『もちろん!代償はルミナスの作るお菓子でいいわよ!んでんで、何すればいいのかしら?』

私は出てきた精霊と会話する。
この子最近私が契約したーー光属性の精霊だ。

「ルミナス!?!そ、それは精霊ではないか?!」

「はい、エドワード様。ご存知だったのですね?この子はつい最近私と契約した光属性の精霊ですよ。名前は、」

「待て待て待て、ルゥ。そういう事は他人に言ってはダメだ。精霊と精霊を召喚させた者の秘密事項だ。変な奴に知られたら悪用されてしまう」

真剣な顔で私を叱るエドワード様。
私はそんな事よりも、久しぶりに呼ばれたルゥという愛称に胸が躍った。

最近は全く呼んでくれなかったから、凄く嬉しい。

「ルゥ?聞いている?君に言ってるんだよ。」

「ええ、ええ!聞いています、エド様。それで、その、この子の力を借りれば貴方に魔法はかかりませんわ!絶対に。」

私はサラッとエドワード様の事をエド様と呼んでみたけど、彼はそれには気づかなかったようだ。

少し残念だけど、気づいて何か言われるのも辛いので仕方ないと言い聞かせた。

「だが、いくら優れた精霊でもヒロインの魅了の魔法は強い。だからーー」

『なあに?可愛い坊や。心配してるの?だぁいじょうぶよ。魅了の魔法なんて、呪魔法のの一つでしょ?そんなの光のあたしの前じゃ消し飛ぶわ!』

また彼が不安そうにしていたので、私が大丈夫ですよと口を開く前に精霊が彼に近寄った。

彼は突然近づいた精霊に驚き口を閉ざすも、ちゃんと話を聞いていた。

そう、魅了魔法は呪いと言われている。
それは現段階での研究者たちが言っているだけで、世間では素敵な魔法と言われている。

それを彼も知っているからか、不安そうな表情は消えない。

「エド、ワード様、大丈夫ですから、私と共に…いいえ、私とそれから精霊と共にホールへと参りましょう?」

皆様も待たせてしまいます、と付け加え微笑む。

彼は私を見つめ、そして優しく抱き寄せこう耳元で囁いてくれた。



「…魅了にかからず私が私のままでいられたのなら、その時は生涯を共に歩んでくれ」



私が返事をする前に彼は私から離れ、さて準備をしておいで?と私を扉の向こうへと導き、外で待機していた私の執事に謝罪をしながら任せたと言って彼はそっと扉を閉めた。

閉める直前に見た彼は少し悲しそうに見えた。









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