聖女に異世界へ飛ばされた 【完結】

もち米

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にじゅうに

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「それでは、お二人ともお気をつけてくださいね。」


「ああ、もちろん。喜ばしい報告ができるよう最善を尽くしてくる!な、ルナ!」

「ああ、うん、そうだね、アーク…」


なぜか私は今、にこやかで優しいシスターにアークと共に見送られている。

そう私たちはこれから、この国の悪である聖女マリアを抹殺するべく旅に出る。

…なんだか、勇者にでもなった気分だわ。


もはや自分がルナなのかルミナスなのか分からなくなってきて、口調も迷走している。


「それでは、また会おう!」

「お元気で!」


シスターたちの温かな声援を受けながら私達は歩き出す。






「さて、そろそろ、転移魔法を展開するか」


しばらくお互い無言で歩いていたが、アークが立ち止まりそんな事を言った。

私はその言葉に歩みを止めた。
転移魔法、それはあの世界で経験したものだ。

「さてさて、確かこの辺に…あった!ほら、こっちへ、ルナ」

「アーク、私はあまり転移魔法に良い思いはないのだが…」

私がそう言えば、アークは高らかに笑った。


「それは、相手の技量が低かったのだろう。我々騎士団のものは平気だ。なんせ、王宮魔道士が作ったものだからな!」

誇らしげに言うアークに、私は何も返さない。いや、こちらは神様が作った転移魔法で誤作動が起こり、1人だけ端に飛ばされたんですが?とは言えないからね。

私はアークに案内されるがまま、人気のない場所に連れられ「我が名はアーク。騎士の名において国に誓う。」と彼が呟けば地面から魔法陣が現れた。

私がそれに感動しているとアークがさらに言葉を続けた。

「魔の森へと我らを転移せよ。」


あの時のような大きな光に包まれ、景色が一転した。


「よし、では、ルナ。この先にある魔王城へと急ぐぞ!」

「ん!?待て!なぜ、魔王城!?」

「魔王城は転移できない故に、自分たちの足で行かねばならん。弱音を吐くなよルナ。」

「いや、そういう意味ではなくてだな、アーク!!」


私が叫んでもアークは止まることなく、むしろさっさと来い!と催促をしてくる。

私は半ば諦めながら彼の後ろをついていった。





森の中はやはりというか想像通り、じめっとしており得体の知れない草花や生き物がいた。どれも見慣れないもので、見つけるたびに立ち止まってはアークに怒られた。

いやだって、見たことないものを観察したいと思うのは人間の心理だと思うのだけれど、残念ながらアークには理解してもらえなかった。


「アーク…どこまでいく?」


1時間ほど歩いたが魔王城にはなかなかつかなかった。

そもそも本当に魔王城があるのかさえ疑わしい。

「おかしい、魔王城はすぐそこだと言うのに…着かない!まさか!!」

「…見えない何かがある、のか?」

「そうに違いない!高度な魔法で私達は永遠に魔王城に着かないようになっている!」

「アーク、それはもっと早くに理解するべきだった…今日のところは野宿しよう」


私がそう提案すれば、アークは大きく首を振った。

「だめだ!そもそも魔物が活動する時間は夜!夜にスヤスヤと寝ていれば襲われて殺されるぞ!」

「いや、私は高度な護身魔法があるので全然平気なんだが。」

「私が死ぬから却下だ!!!!」

そう高らかに言ったアークに私はまあ、確かにアークは死んでしまうなと確信してそれ以上は何も言わなかった。

景色に視線を向け、日が傾きかけていることを確認し、日没までに魔王城に辿り着けるかどうか…私は少しばかりの不安を胸に再び歩き出した。







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