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さんじゅうはち
しおりを挟むルシファーに連れてこられたのは、なんだか歴史がありそうなお店だった。
「にしても、アンタの笑顔は驚異だな」
アークがボソッと言った言葉に私はなにも言わない。
何故ならアークのいう通り、ルシファーの笑顔は驚異的に眩しかったからだ。
ニコッと笑うのではなく、ふわっと花のように柔らかく笑った後、目を細めて妖艶に微笑むのだから、老若男女関係なく堕ちるだろう。
そんな彼に「すみませんが我々だけにしてくれますか?」なんて言われたらそれはそれはみんなどこかへ去る。実際に去った。
私とアークは呆然とし、ヘレスはさっすがまおちゃん!とにこにこ笑っていた。
怖いもの知らずとはこのことかと今日1日で何回も思った。
「さてと、今日はここに泊まるよ。ルゥと僕、ヘレスとアークでいいよね?」
「「却下します。」」
ルシファーの提案に私とアークが即答で切り落とす。
そんな私たちを見て、なぜ?と本気で不思議そうに首を傾げるルシファー。
私は魔王の世界基準がどうか分からないが、こちらは未婚の女性。いくら、魔王と言えど男性と共に寝食は出来ない。ましてや、私はエドワード様の婚約者だ。
アークの場合は契約しているのだから、特に問題はないはずだが彼も首を横に振り思い切り否定している。
「アンタの世界の常識なんて知らないが、ルナは女性。たとえ、未亡人だとしても騎士だとしても、女性と男性がともに寝るのは好ましくない!この世界に生きるのならこの世界の常識で生きよ、魔王ルシファー」
「あ、アーク、お前っ!」
「、というのは建前で、正直あまり親しくないものと寝るのは無理だからルナと私!ルシファーとヘレスという組み合わせがいちばーーぐはっ何をする!?ルナよ!」
思わず感動してしまった己にも腹が立ったし、得意げにいうアークにも腹が立ったのでとりあえず風魔法で飛ばしてみた。
アークはすぐに受け身を取り、私に何をする!?と顔ごと問うてきた。
「お前馬鹿か!私は未婚の女性だ!おかしいだろうが!なぜ貴様と私が一緒に寝なければならない!!!」
「なにをいう!教会で共に寝たではないか!(結界付き)」
「うぐっ!確かに共に寝たが、あれは無効だろうが!」
「ならば今回もあれを発動させとけばいい!私はそこにいる魔王とも破壊のヘレスとも寝れん!寝不足になる!」
「なぜお前の寝不足に私が合わせなければならないんだ!勝手に寝不足になってろ!私はヘレスと寝る!」
「却下だ!!!!!私もその部屋の隅で寝る!!!!」
「ええい!!隅ならば許可する!!!ヘレス行くぞ!」
とりあえず、体を休めたかった私はイライラしながらもアークに許可を出し、ヘレスを連れて案内人に何処だと聞く。
案内人はこちらですと言いながらも私の後ろをチラチラ見ていた。
大方、ルシファーが怒ってるか萎れているかのどちらかだろう。
こういう場合は無視するのが一番だと決まっている。
ヘレスは戸惑いつつも、「おねーちゃんとアークと一緒!うれしい!」と笑った。
良かった良かった笑ってくれて。
まあ、これが破壊の魔物じゃなかったらより愛でられるのだろうけれど。
私は案内人に連れられてもらった部屋に入り、ベッドに腰掛け一息をついた。
よし、ここは一つヘレスと仲良くなるためになにか話をして、仲を深めよう!
私は同じくベットに転がり、感触を楽しんでいるヘレスに話しかける。
「ヘレス、君はなにが主食なんだい?」
「んーと、人間!」
…質問間違えたか。
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