聖女に異世界へ飛ばされた 【完結】

もち米

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さんじゅうなな

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「ん?あれ?」

「どうした?ヘレス」

「うーんと、アークがまおちゃんと喧嘩してる!」



え?


私はヘレスの言葉に固まった。
ヘレスはというとまあ、でもおねーちゃんいるから平気か!と言って再び飲んでいたリゾート地限定フルーツ水を飲んでいた。

私の手元にもフルーツ水はあったのだが、なにせヘレスの言葉が気になってそれどころじゃない。

「ヘレス戻ろう!こんな街中で喧嘩はまずい!」

「大丈夫だよー!ちょっと人が死ぬだけだから!!おねーちゃんはヘレスが守るし!」

ニコッと無邪気にそんなことを言うヘレス。
さすが魔物。
人間がどれだけ死のうが興味はない、か。

私はとりあえず、ヘレスが欲しいものを買って足早にさっきいた場所に帰った。



「あ、ルゥ!早かったね!」

「…いい加減はなせ!このクソ魔王!!」


急いで帰ってみれば、にこやかに笑いながらアークを羽交い締めにしているルシファーがいた。

周りの木々が少しばかり折られているのは気のせいだと思いたい。

「まおちゃん!アーク離して!」

「おや?ヘレス如きが「ルゥおじ様離してください」今はなすね~」

私がいうとあっさりと離したルシファー。
そんなルシファーを睨んでいるアークに、私は近寄り一発殴る。

「阿呆!相手は魔王ルシファーだぞ!なにを言われたか知らないが、命を粗末にするな!」

「騎士の名誉に関わることだ!」

「そんなもの捨ててしまえ!命より大事なものなどない!それでも言いたいのならば覚悟もて。」

「覚悟ならとうにしている!!この国の騎士なってからだ!」

そうアークは私に吠えるが、それでも私はそんなアークに足らん!!と強く言い返す。

アークはそんな私に驚き目を見張るが、それも一瞬ですぐにまっすぐ見返し「死ぬ覚悟なら承知の上だった!」といった。

私はそんな周りから見たら誇り高き騎士の覚悟を切り捨てる。


「その覚悟ではない!そんなものはこの国の騎士となってから皆が覚悟したものだ!!愚か者!騎士が自分の命を蔑ろにし、戦いを挑むときの覚悟は、己が残してきた者たちに恨まれ、悲しませる覚悟だ!!!」

「…ッ!残してきた、」

「そうだ!!!我々が戦えるのは命あるからだ!命なくして戦えない!逃げられるならば逃げろ!そして、次に繋げ!!!」

私達は兵器でも人形でもない!この国を民を守る騎士だ!


そう高らかに言えば、何故か周りの人たちから拍手をもらった。
しまった。目立ちすぎた。と、私は反省する。

アークは私の顔を見て一言、すまない。もう勝手なことはしないと言ってくれた。

私はそんなアークの肩を軽く叩いた。

もちろん、この国騎士として命を掛けて戦わなければならない時もある。でもそれは今ではない。そして、命を軽く見てはいけない。






「よぉ、騎士の姉ちゃん!いいこと言ったな!よかったらうちで飯食ってけよ!」

「なに抜け駆けしてんだい!うちにおいで!騎士様!御馳走するよ!」


私たちが和解したのを見た人々が、わあっと集まり私たちに声をかけてくる。

私はそんな人々に戸惑いつつも「すまない、行くところは決まっている。」と断った。


もちろん、全く決まっていないのだが。

とりあえず、ルシファーの顔を見て助けてサインを出せば、彼は笑いながら親指を立てた。






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