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ごじゅうなな
しおりを挟む「コイツは、確かに便利魔術かもしれん。しかし、この術は体への負担も大きい。」
私ただ、ライの大きな独り言を静かに聞く。
彼もまた私に相槌など求めていないようで、気にせず続きを話しはじめた。
「コイツは、何度も使っていくと本来の姿に戻れなく呪いでもある。4.5回程度なら問題ない。がしかし、オレはもう数え切れないほどやっている。元のオレに戻ることはない。そして、マリア。あいつもそろそろ危ういだろう」
自分自身体ではなくなる代償?
ほかの姿になる代わりに?
私はライの話を聞いて、魔術の本当の意味での恐ろしさを知る。
「お前ら人間は、馬鹿みたいに魔法を使い。そして、魔術を使うが果たしてそれについてどれほど知っている?どれほど、理解している?」
その問いに、私はすぐに答えられなかった。
魔法も魔術も生まれてすぐ出来た。
魔術は使うと疲れるからあまり使うなと父様や母様に言われた気がする。
「なるほどな、国の中で偉い立場であってもそれは知らないのか。情けない。」
ライに言われて、己が無知であると自覚した。何も考えず、精霊と契約し、そして、魔法を使っていた。
もしかして、私も何かの代償を払っている?
「何を得るには何かを失わなければならない。それは世の理だ。
魔術とは、純粋に己のみの魔力で発動できるものだ。魔力がないものは発動できない。そして、なにより魔術は自身の知識経験に基づき、色んなものを作れる。新しい魔法とかな?
魔法とは、精霊と契約したり自然の力を借りたりして得た力だ。
この場合、精霊に対価として何かを支払う。
自然に関しては、自然に愛されていなければそもそも使えない。もちろん、精霊に関してもだ。だから、使える魔法が限られる。
相性の悪い水と炎の精霊に好かれたら、あまり魔法が発動できないと言うのはそう言うことだ。」
理解できたか?と言うように私を見るライ。
そのくらいは理解できると睨み返す。
「そして、相性の悪い属性は
光と闇
水と炎
地と風
と決まっている。故に、その属性同士の契約者が戦っても相性は最悪。だが、精霊の中でも上位、中位、下位と三段階に分かれている。上位の上は精霊王になる。精霊の力によって契約者の力も違うってわけだ。
どうだ?学びになったか?」
正直奴の話し方は上手く、すごく理解ができた。これは、学校でも説明するべき内容では?
「ふっ、何故この内容を学校で言わないか。それは、力をうまく使えないようにする為だ。このことを知っているのは、もうオレくらいじゃないか?なんてな。世界の理を知るものはこの世に沢山いる。しかし、それも少数だ。その他大勢がその少数を潰す。世の中、本当にうまく出来ているよ。」
「随分と話すのね、ライ。」
「お前らがあまりにも無能で無知で無価値だから、哀れんだのさ。魔法や魔術は呪いと紙一重ということを忘れるな。何かを欲するならば、それ相当の対価が必要だと言うことも忘れるな。」
「対価が必要…。」
私は、ティアとリヒトと契約をしている。
ティアは初めに私の持つ魔力を少しもらうと言う事で、契約している。
それが私の支払う対価。
じゃあ、リヒトは?リヒトには何も支払っていない、気がする。
「アンタは二つの契約をしてるな?」
「なぜそれを!?」
「オーラを見ればわかる。安心しろ、アンタはしっかり対価を払っている。二つともな」
心でも読めるのだろうか?
それとも私が表情に出しすぎていた?そもそもオーラとは何?
彼は、とても博識だ。
それに比べて自分はなんて無知なのだろう。
学校の学びが、帝王学が全てであると思い込んでいた。
「オーラってのは、人が出すエネルギーみたいな奴だよ。魔術の修行を積めば誰でも見えるようになる。」
「…そう。」
「それと言い忘れてたけど、オレは楽しいことが好きだ。楽しいやつも好き。アンタはちょっとつまらないなーもっと楽しかったらオキニイリになったのに。」
「貴方のお気に入りなんて死んでも嫌だわ」
ヘラヘラ笑うライに私は睨みを効かせながら、そう言った。
私の返答にライはさらに笑みを深めるも、それ以上は何も言わなかった。
「マリアはエドワードしか見えてねえ。ずーっとあいつのことしか考えない。あいつのオーラは綺麗だ。一途に1人を愛しているからな。」
「私もエドワード様を愛しているわ。」
「知ってる。アンタのオーラは綺麗すぎるくらいに透き通ってる。オレは色んな奴にあったが、アンタほどのオーラは初めて見た。」
ヘラヘラ笑っていたライは、急に真顔になりただ私を真っ直ぐ見る。
そして、ライは少しだけ顔を歪め「…もう少し早く出会っていたらな」と零した。
「え?な、ドォンンンン!!!!!!、わっ!なに?!」
私が聞き返そうとする前に、背後の壁らしき物が勢いよく破壊された。
私もライも体制を整えて、構える。
「ルミナス!!!!!」
「お嬢様!!!!御無事ですか!!!」
「アバズレ女!いるんでしょ!返事なさい!」
「おい!クソ聖女!ルナのことを侮辱するな!!首を落とすぞ!!!」
「アーク!落ち着いて!おねーちゃんの気配はするよ!」
「もぉ~みんなまとめて滅するよ~」
しかし、聞こえてきたのは見知った声。
私は肩の力を抜いた。
ーーー瞬間、ライに捕らえられた。
「ルミナス!!!!!!」
「あ、エドワード様、先程ぶりでございます」
「いや。ほんとにさっきぶりだね。じゃないから!もお、本当にーーーーー離せ、下浪人」
エドワード様が呆れた顔で私を見た後に、背後にいたライに向かって低い声で威嚇する。
ライは怯むことなく、笑い飛ばした。
「なぜ、お前の言うことを聞かねばならない、王子サマ。」
「貴様が触れていい人じゃないことをない脳みそで理解しろ」
「あーあ、流石は転生者ってところか?俺の挑発にも乗らない」
ライの言葉に私は思わず反応してしまう。
転生者、とは?
エドワード様は、顔を顰め、後ろにいたみんなも私同様不思議そうな顔をしていた。
ーーーー1人を除いて。
「あら、私もその転生者よ、ライ。文句ある?」
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