非日常系学生戦争

シュガーラビット

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序章~始まり~

1人目 序

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「俺は俺らZクラスを見下しているA~Fクラスに聖杯戦をやりたいんだが俺についてくれる人はだれかいるか?!」
そう、叫んだ。
 その言葉を聞いたクラスはざわめきかえった。
 ここで聖杯戦についての解説を。
この学校は、表向きは過疎化の地域の活性化というのは説明したと思うが、本来の目的は最近開発された科学装置の実験を行うための場所だ。
その装置というのは勉強について考えたものを具現化するというものだ。
プールとかで浮かべない小学生が肩のあたりに着けているような浮き輪のかなり小さいものを手首に着けたらその科学技術の恩恵が受けられる。
具体的に言うと英語なら言ったことが現実になる。英語なら「this pen is float」と言えば指名したペンは宙に浮いたりする。
数学なら集合を定義してしまえば集合外のものは集合内に入れないとか。そういった感じのものだ。
しかしどういうわけか19歳以上の人間は腕輪をはめても恩恵を受けられなかった。
そして研究を重ねた結果、18歳までの高校生にまで恩恵が受けられることが判明した。
研究者は脳波がどうとかいって未だに研究を続けている。
そしてこの学園は生徒に恩恵を受けさせつつどういったことが起こるのか様子を見るために建設された。
完全に生徒の安全を保障できるものではないので国の了解は受けられなかったらしく表向きの理由を作り余らせた予算で地下に研究施設を作ったそうだ。
そして聖杯戦というのはクラスに装置が与えられる。その装置からトーテムのようなホログラムが生成されそれを壊したら勝ち。というものだ。
開始までの手順やもろもろはそのうち説明しよう……
話は戻ってZクラスのHR。
「それで、俺はここにいる全員の実力を知りたいからこのクラスを2チームに分けて模擬戦をしたいと考えている」
いや、勝手に話を進めるなよ。参加しないやつとか絶対いるだろ……
「俺が勝手に言っているのは本当に悪いと思っている。でも、どうしてもあいつらに勝ちたいんだ! 勝たなきゃいけないんだ! だから! 俺に……協力してください……」
最後の方は声が小さくなったが教壇に手をついてしっかり頭を下げていた。
さすがにこれには同情したのかささやき声が聞こえ、ドンドン手が挙がっていった。
俺は怪しまれないタイミングで手を挙げておいた。
たくさんの手が挙がったのを見てヤマトはとてもうれしそうに、
「うそ、マジでみんな協力してくれるんだ。ありがとう!」
もう一度深々と頭を下げた。
「よし、じゃあ、班分けだが……難波さん……でいいのかな?」
「うん、あっているよ」
教室の前の方から返事があった。
「じゃあ、難波さんから出席番号が後ろの人はBチームで、それより前の人がAチームでやろう。もう、この旧校舎全体を使っていいのかな?」
「「いいだろ!」」「「気にするな!」」などいろんな声が飛び交い、
「まあ、いっか」
となり一応希望者だけで模擬戦をすることになった。


 ヤマト曰く腕輪は先生にもらってくるからそれまで待機していて。とのことだったが、まあ、おとなしく待機しているわけもなく現在の状態だ。
開始早々守口に喧嘩を売ったやつがまた守口の前に仁王立ちしている状態だった。
今回外野は早めに廊下に避難した。かくいう俺も怪しまれないように現在廊下にいるわけだが。
「おい、お前。さっきはただ油断していただけだ。次こそはあんなことにはならねぇ」
あんなこと、で外野は思わず吹いてしまったが睨まれたのでさっと向こうから見えない位置へ移動する。
「わたしはいいけど。多分そっちがまた恥をかくよ」
「うっせえっ!」
そう叫ぶとまた殴りかかった。がそれを華麗によけ向こうが振り返ったところで腹にけりを一発。身長が高いせいか足をあげる高さが低かったのでスカートの中は見えなかった。男子高校生としてはすごく惜しい。
そんなことは置いといて気がついたらまた相手の方が宙に浮いて背中から落ちていった。
柔道に近いものか何かか?と推測をする。柔道についてはあまり詳しくない……
「はい、お疲れさま。今日はもう帰った方がいいよ」
あいては顔を抑え込んで、
「帰れるかよ……たかが女一人に勝てなくて帰れるかよ……! 結局俺はあいつらには……! 勝たなきゃ……!」
そういいながらももう戦う気はないようだ。
「君がどんな理由でここにいるかは私は知らない。だけど、ここのクラスならその、『君がここに来た理由」も潰しに行けると思うけど?」
「そんな綺麗事……!」
「それを確かめるために模擬戦じゃないの?」
笑顔を向け、手を差し伸べるとその手をゆっくりと取った。

「ん、みんな何してるんだ?」
 大きなキャリーバックを転がしながらヤマトが帰ってきた。
いろんな奴がヤマトに駆け寄りあったことを説明した。


 すこし時間がたって今、さっき喧嘩を売ったやつが椅子に座り、その周りにその連れが立って、
向かい合うように残りのクラスメイトが各々椅子に座ったり立ったりしている。
「まず俺は野田誠治という。さっきの自己紹介の時に名乗らなくてすまなかった」
「ああ、全然気にしなくていいよ」
ヤマトは楽観的だ。楽観的を演じている。とも見て取れるが別にそこまで深読みする必要はない。
「俺は去年Fクラスでこいつらも含めてクラスの大半で悪をしていたんだ。だけど性格が合わないって理由だけで少しずつ内部分裂が始まっていった。最後の方は完全に俺らと残りとで完全に分裂していて、最終的に代表がタイマンを張ることになった。だが、実際その時に行われたのは……ただの集団リンチだった。向こうは最初タイマンを演出していたが開始早々スタンガンで俺の動きを止めたすきに隠れていたやつ全員で俺をフルボッコにしてきた。それだけじゃない、それを観戦にきていたこいつらもその被害にあった……。わかると思うが結果は俺たちの負けで二度とあっち側の人間と顔を合わさないという契約を押し付けられた」
「「ひでえな……」」「「そんなんあんのかよ……」」
周りからは本当に声が漏れる程度しか出なかった。
「だから、このクラスではこいつらは守ろうと、強くあろうとしてあんなことをしてしまったのは本当に申し訳ないと思っている。だから……俺はまったくの馬鹿で戦力にはならないと思うが模擬戦に参加さしてもらえないだろうか?」
「もちろん、OKだ! というか最初のターゲットはきまったよな!」
そういってヤマトが全員の方を向くと全員が同じように頷いた。
「よし! そのためにも模擬戦でみんなの力を教えてくれ!!!」

「よし、みんな腕輪はつけたな。じゃあ、今から携帯で5分計るからなったらスタートな。じゃあ、散!!」
 その言葉で全員散った。
 散る理由としては自分より強い敵が目の前にいた場合簡単にやられるし、強くなくても不意打ちとかがあり得るからだ。
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