30 / 43
更に
しおりを挟む
【ピンポンパ~ン業務連絡です】
頭の中に鳴り響く声がある、俺は自己嫌悪しながらもそのメッセージを聞いている、
【川田修一君、今日は御苦労さまでした、あなたに会わせたかったのはあの牛獣人のお姉さんなのよね、】
【え?会わせたかったって白い部屋の人の意思だったんですか?】
【ええ、そうなのよミルねえさんに会ってあの娘を救って欲しかったのよ、いいえ、そうじゃないわね、あの子の子供達を救って欲しかったのよ】
【あの妊婦さんの子供ですか?】
【ええ、そうなのよあと少ししたらミル姉さんは出産するの、その時に大量の魔導蟲が拡散されるのよ、そのうちの一人が世界を変えていく一人になるからねっ、だからあなたに手伝ってもらったわけなのよ】
【そうだったんですか、】
【ええ、より良き世界の為にね】
【判りました、俺もっと頑張ります、そしてミル姉さんみたいな不幸な人を無くしたいと思います、】
【それがより良き世界と言うのよ、驕る事無く頑張っていきましょうね】
【はい、頑張ります、より良き世界を求めて、】
「ちょっと、カワタさん、何呆けてるのよ、」
「ああ、乙女のおっさんか、ちょっとした自己嫌悪に陥ってただけだ、問題ない」
俺は乙女のおっさんに言い訳をしてその場をスルーしていく、
「ミル姉さんや、食料だけじゃなくこれも持っておいて欲しいのじゃが」
そう言って金貨10枚ほど入った革袋を渡す、
「これで生まれてくる子供に何か買ってやってくれんかのぅ」
「え?そんな頂く理由が有りません」
「これは、より良き世界を作る為の支度金だと思って欲しいのじゃ」
「より良き世界...何処かで聞いたような...」
「うむ、そう言う訳だからこれを受け取ってほしいんじゃよ」
「はい…ではお預かりしておきます」
「では、儂らは上に行きますが体に気をつけてくだされ、それではまたどこかでお会いできることを、」
「ミル姉さんまたねっ」
二人は去っていった、暫くしてそれと入れ違いに、
「ねえちゃんただいま、今日もあまり残飯もらえなかったよ、」
「セラお帰り、これから食料の心配が無くなったのよ、」笑顔で答える、
「え?どうしてだい?」
「さっきね、親切なお爺さんとお孫さんが来て保存食を沢山くれたのよ、」
「大丈夫なんかい?それって、毒とか入ってないよな?」
「大丈夫、さっき少し頂いたから、とっても美味しかったのよ、」
「そうか、じゃ有難く頂戴するか、」少し考えてから、
「でもそれは姉ちゃんが食ってくれ。オレは自分で取って来れるからさ、とにかく今は姉ちゃんが最優先なんだよ」
そう言ってセラは集めてきた残飯を取り出して心配させないようにと食べみせた、
「セラフィム様...」小さくポツリと呟く。
俺達は地上に戻って来た、
「なぁ、乙女のおっさん、俺ミル姉さんと話して思ったことが有るんだ、」
「何?」
「俺は、より良き世界ってのが見たくなったんだ、」
「どうしたの?いきなり、」
「んあ、ちょっと思う所有ってね、」
「変なカッパね、」
「ああ、そうだな...」
再び賑やかなスラムの街に入る、そしてスラムキングを探す、街中を歩いていると昨日の通路の見張りをしていたアモンさんがいた、
「やあ、アモンさん」
「いよう、爺さんどうだい?この街は」
「随分活気の有る街ですのぅ一部分を覗いて、」
「まあ、スラム街だからな、全てが上手く行ってる訳じゃぁねぇからな、」
「それで、ちょっとスラムキングさんにお話をききたかったんですじゃが、それは出来ますかのぅ」
「今会議中だからあと2時間後にこの間の小屋に来てくれ、」
「すいませんですじゃ、それでは2時間後に、」そう言って別れた、
「こんばんはスラムキングさん、先日はありがとうございましたですじゃ、」
「どうしましたかな、ご老人」
「実は一人気にかけてやって欲しい者が居りまして出産するまでの間なんじゃが、お願いできませんかのう、勿論報酬は払わせて頂きだいのじゃが、」
「ほう、その者は爺さんの身内か何かですかな?」
「いいえ、知り合ったばかりの者ですじゃが...」
「縁もゆかりも無いものに報酬まで出して、爺さんのメリットは何でしょうかな?」
「情に絆された、とでも思って頂ければ、」
「そうですか、その娘の名と住んでる場所は?判りますかな」
「娘さんの名はミルさんと言って年の頃なら22~25才位の牛獣人の娘さんなんじゃが」
「何!牛獣人のミルと言ったか?家名はホルンシュタインと言ってなかったか? ひょっとしたら私の且つての強敵(友)の娘かも知れん...」
「わかった、保護しよう」
「有難う御座いますじゃ」といって俺は金貨10枚を渡しておくことに、
「わかった、任されよ、」どうやらスラムキングの知り合いの娘さんでもあるらしかったので少し安心できた、
俺達はスラムキングに再度礼を言って別れた、
「ミルヒの娘がスラム街に落とされていたのか、」キングが呟く、
「アモン、至急保護してやってくれ」
「ひょっとしてミルヒ・ホルンシュタイン殿の娘さんでしょうか?」
「うむ、恐らくそうなのだろう、我が強敵(友)であった者の忘れ形見に何という仕打ち、」
「恐らく宰相のやった事ではないでしょうか、」
「多分そうだろう、増々腐敗してきてしまったな、我らの計画はまだ先だ、もう少しだけ堪えてもらえれば...」
「アモン、頼んだぞ」そう言って私はアモンを送り出した。
元同僚であったミルヒ・ホルンシュタイン...か、 元王女専属宮廷騎士だった頃に思いをはせる。
レストラン・ズイにて、
「カワタさんエリーさんこれで地上げ屋も当分大人しくなると思います、有難う御座いました、」
「いやいや、旅の老人の気まぐれですじゃお気になさらんで下さい、昨夜もお伝えしたんじゃが牛獣人の妊婦さんの件、なにとぞ宜しくお願いしますのじゃ」
俺は何かあったらデイさんにミルさんを雇ってもらえる様話を通したんだ、だがミルさんは【あと少しだけ今の場所に居なければいけない気がするんです】と言ってあの場所を動こうとしなかったんだよ、俺はそう言う事なのか、と半分納得しながらこの街を後にする事になった、GODさんから次の地へ移動するように指示があったんだ。
そして数日後この国は大きく変革していく、救世主と呼ばれる男が現れたからだ。
胸に七つの傷はないけどね。
続く
頭の中に鳴り響く声がある、俺は自己嫌悪しながらもそのメッセージを聞いている、
【川田修一君、今日は御苦労さまでした、あなたに会わせたかったのはあの牛獣人のお姉さんなのよね、】
【え?会わせたかったって白い部屋の人の意思だったんですか?】
【ええ、そうなのよミルねえさんに会ってあの娘を救って欲しかったのよ、いいえ、そうじゃないわね、あの子の子供達を救って欲しかったのよ】
【あの妊婦さんの子供ですか?】
【ええ、そうなのよあと少ししたらミル姉さんは出産するの、その時に大量の魔導蟲が拡散されるのよ、そのうちの一人が世界を変えていく一人になるからねっ、だからあなたに手伝ってもらったわけなのよ】
【そうだったんですか、】
【ええ、より良き世界の為にね】
【判りました、俺もっと頑張ります、そしてミル姉さんみたいな不幸な人を無くしたいと思います、】
【それがより良き世界と言うのよ、驕る事無く頑張っていきましょうね】
【はい、頑張ります、より良き世界を求めて、】
「ちょっと、カワタさん、何呆けてるのよ、」
「ああ、乙女のおっさんか、ちょっとした自己嫌悪に陥ってただけだ、問題ない」
俺は乙女のおっさんに言い訳をしてその場をスルーしていく、
「ミル姉さんや、食料だけじゃなくこれも持っておいて欲しいのじゃが」
そう言って金貨10枚ほど入った革袋を渡す、
「これで生まれてくる子供に何か買ってやってくれんかのぅ」
「え?そんな頂く理由が有りません」
「これは、より良き世界を作る為の支度金だと思って欲しいのじゃ」
「より良き世界...何処かで聞いたような...」
「うむ、そう言う訳だからこれを受け取ってほしいんじゃよ」
「はい…ではお預かりしておきます」
「では、儂らは上に行きますが体に気をつけてくだされ、それではまたどこかでお会いできることを、」
「ミル姉さんまたねっ」
二人は去っていった、暫くしてそれと入れ違いに、
「ねえちゃんただいま、今日もあまり残飯もらえなかったよ、」
「セラお帰り、これから食料の心配が無くなったのよ、」笑顔で答える、
「え?どうしてだい?」
「さっきね、親切なお爺さんとお孫さんが来て保存食を沢山くれたのよ、」
「大丈夫なんかい?それって、毒とか入ってないよな?」
「大丈夫、さっき少し頂いたから、とっても美味しかったのよ、」
「そうか、じゃ有難く頂戴するか、」少し考えてから、
「でもそれは姉ちゃんが食ってくれ。オレは自分で取って来れるからさ、とにかく今は姉ちゃんが最優先なんだよ」
そう言ってセラは集めてきた残飯を取り出して心配させないようにと食べみせた、
「セラフィム様...」小さくポツリと呟く。
俺達は地上に戻って来た、
「なぁ、乙女のおっさん、俺ミル姉さんと話して思ったことが有るんだ、」
「何?」
「俺は、より良き世界ってのが見たくなったんだ、」
「どうしたの?いきなり、」
「んあ、ちょっと思う所有ってね、」
「変なカッパね、」
「ああ、そうだな...」
再び賑やかなスラムの街に入る、そしてスラムキングを探す、街中を歩いていると昨日の通路の見張りをしていたアモンさんがいた、
「やあ、アモンさん」
「いよう、爺さんどうだい?この街は」
「随分活気の有る街ですのぅ一部分を覗いて、」
「まあ、スラム街だからな、全てが上手く行ってる訳じゃぁねぇからな、」
「それで、ちょっとスラムキングさんにお話をききたかったんですじゃが、それは出来ますかのぅ」
「今会議中だからあと2時間後にこの間の小屋に来てくれ、」
「すいませんですじゃ、それでは2時間後に、」そう言って別れた、
「こんばんはスラムキングさん、先日はありがとうございましたですじゃ、」
「どうしましたかな、ご老人」
「実は一人気にかけてやって欲しい者が居りまして出産するまでの間なんじゃが、お願いできませんかのう、勿論報酬は払わせて頂きだいのじゃが、」
「ほう、その者は爺さんの身内か何かですかな?」
「いいえ、知り合ったばかりの者ですじゃが...」
「縁もゆかりも無いものに報酬まで出して、爺さんのメリットは何でしょうかな?」
「情に絆された、とでも思って頂ければ、」
「そうですか、その娘の名と住んでる場所は?判りますかな」
「娘さんの名はミルさんと言って年の頃なら22~25才位の牛獣人の娘さんなんじゃが」
「何!牛獣人のミルと言ったか?家名はホルンシュタインと言ってなかったか? ひょっとしたら私の且つての強敵(友)の娘かも知れん...」
「わかった、保護しよう」
「有難う御座いますじゃ」といって俺は金貨10枚を渡しておくことに、
「わかった、任されよ、」どうやらスラムキングの知り合いの娘さんでもあるらしかったので少し安心できた、
俺達はスラムキングに再度礼を言って別れた、
「ミルヒの娘がスラム街に落とされていたのか、」キングが呟く、
「アモン、至急保護してやってくれ」
「ひょっとしてミルヒ・ホルンシュタイン殿の娘さんでしょうか?」
「うむ、恐らくそうなのだろう、我が強敵(友)であった者の忘れ形見に何という仕打ち、」
「恐らく宰相のやった事ではないでしょうか、」
「多分そうだろう、増々腐敗してきてしまったな、我らの計画はまだ先だ、もう少しだけ堪えてもらえれば...」
「アモン、頼んだぞ」そう言って私はアモンを送り出した。
元同僚であったミルヒ・ホルンシュタイン...か、 元王女専属宮廷騎士だった頃に思いをはせる。
レストラン・ズイにて、
「カワタさんエリーさんこれで地上げ屋も当分大人しくなると思います、有難う御座いました、」
「いやいや、旅の老人の気まぐれですじゃお気になさらんで下さい、昨夜もお伝えしたんじゃが牛獣人の妊婦さんの件、なにとぞ宜しくお願いしますのじゃ」
俺は何かあったらデイさんにミルさんを雇ってもらえる様話を通したんだ、だがミルさんは【あと少しだけ今の場所に居なければいけない気がするんです】と言ってあの場所を動こうとしなかったんだよ、俺はそう言う事なのか、と半分納得しながらこの街を後にする事になった、GODさんから次の地へ移動するように指示があったんだ。
そして数日後この国は大きく変革していく、救世主と呼ばれる男が現れたからだ。
胸に七つの傷はないけどね。
続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
コンバット
サクラ近衛将監
ファンタジー
藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。
ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。
忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。
担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。
その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。
その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。
かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。
この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。
しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。
この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。
一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる