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量産
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この町には魔法使いが少ない、実入りの良い所に出稼ぎに行ってしまうからだ、しかも魔法使いが優遇されすぎるが故の既得権益が派生してしまってる、既得権益は魔法使い業界を閉鎖的にしてしまうのでそれを打ち崩す為に俺たちは魔法使いを量産して一気に打破するのだ!
って何その魔法使い業界って、ノリツッコミをしながら今後の展開を思案する、ここで既得権益にズブズブな輩が俺たちの邪魔をして来ることは目に見えている、ってことで【新魔法使い協会】をこの町に立ち上げることにした、
協会の目的は魔法使いの量産【これで君も魔法使い】計画の推進と新魔法使いの保護育成がある、俺はギルド職員のミンメイさんにお願いして魔法使い育成マニュアルを作成 それを増やしていく、目指せ一家に一冊魔法使い育成マニュアルを標語にして増刷していきましたよ、っで妊婦さん見つかりましたよ、何気に今まで自分が魔法使いだったことに気が付かない人が多かったんですよね、
その原因が例の既得権益保有者だったんですよ、魔法使いの母親から生まれても魔法が使えるわけでもない、3歳までに魔法が発現しなければ一生魔法は使えないものだと言う暗示を掛けられて魔法の事を考えると悪夢を見る、と言う【嘘情報】に踊らされていたんですよねこの町は、
その時頭の中に声が響く、
「ほ~んとや~ね~悪夢だなんて」
ああ~やっぱりG・O・Dあんたが悪夢の正体ですかい!
どうやらG・O・Dさんもこの既得権益に加担していた様です。
っで 今までの間違いと勘違いを正す為の告知事項もマニュアルに入れておきました、3歳とかの縛りは無いって事と、悪夢じゃなくてちょっと変わった人の出てくる夢って事にしておきました、先に言われておけばあまり警戒する事も無いんじゃないかなとの事ですね、
【これで君も魔法使い】のマニュアルが完成したのでギルドに置いてもらう事にしました、
マレーとカイの集めてきた妊婦さんに実際に魔法が使えるのかどうかテストさせて頂きました、一番イメージし易い水の魔法です、ここで妊婦さんに夏の暑い時を思い出してもらい、両手で水をすくう様にイメージしてもらいます、そこに水が有ったら、と一心に思うんですよ、すると水が発生します これが出来れば魔法が使えるって事なんですね、そして見つかった人が5人程いたんですよ、って事は100人の魔法使いだ新たに誕生する事にもなります、
俺はモーリャ養蜂場のママとサキとシキの3名をここにご招待する事にした、ここでギルドの受付嬢のおねーさんにママが魔導蟲の移植法と精神鍛錬をレクチャーする事にしてこの町の魔法使い量産化計画を実行していく、
計画の第一弾 ギルド内に産院を増設して産婆さんを常駐カウンセリングから出産費用は全てギルドが面倒見ます、
第二弾は初乳を分けてくれた妊婦さんへの報奨金の支払い
第3弾は魔導蟲移植手術の為の綺麗な宿兼訓練施設の増設です、
これにより街は人口増加で活性化して町全体が潤う、これこそが新魔法使い協会による【これで君も魔法使い】計画の真意なんですよね、
人が集まれば物が集まり金も集まるこれも一種の産業だよね、これは儲かる匂いがプンプンしてきますよ、
って事でママとサキ&シキの兄弟に夢の連携で連絡です、テンシンの街に半年程出向して貰い、魔導蟲移植手術と精神鍛錬法のレクチャーによる収益で十分利益が見越せるんですね、どうやらここでその為の商売のノウハウを得て魔法使い養成所なるものを作るようです、後のモーリャ魔法学院が出来るのはまた別のお話って事で、
っで心配していた旧魔法使い協会の連中なんだけど、すぐに解散となったようです、ここの会長だけが儲かるシステムだったから他の会員が付いてこなくなってたんですね、っで他の会員達を新魔法使い協会で魔法の師匠として高給優遇で誘ったら即勧誘できました、
連絡してから6日程でママ、サキ、シキの3名が到着、大きな盾とクレイモアを背負った2人とママがほぼ手ぶらでやってきましたよ、荷物は全部ママのアイテムボックスに入れてきたようです、
「移植手術はまだなんでしょ?」俺がママに訊ねると
「そうなんだよ~丁度いい子がみつからなくてね~」ママが残念そうに答えた、
「この町に魔法使いの妊婦さん5人も見つかったから生まれ次第すぐに始められるよ、冒険者ギルドの中に産院と手術室も作ってもらったから」セキがそう言うとママを案内する、
途中冒険者の一団とすれ違う、その中に一際大きな熊獣人がいた、
「ああ~叔父さんひさしぶり~」セキが大きな熊獣人に駆け寄る、
ミンメイさんが 「ギルマス帰って来たのですね、」
「おう、遅くなっちまったが今戻った、」この熊獣人の大男名前はデイと言うダイの弟である、
「セキでかくなったな、それに義姉さんお久しぶりです、」軽く頭を下げ挨拶をする、
「しかし二人とも何故こんな所まで?何かあったのか?」不安そうにママに尋ねる、すると
「叔父さん、これ出来るようになった~」相変わらず間延びした口調で爪の先から火を灯す、
「な、どうしてだ、お前魔法が使えるのか!?」デイが驚愕の顔でセキの両肩を掴んで揺さぶる、
「叔父さんいたいよ~」セキが掴まれた両肩を振りほどきながらこれまでの経緯を話す、
「デイ、ギルドマスターの許可なく勝手にギルドの中で話進めちゃってごめんね~、でもあんたなら絶対賛成してくれると信じてたからさ」ミンメイさんが言った、
あれ?なんだか随分親しい関係っぽいな、俺はミンメイさんとデイを交互に見る、きっとそういう事なんだろうと思い軽くスルーして、俺はデイに挨拶をする、
「コージィ・コーナと言います宜しく、」
「あんたがコージィか、ジョンから手紙を貰っていたが あとから魔法使いになれるなんて眉唾物かと思っていたんだが本当だったのか、」
「あれ?ジョンさんを知ってるんですか?」
「ああ、あいつとは昔パーティを組んでたんだ、」
どこで繋がっているのかわからないもんだな~と思いながらデイに聞いてみる
「この辺に腕のいいドワーフはいませんか?」
「ああ、いるよちょっと変わりもんだがここから少し行った山の麓に工房が有るから」
「じゃあ俺はすぐにそこに向かいます、セキあとの説明は任せたのでよろしく頼む」
俺は飛行魔法を使いその場を飛び立つ、
「いいな~飛行魔法とびたいなぁ~」セキが羨ましそうに見送っていた、
山の麓の川辺に水車小屋があった、ガッコン ガッコンと規則正しい金属を叩く音が聞こえる、 水車を利用して金属を叩いて鍛えている所だった、
「ごめんくださ~い」
「帰れ邪魔だ」
うん確かに変りもんだ、用件聞く前に帰れときましたよ、
「デイさんからこの辺りで一番腕がいいと教えられて、作ってほしいものが有るんですが、
「デイからか、じゃ話だけ聞いてやるが仕事は受けねえからな、あとちょっと待ってろ今作業中じゃ」 そう声が聞こえてから10分後
「何か用か」 身長150cmくらいの白髪の髭を蓄えた老人が作業場の扉を開けて現れる、
俺はアイテムボックスの中から一番強い酒の瓶を出し、「俺の好きな酒です、飲んでみてください」と言って渡す、
この手の頑固爺さんの心に訴えかける物、それは自分の好きな物と相手の好きな物が同じと言う共感を得られるかどうかって所だと俺は思っている、これは本当に美味いと思えるブランデーだ、
早速爺さんはコルクを抜き直接煽る、
「うおお、なんだこの芳醇な香り、酒精も強いしコクもある、美味い!」
爺さん気に入ってくれたようだな、俺のとっておきのチェリーブランデー アルコール度数50%の20年物VSOだ、
「っで何を作ってほしいんだ?すぐ作業に取り掛かるぞ、」
全然頑固爺さんじゃないよこの人、酒一本で好好爺に変身出来る爺さんでした、
俺は注射針の説明をして量産を頼む、
「材料は錆びにくい防錆鋼を薄く叩きのばして細く丸いパイプにした針って事で強度はあまり必要ないって事でいいんだな」
爺さんが聞いてくる、「はい、出来る限り細く作ってください、」
「よし試作で何本か作るから明日見に来てくれ、それと酒は買う事も出来るのか?」
余程気に入ってくれたようだ、
「流石にあのブランデーは生産数が少ないんで同じものはないけど、アップルブランデーなら1樽あるよ、あれと同じくらい美味いやつだけど、」
と言ってサンプル小瓶を出す、すると爺さん引っ手繰るように小瓶を掴み栓を抜いて口に含む、
「おお、これもさっきのとは香りが違うな、リンゴで作ってあるのか、じゃが少々酒精が弱いのか、」 それでも40%なんだけどね、そう言いながら爺さんは満足そうに答える 「うむ、これを1樽で請け負う事にしよう」
俺はアイテムボックスから1樽出して目の前に
「おぬし魔法使いだったのか、」
爺さんに今までの経緯と注射針の必要性を説明した、すると爺さんが一言
「儂の孫娘にも魔法を使えるようにしてくれんかの」
「爺さんの孫?今は何処にいるんだい?」
「デイのギルドで冒険者をやっておる、魔法が使えるようになればかなり危険は少なくなるんじゃろ?」
「ああ、生存率がかなり上がるからな、怪我する率もかなり少なくなる、」
「じゃあ是非とも...」俺は爺さんの言葉を遮り
「いやもうその準備はしているよ、ギルドの冒険者の若い女の子から優先的に魔法使いになってもらう事にデイも賛成してくれた、」
「そうか、デイが...」
「ああ、その為の今回依頼の注射針だからな、」
俺は挨拶もそこそこにギルドへ戻ることにした、
ママに注射針での魔導蟲の注入法と薬液と初乳の混合方法とその他注意事項も伝えてミンメイさんにそのことを纏めてもらい小冊子を作ってもらう事にした、明日注射針が届くからそれまでに準備する、ついでにミンメイさんに魔法使いになる心得の小冊子も作ってもらう事に、
このギルドに印刷機があるんです、所謂ガリ版印刷って奴で紙はわら半紙なんですよね、材料がすぐに手に入って簡単に作れるからね、それでミンメイさんが今ガリ版印刷用のロウ紙にガリガリと鉄筆で文章を刻み込んでいます、(書き込むって言うより刻み込むが正解だと思いますねコレ)
小冊子をとりあえず100部作ってもらいました、明後日は満月 丁度出産予定日の妊婦さんがいるんですよ、ここテンシンの街で初めての魔導蟲移植なので頑張っていきます、
っで今日は当日 魔導蟲移植候補者を40人集めました、一人の妊婦さんから20人分の魔導蟲しか取れないのでは?と思った人、例外って言葉があるんですよ~、今回の妊婦さんは牛獣人さんでした~、錬金術師モローの手記にあったんですよ、牛獣人の乳だけは魔導蟲の含有率が高いと言う事と、量が多いと言う事なんですね、それで第2弾の人達も一緒にやってしまおうって事になったんですよ、
注射針は予備も含めて今100本ここにあります、ガラス製の注射器は3個出来てます、俺とママ、あとミンメイさんが注射担当ですね、
「おんぎゃ~おんぎや~」元気な男の子が生まれました、先ずは赤ちゃん用に初乳を確保、次40人分の乳絞ります、この作業はママがやってミンメイさんがサポート、俺はなぜか別室に放り込まれました、 何故だ、解せぬ、
錬金術師モローの手記によると一人当たり5cc位でも十分らしいです、それに人肌温度の薬液をまぜて注射器に、
俺の前には何故か男の冒険者やら熊のおっさんやらが並んでるんだ、お~いちょっと~俺の期待感は何処にもっていけばいいんだよ~
俺の海綿体に集まりかけていた熱い血潮がおっさんの列を見た途端 は~い解散解散~おつかれ~と言いながら各部に散っていきました、俺は無表情に淡々と作業をこなしていきましたよ、
おっさんたちの胸にアルコールを塗り消毒、次々と注入していくと作業はすぐに終わった、するとマレー、カイ、シキ、サキ、デイが声をかけてくる、
「これで半年後に夢見るんだよな?それだけで魔法が使えるようになるのか?」マレーが問うてくる
「ああ、そうなんだが強い魔法を出す為に精神を鍛えないと生活に便利な魔法までしか使えなくなるから、ここから本当の訓練になるんだ、」
「そうか、やはり簡単な物じゃないんだな、」
「そうなんだよな、その為の俺との半年間の冒険なんだよ」俺は答える、
シキとサキとデイはこの街でママに鍛えてもらいながらギルドの仕事をこなしていくようだ、
そこへ身長130cm位の赤髪をショートにしたむっちり筋肉質の少女がやってきた、
「あんたがコージィか、ありがとなオレも魔法使いにしてくれて、爺さんから聞いたよ」
あの爺さんの孫娘だった、
「おっと、まだ名乗ってなかったな、オレの名はランってんだ宜しくな」
「おう」と言ってそれにこたえる、
「っでオレも連れて行ってくれねーか半年の冒険って奴にさ」
「何故だ?ここでも鍛えられるだろ」
「まあそうだけど、オレもここ以外の土地って行ったことがねーんだ、それに爺さんから少し分けてもらった酒だ、あんなうめえもんがあるなんてオレは今まで知らなかったんだ、他の土地にはもっとうめえもんがあるんだろ?」
ドワーフの血なのかこれは、酒の為に冒険がしたいとは、俺はしばし考える、
「爺さんは何と言ってる?許可が出てるなら考えてもいいが」
俺はあの爺さんの頑固さと孫娘を溺愛度を考慮して頭の中で卓上打算機が働く、爺さんは許可しないと、
「わかった説得してくる」そういってギルドを出ていった、
翌日 「爺さんから許可貰って来たぞ」 え?あの爺さんが許可しただと?
どのように説得したのかと聞くと「この酒よりうめえ酒が有るらしいから取って来るんで冒険させろ」と言ったら即許可が出たとの事、
「くっ、その手できたのか、」俺は爺さんの性格を見誤っていたようだった、
「わかったよ、連れていく、その代わり俺の指示には従ってくれ、出来ないと言う事なら連れてはいけない出立は明後日の朝 ここギルドに集合だ、」
俺たちは旅の準備を始める、今回の目的はセキの香辛料の採集だ、まだ知られていない物とかを探したいらしい、ほかの同行者のマレー、カイ,ランはその間に精神修行だ、
俺とセキは食材と雑貨の買い出しに来ている、俺は雑貨をメインで買い出しセキは食材担当だ、
「俺は樽とロープを探してくる セキに食材は任せるんでこれ持って行ってくれ」といって金貨を5枚(50万ギルダン)渡す、今回の魔導蟲移植作業でかなり儲かってるしスタンピードの報奨金もあるから何気に裕福だ、
俺は雑貨屋を物色、酒樽を大量に購入(中古も含む)とロープを10本その他瓶とか小さい樽とかを大量に買い込む、これはセキの香辛料用の容器だ、あと販売用にもね、ただの修行の旅じゃないんだ、行商の旅でもあるからね、掴むぜBIG MONEY!
続く
って何その魔法使い業界って、ノリツッコミをしながら今後の展開を思案する、ここで既得権益にズブズブな輩が俺たちの邪魔をして来ることは目に見えている、ってことで【新魔法使い協会】をこの町に立ち上げることにした、
協会の目的は魔法使いの量産【これで君も魔法使い】計画の推進と新魔法使いの保護育成がある、俺はギルド職員のミンメイさんにお願いして魔法使い育成マニュアルを作成 それを増やしていく、目指せ一家に一冊魔法使い育成マニュアルを標語にして増刷していきましたよ、っで妊婦さん見つかりましたよ、何気に今まで自分が魔法使いだったことに気が付かない人が多かったんですよね、
その原因が例の既得権益保有者だったんですよ、魔法使いの母親から生まれても魔法が使えるわけでもない、3歳までに魔法が発現しなければ一生魔法は使えないものだと言う暗示を掛けられて魔法の事を考えると悪夢を見る、と言う【嘘情報】に踊らされていたんですよねこの町は、
その時頭の中に声が響く、
「ほ~んとや~ね~悪夢だなんて」
ああ~やっぱりG・O・Dあんたが悪夢の正体ですかい!
どうやらG・O・Dさんもこの既得権益に加担していた様です。
っで 今までの間違いと勘違いを正す為の告知事項もマニュアルに入れておきました、3歳とかの縛りは無いって事と、悪夢じゃなくてちょっと変わった人の出てくる夢って事にしておきました、先に言われておけばあまり警戒する事も無いんじゃないかなとの事ですね、
【これで君も魔法使い】のマニュアルが完成したのでギルドに置いてもらう事にしました、
マレーとカイの集めてきた妊婦さんに実際に魔法が使えるのかどうかテストさせて頂きました、一番イメージし易い水の魔法です、ここで妊婦さんに夏の暑い時を思い出してもらい、両手で水をすくう様にイメージしてもらいます、そこに水が有ったら、と一心に思うんですよ、すると水が発生します これが出来れば魔法が使えるって事なんですね、そして見つかった人が5人程いたんですよ、って事は100人の魔法使いだ新たに誕生する事にもなります、
俺はモーリャ養蜂場のママとサキとシキの3名をここにご招待する事にした、ここでギルドの受付嬢のおねーさんにママが魔導蟲の移植法と精神鍛錬をレクチャーする事にしてこの町の魔法使い量産化計画を実行していく、
計画の第一弾 ギルド内に産院を増設して産婆さんを常駐カウンセリングから出産費用は全てギルドが面倒見ます、
第二弾は初乳を分けてくれた妊婦さんへの報奨金の支払い
第3弾は魔導蟲移植手術の為の綺麗な宿兼訓練施設の増設です、
これにより街は人口増加で活性化して町全体が潤う、これこそが新魔法使い協会による【これで君も魔法使い】計画の真意なんですよね、
人が集まれば物が集まり金も集まるこれも一種の産業だよね、これは儲かる匂いがプンプンしてきますよ、
って事でママとサキ&シキの兄弟に夢の連携で連絡です、テンシンの街に半年程出向して貰い、魔導蟲移植手術と精神鍛錬法のレクチャーによる収益で十分利益が見越せるんですね、どうやらここでその為の商売のノウハウを得て魔法使い養成所なるものを作るようです、後のモーリャ魔法学院が出来るのはまた別のお話って事で、
っで心配していた旧魔法使い協会の連中なんだけど、すぐに解散となったようです、ここの会長だけが儲かるシステムだったから他の会員が付いてこなくなってたんですね、っで他の会員達を新魔法使い協会で魔法の師匠として高給優遇で誘ったら即勧誘できました、
連絡してから6日程でママ、サキ、シキの3名が到着、大きな盾とクレイモアを背負った2人とママがほぼ手ぶらでやってきましたよ、荷物は全部ママのアイテムボックスに入れてきたようです、
「移植手術はまだなんでしょ?」俺がママに訊ねると
「そうなんだよ~丁度いい子がみつからなくてね~」ママが残念そうに答えた、
「この町に魔法使いの妊婦さん5人も見つかったから生まれ次第すぐに始められるよ、冒険者ギルドの中に産院と手術室も作ってもらったから」セキがそう言うとママを案内する、
途中冒険者の一団とすれ違う、その中に一際大きな熊獣人がいた、
「ああ~叔父さんひさしぶり~」セキが大きな熊獣人に駆け寄る、
ミンメイさんが 「ギルマス帰って来たのですね、」
「おう、遅くなっちまったが今戻った、」この熊獣人の大男名前はデイと言うダイの弟である、
「セキでかくなったな、それに義姉さんお久しぶりです、」軽く頭を下げ挨拶をする、
「しかし二人とも何故こんな所まで?何かあったのか?」不安そうにママに尋ねる、すると
「叔父さん、これ出来るようになった~」相変わらず間延びした口調で爪の先から火を灯す、
「な、どうしてだ、お前魔法が使えるのか!?」デイが驚愕の顔でセキの両肩を掴んで揺さぶる、
「叔父さんいたいよ~」セキが掴まれた両肩を振りほどきながらこれまでの経緯を話す、
「デイ、ギルドマスターの許可なく勝手にギルドの中で話進めちゃってごめんね~、でもあんたなら絶対賛成してくれると信じてたからさ」ミンメイさんが言った、
あれ?なんだか随分親しい関係っぽいな、俺はミンメイさんとデイを交互に見る、きっとそういう事なんだろうと思い軽くスルーして、俺はデイに挨拶をする、
「コージィ・コーナと言います宜しく、」
「あんたがコージィか、ジョンから手紙を貰っていたが あとから魔法使いになれるなんて眉唾物かと思っていたんだが本当だったのか、」
「あれ?ジョンさんを知ってるんですか?」
「ああ、あいつとは昔パーティを組んでたんだ、」
どこで繋がっているのかわからないもんだな~と思いながらデイに聞いてみる
「この辺に腕のいいドワーフはいませんか?」
「ああ、いるよちょっと変わりもんだがここから少し行った山の麓に工房が有るから」
「じゃあ俺はすぐにそこに向かいます、セキあとの説明は任せたのでよろしく頼む」
俺は飛行魔法を使いその場を飛び立つ、
「いいな~飛行魔法とびたいなぁ~」セキが羨ましそうに見送っていた、
山の麓の川辺に水車小屋があった、ガッコン ガッコンと規則正しい金属を叩く音が聞こえる、 水車を利用して金属を叩いて鍛えている所だった、
「ごめんくださ~い」
「帰れ邪魔だ」
うん確かに変りもんだ、用件聞く前に帰れときましたよ、
「デイさんからこの辺りで一番腕がいいと教えられて、作ってほしいものが有るんですが、
「デイからか、じゃ話だけ聞いてやるが仕事は受けねえからな、あとちょっと待ってろ今作業中じゃ」 そう声が聞こえてから10分後
「何か用か」 身長150cmくらいの白髪の髭を蓄えた老人が作業場の扉を開けて現れる、
俺はアイテムボックスの中から一番強い酒の瓶を出し、「俺の好きな酒です、飲んでみてください」と言って渡す、
この手の頑固爺さんの心に訴えかける物、それは自分の好きな物と相手の好きな物が同じと言う共感を得られるかどうかって所だと俺は思っている、これは本当に美味いと思えるブランデーだ、
早速爺さんはコルクを抜き直接煽る、
「うおお、なんだこの芳醇な香り、酒精も強いしコクもある、美味い!」
爺さん気に入ってくれたようだな、俺のとっておきのチェリーブランデー アルコール度数50%の20年物VSOだ、
「っで何を作ってほしいんだ?すぐ作業に取り掛かるぞ、」
全然頑固爺さんじゃないよこの人、酒一本で好好爺に変身出来る爺さんでした、
俺は注射針の説明をして量産を頼む、
「材料は錆びにくい防錆鋼を薄く叩きのばして細く丸いパイプにした針って事で強度はあまり必要ないって事でいいんだな」
爺さんが聞いてくる、「はい、出来る限り細く作ってください、」
「よし試作で何本か作るから明日見に来てくれ、それと酒は買う事も出来るのか?」
余程気に入ってくれたようだ、
「流石にあのブランデーは生産数が少ないんで同じものはないけど、アップルブランデーなら1樽あるよ、あれと同じくらい美味いやつだけど、」
と言ってサンプル小瓶を出す、すると爺さん引っ手繰るように小瓶を掴み栓を抜いて口に含む、
「おお、これもさっきのとは香りが違うな、リンゴで作ってあるのか、じゃが少々酒精が弱いのか、」 それでも40%なんだけどね、そう言いながら爺さんは満足そうに答える 「うむ、これを1樽で請け負う事にしよう」
俺はアイテムボックスから1樽出して目の前に
「おぬし魔法使いだったのか、」
爺さんに今までの経緯と注射針の必要性を説明した、すると爺さんが一言
「儂の孫娘にも魔法を使えるようにしてくれんかの」
「爺さんの孫?今は何処にいるんだい?」
「デイのギルドで冒険者をやっておる、魔法が使えるようになればかなり危険は少なくなるんじゃろ?」
「ああ、生存率がかなり上がるからな、怪我する率もかなり少なくなる、」
「じゃあ是非とも...」俺は爺さんの言葉を遮り
「いやもうその準備はしているよ、ギルドの冒険者の若い女の子から優先的に魔法使いになってもらう事にデイも賛成してくれた、」
「そうか、デイが...」
「ああ、その為の今回依頼の注射針だからな、」
俺は挨拶もそこそこにギルドへ戻ることにした、
ママに注射針での魔導蟲の注入法と薬液と初乳の混合方法とその他注意事項も伝えてミンメイさんにそのことを纏めてもらい小冊子を作ってもらう事にした、明日注射針が届くからそれまでに準備する、ついでにミンメイさんに魔法使いになる心得の小冊子も作ってもらう事に、
このギルドに印刷機があるんです、所謂ガリ版印刷って奴で紙はわら半紙なんですよね、材料がすぐに手に入って簡単に作れるからね、それでミンメイさんが今ガリ版印刷用のロウ紙にガリガリと鉄筆で文章を刻み込んでいます、(書き込むって言うより刻み込むが正解だと思いますねコレ)
小冊子をとりあえず100部作ってもらいました、明後日は満月 丁度出産予定日の妊婦さんがいるんですよ、ここテンシンの街で初めての魔導蟲移植なので頑張っていきます、
っで今日は当日 魔導蟲移植候補者を40人集めました、一人の妊婦さんから20人分の魔導蟲しか取れないのでは?と思った人、例外って言葉があるんですよ~、今回の妊婦さんは牛獣人さんでした~、錬金術師モローの手記にあったんですよ、牛獣人の乳だけは魔導蟲の含有率が高いと言う事と、量が多いと言う事なんですね、それで第2弾の人達も一緒にやってしまおうって事になったんですよ、
注射針は予備も含めて今100本ここにあります、ガラス製の注射器は3個出来てます、俺とママ、あとミンメイさんが注射担当ですね、
「おんぎゃ~おんぎや~」元気な男の子が生まれました、先ずは赤ちゃん用に初乳を確保、次40人分の乳絞ります、この作業はママがやってミンメイさんがサポート、俺はなぜか別室に放り込まれました、 何故だ、解せぬ、
錬金術師モローの手記によると一人当たり5cc位でも十分らしいです、それに人肌温度の薬液をまぜて注射器に、
俺の前には何故か男の冒険者やら熊のおっさんやらが並んでるんだ、お~いちょっと~俺の期待感は何処にもっていけばいいんだよ~
俺の海綿体に集まりかけていた熱い血潮がおっさんの列を見た途端 は~い解散解散~おつかれ~と言いながら各部に散っていきました、俺は無表情に淡々と作業をこなしていきましたよ、
おっさんたちの胸にアルコールを塗り消毒、次々と注入していくと作業はすぐに終わった、するとマレー、カイ、シキ、サキ、デイが声をかけてくる、
「これで半年後に夢見るんだよな?それだけで魔法が使えるようになるのか?」マレーが問うてくる
「ああ、そうなんだが強い魔法を出す為に精神を鍛えないと生活に便利な魔法までしか使えなくなるから、ここから本当の訓練になるんだ、」
「そうか、やはり簡単な物じゃないんだな、」
「そうなんだよな、その為の俺との半年間の冒険なんだよ」俺は答える、
シキとサキとデイはこの街でママに鍛えてもらいながらギルドの仕事をこなしていくようだ、
そこへ身長130cm位の赤髪をショートにしたむっちり筋肉質の少女がやってきた、
「あんたがコージィか、ありがとなオレも魔法使いにしてくれて、爺さんから聞いたよ」
あの爺さんの孫娘だった、
「おっと、まだ名乗ってなかったな、オレの名はランってんだ宜しくな」
「おう」と言ってそれにこたえる、
「っでオレも連れて行ってくれねーか半年の冒険って奴にさ」
「何故だ?ここでも鍛えられるだろ」
「まあそうだけど、オレもここ以外の土地って行ったことがねーんだ、それに爺さんから少し分けてもらった酒だ、あんなうめえもんがあるなんてオレは今まで知らなかったんだ、他の土地にはもっとうめえもんがあるんだろ?」
ドワーフの血なのかこれは、酒の為に冒険がしたいとは、俺はしばし考える、
「爺さんは何と言ってる?許可が出てるなら考えてもいいが」
俺はあの爺さんの頑固さと孫娘を溺愛度を考慮して頭の中で卓上打算機が働く、爺さんは許可しないと、
「わかった説得してくる」そういってギルドを出ていった、
翌日 「爺さんから許可貰って来たぞ」 え?あの爺さんが許可しただと?
どのように説得したのかと聞くと「この酒よりうめえ酒が有るらしいから取って来るんで冒険させろ」と言ったら即許可が出たとの事、
「くっ、その手できたのか、」俺は爺さんの性格を見誤っていたようだった、
「わかったよ、連れていく、その代わり俺の指示には従ってくれ、出来ないと言う事なら連れてはいけない出立は明後日の朝 ここギルドに集合だ、」
俺たちは旅の準備を始める、今回の目的はセキの香辛料の採集だ、まだ知られていない物とかを探したいらしい、ほかの同行者のマレー、カイ,ランはその間に精神修行だ、
俺とセキは食材と雑貨の買い出しに来ている、俺は雑貨をメインで買い出しセキは食材担当だ、
「俺は樽とロープを探してくる セキに食材は任せるんでこれ持って行ってくれ」といって金貨を5枚(50万ギルダン)渡す、今回の魔導蟲移植作業でかなり儲かってるしスタンピードの報奨金もあるから何気に裕福だ、
俺は雑貨屋を物色、酒樽を大量に購入(中古も含む)とロープを10本その他瓶とか小さい樽とかを大量に買い込む、これはセキの香辛料用の容器だ、あと販売用にもね、ただの修行の旅じゃないんだ、行商の旅でもあるからね、掴むぜBIG MONEY!
続く
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手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
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