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聖誕祭
二学期が終わった。
白組のカップル率はまた上がった。
すっかり寒くなったというのに周りのラブラブっぷりで教室内が熱い。
楽しそうだな。リア充達め。
私は、もうすぐ始まる聖誕祭のイベントに気もそぞろだ。聖誕祭はゲーム最後のイベントだ。
ヒロインが聖誕祭を一緒に過ごした人と結ばれるのだ。
シルビオ様のルートでは荘厳な教会プロポーズだった。この国には初代国王にちなんで、15歳の聖誕祭に教会でプロポーズしたカップルは、生涯仲良く添い遂げられるという伝説がある。女の子が憧れるシチュエーションだ。
シルビオ様をあの教会に近付けてはならない。
これを乗り切ればヒロインと恋に堕ちないかも。一縷の望みを託す。
「聖誕祭、レオとデートすることになったのよ。」
マリアちゃんが可愛い。レオめモブの分際で。
羨ましいぞ。
「マリアちゃん、良かったね。私もマーガレットとデートなんだ。」
最近めっきり雰囲気が柔らかく、より近付き安くなったと評判のシルビオ様が私にヘッドロックをかけてきた。
きっと周りには、婚約者にじゃれつく甘えん坊さんな美形男子に見えている事だろう。
しかし、地味に痛い。離してくれ。
ようやくヘッドロックを解除してくれたシルビオ様は、ひょいと私を抱え込んだ。
「マーガレットはどこに行きたいの?」
約束した覚えがないんですが。下手に口に出すと、ヘッドロックの恐怖が甦る。
「い、いえ。私のことよりシルビオ様こそどうされるんですか。」
尾行の都合があるので教えていただければありがたい。
「内緒。当日のお楽しみ。」
シルビオ様、内緒って。くそ可愛いな。私を萌え殺す気か?神様ー。ここに萌え殺し常習犯がいます!
聖誕祭当日。
私は、シルビオ様御用達の下町の屋台にいた。
屋台に並ぶ粉もんの色が、変わっていた。
懐かしい食べ物がたくさんあった。
あれから、ちょくちょくノックス商会の会頭のうどん屋で話した食べ物が、屋台にたくさん並んでいた。
「今、流行りの食べ物だよ。」
目を丸くした私に、悪戯に成功したいたずらっ子のように笑うシルビオ様が可愛い。
ゲームのシルビオ様より、今のお茶目なシルビオの方が好きだな。シルビオ様と手を繋いで、屋台を見て回った。楽しくて時間がどんどん過ぎていく。
夕焼けが目に染みる。ゲームは、昼間だった。シルビオ様がルートから完全に外れた、そう確信した。
屋台のはずれにちいさな可愛い赤い屋根の教会があった。中に入る。ステンドグラスが夕陽に照らされて美しかった。
祭壇の前に二人で並んで神に祈りをささげた。
シルビオ様とずっと一緒にいたい。
祈りが終わって立ち上がろうとした時。シルビオ様の手をそっと取った。神の前で向かい合う。
突然の私の行動に、いつも自信に満ちたシルビオ様の瞳の奥が珍しく揺らめいていた。
「シルビオ様、結婚してくださいませ。」
ゲームでは荘厳な教会でヒロインがシルビオ様にプロポーズされていたが、地味モブな私にふさわしいこのこじんまりとした教会で、私からプロポーズしてもいいんじゃないか?
いつもの冷静なシルビオ様が動揺している。
「マーガレット、段取りが。」
「シルビオ様、私と結婚するのですか?しないのですか?」
「するに決まってる。」
「わかりました。シルビオ様がいらないといっても、生涯ずっと側にいますから。覚悟して下さいね。」
前世から、あなたに抱いた想いは深く、とても逃がしてあげられそうにありません。
ヒロインさん、ごめんなさい。地味モブな私が生涯をかけて最推しを幸せにします!
有能なマネージャー兼アシスタントの悪役令嬢に支えられてヒロインは、今日も締切に終われている。
「締切まで、あと3時間。」
「くそー聖誕祭。リア充爆死しろ!」
ヒロインのゲームは、未だ始まらないままエンディングを迎えたのだった。
白組のカップル率はまた上がった。
すっかり寒くなったというのに周りのラブラブっぷりで教室内が熱い。
楽しそうだな。リア充達め。
私は、もうすぐ始まる聖誕祭のイベントに気もそぞろだ。聖誕祭はゲーム最後のイベントだ。
ヒロインが聖誕祭を一緒に過ごした人と結ばれるのだ。
シルビオ様のルートでは荘厳な教会プロポーズだった。この国には初代国王にちなんで、15歳の聖誕祭に教会でプロポーズしたカップルは、生涯仲良く添い遂げられるという伝説がある。女の子が憧れるシチュエーションだ。
シルビオ様をあの教会に近付けてはならない。
これを乗り切ればヒロインと恋に堕ちないかも。一縷の望みを託す。
「聖誕祭、レオとデートすることになったのよ。」
マリアちゃんが可愛い。レオめモブの分際で。
羨ましいぞ。
「マリアちゃん、良かったね。私もマーガレットとデートなんだ。」
最近めっきり雰囲気が柔らかく、より近付き安くなったと評判のシルビオ様が私にヘッドロックをかけてきた。
きっと周りには、婚約者にじゃれつく甘えん坊さんな美形男子に見えている事だろう。
しかし、地味に痛い。離してくれ。
ようやくヘッドロックを解除してくれたシルビオ様は、ひょいと私を抱え込んだ。
「マーガレットはどこに行きたいの?」
約束した覚えがないんですが。下手に口に出すと、ヘッドロックの恐怖が甦る。
「い、いえ。私のことよりシルビオ様こそどうされるんですか。」
尾行の都合があるので教えていただければありがたい。
「内緒。当日のお楽しみ。」
シルビオ様、内緒って。くそ可愛いな。私を萌え殺す気か?神様ー。ここに萌え殺し常習犯がいます!
聖誕祭当日。
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懐かしい食べ物がたくさんあった。
あれから、ちょくちょくノックス商会の会頭のうどん屋で話した食べ物が、屋台にたくさん並んでいた。
「今、流行りの食べ物だよ。」
目を丸くした私に、悪戯に成功したいたずらっ子のように笑うシルビオ様が可愛い。
ゲームのシルビオ様より、今のお茶目なシルビオの方が好きだな。シルビオ様と手を繋いで、屋台を見て回った。楽しくて時間がどんどん過ぎていく。
夕焼けが目に染みる。ゲームは、昼間だった。シルビオ様がルートから完全に外れた、そう確信した。
屋台のはずれにちいさな可愛い赤い屋根の教会があった。中に入る。ステンドグラスが夕陽に照らされて美しかった。
祭壇の前に二人で並んで神に祈りをささげた。
シルビオ様とずっと一緒にいたい。
祈りが終わって立ち上がろうとした時。シルビオ様の手をそっと取った。神の前で向かい合う。
突然の私の行動に、いつも自信に満ちたシルビオ様の瞳の奥が珍しく揺らめいていた。
「シルビオ様、結婚してくださいませ。」
ゲームでは荘厳な教会でヒロインがシルビオ様にプロポーズされていたが、地味モブな私にふさわしいこのこじんまりとした教会で、私からプロポーズしてもいいんじゃないか?
いつもの冷静なシルビオ様が動揺している。
「マーガレット、段取りが。」
「シルビオ様、私と結婚するのですか?しないのですか?」
「するに決まってる。」
「わかりました。シルビオ様がいらないといっても、生涯ずっと側にいますから。覚悟して下さいね。」
前世から、あなたに抱いた想いは深く、とても逃がしてあげられそうにありません。
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「締切まで、あと3時間。」
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