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31オリビエ
しおりを挟む「うわー。なんで。」
男子更衣室から、アレックス様の叫び声が聞こえた。
更衣室の扉には『現在アレックス専用男子入室禁止』とある。
ヴィヴィアンと目配せする。男子更衣室の扉を得意の回し蹴りで蹴破った。お父様の教え『強さは正義』が役立ったわ。
中には驚いた顔のアレックス様とズタズタの衣装があった。
衣装は朝、同志たちとこっそりチェックした時には何も問題はなかった。皆、本当は衣装の端をこっそり頂きたかったのに我慢したのだ。
むろん不審人物がいないか警戒はしていた。が、華陽の舞コンテストの間どうしても警備が甘くなってしまった事は否めない。
華陽の舞にはほぼ全員の女子学生が参加するのだ。そして男子学生もほぼ全員が観客席にいる。
いたいけなアレックス様にこんな表情をさせるなんて許せませんわ、犯人め。
衣装のズボンは無事だった。しかし、華やかな上衣が切り裂かれて無惨だ。
今から繕ったところで間に合わないし、たとえ時間があったとしても、元通りに綺麗に修復するのは難しいだろう。
しょげるアレックス様の肩に手を置く。わたくし良いこと思い付きましたわ、ふふふ。
「ヴィヴィアン。私達の衣装を手直ししたら間に合うかしら。」
ヴィヴィアンの表情が変わる。その天啓を得たような表情にわたくしは勝ちを確信した。
卑劣な犯人め、わたくし達が目にもの見せて差し上げてよ。
アレックス様の晴れ舞台邪魔するものは許さないわ。たとえ噂通りのへっぴり腰ダンスだって見たいのですわ。
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