170 / 336
第二部 四季姫進化の巻
第十三章 秋姫進化 11
しおりを挟む
十一
陣の中で身動きが取れず、化け狐――赤尾は、稲荷寿司を咥えたまま、もがいていた。
五芒星の陣から青白い筋状の光が迸り、赤尾に纏わり付いて、猿轡の役割を果たした。
「久しぶりだな、赤尾。不様な格好だ」
赤尾の目の前に屈み込み、宵が低い声を放った。寿司を飲み下した赤尾は、細く鋭い目で周囲を見渡した。
楸の姿を視界に入れると、不愉快そうに舌を鳴らした。
「誰かと思えば、宵月夜の坊ちゃんじゃねえですかい。解せませんね、四季姫とグルになって、あっしを捕まえるなんて。妖怪の風上にも置けねえや」
「千年前にも、同じ台詞を吐いていたな。今でも、はっきり覚えているぞ。俺たち兄弟が陰陽師と関わっているなんて、お前もとっくに知っていただろうが」
「仰るとおりで。皮肉なんて、吐いても無意味でしたか。封印から出て、晴れて自由の身になれたんですってね。おめでとうございやす」
赤尾の棒読みの祝言に、宵はつまらなさそうに鼻を鳴らした。
「白々しい。俺が召集を掛けた時には、見向きもしなかったくせに」
「あっしも、忙しい身ですからね。野暮用で出掛けていて、お受けできなかったんですよ」
「野暮用ってのは、また人間でも襲って、魂を抜き取っていたのか?」
宵は眉を顰めて、核心を突く問い掛けをぶつけた。
赤尾の口から直接、六年前の話を引き出すつもりだ。ほぼ間違いないだろうが、確証がないかぎりは、赤尾を仇とは決め付けられない。
もうすぐ、真実が明らかになる。ずっと、憶測でしかなかった家族の死の意味が、はっきりとわかる。
楸は眼前で行われるやり取りを、固唾を飲んで見守った。
宵の意図になど、気付いた素振りもない赤尾は、宵の話に釣られて楽しそうに語りはじめた。
「最近は人間も、飢餓や寿命で早死にする奴が減りましたからねぇ。自殺や病死は増えてますから、崖の下やら樹海やら、あと病院を見張っていると、効率がいいんですけどねぇ」
赤尾は、クククと不気味に笑う。人の命を軽率に扱う発言。楸の心の中に、嫌悪感が広がった。
震える手を、宵が握り締めてくれた。
楸とは反して、宵は冷静に赤尾に接し続けていた。今、怒りや敵意を剥き出しにすれば、赤尾は何も語らなくなる。
落ち着かなくては。楸も、小さく呼吸を繰り返し、宵の手を握り返した。
場の空気も平常になり、会話が続く。
「――六年前、この辺りで人間を狩ったか? 四人の家族連れだ」
「さぁねぇ。奪った魂の顔や名前まで、いちいち覚えているわけもないでやんすし」
「その頃、お前の姪御の結婚式があったそうだが」
細かく突き詰めていくと、赤尾の記憶が蘇ったらしく、いきなり声を大きくした。
「そうそう! 祝いの品が、なかなか決まらなくてねぇ。結局、探すのも面倒になって、途中で会った人間を適当に三人ほど殺して、その魂を詰め合わせて贈ったんでやんすよ。なのに、厳選された魂じゃなきゃ美味くないって、姪のやつ、あっしの祝い品を棄てやがったんですよ。……って、何で、宵月夜さまがご存知なんです?」
まるで、他愛もない思い出話でも語るみたいに、赤尾はグダグダとつまらなさそうに話を続ける。
楸の体が、勝手に動いた。赤尾の首に手を伸ばし、締め付けようとした。
赤尾は驚き警戒し、全身の毛を逆立てた。
「やめろ、無闇に手を出すな」
勢いよく、宵に引き戻される。
「止めんといてください。こいつが、私の家族を殺した。命を、魂を奪った……!」
口では喚いていたが、頭の中では冷静に現状を把握していた。
楸が狐の首から手を離した瞬間、腕のあった場所に、赤尾が鋭い牙を向けてきた。そのままの体勢でいたら、間違いなく噛み千切られていただろう。
赤尾は威嚇しながら、楸を睨みつけていた。楸も負けじと、赤尾を睨みつけた。
「あー、思い出したぁ。たしか六年前、通りすがりの家族の魂を奪った時に、時間がなくて一人、始末できなかったんだよ。――お前が、あの時の生き残りかい、秋姫」
楸の正体を悟った途端、赤尾の瞳に嫌な光が宿った。ずっと前に狩り損ねた獲物を、再び見つけた、と喜んでいる表情だった。
だが、楸も立場は同じだ。ようやく、倒すべき標的をはっきり定められた。
「両親と弟の仇、とらせてもらうどす! 覚悟しなはれ」
宵に引き止められながらも、楸は赤尾に食ってかかった。
赤尾は相変わらず、危機感のない緩い笑みを浮かべていた。捕らえられて身動きもできないのに、随分と余裕だ。
その態度の意味を察知できなかった点が、楸の失態に繋がった。
楸たちがいる、銀杏の木を中心にして、濃い妖気が渦巻いていた。気付いたときには、完全に囲まれて、逃げ場を失っていた。
足元で、赤い光がぼんやりと放たれる。光は地上に浮かび上がると同時に、火の玉と化した。
「狐火である! 触れてはなりませぬぞ!」
八咫が楸と宵を、狐火から引き離す。
狐火は昔から、人を惑わす存在とされ、恐れられてきた。時には迷い人を正しい道へ誘う救いの炎となる時もあったらしいが、所詮は獣の気紛れだ。
火に触れると、原因不明の高熱にうなされる症状も、でるらしい。気をつけなければ。
捕らえられていても、まだ余裕で妖力を使えるのか。赤尾がいつ、どんな攻撃を仕掛けてくるか、分からない。
楸は素早く秋姫に変身し、宵を庇って攻撃に備えた。
秋姫の姿を見ても、赤尾は変わらず、余裕の表情だ。
「覚悟すんのは、お前らだよぉ。万が一にと思って、下準備をしておいて、正解だった。狐招きの術は、人間だけが行える特別な儀式じゃあ、ないんだよ?」
赤尾の言葉の意味は、楸にはよく分からなかった。
だが、宵は状況を察知したらしく、八咫に素早く指示を送った。八咫は勢いよく上空に飛び上がった。
「宵月夜さま! 五芒星でありまする! 狐火が、巨大な円陣を描いておりまするぞ」
「先に、陣を敷いてやがったのか……」
宵が舌打ちする。楸にも状況が察知できた。
赤尾は、楸たちの懐に飛び込んでくる前に、一帯に罠を張り巡らせていたらしい。
楸たちが気付かないほど大きな、狐招きの罠。
つまり、楸たちは知らない間に、赤尾の部下の狐たちを招き寄せるための、餌にされていたわけだ。
狐火のさらに外周に、夥しい数の妖気が集まってきた。気がついた時には、たくさんの妖狐に包囲されていた。
狐たちの牽制に威嚇を返しているうちに、隙を突いて一匹の狐が陣の中に入り込んできた。赤尾を捉えていた陣を素早く足で掻き消す。
陣の効果が消えると、赤尾は素早く脱出して、陣の外へ飛んで行った。
「あっしは、忙しいんでね。失礼しやすよ」
手下の狐たちを壁にして、赤尾はそそくさと逃走した。
「待つどす! 今度こそ、逃がしまへん!」
楸は赤尾を追いかけようと駆け出した。だが、すぐに狐たちに道を塞がれた。
とんでもない数の妖狐だ。一匹一匹の力は微弱そうだが、相手にしていては、時間がいくらあっても足りない。
通せん坊を食らっている間にも、どんどん赤尾との距離が開いていく。焦りが、楸の頭を襲った。
どうすればいいか分からなくなっていると、背後で狐たちの悲鳴が上がった。
土煙を上げて、狐が上空に跳ね飛ばされる。物凄い勢いで狐たちが吹き飛ばされ、楸たちのいる場所まで一本の道ができた。
道の向こうから、榎たちが突っ込んできた。大量の妖気に気付いて、駆けつけてくれた。
椿が、テンポの速い曲を演奏する。妖怪たちの脳を強烈に刺激する曲らしく、近くにいた狐から順番に、頭を抱えて倒れ始めた。
「邪魔だ、道を明けろ! 〝真空断戯〟!」
榎の剣術が炸裂し、赤尾が逃げた方向にいた狐たちが、一直線に吹き飛んだ。
さらに、柊が両刃の薙刀を振りかざすと、狐たちが凍りつき、大きな壁になった。
壁と壁の間に、道ができあがった。その道の先には、赤尾が逃げていった気配が、しっかりと残っている。
「行け、楸! こいつらは、あたしたちが引き受ける」
「しっかり、敵討ってくるんやで!」
「皆さん……おおきにどす!」
みんなの援助を受け、楸は大きく頷いた。梓弓を強く握り締め、仲間が文字通り切り開いてくれた道を、全速力で駆け抜けた。
陣の中で身動きが取れず、化け狐――赤尾は、稲荷寿司を咥えたまま、もがいていた。
五芒星の陣から青白い筋状の光が迸り、赤尾に纏わり付いて、猿轡の役割を果たした。
「久しぶりだな、赤尾。不様な格好だ」
赤尾の目の前に屈み込み、宵が低い声を放った。寿司を飲み下した赤尾は、細く鋭い目で周囲を見渡した。
楸の姿を視界に入れると、不愉快そうに舌を鳴らした。
「誰かと思えば、宵月夜の坊ちゃんじゃねえですかい。解せませんね、四季姫とグルになって、あっしを捕まえるなんて。妖怪の風上にも置けねえや」
「千年前にも、同じ台詞を吐いていたな。今でも、はっきり覚えているぞ。俺たち兄弟が陰陽師と関わっているなんて、お前もとっくに知っていただろうが」
「仰るとおりで。皮肉なんて、吐いても無意味でしたか。封印から出て、晴れて自由の身になれたんですってね。おめでとうございやす」
赤尾の棒読みの祝言に、宵はつまらなさそうに鼻を鳴らした。
「白々しい。俺が召集を掛けた時には、見向きもしなかったくせに」
「あっしも、忙しい身ですからね。野暮用で出掛けていて、お受けできなかったんですよ」
「野暮用ってのは、また人間でも襲って、魂を抜き取っていたのか?」
宵は眉を顰めて、核心を突く問い掛けをぶつけた。
赤尾の口から直接、六年前の話を引き出すつもりだ。ほぼ間違いないだろうが、確証がないかぎりは、赤尾を仇とは決め付けられない。
もうすぐ、真実が明らかになる。ずっと、憶測でしかなかった家族の死の意味が、はっきりとわかる。
楸は眼前で行われるやり取りを、固唾を飲んで見守った。
宵の意図になど、気付いた素振りもない赤尾は、宵の話に釣られて楽しそうに語りはじめた。
「最近は人間も、飢餓や寿命で早死にする奴が減りましたからねぇ。自殺や病死は増えてますから、崖の下やら樹海やら、あと病院を見張っていると、効率がいいんですけどねぇ」
赤尾は、クククと不気味に笑う。人の命を軽率に扱う発言。楸の心の中に、嫌悪感が広がった。
震える手を、宵が握り締めてくれた。
楸とは反して、宵は冷静に赤尾に接し続けていた。今、怒りや敵意を剥き出しにすれば、赤尾は何も語らなくなる。
落ち着かなくては。楸も、小さく呼吸を繰り返し、宵の手を握り返した。
場の空気も平常になり、会話が続く。
「――六年前、この辺りで人間を狩ったか? 四人の家族連れだ」
「さぁねぇ。奪った魂の顔や名前まで、いちいち覚えているわけもないでやんすし」
「その頃、お前の姪御の結婚式があったそうだが」
細かく突き詰めていくと、赤尾の記憶が蘇ったらしく、いきなり声を大きくした。
「そうそう! 祝いの品が、なかなか決まらなくてねぇ。結局、探すのも面倒になって、途中で会った人間を適当に三人ほど殺して、その魂を詰め合わせて贈ったんでやんすよ。なのに、厳選された魂じゃなきゃ美味くないって、姪のやつ、あっしの祝い品を棄てやがったんですよ。……って、何で、宵月夜さまがご存知なんです?」
まるで、他愛もない思い出話でも語るみたいに、赤尾はグダグダとつまらなさそうに話を続ける。
楸の体が、勝手に動いた。赤尾の首に手を伸ばし、締め付けようとした。
赤尾は驚き警戒し、全身の毛を逆立てた。
「やめろ、無闇に手を出すな」
勢いよく、宵に引き戻される。
「止めんといてください。こいつが、私の家族を殺した。命を、魂を奪った……!」
口では喚いていたが、頭の中では冷静に現状を把握していた。
楸が狐の首から手を離した瞬間、腕のあった場所に、赤尾が鋭い牙を向けてきた。そのままの体勢でいたら、間違いなく噛み千切られていただろう。
赤尾は威嚇しながら、楸を睨みつけていた。楸も負けじと、赤尾を睨みつけた。
「あー、思い出したぁ。たしか六年前、通りすがりの家族の魂を奪った時に、時間がなくて一人、始末できなかったんだよ。――お前が、あの時の生き残りかい、秋姫」
楸の正体を悟った途端、赤尾の瞳に嫌な光が宿った。ずっと前に狩り損ねた獲物を、再び見つけた、と喜んでいる表情だった。
だが、楸も立場は同じだ。ようやく、倒すべき標的をはっきり定められた。
「両親と弟の仇、とらせてもらうどす! 覚悟しなはれ」
宵に引き止められながらも、楸は赤尾に食ってかかった。
赤尾は相変わらず、危機感のない緩い笑みを浮かべていた。捕らえられて身動きもできないのに、随分と余裕だ。
その態度の意味を察知できなかった点が、楸の失態に繋がった。
楸たちがいる、銀杏の木を中心にして、濃い妖気が渦巻いていた。気付いたときには、完全に囲まれて、逃げ場を失っていた。
足元で、赤い光がぼんやりと放たれる。光は地上に浮かび上がると同時に、火の玉と化した。
「狐火である! 触れてはなりませぬぞ!」
八咫が楸と宵を、狐火から引き離す。
狐火は昔から、人を惑わす存在とされ、恐れられてきた。時には迷い人を正しい道へ誘う救いの炎となる時もあったらしいが、所詮は獣の気紛れだ。
火に触れると、原因不明の高熱にうなされる症状も、でるらしい。気をつけなければ。
捕らえられていても、まだ余裕で妖力を使えるのか。赤尾がいつ、どんな攻撃を仕掛けてくるか、分からない。
楸は素早く秋姫に変身し、宵を庇って攻撃に備えた。
秋姫の姿を見ても、赤尾は変わらず、余裕の表情だ。
「覚悟すんのは、お前らだよぉ。万が一にと思って、下準備をしておいて、正解だった。狐招きの術は、人間だけが行える特別な儀式じゃあ、ないんだよ?」
赤尾の言葉の意味は、楸にはよく分からなかった。
だが、宵は状況を察知したらしく、八咫に素早く指示を送った。八咫は勢いよく上空に飛び上がった。
「宵月夜さま! 五芒星でありまする! 狐火が、巨大な円陣を描いておりまするぞ」
「先に、陣を敷いてやがったのか……」
宵が舌打ちする。楸にも状況が察知できた。
赤尾は、楸たちの懐に飛び込んでくる前に、一帯に罠を張り巡らせていたらしい。
楸たちが気付かないほど大きな、狐招きの罠。
つまり、楸たちは知らない間に、赤尾の部下の狐たちを招き寄せるための、餌にされていたわけだ。
狐火のさらに外周に、夥しい数の妖気が集まってきた。気がついた時には、たくさんの妖狐に包囲されていた。
狐たちの牽制に威嚇を返しているうちに、隙を突いて一匹の狐が陣の中に入り込んできた。赤尾を捉えていた陣を素早く足で掻き消す。
陣の効果が消えると、赤尾は素早く脱出して、陣の外へ飛んで行った。
「あっしは、忙しいんでね。失礼しやすよ」
手下の狐たちを壁にして、赤尾はそそくさと逃走した。
「待つどす! 今度こそ、逃がしまへん!」
楸は赤尾を追いかけようと駆け出した。だが、すぐに狐たちに道を塞がれた。
とんでもない数の妖狐だ。一匹一匹の力は微弱そうだが、相手にしていては、時間がいくらあっても足りない。
通せん坊を食らっている間にも、どんどん赤尾との距離が開いていく。焦りが、楸の頭を襲った。
どうすればいいか分からなくなっていると、背後で狐たちの悲鳴が上がった。
土煙を上げて、狐が上空に跳ね飛ばされる。物凄い勢いで狐たちが吹き飛ばされ、楸たちのいる場所まで一本の道ができた。
道の向こうから、榎たちが突っ込んできた。大量の妖気に気付いて、駆けつけてくれた。
椿が、テンポの速い曲を演奏する。妖怪たちの脳を強烈に刺激する曲らしく、近くにいた狐から順番に、頭を抱えて倒れ始めた。
「邪魔だ、道を明けろ! 〝真空断戯〟!」
榎の剣術が炸裂し、赤尾が逃げた方向にいた狐たちが、一直線に吹き飛んだ。
さらに、柊が両刃の薙刀を振りかざすと、狐たちが凍りつき、大きな壁になった。
壁と壁の間に、道ができあがった。その道の先には、赤尾が逃げていった気配が、しっかりと残っている。
「行け、楸! こいつらは、あたしたちが引き受ける」
「しっかり、敵討ってくるんやで!」
「皆さん……おおきにどす!」
みんなの援助を受け、楸は大きく頷いた。梓弓を強く握り締め、仲間が文字通り切り開いてくれた道を、全速力で駆け抜けた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる