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第二部 四季姫進化の巻
第十八章 夏姫進化 5
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五
「嫌だ、綴さん! 行かないで!」
眩しい光の川の中に吸い込まれていく綴を掴まえようと、榎は腕を伸ばした。
地脈に指先が触れると、まるで榎を拒絶するみたいに弾き返され、榎の体に電流が走った。火花が飛び散り、火傷しそうなほどの熱が伝わり、激しい痛みを伴った。
「榎さん、危ないですわ、離れて!」
奏が引き戻してくれなければ、大怪我を覚悟で地脈に飛び込んでいただろう。勢いが抑えられ、興奮は徐々に冷めていったが、頭の中では混乱が続いていた。やがて何も考えられなくなり、強烈な脱力感に襲われた。
「陣が、完全に長と一体化したでおじゃる」
月麿の言葉が、起こった出来事の全てを表していた。
綴は陣の中に入り、地脈の中に身を投じて支配した。陣は正常に作動しはじめ、鬼閻に力を吸い取られる心配はなくなった。
全ては、この場にいる全員が望んだ結果、だったはずだ。
なのに、少なくとも榎の中には、虚無感しか残っていない。
背後から、綴の名を呼ぶ萩の呟きが耳に入ってきた。萩の存在を生み出し、一部の意識や感覚を共有する綴の気配がこの空間から消え去ったのだと気付き、呆然と陣を眺めていた。
萩も、榎と同じか分からないが、大切な者を失った感覚に襲われているのかもしれない。表情には、少し悲痛さが見て取れた。
「萩はん、よそ見しとったら、あきまへん! これ以上、強くならんと言うても、鬼閻は健在どす!」
楸が怒声を放つとともに、弓の弦を弾いて矢を射る。矢はまっすぐ、鬼閻の肩に突き刺さった。
鬼閻は、萩のすぐ側まで迫っていた。楸の手助けも虚しく、鋭い爪が萩の体を弾き飛ばした。萩も体をよじって致命傷は防いだが、広場の外周の壁に激突した。
鬼閻の咆哮がこだまする。激しく体中の筋肉を隆起させ、全身に力を漲らせていった。
「何でや、地脈の力はもう吸い取れへんはずやのに、鬼閻の力がどんどん増していっとるで!?」
鬼閻を弱らせようと再び集まった者達の間に、困惑の空気が広がる。
その不可解な様子を見ていた月麿が、絶望的な言葉を放った。
「時間が、かかりすぎたかもしれぬ。今までに蓄えた力を使って、鬼閻は体内で新しい力を生み出せるほどに成長してしてしもうたのじゃ」
「ほんなら、地脈をこっちで制御しとっても、何の意味もないやんか!」
鬼閻の魂はほぼ、完全な姿にまで復活してしまったというのか。
絶望という名の暗雲が、周囲を覆い尽くしていった。
「ならば、先手必勝どす。鬼閻の力を削いで、奴の成長を止めるどす!」
陰欝な空気を払拭し、楸が真っ先に動いた。
「焦熱にて灰となれ。――〝朱雀の炎翔〟!」
気を高め、力を解放した楸の体を、燃え盛る炎が包み込む。激しく燃える矢を頭上に穿つと、矢は巨大な炎を纏った鳥――朱雀に姿を変え、上空を舞った。
空を一周旋回した後、朱雀は鬼閻に狙いを定めて、一直線に落ちてきた。鬼閻に衝突するとともに大爆発を起こし、周囲を熱の渦に巻き込んだ。
激しい熱風が治まると、その中心部で黒焦げになった鬼閻が膝を着いていた。黒煙を燻らせて、動きを停止させていたが、すぐにゆっくりと、立ち上がって動き出した。
「禁術を食ろうても、まだ動けるんか……」
確実に、ダメージは与えられている。だが、その生命力を絶つほどの威力には至らなかった。悔しそうな表情を浮かべつつ、楸が力を使い果たして倒れ込む。
抵抗する力もなくなった楸を尻目に、鬼閻はゆっくりと前進をはじめる。
迷いなく、地脈を封じた陣に向かってきた。
受けた傷の修復のために、再び地脈の力を吸収するつもりだ。
「まずい、鬼閻が来る! 祭壇ごと悪鬼に飲まれるぞ!」
月麿が陣を守ろうと身構えるが、足は震えて、まともに動けそうな状態ではない。
榎は無意識に体を動かし、四つん這いのままで陣の入口に立ち塞がった。
歩み寄ってきた鬼閻を、怒りを込めて睨みつける。
鬼閻は榎の眼前で立ち止まった。榎の放つ殺気や剣幕に圧されて、少し躊躇した様子も見られた。
威嚇するように、また強烈な咆哮を吐き出した。
周囲の空気が震える。
「すごい声……。耳が、裂けそうですわ!」
奏が表情を苦痛に歪めて、両耳を塞ぐ。
榎も音の衝撃を真正面から受けて、全身の水分が激しく揺さぶられた。
脳に振動が走り、意識が遠退きそうになったが、気合いだけで踏ん張った。
気持ち悪さや痛みよりも、怒りが勝って榎を突き動かす。
「うるさい! これ以上、祭壇に近付くな!!」
榎は鬼閻に負けない勢いで、大声をぶつけた。
「地脈は、綴さんが制御しているんだ。地脈は綴さんそのものだ。汚らわしい手で、綴さんに触るな!」
怒号とともに、榎の中から強烈な感情が沸き上がる。
以前、綴を拉致した響に向けて放ったものと、同じ怒り。
だが、今度は意識を失いはせず、しっかりと体の変化を感じ取れた。
額が熱くなる。鋭い突起物――角が生える感触が、伝わってきた。
「何事じゃ!? この変化が、噂に聞いた鬼化か……?」
「薬の効果もなく、鬼になるなんて……」
「一度力を開放したから、自在に扱えるようになったんかもしれん」
「でも、意識は失っていないわ。ちゃんと、自我を保っている」
周囲も榎の変貌に驚いていたが、反応している暇はない。
榎は激しい咆哮を放ち、鬼閻を威嚇し返した。
鬼閻は大きく怯み、よろめきながら後ずさった。
榎の威圧感が、鬼閻さえもを圧倒させている。
だが、鬼閻も負けじと、気迫を押し返してくる。
突然、鬼閻の体から黒い煙が立ち昇った。煙は無数の蛇の姿に変化し、四方八方に飛び散る。
この場にいる全ての者に向かって、無差別に襲い掛かろうとした。
決して強い力を持つ攻撃ではなさそうだが、中には戦いの反動で動けなくなっている人たちも大勢いる。今、強い邪気を直撃で食らえば、大変なダメージを被る。
鬼閻の卑怯な攻撃に、榎の怒りは最高潮に達した。
仲間たちにも、地脈にも、指一本触れさせない。
榎は剣を構えた。突如として剣がまばゆい光を放ち始める。
全身に力が漲り、剣に集束されていく。頭の中に、新たなる詞が浮かび上がった。
「此の世の澱みし邪風を祓え。――〝白虎の咆哮〟!」
剣を横に凪ぐと、真っ白な霧が周囲に充満した。霧は邪気を防ぐバリアーの役割を果たし、みんなを黒い蛇の襲撃から守った。霧に纏わりつかれた邪気の蛇は、粉々に分解して飛散、消滅した。
剣先から巨大な白い虎が飛び出し、榎の隣に立った。鋭い牙を剥き出しにして、前方に向けて凄まじい声で吠えた。
一箇所だけ霧が晴れ、視界に鬼閻が現れた。急に何も見えなくなり、困惑して辺りを見渡している。
白虎は口から強烈な衝撃波を放ち、鬼閻に浴びせかけた。
光が収まるとともに、鬼閻は激しく痙攣しながら地面に倒れ込んだ。
白虎は役目を終えたと言わんばかりに、空気に溶けて消えた。瞬間、榎の全身から力が抜け、その場に倒れ込んだ。頭の角もなくなり、精根尽き果てた。
「鬼閻は、倒されたんか?」
慌てて鬼閻の側に近寄ってきた、了生の声が聞こえた。
「いいや、全身が麻痺して、動けなくなっておるだけじゃな」
鬼閻の様子を観察していた了海が返答する。
「夏姫様の力は、護りの力。守るべき者達を庇う盾となり、敵の動きを封じる術なのであろう」
夏姫の禁術には、他の四季姫たちが持つほどの攻撃力はない。
だが、頭が冷静になるにしたがって、鬼閻に止めを刺さずにすんで良かったと思えた。もし、響の命を奪っていたなら、きっと激しく後悔していたに違いない。
とにかく、動きを封じられただけで、満足だった。
榎は一度は、瞳を閉じた。だが、周囲の慌ただしい空気に反応して、再び意識を引き戻した。
「いかん、力が暴走しかかっておる!」
了海が動揺した声をあげる。
完全に動きを止めたはずの鬼閻が、突然、苦しみはじめた。激しい唸り声を上げながらもんどりうち、頭を抱えて悶絶する。
体は既に、秋姫の禁術を受けてボロボロだ。なのに、内側からはとてつもない力の塊を感じる。
「鬼閻の強大な力は、いくら血を分けた息子とはいえ、鬼蛇の体には収まりきらんのだ。体質とも釣り合いが取れず、拒絶反応を起こしておるのじゃ!」
響の体だけが、限界に達している。鬼閻の魂が、使い物にならなくなった入れ物を壊して、外に飛び出そうとしている。
「外に出れば鬼閻は依代を失って今度こそ消滅するかもしれんが、周囲に及ぼす影響は計り知れん。早く力を鎮めねば、辺り一体吹き飛ぶぞ!」
了海の声に反応して、柊が動いた。
「させるかい! 氷の中に封じ込めたる! ――冷獄に消えさらせ! 〝青龍の逆鱗〟!」
薙刀を頭上で振り回すと同時に、強烈な冷気が周囲を襲う。刃先から巨大な竜が姿を表し、激しい竜巻を発生させた。鬼閻の体はあっと言う間に凍りつき、彫刻みたいに固まって、動かなくなった。
「やったか……」
柊は薙刀を地面に突き刺し、倒れかかる体を支えて、鬼閻の状態を凝視した。
だが、鬼閻の体は氷に閉じ込められても、まだ動きを止めない。口元に熱を集積させ、頭部の氷を一気に溶かした。
「あかん、氷が破られる!」
柊の悲痛な声が響く。
それでも、鬼閻は顔の部分を溶かすだけで限界だったらしく、体の凍結までは元に戻せなかった。首から上だけを懸命に動かしているが、それ以上の自由は得られずにいた。
何とか、体の動きを封じられた。周囲に、安堵の空気が漂う。
「ひとまずは、柊さんのお陰で難を逃れたな」
「じゃが、氷はいずれ溶ける。下手に攻撃を加えても、奴を自由の身にさせてしまうだけじゃ。どうやって始末を付けるべきか……」
鬼閻の扱いに困り、戸惑う中、鬼閻の側に歩み寄る者がいた。
萩だ。突き飛ばされた衝撃で怪我を負いながらも、ふらついた足取りで、ゆっくりと鬼閻に近付いていく。
「響、死ぬな。絶対に、死ぬな」
萩は凍りついた鬼閻の体に抱き着き、裂けた口に無理矢理、唇を重ね合わせた。
同時に、鬼閻の動きも止まる。体に満ち溢れていた邪気が、徐々に鎮まっていく。
いや、邪気が口を通して、萩の身体に移動しているのだと気づいた。
「あの娘、鬼閻の魂を吸い出して、己の体に取り込むつもりか!?」
萩の行動の意味に気付いた了海は、驚愕の声をあげた。
「鬼閻の魂を外に出せば、鬼蛇は助かるじゃろうが……」
「無茶や! あんな小さな体で、鬼閻の力を受け止められるはずがない!」
了生も、表情を青褪めさせる。
「響さんの、身代わりになるつもりなのか……?」
榎は、萩が響を助けるために命をかける覚悟で挑んでいるのだと悟った。
気持ちはわかる。でも、やめさせなければ。鬼閻が新しい器を手に入れるだけで、何の解決にもならない。下手をすれば、萩の体に納まりきらなかった力が暴走を起こし、周囲に多大な影響を及ぼしてしまうかもしれない。
動かない体を酷使し、榎は萩に歩み寄った。
鬼閻の力を吸い取りきった萩は、口を押さえて倒れた。外に漏れだしそうになる、暴れる魂を必死で押さえ込んでいた。
「吐きだせ、萩! 早く! 鬼閻に体を乗っ取られるぞ!」
榎は萩に飛びつき、口を覆う手を引き離そうとした。だが、萩は拒み、必死で口元を庇った。
やがて、萩の喉元を通って、溢れ出しそうだった邪気が体内に取り込まれた。
鬼閻の力を得た萩が暴走するのではないかと、了海たちは身構えた。四季姫全員が満身創痍の今、再び鬼閻が力を取り戻せば、もはや勝ち目はない。
了生は少しでも兆しがあれば止めをさそうと、錫杖の先端を萩の心臓に向けて、狙いを定めていた。
だが、警戒に反して、萩の身には何も起こらない。
思っていた最悪の事態が起こる兆しは見られなかった。逆に、萩の肌に血色が戻り、全身に生気がみなぎって来ている気がした。
「大丈夫だ。父殿は、萩の中に吸収された」
背後から聞こえた声に、榎は驚いて振り返る。
元の姿を取り戻した、響が立っていた。服は千切れてボロボロになり、体も傷だらけで無残な姿になっていたが、意識はしっかりと取り戻していた。
響は榎の隣に屈み、萩の頭を優しく撫でた。
「萩の体の中は、悪鬼が生きるために必要な邪気が尽きかけていた。空っぽの器のは、邪気に満ちた鬼閻の魂をも奪い取って、栄養源にしたんだよ」
響の話に、榎は唖然とした。萩は鬼閻そのものを取り込んで、自身の命に変えてしまったのか。
思わず、笑いが込み上げた。響も少し呆れた様子で、でも嬉しそうに微笑んだ。
「この娘は、燃費が悪いからね。無尽蔵に増殖を繰り返す、父殿の旺盛な邪気を、思いっきり浪費できるだろう」
悪鬼でありながら人間だと思い込んで生きてきた萩は、邪気のコントロールがうまくできない。生命力をすぐに枯渇させてしまう萩だからこそ、鬼閻の力を取り込んで制御できたのだろう。
萩は響の腕に寄り添い、微かに動いた。気を失っているのかと思ったが、眠っているだけらしい。
「だけど、そんなものは結果論でしかない。随分と、無茶をしたね。下手をすれば、父殿に取り込まれていた」
萩の寝顔を見つめながら、響は優しく、耳元で語りかけた。
「ありがとう、無事でいてくれて」
響の言葉に反応したのか、萩の表情も、少し穏やかになっていた。
「萩はもう、大丈夫なのか?」
恐る恐る尋ねると、響は頷いた。
「命に別状はないが、今までの記憶は全て、吹っ飛んでいるだろう。体内の邪気の性質が一気に変わったために、本来の主との魂の接合が、完全に断ち切れていると思う」
やっぱり、最強の悪鬼の力を取り込む行為は、それなりの代償を追う危険なものだった。
次に目覚めたときには、萩の中からは今までの記憶は残っていない。
偽者の秋姫として、榎達と対立した出来事も、何もかも。
でも、それで良かったのだと思う。
萩は完全に、開放された。
執着、暗示、未練。それら全てから。
「自分自身が誰なのかも、きっと忘れているはずだ。混乱するだろうけれど、これから、ゆっくりと理解していけばいい。神無月 萩という悪鬼なのだと」
響の言葉を、榎は意外に感じた。
「萩のままで、いいのか? 嫌な思い出の残る名前じゃないのか?」
どうせ一から全てを覚え治すなら、もっと違う名前をあげた方がいいのではないだろうか。
だが、響は首を横に振った。
「名付けられた経緯は不愉快でしかないが、不本意ながら、私はこの名前が気に入っているんですよ。神のいない世界で清楚に咲く、一輪の萩の花――。悔しいが、この少女に相応しい名前だ」
響は一息つき、ゆっくりと榎に視線を向けた。
「さて、あなたたちには、不本意ながらとても助けられた。萩も私も生きていられたのは、あなたたちのお陰です。感謝しますよ」
「礼はいい。傷を癒して、萩と仲良く暮らしてくれ。お父さんに作ってもらった家なら、ゆっくり静養できるだろう?」
榎は、二人を助けたいと思う意思に正直に行動しただけだし、結果的に助かったが、本来ならどんな結果になったか、最後まで分からなかった。
そんな曖昧な行動を、感謝する必要はない。
正直な気持ちを伝えると、響は楽しそうに笑った。
「本当にあなたは、小父さんにそっくりですねえ。私にも、悪鬼の矜持というものがあります。傷が癒えた暁には、ご恩返しは必ずさせていただきますよ」
萩を抱き上げて、響は去っていった。悪鬼による脅威は去り、辺りに静寂と平穏が、一気に戻ってきた。
だが、全てが終わったわけではない。
響たちの後ろ姿を見送っていると、奏が後に近付いて、声をかけてきた。
「榎さん。長の交代の儀式が、完了いたしました。お兄さまは長となり、地脈の中で今後、死ぬまで力を制御し続けるでしょう」
その言葉を聞くとともに、榎の意識は遠退きそうになった。
「嫌だ、綴さん! 行かないで!」
眩しい光の川の中に吸い込まれていく綴を掴まえようと、榎は腕を伸ばした。
地脈に指先が触れると、まるで榎を拒絶するみたいに弾き返され、榎の体に電流が走った。火花が飛び散り、火傷しそうなほどの熱が伝わり、激しい痛みを伴った。
「榎さん、危ないですわ、離れて!」
奏が引き戻してくれなければ、大怪我を覚悟で地脈に飛び込んでいただろう。勢いが抑えられ、興奮は徐々に冷めていったが、頭の中では混乱が続いていた。やがて何も考えられなくなり、強烈な脱力感に襲われた。
「陣が、完全に長と一体化したでおじゃる」
月麿の言葉が、起こった出来事の全てを表していた。
綴は陣の中に入り、地脈の中に身を投じて支配した。陣は正常に作動しはじめ、鬼閻に力を吸い取られる心配はなくなった。
全ては、この場にいる全員が望んだ結果、だったはずだ。
なのに、少なくとも榎の中には、虚無感しか残っていない。
背後から、綴の名を呼ぶ萩の呟きが耳に入ってきた。萩の存在を生み出し、一部の意識や感覚を共有する綴の気配がこの空間から消え去ったのだと気付き、呆然と陣を眺めていた。
萩も、榎と同じか分からないが、大切な者を失った感覚に襲われているのかもしれない。表情には、少し悲痛さが見て取れた。
「萩はん、よそ見しとったら、あきまへん! これ以上、強くならんと言うても、鬼閻は健在どす!」
楸が怒声を放つとともに、弓の弦を弾いて矢を射る。矢はまっすぐ、鬼閻の肩に突き刺さった。
鬼閻は、萩のすぐ側まで迫っていた。楸の手助けも虚しく、鋭い爪が萩の体を弾き飛ばした。萩も体をよじって致命傷は防いだが、広場の外周の壁に激突した。
鬼閻の咆哮がこだまする。激しく体中の筋肉を隆起させ、全身に力を漲らせていった。
「何でや、地脈の力はもう吸い取れへんはずやのに、鬼閻の力がどんどん増していっとるで!?」
鬼閻を弱らせようと再び集まった者達の間に、困惑の空気が広がる。
その不可解な様子を見ていた月麿が、絶望的な言葉を放った。
「時間が、かかりすぎたかもしれぬ。今までに蓄えた力を使って、鬼閻は体内で新しい力を生み出せるほどに成長してしてしもうたのじゃ」
「ほんなら、地脈をこっちで制御しとっても、何の意味もないやんか!」
鬼閻の魂はほぼ、完全な姿にまで復活してしまったというのか。
絶望という名の暗雲が、周囲を覆い尽くしていった。
「ならば、先手必勝どす。鬼閻の力を削いで、奴の成長を止めるどす!」
陰欝な空気を払拭し、楸が真っ先に動いた。
「焦熱にて灰となれ。――〝朱雀の炎翔〟!」
気を高め、力を解放した楸の体を、燃え盛る炎が包み込む。激しく燃える矢を頭上に穿つと、矢は巨大な炎を纏った鳥――朱雀に姿を変え、上空を舞った。
空を一周旋回した後、朱雀は鬼閻に狙いを定めて、一直線に落ちてきた。鬼閻に衝突するとともに大爆発を起こし、周囲を熱の渦に巻き込んだ。
激しい熱風が治まると、その中心部で黒焦げになった鬼閻が膝を着いていた。黒煙を燻らせて、動きを停止させていたが、すぐにゆっくりと、立ち上がって動き出した。
「禁術を食ろうても、まだ動けるんか……」
確実に、ダメージは与えられている。だが、その生命力を絶つほどの威力には至らなかった。悔しそうな表情を浮かべつつ、楸が力を使い果たして倒れ込む。
抵抗する力もなくなった楸を尻目に、鬼閻はゆっくりと前進をはじめる。
迷いなく、地脈を封じた陣に向かってきた。
受けた傷の修復のために、再び地脈の力を吸収するつもりだ。
「まずい、鬼閻が来る! 祭壇ごと悪鬼に飲まれるぞ!」
月麿が陣を守ろうと身構えるが、足は震えて、まともに動けそうな状態ではない。
榎は無意識に体を動かし、四つん這いのままで陣の入口に立ち塞がった。
歩み寄ってきた鬼閻を、怒りを込めて睨みつける。
鬼閻は榎の眼前で立ち止まった。榎の放つ殺気や剣幕に圧されて、少し躊躇した様子も見られた。
威嚇するように、また強烈な咆哮を吐き出した。
周囲の空気が震える。
「すごい声……。耳が、裂けそうですわ!」
奏が表情を苦痛に歪めて、両耳を塞ぐ。
榎も音の衝撃を真正面から受けて、全身の水分が激しく揺さぶられた。
脳に振動が走り、意識が遠退きそうになったが、気合いだけで踏ん張った。
気持ち悪さや痛みよりも、怒りが勝って榎を突き動かす。
「うるさい! これ以上、祭壇に近付くな!!」
榎は鬼閻に負けない勢いで、大声をぶつけた。
「地脈は、綴さんが制御しているんだ。地脈は綴さんそのものだ。汚らわしい手で、綴さんに触るな!」
怒号とともに、榎の中から強烈な感情が沸き上がる。
以前、綴を拉致した響に向けて放ったものと、同じ怒り。
だが、今度は意識を失いはせず、しっかりと体の変化を感じ取れた。
額が熱くなる。鋭い突起物――角が生える感触が、伝わってきた。
「何事じゃ!? この変化が、噂に聞いた鬼化か……?」
「薬の効果もなく、鬼になるなんて……」
「一度力を開放したから、自在に扱えるようになったんかもしれん」
「でも、意識は失っていないわ。ちゃんと、自我を保っている」
周囲も榎の変貌に驚いていたが、反応している暇はない。
榎は激しい咆哮を放ち、鬼閻を威嚇し返した。
鬼閻は大きく怯み、よろめきながら後ずさった。
榎の威圧感が、鬼閻さえもを圧倒させている。
だが、鬼閻も負けじと、気迫を押し返してくる。
突然、鬼閻の体から黒い煙が立ち昇った。煙は無数の蛇の姿に変化し、四方八方に飛び散る。
この場にいる全ての者に向かって、無差別に襲い掛かろうとした。
決して強い力を持つ攻撃ではなさそうだが、中には戦いの反動で動けなくなっている人たちも大勢いる。今、強い邪気を直撃で食らえば、大変なダメージを被る。
鬼閻の卑怯な攻撃に、榎の怒りは最高潮に達した。
仲間たちにも、地脈にも、指一本触れさせない。
榎は剣を構えた。突如として剣がまばゆい光を放ち始める。
全身に力が漲り、剣に集束されていく。頭の中に、新たなる詞が浮かび上がった。
「此の世の澱みし邪風を祓え。――〝白虎の咆哮〟!」
剣を横に凪ぐと、真っ白な霧が周囲に充満した。霧は邪気を防ぐバリアーの役割を果たし、みんなを黒い蛇の襲撃から守った。霧に纏わりつかれた邪気の蛇は、粉々に分解して飛散、消滅した。
剣先から巨大な白い虎が飛び出し、榎の隣に立った。鋭い牙を剥き出しにして、前方に向けて凄まじい声で吠えた。
一箇所だけ霧が晴れ、視界に鬼閻が現れた。急に何も見えなくなり、困惑して辺りを見渡している。
白虎は口から強烈な衝撃波を放ち、鬼閻に浴びせかけた。
光が収まるとともに、鬼閻は激しく痙攣しながら地面に倒れ込んだ。
白虎は役目を終えたと言わんばかりに、空気に溶けて消えた。瞬間、榎の全身から力が抜け、その場に倒れ込んだ。頭の角もなくなり、精根尽き果てた。
「鬼閻は、倒されたんか?」
慌てて鬼閻の側に近寄ってきた、了生の声が聞こえた。
「いいや、全身が麻痺して、動けなくなっておるだけじゃな」
鬼閻の様子を観察していた了海が返答する。
「夏姫様の力は、護りの力。守るべき者達を庇う盾となり、敵の動きを封じる術なのであろう」
夏姫の禁術には、他の四季姫たちが持つほどの攻撃力はない。
だが、頭が冷静になるにしたがって、鬼閻に止めを刺さずにすんで良かったと思えた。もし、響の命を奪っていたなら、きっと激しく後悔していたに違いない。
とにかく、動きを封じられただけで、満足だった。
榎は一度は、瞳を閉じた。だが、周囲の慌ただしい空気に反応して、再び意識を引き戻した。
「いかん、力が暴走しかかっておる!」
了海が動揺した声をあげる。
完全に動きを止めたはずの鬼閻が、突然、苦しみはじめた。激しい唸り声を上げながらもんどりうち、頭を抱えて悶絶する。
体は既に、秋姫の禁術を受けてボロボロだ。なのに、内側からはとてつもない力の塊を感じる。
「鬼閻の強大な力は、いくら血を分けた息子とはいえ、鬼蛇の体には収まりきらんのだ。体質とも釣り合いが取れず、拒絶反応を起こしておるのじゃ!」
響の体だけが、限界に達している。鬼閻の魂が、使い物にならなくなった入れ物を壊して、外に飛び出そうとしている。
「外に出れば鬼閻は依代を失って今度こそ消滅するかもしれんが、周囲に及ぼす影響は計り知れん。早く力を鎮めねば、辺り一体吹き飛ぶぞ!」
了海の声に反応して、柊が動いた。
「させるかい! 氷の中に封じ込めたる! ――冷獄に消えさらせ! 〝青龍の逆鱗〟!」
薙刀を頭上で振り回すと同時に、強烈な冷気が周囲を襲う。刃先から巨大な竜が姿を表し、激しい竜巻を発生させた。鬼閻の体はあっと言う間に凍りつき、彫刻みたいに固まって、動かなくなった。
「やったか……」
柊は薙刀を地面に突き刺し、倒れかかる体を支えて、鬼閻の状態を凝視した。
だが、鬼閻の体は氷に閉じ込められても、まだ動きを止めない。口元に熱を集積させ、頭部の氷を一気に溶かした。
「あかん、氷が破られる!」
柊の悲痛な声が響く。
それでも、鬼閻は顔の部分を溶かすだけで限界だったらしく、体の凍結までは元に戻せなかった。首から上だけを懸命に動かしているが、それ以上の自由は得られずにいた。
何とか、体の動きを封じられた。周囲に、安堵の空気が漂う。
「ひとまずは、柊さんのお陰で難を逃れたな」
「じゃが、氷はいずれ溶ける。下手に攻撃を加えても、奴を自由の身にさせてしまうだけじゃ。どうやって始末を付けるべきか……」
鬼閻の扱いに困り、戸惑う中、鬼閻の側に歩み寄る者がいた。
萩だ。突き飛ばされた衝撃で怪我を負いながらも、ふらついた足取りで、ゆっくりと鬼閻に近付いていく。
「響、死ぬな。絶対に、死ぬな」
萩は凍りついた鬼閻の体に抱き着き、裂けた口に無理矢理、唇を重ね合わせた。
同時に、鬼閻の動きも止まる。体に満ち溢れていた邪気が、徐々に鎮まっていく。
いや、邪気が口を通して、萩の身体に移動しているのだと気づいた。
「あの娘、鬼閻の魂を吸い出して、己の体に取り込むつもりか!?」
萩の行動の意味に気付いた了海は、驚愕の声をあげた。
「鬼閻の魂を外に出せば、鬼蛇は助かるじゃろうが……」
「無茶や! あんな小さな体で、鬼閻の力を受け止められるはずがない!」
了生も、表情を青褪めさせる。
「響さんの、身代わりになるつもりなのか……?」
榎は、萩が響を助けるために命をかける覚悟で挑んでいるのだと悟った。
気持ちはわかる。でも、やめさせなければ。鬼閻が新しい器を手に入れるだけで、何の解決にもならない。下手をすれば、萩の体に納まりきらなかった力が暴走を起こし、周囲に多大な影響を及ぼしてしまうかもしれない。
動かない体を酷使し、榎は萩に歩み寄った。
鬼閻の力を吸い取りきった萩は、口を押さえて倒れた。外に漏れだしそうになる、暴れる魂を必死で押さえ込んでいた。
「吐きだせ、萩! 早く! 鬼閻に体を乗っ取られるぞ!」
榎は萩に飛びつき、口を覆う手を引き離そうとした。だが、萩は拒み、必死で口元を庇った。
やがて、萩の喉元を通って、溢れ出しそうだった邪気が体内に取り込まれた。
鬼閻の力を得た萩が暴走するのではないかと、了海たちは身構えた。四季姫全員が満身創痍の今、再び鬼閻が力を取り戻せば、もはや勝ち目はない。
了生は少しでも兆しがあれば止めをさそうと、錫杖の先端を萩の心臓に向けて、狙いを定めていた。
だが、警戒に反して、萩の身には何も起こらない。
思っていた最悪の事態が起こる兆しは見られなかった。逆に、萩の肌に血色が戻り、全身に生気がみなぎって来ている気がした。
「大丈夫だ。父殿は、萩の中に吸収された」
背後から聞こえた声に、榎は驚いて振り返る。
元の姿を取り戻した、響が立っていた。服は千切れてボロボロになり、体も傷だらけで無残な姿になっていたが、意識はしっかりと取り戻していた。
響は榎の隣に屈み、萩の頭を優しく撫でた。
「萩の体の中は、悪鬼が生きるために必要な邪気が尽きかけていた。空っぽの器のは、邪気に満ちた鬼閻の魂をも奪い取って、栄養源にしたんだよ」
響の話に、榎は唖然とした。萩は鬼閻そのものを取り込んで、自身の命に変えてしまったのか。
思わず、笑いが込み上げた。響も少し呆れた様子で、でも嬉しそうに微笑んだ。
「この娘は、燃費が悪いからね。無尽蔵に増殖を繰り返す、父殿の旺盛な邪気を、思いっきり浪費できるだろう」
悪鬼でありながら人間だと思い込んで生きてきた萩は、邪気のコントロールがうまくできない。生命力をすぐに枯渇させてしまう萩だからこそ、鬼閻の力を取り込んで制御できたのだろう。
萩は響の腕に寄り添い、微かに動いた。気を失っているのかと思ったが、眠っているだけらしい。
「だけど、そんなものは結果論でしかない。随分と、無茶をしたね。下手をすれば、父殿に取り込まれていた」
萩の寝顔を見つめながら、響は優しく、耳元で語りかけた。
「ありがとう、無事でいてくれて」
響の言葉に反応したのか、萩の表情も、少し穏やかになっていた。
「萩はもう、大丈夫なのか?」
恐る恐る尋ねると、響は頷いた。
「命に別状はないが、今までの記憶は全て、吹っ飛んでいるだろう。体内の邪気の性質が一気に変わったために、本来の主との魂の接合が、完全に断ち切れていると思う」
やっぱり、最強の悪鬼の力を取り込む行為は、それなりの代償を追う危険なものだった。
次に目覚めたときには、萩の中からは今までの記憶は残っていない。
偽者の秋姫として、榎達と対立した出来事も、何もかも。
でも、それで良かったのだと思う。
萩は完全に、開放された。
執着、暗示、未練。それら全てから。
「自分自身が誰なのかも、きっと忘れているはずだ。混乱するだろうけれど、これから、ゆっくりと理解していけばいい。神無月 萩という悪鬼なのだと」
響の言葉を、榎は意外に感じた。
「萩のままで、いいのか? 嫌な思い出の残る名前じゃないのか?」
どうせ一から全てを覚え治すなら、もっと違う名前をあげた方がいいのではないだろうか。
だが、響は首を横に振った。
「名付けられた経緯は不愉快でしかないが、不本意ながら、私はこの名前が気に入っているんですよ。神のいない世界で清楚に咲く、一輪の萩の花――。悔しいが、この少女に相応しい名前だ」
響は一息つき、ゆっくりと榎に視線を向けた。
「さて、あなたたちには、不本意ながらとても助けられた。萩も私も生きていられたのは、あなたたちのお陰です。感謝しますよ」
「礼はいい。傷を癒して、萩と仲良く暮らしてくれ。お父さんに作ってもらった家なら、ゆっくり静養できるだろう?」
榎は、二人を助けたいと思う意思に正直に行動しただけだし、結果的に助かったが、本来ならどんな結果になったか、最後まで分からなかった。
そんな曖昧な行動を、感謝する必要はない。
正直な気持ちを伝えると、響は楽しそうに笑った。
「本当にあなたは、小父さんにそっくりですねえ。私にも、悪鬼の矜持というものがあります。傷が癒えた暁には、ご恩返しは必ずさせていただきますよ」
萩を抱き上げて、響は去っていった。悪鬼による脅威は去り、辺りに静寂と平穏が、一気に戻ってきた。
だが、全てが終わったわけではない。
響たちの後ろ姿を見送っていると、奏が後に近付いて、声をかけてきた。
「榎さん。長の交代の儀式が、完了いたしました。お兄さまは長となり、地脈の中で今後、死ぬまで力を制御し続けるでしょう」
その言葉を聞くとともに、榎の意識は遠退きそうになった。
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