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第二章 ゆみちゃんの秘密
Yumi 10. サキュバスの実力
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「ゆみ!さき!ちょっとこちらに来るのじゃ!!」
ミノタウロスが次の攻撃の為に力を溜めている。
その隙に二人を呼び寄せた。
「何?こんな時に...」
「どうしたんですか~~~?」
二人が近くに来ると、小声で話し出した。
「なんとか、ミノタウロスの防具を脱がすことはできぬか?」
まおちゃんが二人に聞く。
「そんなこと出来るわけないじゃない!!」
ゆみちゃんは即、否定した。
「例えば、さきが姿を消して、こっそりと...」
「無理です~~~!近くまでは行けても防具はしっかりと固定されてますから...」
さきちゃんも出来ないと言う。
「なら、色仕掛けで...」
「イヤよ!」「イヤです!!」
食い気味に拒否された。二人ともミノタウロスはタイプではないようだった。
「そこをなんとか...」
まおちゃんは手を合わせて頼む。
「もう!仕方ないわね!」
「わ、私も、やってみるだけですよ!」
二人はしぶしぶ承知をしてくれた。
「何をしている!おりゃ!渾身の一撃!!」
ミノタウロスの攻撃がまおちゃんに当たる。
「キィィィン」
まおちゃんの倍はありそうなミノタウロスの重い斧が弾き返される。
「くっ!」
ミノタウロスはバランスを崩した。
「ふん。少しはダメージになるようじゃな。しかし、軽く頭を叩かれたようなもんじゃ」
まおちゃんは頭をさすりながら言うが、痛がっている様子はない。
どうやら本当に大丈夫のようだ。
「それ!今じゃ!!」
まおちゃんがゆみちゃんとさきちゃんに言う。
「し、仕方ないわね...まおちゃんの為。まおちゃんの為...」
ゆみちゃんは神経を集中させると、色っぽい顔を見せた。
「暑い...脱いじゃおうかな...」
そう言うと、制服のジャケットを外す。
そして白いブラウスの膨らんだ胸を突き出すと続けて言う。
「まだ暑いわ...ブラウスも...脱いじゃいたいくらい...」
恥ずかしさに耐えながらそっとミノタウロスの様子を窺う。
(ど、どう?きっと私の魅力に...)
しかし、ミノタウロスは、
「はっ、はっ、は!自ら装備を外すとは!負けを悟ったか!」
そう言って、愉快そうに笑っていた。
「殺す!!」
ゆみちゃんはこの世のものとは思えない恐ろしい形相で睨む。
「ひぇっ!!」
ミノタウロスが一瞬、怯んだ。
「おお!ミノタウロスを怯えさせるとはさすがゆみじゃ!じゃが、色仕掛けと言ったのじゃがのう...」
まおちゃんは驚きながらもどこか残念そうだ。
「くっ!この人間!なかなかやるな!要注意だ!」
ミノタウロスも警戒している。
「なんで、こうなるの~~~~!!」
ゆみちゃんは大きな胸を隠しながら叫んだ。
さきちゃんはというと、
「なるほど!色仕掛けとはあぁするのですね!」
とつぶやくと、早速、ゆみちゃんの真似をしてみる。
「暑い...脱いじゃおっかな」
そう言うと、バニースーツのような衣装の胸の部分を軽く引っ張った。
「さきちゃん。この魔物にそれは効かないわよ。もっと別の...」
ゆみちゃんがさきちゃんに忠告したその瞬間!
「お手伝いします!!」
ミノタウロスが武器を投げ捨て、いつの間にかさきちゃんのもとで跪いていた。
「・・・」
無言でそれを見つめるゆみちゃん。
「どこからがよろしいでしょうか?やはりその魅力的な体を覆う衣装...いや、それは最後のお楽しみという手も...」
ミノタウロスは鼻息荒く、さきちゃんに提案をしている。
「えっと...その...」
さきちゃんはドン引きしながらどうするべきか考えていた。
そしてゆみちゃんはというと、
「私...そんなに魅力ないかな...」
その様子を羨ましいような、羨ましくないような目で見つめていた。
「そ、その!は、恥ずかしいので先に、防具を脱いでくれませんか?!」
迷った挙句、さきちゃんはその言葉を導き出した。
「そんなに上手くいくかしら?」
どこかさきちゃんに否定的なゆみちゃん。しかし、
「それはそうですね。私としたことが...では失礼して...」
ミノタウロスは自らの防具を外し始めた。
「でかしたぞ!さき!!」
大喜びのまおちゃん。
「き、きっと、さきちゃんはサキュバスの誘惑の能力を使ったのね!」
ゆみちゃんは勝手に理由をつけて無理やり納得しようとしていた。
「さきはそんな事、しておらぬが...」
まおちゃんが言うが、
「そうなの!そうじゃなきゃおかしいの!!」
「...はい...」
その勢いに大人しく肯定するまおちゃん。
ゆみちゃんはそう考えないと自らのプライドを保てなかった。
「では、最後の腰巻きを...」
ミノタウロスが最後の防具を脱ぎ捨てる。その瞬間、
「キャッ!!」
さきちゃんには何が見えたのだろうか?
両目を手で隠して、目を閉じてしまった。
それを待っていたかのように、まおちゃんが魔法を詠唱する。
「我は乞う!死を統べる死神たちの王よ!道を外ししこの者を地獄へと連れ去りたまえ!」
「そ、その呪文は!!」
さきちゃんに夢中だったミノタウロスだが、さすがにまおちゃんに気づいたようだ。
「し、しかし、俺には即死無効の...ない!!まさか俺を騙して...」
ミノタウロスがさきちゃんを睨みつける。
「ご、ごめんなさい」
謝るさきちゃん。
「許さん!せめて、死ぬ前にその衣装の中身を...」
ミノタウロスがさきちゃんに襲い掛かろうとするが、
「デスロードサイズ!!!」
まおちゃんの高確率即死魔法の詠唱が終わった。
その瞬間、ミノタウロスの後ろに巨大な鎌が現れる。それを握るのは10mはあろうかという巨大な骸骨。
豪華なローブを纏っている。
「待て!!」
ミノタウロスが叫ぶが、その骸骨は一切、躊躇うことなく、その巨大な鎌をふるった。
「ギ...」
悲鳴すら出なかった。
その瞬間、ミノタウロスの命は無残にも刈り取られてしまった。
そしてその巨体が光と消えてしまう。
それを見届けると、死の王の足下に黒い穴が生まれ、そのまま吸い込まれるように地獄へと戻っていった...
「ふう。成功したか...この魔法は他の即死魔法に比べ、圧倒的な高確率を誇るとはいえ、絶対ではないからの...」
まおちゃんは一安心といった顔をする。
「あ、あの...」
そんなまおちゃんの耳にさきちゃんの声が聞こえた。
振り向くと、ゆみちゃんがさきちゃんの衣装を穴があくほど見つめていた。
「男の人はこういう衣装が...まあ、私には関係ないけど、参考にしておくわ!」
「そ、そんなとこそんな近くで見ちゃ...は、恥ずかしいです...」
さきちゃんにしては珍しく、自分自身が真っ赤になってゆみちゃんの視線に耐えていた。
「何をしとるんじゃ...」
まおちゃんの呆れた声が聞こえる。
そうしているうちに、周りの景色が変わり、ゆみちゃんたちは部屋に戻ってきた。
「あっ!ゆみちゃん!まおちゃんとさきちゃんも!!」
すると、部屋の中ではすずちゃんとななちゃんが困惑したように立ち尽くしていた。
「あっ!ゴメンね!待たせちゃって...入ってきてたんだ...」
ゆみちゃんが決まり悪そうに言う。
「『待ってて』って言われたのにゴメンね...心配になって...」
「悪い。あたしが入るように言ったんだ。中から物音がしなくなって、呼んでも返事がなかったから...」
二人はそう言って謝る。
「ううん。むしろ心配してくれてありがとう...ちょっと説明がいるわよね...座って!お茶を出すわ!」
そう言って、ゆみちゃんは皆をテーブルの周りに座らせた。
ミノタウロスが次の攻撃の為に力を溜めている。
その隙に二人を呼び寄せた。
「何?こんな時に...」
「どうしたんですか~~~?」
二人が近くに来ると、小声で話し出した。
「なんとか、ミノタウロスの防具を脱がすことはできぬか?」
まおちゃんが二人に聞く。
「そんなこと出来るわけないじゃない!!」
ゆみちゃんは即、否定した。
「例えば、さきが姿を消して、こっそりと...」
「無理です~~~!近くまでは行けても防具はしっかりと固定されてますから...」
さきちゃんも出来ないと言う。
「なら、色仕掛けで...」
「イヤよ!」「イヤです!!」
食い気味に拒否された。二人ともミノタウロスはタイプではないようだった。
「そこをなんとか...」
まおちゃんは手を合わせて頼む。
「もう!仕方ないわね!」
「わ、私も、やってみるだけですよ!」
二人はしぶしぶ承知をしてくれた。
「何をしている!おりゃ!渾身の一撃!!」
ミノタウロスの攻撃がまおちゃんに当たる。
「キィィィン」
まおちゃんの倍はありそうなミノタウロスの重い斧が弾き返される。
「くっ!」
ミノタウロスはバランスを崩した。
「ふん。少しはダメージになるようじゃな。しかし、軽く頭を叩かれたようなもんじゃ」
まおちゃんは頭をさすりながら言うが、痛がっている様子はない。
どうやら本当に大丈夫のようだ。
「それ!今じゃ!!」
まおちゃんがゆみちゃんとさきちゃんに言う。
「し、仕方ないわね...まおちゃんの為。まおちゃんの為...」
ゆみちゃんは神経を集中させると、色っぽい顔を見せた。
「暑い...脱いじゃおうかな...」
そう言うと、制服のジャケットを外す。
そして白いブラウスの膨らんだ胸を突き出すと続けて言う。
「まだ暑いわ...ブラウスも...脱いじゃいたいくらい...」
恥ずかしさに耐えながらそっとミノタウロスの様子を窺う。
(ど、どう?きっと私の魅力に...)
しかし、ミノタウロスは、
「はっ、はっ、は!自ら装備を外すとは!負けを悟ったか!」
そう言って、愉快そうに笑っていた。
「殺す!!」
ゆみちゃんはこの世のものとは思えない恐ろしい形相で睨む。
「ひぇっ!!」
ミノタウロスが一瞬、怯んだ。
「おお!ミノタウロスを怯えさせるとはさすがゆみじゃ!じゃが、色仕掛けと言ったのじゃがのう...」
まおちゃんは驚きながらもどこか残念そうだ。
「くっ!この人間!なかなかやるな!要注意だ!」
ミノタウロスも警戒している。
「なんで、こうなるの~~~~!!」
ゆみちゃんは大きな胸を隠しながら叫んだ。
さきちゃんはというと、
「なるほど!色仕掛けとはあぁするのですね!」
とつぶやくと、早速、ゆみちゃんの真似をしてみる。
「暑い...脱いじゃおっかな」
そう言うと、バニースーツのような衣装の胸の部分を軽く引っ張った。
「さきちゃん。この魔物にそれは効かないわよ。もっと別の...」
ゆみちゃんがさきちゃんに忠告したその瞬間!
「お手伝いします!!」
ミノタウロスが武器を投げ捨て、いつの間にかさきちゃんのもとで跪いていた。
「・・・」
無言でそれを見つめるゆみちゃん。
「どこからがよろしいでしょうか?やはりその魅力的な体を覆う衣装...いや、それは最後のお楽しみという手も...」
ミノタウロスは鼻息荒く、さきちゃんに提案をしている。
「えっと...その...」
さきちゃんはドン引きしながらどうするべきか考えていた。
そしてゆみちゃんはというと、
「私...そんなに魅力ないかな...」
その様子を羨ましいような、羨ましくないような目で見つめていた。
「そ、その!は、恥ずかしいので先に、防具を脱いでくれませんか?!」
迷った挙句、さきちゃんはその言葉を導き出した。
「そんなに上手くいくかしら?」
どこかさきちゃんに否定的なゆみちゃん。しかし、
「それはそうですね。私としたことが...では失礼して...」
ミノタウロスは自らの防具を外し始めた。
「でかしたぞ!さき!!」
大喜びのまおちゃん。
「き、きっと、さきちゃんはサキュバスの誘惑の能力を使ったのね!」
ゆみちゃんは勝手に理由をつけて無理やり納得しようとしていた。
「さきはそんな事、しておらぬが...」
まおちゃんが言うが、
「そうなの!そうじゃなきゃおかしいの!!」
「...はい...」
その勢いに大人しく肯定するまおちゃん。
ゆみちゃんはそう考えないと自らのプライドを保てなかった。
「では、最後の腰巻きを...」
ミノタウロスが最後の防具を脱ぎ捨てる。その瞬間、
「キャッ!!」
さきちゃんには何が見えたのだろうか?
両目を手で隠して、目を閉じてしまった。
それを待っていたかのように、まおちゃんが魔法を詠唱する。
「我は乞う!死を統べる死神たちの王よ!道を外ししこの者を地獄へと連れ去りたまえ!」
「そ、その呪文は!!」
さきちゃんに夢中だったミノタウロスだが、さすがにまおちゃんに気づいたようだ。
「し、しかし、俺には即死無効の...ない!!まさか俺を騙して...」
ミノタウロスがさきちゃんを睨みつける。
「ご、ごめんなさい」
謝るさきちゃん。
「許さん!せめて、死ぬ前にその衣装の中身を...」
ミノタウロスがさきちゃんに襲い掛かろうとするが、
「デスロードサイズ!!!」
まおちゃんの高確率即死魔法の詠唱が終わった。
その瞬間、ミノタウロスの後ろに巨大な鎌が現れる。それを握るのは10mはあろうかという巨大な骸骨。
豪華なローブを纏っている。
「待て!!」
ミノタウロスが叫ぶが、その骸骨は一切、躊躇うことなく、その巨大な鎌をふるった。
「ギ...」
悲鳴すら出なかった。
その瞬間、ミノタウロスの命は無残にも刈り取られてしまった。
そしてその巨体が光と消えてしまう。
それを見届けると、死の王の足下に黒い穴が生まれ、そのまま吸い込まれるように地獄へと戻っていった...
「ふう。成功したか...この魔法は他の即死魔法に比べ、圧倒的な高確率を誇るとはいえ、絶対ではないからの...」
まおちゃんは一安心といった顔をする。
「あ、あの...」
そんなまおちゃんの耳にさきちゃんの声が聞こえた。
振り向くと、ゆみちゃんがさきちゃんの衣装を穴があくほど見つめていた。
「男の人はこういう衣装が...まあ、私には関係ないけど、参考にしておくわ!」
「そ、そんなとこそんな近くで見ちゃ...は、恥ずかしいです...」
さきちゃんにしては珍しく、自分自身が真っ赤になってゆみちゃんの視線に耐えていた。
「何をしとるんじゃ...」
まおちゃんの呆れた声が聞こえる。
そうしているうちに、周りの景色が変わり、ゆみちゃんたちは部屋に戻ってきた。
「あっ!ゆみちゃん!まおちゃんとさきちゃんも!!」
すると、部屋の中ではすずちゃんとななちゃんが困惑したように立ち尽くしていた。
「あっ!ゴメンね!待たせちゃって...入ってきてたんだ...」
ゆみちゃんが決まり悪そうに言う。
「『待ってて』って言われたのにゴメンね...心配になって...」
「悪い。あたしが入るように言ったんだ。中から物音がしなくなって、呼んでも返事がなかったから...」
二人はそう言って謝る。
「ううん。むしろ心配してくれてありがとう...ちょっと説明がいるわよね...座って!お茶を出すわ!」
そう言って、ゆみちゃんは皆をテーブルの周りに座らせた。
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