ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret2. ひかるのお店

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●登場人物
・マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。彼の本性には謎があるようだが...
・ヴィオレ:秘密結社ダーク・ライトの一員。何にでもつっこみたくなる性格らしい。
・チッカー:全身黒づくめのモブ戦闘員。個性がないので区別はされない。つっこまれることは決してないが、ツッコミどころ満載。
・ラフェド・セリシール:魔法少女レフェドフルールの一員。マテラスを苛めることには興味があるようだが、倒すことはしない。
・レオポン:ライオンを模したマスコットキャラ。彼がセリシールを魔法少女にしたのだろうか...

●前回のお話
私、セリシール!この街には秘密結社ダーク・ライトという悪い奴らがいて、みんなを困らせてるの。
絶対に許せない!魔法少女として、彼らの野望をうち砕いてやるんだから!
昨日も彼らが現れたからやっつけてやったの!ピンチもあったけど、終わってみれば楽勝、楽勝♪
何度来たって、私が追い返しちゃうんだから!!



翌朝、小松春桜子(こまつはるさくらこ 14才)はニュースを見ながらトーストをかじっていた。
「う~~~ん。いい朝!」

ニュースでは昨日の戦闘が映し出されていた。
「昨夜、秘密結社ダーク・ライトが現れましたが、魔法少女の活躍により、追い払われた模様です」
「新しい首領マテラスになってからダーク・ライトもパッとしませんなぁ」
「やっぱりセリシールちゃんはかわいいわぁ」
「以上、特にコメントすることもない普通の戦いでした」

「昨日も楽勝だったね。レオポン」
「イヤイヤ、飛び蹴りにビビってたじゃないか...」
「でも調子出てきたー。ついにスランプ脱出かも?やったね!」
「うん、それはホントに良かったよ」
「よ~し、SNSアカウントも新設したし、マホ活(※魔法少女としての活動)がんばっちゃうんだから♡」
可愛くウインクすると、学校へ向けて駆け出して行った。

・・・

その日の夕方、とあるお店で
「ごめん!遅れちゃったぁ...」
紫髪ショートの背の高いスレンダーな少女が飛び込んできた。制服だ。学校帰りだろうか。
声は女性にしては低い。ただ、透き通った響きと、芯の強さを感じさせる、存在感のある声だ。
「別によろしくてよ、すみれ。今日もそんなに忙しくはありませんでしたし」
カウンターの向こうから声をかけてきたのは超絶美少女。
長く伸びた濡羽色のストレートの髪は、さらさらで風が無くても常に靡いている。
大きな瞳には星がいくつも輝き、まるで少女漫画の様だ。
すっと伸びた鼻のさきには、つやを感じさせるピンクの唇。
近づくとどことなく良い香りが漂う。
声は透き通り、まるで空から降ってくるよう。天使の声とはこんな声かと思わせる美しさだった。

魔法少女のコスプレをしているが、美人系のスタイルの良い彼女が着るとちょっと違和感がある。
それでもその存在感は周りの空気を飲み込み、どんな仲間と集まっても、一際目立つこと間違いなしだろう。

「そっか。もっとお客さん増やしたいわね、ひかる!」
そういうと彼女は奥の部屋へと入ってゆく。
「そうね。でもお客様も徐々に増えてきていますわよ。今朝のニュースも魔法少女に好意的でしたし」
「いい感じね。やっぱセリシール様は神だわ。どうしてみんな迷走してたのかしら?」
「そうですわ!ヒカルなんかにうつつを抜かすなんて、人を見る目が無さすぎますわ!!」
「いや、ヒカルがすごいのは分かるけど...何せ『超絶美少女!!』だしね♡」
「なんですの?それ。ほめてもなにも出ませんわよ」
「え~~~、いい加減自覚しなさいよ。そのうちまた問題おこすわよ...」
「大丈夫ですわ。もうヒカルは現れませんもの」
「そういう問題じゃなくてねぇ...」
そう言いながら、魔法少女のコスプレに着替えた、すみれと呼ばれた少女が姿を現す。
ただ、その姿は先ほどとは違い、小柄な可愛らしい少女へと変っていた。
声もツートーンほど高くなり、持ち前の芯の強さと相まって、活発なアイドルを感じさせるものになっていた。
ひかるが少女に声をかける。
「さあ、今日もスバ活(※魔法少女の素晴らしさを広める活動)にいそしみましょう!」
「その謎の略語、やめなさいよ...」
とその時、ちょうど入口のベルがなった。
「「いらっしゃいませぇぇ~~♡」」

「こんなところに魔法少女専門グッズ店なんてあったんだぁ...」
入って来たのはピンク髪をツインテールにしたかわいい少女。中学生くらいだろうか。
肩にライオンのぬいぐるみを乗せているが、動いても不思議と落ちる気配はない。
「当店はグッズだけでなく、オーダーメイドの衣装や自社アイテムなど他の店にはない品ぞろえがウリですの。わたくしたちの制服もそうですのよ。また魔法少女に関することでしたらご相談いただければ新規開発も可能ですわ。ゆっくりご覧になっていってね。」
「きゃあ、店員さんめっちゃ美人。なんか緊張しちゃうなぁ...」
「まあ、お上手ですこと。一応店長を務めさせていただいております、ひかる・ダークラ...もとい、『ひかるちゃん』って呼んで下さいね!」
「わぁ、ひかるちゃん店長さんなんだぁ。まだ高校生くらいに見えるけど...10代だよね?」
「私と同じ14才よ。スタイルいいから大人に見えるわよね!あっ、私はすみれ。よろしくね♪」
と、すみれが話に入る。
「え~~~!14才!私と同じ?みんな同じなんてビックリ!!ていうか14で店長??まじで?」
「えぇっと...ちょっと家庭の事情がございまして...でも明るくてかわいい方ですわね。お友達になっていただきたいわ」
「もちろん!私、小松春桜子。さくらちゃんでいいよ!お店もかわいいし気に入っちゃった♡ちょくちょく寄らせてもらうね!」

その時、店の奥からチッカーが顔を出す。
「チィ、チィー?(これ、どうします?お嬢はん)」
「ああ、それは箱から出して棚にしまってちょうだい」
「チッ!(りょ!)」
「えっ、あれって...」
桜子が無意識に身構える。
「あぁ、うちではバックの店員はチッカーのコスプレしてるのよ。ちょっとビックリするわよね」
すみれが慌てて助け舟を出す。
「すごいこだわりだねぇ!何か『チィー』とかいってたし♪」
(バカで良かった...)すみれは失礼な感想を抱くと、ひかるに耳打ちする。
「気を付けないと。バレたら一大事よ」
「ホホホ、ゆっくりしていってくださいな。さくらさん」

店から出たさくらは上機嫌だった。
「品揃え、すごかったねぇ。特に衣装のラインナップが尋常じゃない!価格もリーズナブルだし。それに...店員さんのコスプレかわいい~。店長さんは超美人だし♪」
すると肩に乗ったぬいぐるみがひとりでに動き出し、そっと低い声でささやいた。
「あの店長、気をつけた方がいいよ」
意味ありげな言い方だ。
「何?何かあるの?」
「あのかわいさ、OB(※オーバー美少女)だよ!言いづらいけど、セリシールに勝ち目はない。ヒカル・ダークライトの二の舞にならなきゃいいけどね」
「大丈夫だって。別にあの人と戦うわけじゃないし...テレビで共演とかもないでしょ。芸能界に興味無さそうだったし」
「それにどこかで見たような気がするようなしないような...」
「まさかぁ、あんな美人、一度見たら忘れるわけないじゃん」
「そりゃそっか!」
「でもチッカーのコスプレまで出てくるなんてすごい店だね!」
「ハハハ、確かに。僕も驚いたよ」

......バカで良かった...

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