ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret11. ひかるとさくらの過去(再戦)

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。すみれに過去のトラウマを話す。過去も現在も天然ボケは止まらない。
 = ヒカル・ダークライト:秘密結社ダーク・ライト新首領。魔法少女との初戦で伝説を作った。本日、新たな伝説が生まれる。
・チッカー:全身黒づくめのモブ戦闘員。今回もやられるためだけにわざわざ現れる。
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):元気が取り柄の14才!
 = ラフェド・セリシール:魔法少女。ヒカルとの戦いにおいて、全てを失ったが、皆の励ましで再起を誓う。
・レオポン:ライオンを模したマスコットキャラ。冷静に現状を見つめ、魔法少女の再起を目指す。回想編では結構、イケてる。
---
紫野むらさきのすみれ(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。いかに彼女がこの作品で大きな役割を果たして来たか、回想編により明らかとなった。

●前回のお話
わたくしひかる・ダークライトと申します。わたくしの今の目標はセリシール様の評判を以前の様に高めること!
その為に、寝る間も惜しんで、魔法少女専門グッズ店を開店しましたの!!
後は、セリシール様との対戦でわたくしのダメ女っぷりを見せつけるだけ!
準備は万端ですわ!さあ、今日からセリシール様の復活劇の始まりですわよ~~~!!!



ここは街から少し離れた場所にある河原。
まだ開発されていない開けた場所にあるので、ピクニックやバーベキューを気軽に楽しめる場所としても知られている。
ここで、魔法少女と秘密結社ダーク・ライトが対峙していた。

ヒカル・ダークライトは緊張していた。この一週間、ずっと考えてきた、決め台詞がある。うまく言えるだろうか...

同じく、ラフェド・セリシールも緊張していた。
「ヒカルには魔法を当てないのよね」
そっと、レオポンにささやく。
「そうだよ。間違って当てちゃわないように注意して。落ち着いてやれば大丈夫」

そして最初に口を開いたのはセリシールだった。
「悪の秘密結社ダーク・ライト!お前たちの好きにはさせない!この街の平和は私が必ず守って見せる!!」
敢えてヒカルの名は出さない。予定通りだ。
継いで、ヒカルが口を開いた。

わちゃくしのにゃはわたくしの名はひきゃるヒカル・だーくらいと!ダークライト!
きょのよにこの世にぜつびょうと絶望とはきゃいを破壊をもちゃりゃすもにょ!もたらすもの!

「......」
「......」

この世に静寂と氷結がもたらされた!!

ここでセリシールに気の利いた言葉を期待するのは酷というものだろう。
すみれがここにいたとしても沈黙を選んだに違いない。

みるみるヒカルの顔が赤くなっていく。耳まで真っ赤っかだ。
そしてついに顔を両手で隠してしまった...

ヒカルは思った。(どうしてこんなことに...)
ヒカルの予定では嘲笑が待っていたはずなのだ。それはそれで辛いが、セリシールの為ならと選んだはずだった。
ヒカルはぼそっとつぶやいた。
「チッカーども、やっておしまいなさい」

チッカーたちがふと我に返り、セリシールに襲い掛かる。
セリシールに反応する気配はない。
「セリシール!」
レオポンが声をかける。
(いけない。思考停止しちゃった。気をとりなおしてぇー)
セリシールは大きく息を吸い込み、頭を切り替えると、一人一人確実にチッカーに魔法を当て、倒していく。
もちろん、間違ってヒカルを傷つけてしまわないためだ。
そして、全てのチッカーが無力化された時...

ようやくヒカルは自分を取り戻すことが出来た。
(次ですわ。次の作戦、行きますわよ~)
「たぁー!」
ヒカルは気合の声と共に、大きく駆け出し...こけた...
手をつくこともなく、顔から体全身でビッターンと倒れる。

「......」
「......」

再び、この世に静寂が舞い降りた。
時が止まるとはこういうことだろうか?
空気が凍るとはこういうことだろうか?

「だ、大丈夫??」
何とかセリシールは声をかけることが出来た。
えらいぞ!セリシール!

「え~~ん」
かわいい声をあげながらヒカルが立ち上がるが、全く怪我をしてないどころか埃すらついていない。
『アンチマテリアルフィールド(対物理障壁)』を展開しているので当たり前だ。
...というか涙すら出ていない。それが、かえって周りを当惑させる...

「......」
「......」

再びヒカルの顔が真っ赤になる。
「ど、どうしてですの~~~!!」
今度は本当に泣き出してしまった。

「え、えっと...うん。すごいかわいかった。もうお姉さんメロメロだよぅ~」
セリシールが何故かフォローを入れる。というかそうせざるを得ない。

「違いますぅ~。そこは、『まぬけねヒカル。あなたなんかわたしの敵ではないわ』というところなんですぅ~~」
ヒカルはすっかり子供返りしてしまったようだ。

あわててセリシールが言い直す。
「まぬけねヒカル。あなたなんかわたしの敵ではないわ」
・・・棒読みだ・・・

「言いましたわねぇ~!えいっ!」
ヒカルが魔法を放つが見当違いの方向へ飛んでいく。
「やりますわね!今度はそっちからかかってらっしゃい!」
ヒカルが挑発らしきセリフを吐く。

「えっと...では、お言葉に甘えまして...」
セリシールはヒカルに当てないように注意深く、弱めの魔法を放つ。

「なめてますの?本気でかかってらっしゃい!」
とヒカルは言うが、それを言いたいのはセリシールの方だった...
そしてセリシールがまた外れるように魔法を放った瞬間、
「slow the time down」
ヒカルが小さくつぶやいた。
次の瞬間、魔法の向かう先にはヒカルがいた。
「ああぁぁぁ~~~!」
ヒカルが大げさに悲鳴を上げる。
「何で??」
驚くセリシール。
「さすが魔法少女ですわね。わたくしでは歯が立ちませんわ。今日はわたくしの負けです。次こそは一矢報いて見せますわ!」
ヒカルはそういうと転移魔法でチッカーともども消え失せた。

「なんだったの・・・」
途方に暮れるセリシール。
「っていうか、何で当たったの?私、大丈夫??」
セリシールは混乱しているようだ。レオポンに助けを求めるが、
「まさか...時魔法...」
レオポンは固まっていた。しばらく後、
「さすがにそれはないよね。うん。身体強化魔法で素早く動いただけに違いない」
レオポンは自分に言い聞かせるようにいうと、やっと当惑しているセリシールに気がついた。
「セリシール。今日はよくやったよ。当たったのは仕方がないし、あのくらいでは世間の風当たりも強くはならないだろう」
「そ、そう。ならいいんだけど...」
何やらもやもやしたものを抱えながら、ヒカルとセリシールの再戦は終わったのだった。

・・・

「ひかるってボケのセンスないのね...天然な人って皆こうなのかしら...」
「えっ、何の話ですか?」
不思議そうに首をかしげるとひかるは続けた。
わたくしの作戦は完璧だったはずですのに、どうして周りの反応がいまいちだったんでしょうか??」
「それよっ、それがボケよっっ!!」
すみれは興奮したようにいう。
「やはりダーク・ライトには私が必要なようね!」
すみれは自らの存在意義を再発見して、満足げにうなずいた。
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