ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret18. 花の妖精たちの幹部

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。
 = マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。今日もいつも通り、やられに来たと思ったら...
紫野むらさきのすみれ(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。
 = ヴィオレ:秘密結社ダーク・ライトの一員。チッカーたちの会話を聞いて戦闘のモチベ低下中。
・チッカー:全身黒づくめのモブ戦闘員。毎回、頑張ってると思っていたが、実は内心はお仕事で来ている。
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):元気が取り柄の14才!彼女をセリシールと見抜く人物が現れたようだが...
 = ラフェド・セリシール:魔法少女。どうやらダーク・ライトには敵意だけを向けているわけではなさそう...
・レオポン:ライオンを模したマスコットキャラ。お気楽に見えて、実は中間管理職として苦労している。
・赤髪の男:さくらの同級生に絡んでいた。さくらの正体に気づいているようだが...

●前回のお話
私、小松春桜子。昨日、レオポンに聞いたんだけど、上司が変わって、レオポン大変みたい。
「マスコットってお気楽だなぁ~」なんて思ってたけど、意外に大変なのね...
でも、それより気になるのは今朝、私の同級生にからんでた怪しい人!
何故か私のこと魔法少女だって知ってたみたい。
何か悪い予感しかしないよぉ...



「おい、お前!」
さくらが校門を出ようとすると、いきなり今朝の赤髪の男に話しかけられた。
「あっ、変態!」
さくらが逃げようとすると見知った声が聞こえた。
「さくら、僕だよ」
見るとレオポンがその男と一緒にいた。
「えっ、どういうこと?」
「ここじゃなんだし、一度、家に帰ろう」

そして、さくらの家では、
「どうぞ、粗茶ですが...」
さくらがインスタントコーヒーを出していた。
すると、レオポンが口を開く。
「こちら、僕の新しい上司の『ルメトルド・フラム』さん」
「フラムでいい」
男が補足する。
「フラムさん。初めまして。この街で魔法少女をやってます『ラフェド・セリシール』です」
さくらは挨拶する。
「知っている。随分とダーク・ライトの殲滅に時間がかかっているようじゃないか」
「申し訳ありません。なにぶん、逃げ足が早いもので...」
「お前には聞いていない。レオポン!」
「はっ」
レオポンが黙る。
「どうなんだ?セリシール?」
「申し訳ありません。なにぶん、逃げ足が早いもので...」
「レオポンの真似するな」
「はっ」
「だから、レオポンの真似するな」
「申し訳ありません。なにぶん、フラムさんのツッコミが鋭いもので...」
「燃やすぞ...」
「すいません。ドエスラムさん」
「フラムだ!...っていうか無理あるだろ!」
「さすがのツッコミです」

「大丈夫か、このむすめ...」
フラムがレオポンにささやく。
「普段はこうではないのですが、どうやらフラム様のツッコミ属性に影響されて、過度にボケになっているようです」
「俺はそういうメタ的な話題は嫌いだ」
「それはツッコミとしてはどうかと...」
「お前ら、まとめて燃やすぞ」
「それでこそフラム様!」
フラムは頭が痛くなった。

「まあ、いい。今日、これからダーク・ライトとの戦いがあるのだろう。俺も同席する。お前たちの力を見せてみよ!」
「はい!マテラス以上のボケを決めて、フラムさんにつっこんでもらいます!」
さくらはフラムの目を見て力強く宣言する。
「お前、俺をなめてるだろ...」
フラムは初対面から威厳を失っていた。

・・・

そして、その日の夕刻。いつもの公園で、いつものごとく空間が歪み、いつものごとくマテラスたちが現れる。
「誰?」
セリシールの隣に立つ、赤髪の男を見て、マテラスがつぶやく。
「お前がマテラスか!俺の事は気にするな。さっさとセリシールと戦え」
(まあ、セリシール様を呼び捨てなんて、何様のつもりでしょう!大体、セリシール様の隣に立つなんて、なんて羨ま...おこがましいにもほどがありますわ!)
「そうはいかん。セリシールの隣に立つとはそれなりの覚悟はあるのだろうな?」
マテラスの目が光る。
「ほう。どんな覚悟がいるというのだ」
「こうなる覚悟だ!」
マテラスが手をかざすと、地下からツタが伸びてきて、フラムをがんじがらめにする。
「少しはやるようだな」
フラムはまだ、余裕があるようだ。
「聞こう。貴様はセリシールの何なのだ?」
「なっ、マテラス?この人はそんなんじゃ...」
なぜかセリシールがあせる。
「この方は『ルメトルド・フラム』様!僕たちの組織の幹部の方だよ。今日は僕たちの闘いの視察に来られたんだ!」
レオポンが、不穏な気配を察して、状況を説明する。
「レオポン!余計なことはいうな!」
フラムが一喝する。
「俺はセリシールにお前を倒す力があるか、確かめに来ただけだ。時間の無駄だ。さっさと戦え!」
「セリシールを呼び捨てにするな!!」
ひかるは怒っていた。推しキャラをまるで自分の駒のように扱う男。許せるはずがない。
マテラスが手をふると途端に、ツタが炎に包まれる。
「ふん。わざわざ、自分から枷をはずすとはな」
フラムは全くの無傷で炎の中から現れた。

「マテラス!何をそんなに怒っているのよ!いつも通りいくわよ!」
セリシールはそう言うと、大魔法を唱えた。
「サクラ・ライトニング!!!」
いつものごとく、チッカーたちが倒されていく。
ヴィオレも一発、浴びたようだ。ちょっと苦しそうに呻く。
マテラスは避ける気配はない。なのに、一発も当たらない。
「まあ、そうだな。そんな男の事はどうでもよい。楽しもうではないか!」
マテラスの手からいくつもの火の玉が放たれる。火の玉はセリシールに近づくと爆発する。
セリシールは余裕で避けていた。
セリシールはステッキに魔力を込め始める。
「いくわよ!」
ステッキから伸びる太いビーム。いつものごとくマテラスに直撃する。
「ふっ、相変わらず、いいビリビリ加減だ。今日はここまでだ。さらば!」
マテラスたちが転移していく...その時。
マテラスの足元で魔法陣が光り、マテラスだけが転移されずにその場に残された!
「...妨害魔法か」
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