ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret19. フラム×マテラス

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。
 = マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。フラムに対してかなり腹を立てているようだが...
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):元気が取り柄の14才!
 = ラフェド・セリシール:魔法少女。フラムに魔法少女として出来るところを見せる必要に迫られている。
・ルメトルド・フラム:レフェドフルールの管理者。俺様系でツッコミ属性を持つ。さくらはその影響を多大に受けている模様。
・レオポン:ライオンを模したマスコットキャラ。上司が変わって、苦労しているかと思いきや、さくらとともにボケ要員にまわった。

●前回のお話
わたくしひかる・ダークライトと申します。
マテラス・ダークライトとして、秘密結社ダーク・ライトを率いておりますが、本日の戦闘において、セリシール様を顎で使う、粗野な男性に出会いました。
なにやら偉そうな肩書を名乗っておりましたが、絶対に許すことはできません!!
*に変わっておしおきよ!



「...妨害魔法か」
その場にはマテラスだけが残されていた。
「選手交代だ!俺が出る!」
「視察に来ただけでは?」
マテラスが挑発する。
「こいつじゃダメだ!おい、セリシールは首だ!次の魔法少女を探せ!レオポン!」
「そんなの横暴だ~!ろうどうきじゅんきょくに訴えてやる~~!」
セリシールがなけなしの知識で抵抗する。
「お前、意味分かって言ってるか?」
「そうです。解雇するのでしたら30日分の給料を頂かないと」
レオポンも乗っかる。
「お前らなぁ...」
「許せん、セリシールとそんなに仲良く...」
ひかるは魔法少女サイドの漫才に嫉妬した!
「マテラスだって、ヴィオレと仲良くしてるじゃない」
なぜかセリシールが対抗する。
「それとこれとは話が別だ」
「なんの喧嘩しとるんじゃぁぁ~~~!」
フラムは我慢できずに、渾身のツッコミを放ってしまった。
「くっ、まさかマテラスの言葉につっこむとは...」
セリシールが負けたような顔をしている。
「大丈夫、フラム様は二人の喧嘩につっこんだんだ」
レオポンがフォローを入れる。
「お前ら、黙っとれ~~!」

するとマテラスが切り出した。
「え~と、何の話してたっけ?」
マテラスにしては珍しく、話を進めようとしたようだった。
「そうだ...セリシールを首にしたくば、私を倒してみよ。それが出来ねば、今の言葉、撤回してもらう!!」
「ふん。何故そんなにセリシールに肩入れするのかは知らんが、よかろう。お前など秒で倒してやる」
「いやいや、それでは盛り上がらないから、せめて分は欲しいかと...」
マテラスはついボケてしまう。よほどフラムのツッコミが気に入ったようだ。
「ほざけ!いくぞ!」
フラムにスルーされた。マテラスはひどく落ち込んだ。

次の瞬間、フラムはマテラスにほとんどぶつかりそうなほど近接していた。
そして、マテラスの死角の背中めがけ、両拳をぶつける。拳は炎で包まれていた。
「キィィィン!」
拳が弾かれた。と、同時に近くの茂みから
「あっ!いきなり抱きつくなんて!」
・・・声が聞こえた気がした。多分、気のせいだろう...

気を取り直し、マテラスが言う。
「どうした?何かしたのか?」
(魔法を使った形跡がない。まさか、『対魔法障壁』と『対物理障壁』のみで弾き返したのか!...いや、そんなことは不可能だ!!)
フラムはあせる。続けてノータイムでマテラスの足をすくうと地面に転がす。
その上に馬乗りになり、両手を地面にたたきつける。
「噴け!マグマ!!」
マテラスの背中に熱いものが迫る。局地的な火山噴火を引き起こす超高度魔法だ...しかし、
「...」
マテラスが何かつぶやく。待てども何も起こらない。代わりに、
「ああぁ、ダメよ。いきなり押し倒すなんて!」
・・・何か聞こえた気がした...いけないな。最近、幻聴がひどい。疲れのせいだろうか...

軽く頭を振り、マテラスが言う。
「おや、マグマはいつ噴くのかな?」
(バカな。これではまるで、「リバース」ではないか!この超高度魔法を正確に裏返しただと!それこそあり得ん!!)
フラムは小刻みに震えていた。そんな自分に活を入れるように、頭をマテラスにぶつける。
その瞬間、フラムの頭に魔法陣が浮かび上がった。
マテラスの額の直前で魔力が暴走する。
「吹き飛べ~~~!!」
さすがにこの短時間では対応できまい。フラムが勝ちを確信したとき、
「stop the time」
何か、聞こえた気がした。
次に意識が戻ったとき、そこには何もなかったかのように笑うマテラスがいた。
「ダメ~~~~~!!**なんて刺激が強すぎるわ~~~!!」
・・・はっきり聞こえた。近くの茂みから二筋の赤い噴水が噴きあがっている。わぁ、すごい仕掛けだなぁ。とても街の公園とは思えないや...

マテラスは続けて何かが倒れる音を聞いたが、無視することにした。
「次は私の番だな」
フラムの顔がみるみる青ざめていく。
「炎魔法はこうだったか」
マテラスの指から火の玉が生まれる。身構えた瞬間。
ゴォォォォ!!
フラムの全身が業火に焼かれる。
だが炎はフラムの周りからは決して広がらない。ただただ、フラムを焼く。
炎が消えた時、フラムは黒焦げになっていた。
セリシールとレオポンの息が止まる。
やがて、すすがフラムの周りから落ちていき、放心状態になったフラムが残されていた。
「どうだ。効いたか?効かなかったのならもう一段階レベルを上げるが...」
マテラスが何事もなかったかのように言う。
「バカな!この俺に炎魔法が効くなど...」
フラムは信じられないようだ。
「効いてないのか。それでは...」
「待て!お前が強いのは分かった。それなのに何故セリシールを倒さない?」
「簡単だ。私よりセリシールが強いからだ」
「ふざけるな!それなら俺よりセリシールが強いことになるだろうが!」
「そうだ。この街で私を止められるのはセリシールだけだ。それでも魔法少女を交代させるか?」
「くっ」
「マテラス...」
セリシールの目がうるんでいる。
「すまん。俺が間違っていた。この街でダーク・ライトを抑えれるのはお前だけだ。これからも魔法少女を続けてくれ」
フラムが珍しく素直に自らの非を認める。
「はい!喜んで!」
セリシールは満面の笑みを浮かべた。

「では、俺は次の街に行く。お前らの仕事はダーク・ライトを抑えることだ。倒す必要はない。分かったな!」
「「はい」」
セリシールとレオポンがうれしそうに返事をする。
フラムは気まずそうに飛翔魔法で飛んで行った。

「さて、ではまた会おう。魔法少女よ!」
マテラスが転移魔法を使おうとする。
「待って!」
セリシールが引き留める。
「なんで私を助けたの?」
マテラスは顔を背け、表情が見えないようにして言った。
「お前と戦うのが楽しいからだ...」
「お前は私の太陽だからな」
そう続けるとマテラスは転移魔法で姿を消した。
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