ひかるのヒミツ

世々良木夜風

文字の大きさ
27 / 54

Secret27. マテラスとセリシールのデート(through 芭羅美 eyes 後編)

しおりを挟む
●登場人物(written by 芭羅美)
志頭蟹しずかに芭羅美ばらみ:フラムとマテラスの愛を見守る少女。セリシールの悪だくみを知り、阻止すべく立ち上がる!
・マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。フラムとは両想い。セリシールの悪だくみにより遊園地に誘いこまれる。
・ルメトルド・フラム:レフェドフルールの管理者。セリシールの悪だくみに気づき、現場に乗り込む。はたして、マテラスの危機を救えるか!
・ラフェド・セリシール:魔法少女。マテラスとフラムが仲良くするのが気に食わない。今回はマテラスに狙いを付けたようだ。
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):芭羅美の唯一の友達。いつかフラム×マテラスの愛のすばらしさを教えてあげたいと思っている。

●前回のお話
あたし、志頭蟹しずかに芭羅美ばらみ。ある日、あたしは衝撃的な光景を目にしてしまった。
あろうことか、マテラス様を魔法少女がたぶらかし、遊園地に誘いこんでいた。
それを見たあたしは何とかマテラス様を魔法少女の手から助けるべく、フラム様を探した。
そして、ついに見つけ、一緒に現場に乗り込むことになった!



◎月△日昼過ぎ、街の遊園地にて。
芭羅美とフラムはマテラスたちの元に転移を開始した。
転移している間、芭羅美は最悪の状況を考える。

そこには呆然とするマテラスと勝ち誇った顔の魔法少女!
彼女はマテラスにこう言ったのだ。
「フラムには隠れた恋人がいる」
「黒髪の美少...年。女の子のような顔をしている」
「男の子にしては小さい体。なぜか女の子の服を着ている?(...きっと彼の美貌を嫉妬したものたちに無理やり着せられたに違いない)」
「彼の愛称は『ひかるん』。熱血漢のフラムは彼を助けてあげた」
「ひかるんの友情はやがて恋へと変わり、ついにフラムに打ち明けてしまった」
「そして、フラムはその告白を受け入...」
「ウソだ~~~~~~!!!」
泣き叫ぶマテラス。
何も信じられなくなったマテラス。その顔には絶望が浮かんでいる。

と、そこまで妄想したところで、突然、目の前が開ける。
「私もマテラスがす...」
魔法少女が何かを言おうとしていた。
急いでマテラスを見る芭羅美!
その顔に悲壮感は無かった。むしろどこか安心した様子すら覚える。
(良かった!)
胸を撫で下ろす芭羅美。最悪の事態は免れたようだ。
「フラムさんと...芭羅美ちゃん?!」
魔法少女が自分の名を呼ぶ。
「どうして、あたしの名前を?でも、そんなことはどうでもいい...あなた、何を企んでいる!」
いや、安心は出来ない。この女は何を考えているか分からない。芭羅美は再び、怒りのオーラを燃やした。
「お前、セリシールだな?これはどういうことだ?説明してもらおうか!」
フラムも激怒している。当たり前だ。自分とマテラスとの仲を引き裂こうとしたのだから。
「こ、これは...」
魔法少女が言葉を濁す。企みがバレて苦境に陥ったようだ。

するとマテラスが立ち上がり、心配そうに話し始めた。
「フラムだったか。お前は何も聞いていないのか?」
おそらく、フラムが自分と同じように、あることないこと吹き込まれたと思っているのだろう。
(大丈夫!二人は魔法少女の戯言などに惑わされたりしない!)
芭羅美は二人の絆を確認して、熱いハートを抑える事が出来なかった。

次の瞬間、フラムがマテラスに迫った。マテラスは、背中を壁にぶつける。
フラムは構わず、壁に強く手をつき、マテラスに低い声でそっとささやいた。
「大丈夫、俺はお前以外見えない」
芭羅美earsは小さくてよく聞こえなかった部分を補完する。
芭羅美は血圧が急上昇!我慢できずに心に思ったことを口にしてしまう。
「こ、これはもしや噂に聞いた『壁ドン』!まさか生で見られるなんて!!」
さらに芭羅美を興奮させるかのように、フラムはマテラスの顎を指で持ち上げ、目と目を合わせる。
「キャ~~~!『あごクイ』!!当然、この後は...」
芭羅美はもう理性が崩壊していた。
目を血走らせながら、フラムとマテラスの様子を覗き込む。鼻から赤い筋が流れた...
フラムはマテラスの耳元に顔を近づけたが、芭羅美eyesは遠近法を無視する。
その結果、見えた光景は唇と唇が近づく光景だった。
「俺を信じろ。お前に思い出させてやる」
フラムは小さくささやいた。もちろん、芭羅美には聞こえていないが、芭羅美earsが声を届けてくれる。
さらに近づいていく唇を見ながら、芭羅美の血圧は限界を超えた。
「神様、今日も祝福をありがとうございます...」
盛大に鼻から血を吹き出しながら倒れていく芭羅美。
芭羅美は薄れていく意識の中で、天がくれた施しにただただ感謝していた。

次に芭羅美が意識を取り戻したとき、そばにいたのはさくらだった。
「あっ、気が付いたんだね!」
さくらは安心したように言った。
周りを見回すと、ここは遊園地内のベンチのようだった。
「なんでさくらちゃんがここに...」
芭羅美が尋ねると、
「私も友達とここに来てたの。そしたら魔法少女が『この子をお願い』って言ってきて...友達はもう帰ったんだけど...」
「魔法少女?!」
芭羅美は反射的に立ち上がる。
「どうしたの?芭羅美ちゃん?」
「何か言ってなかった?魔法少女は」
「そういえば、『魔力に敏感な体質だから私たちの闘いに巻き込まない方がいい』って。すごく心配してたよ」
「やっぱり」
(あたしにこれ以上関わるなという警告!だけど無駄!あたしはフラム様とマテラス様の愛の為なら死ねる!侮ってもらっては困る!)
「家まで送ろうか?」
「いい。考えたいこともあるし...」
「そう。魔法少女は大丈夫だって言ってたけど、気分が悪くなったら、誰かに連絡するんだよ!」
「ありがとう。さくらちゃん!」

芭羅美は帰り道で考え事をしていた。
「マテラス様が無事だったのは本当に良かった。でも...」
(あたしが転移している間に見たあの美少年。誰?見たこともない顔だったけど、何故か心の奥から湧き出てきた)
芭羅美は思考に沈む。
(それにあの子の事を考えると何故か妄想が進む。あたしはマテラス様一筋のはずなのに...)
芭羅美は首を大きく振ると、声に出して自分の気持ちを確かめた。
「あたしはフラム様とマテラス様の愛のみを見つめる。もう、あの子のことは考えない!」
自分がマテラスの秘密のかけらに触れていることに、芭羅美は気づいていなかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

神木さんちのお兄ちゃん!

雪桜
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます! 神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。 美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者! だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。 幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?! そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。 だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった! これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。 果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか? これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。 *** イラストは、全て自作です。 カクヨムにて、先行連載中。

処理中です...