ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret45. マテラスの悩み(さくらは見た!)

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。世間知らずが度を越している。この人の前に常識という言葉はない。
 = マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。ひかるがこの姿になった時、大抵、問題が起こる。
紫野むらさきのすみれ(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。この人がいないとまともな会話にならない。
 = ヴィオレ:秘密結社ダーク・ライトの一員。チッカー語の習得後、戦闘時にテンションが上がらないようで...
 = ムラサキ:すみれの通常の姿。宝塚系。バイト時とは姿が違うため、さくらと芭羅美にはこの名前で通している。
・チッカー:全身黒づくめのモブ戦闘員。基本、やる気がない。いつもやられて痛い目を見るだけなので当たり前か。
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):元気が取り柄の14才!マテラスのことが気になっていたりする。
 = ラフェド・セリシール:魔法少女レフェドフルールの一員。

●前回のお話
あたし、志頭蟹しずかに芭羅美ばらみ。この間、魔法少女とダーク・ライトの闘いがあった。
久し振りにフラム様もお出ましだったので、急いで駆けつけた。
いざ、事が始まろうとしたときに、あたしは突然、魔法で遠くに飛ばされた。
焦ったあたしは急いで戻ったんだけど、既に事は終わっていた。
どうやら、二人はあたしの妄想の遥か上を行くプレイをしていたらしい。
今のあたしでは二人のプレイを最後まで見届けられない。
あたしは修行することを心に強く誓った!



これは魔法少女と悪の秘密結社の闘いの一コマ。
「いけ!チッカーどもよ!!」
マテラスが命令を下す。
「チィー!」(やっぱ、行かないとダメですか?)
「チィー!」(魔法当たる前にやられたフリしよ)
「チィー!」(こき使いやがって)
しぶしぶチッカーたちが魔法少女に襲い掛かる。
「何回、聞いてもやる気そがれるわね...」
ヴィオレはこのやり取りにどうしても馴染めなかった。

・・・

「ひかる!あんたチッカーたちにどんな教育してるのよ!」
ひかるのお店ですみれはひかるに詰め寄っていた。
「この前の研修の通りですが...」
「そうじゃなくて、魔法少女との戦闘よ!もうちょっとやる気出してくれないと、こっちのテンションが下がるわ!」
「はあ、そういうものですか」
「あんた、なんとも思わないの?」
「子供のころからあれが普通でしたから...」
すみれがカウンターに突っ伏す。
「あんたに常識を求めた私がバカだったわ...」
すみれはひかるに忠告をする。
「とにかく、チッカーたちにもっとやる気を出すように指導しないと、『悪』の名に傷がつくわよ!」
「っ!!それは問題ですわね。真剣に考えなくては!」
「そういうところは『悪』に敏感なのね...」
すみれはひかるの『悪』の定義が少し分かった気がした。
「それはそうと、わたくし、少し出かけてきますわ。悪いけど、お店番お願い」
「それはいいけど、どこ行くの?」

・・・

ところ変わって、ここは駅前のショッピングセンター。
さくらが友達と歩いていると、マテラスの姿が見えた。ダーク・ライトと分からないように変装している。
(あれ!変装して何しに来てるんだろ?)
「ごめん、私、ちょっとお手洗い行ってくる」
さくらは友達を置いてマテラスを追いかけた。
マテラスはというと、
(ふう。男属性の魔法薬を買いにきたんですけど、すみれが変装して行けと言うからこの姿で来ましたわ。どうしていつもの姿だといけないんでしょう?)

『Secret5』未読の方に説明しておこう!
ひかるはマテラスに変身するために、「男属性の魔法薬」が必要なのだが、それは、まむしやスッポンのような強精薬に多く含まれる傾向がある。
以前、ひかるが素のままで買いに来た時、すみれが急に半狂乱になった過去があるのだ。

マテラスは健康食品やサプリを扱っているお店に入ると、早速、そのコーナーへと向かった。
さくらは追いかけて中に入ると、こっそりマテラスの様子を窺った。
(随分、一生懸命選んでるけど、何を買うつもりなんだろ?)
マテラスは真剣にいくつかの商品を選んだ後、レジへと向かった。
さくらがそのコーナーに行ってみると...
(「えぇ~~~~~~!!」)
危うく、大声を出してしまうところであった。
すんでのところで飲み込むと、急いでそのコーナーから離れるのであった。
(もしかして、これってそういうことなのかな?)
ひかる(勘違いさせぇ)は、さくら(勘違いしぃ)にキレイに勘違いをさせたのであった。

その夜、さくらは悩んでいた。
(まさか、マテラスがそんな悩みを持ってたなんて...)
遠くを見るとレオポンがスヤスヤ眠っている。
(レオポンにも相談できないし、友達にも...無理だよね...誰に聞いたらいいんだろ...)
そこで不意にすみれの学校の文化祭で見た光景を思い出す。
(そうか。ひかるちゃんならムラサキくんと付き合ってるから何か分かるかも!...でも何て聞いたらいいんだろう...)
さくらは眠れない夜を過ごした。

・・・

翌日、さくらはひかるの店でもじもじしていた。
さっきからずっとそんな感じだ。
「さくらさん、さっきからどうしたんですの?ここで言えないことなら奥の部屋で聞いても...」
ひかるは心配そうに尋ねた。
「あ、あの...ひかるちゃんってムラサキくんと付き合ってるの?」
「「えっ!!」」
ひかるとすみれが驚きの声を上げる。
「違うわよ。ムラサキは女の子よ!確かに男に見えなくもないけど、顔とか体形とか良く思い出してみて!」
すみれが代表して説明する。
さくらは文化祭で見た光景を良く思い出してみる。
確かに胸はあまりなかった気がするが、男の体形とは思えなかった。顔も男性にしては可愛すぎるし、声も落ちついた低い声ではあるが、男性の音程ではなかった。
「い、言われてみれば、そうかも!でも抱きついたり、キスしたりって...」
「女の子同士のじゃれあいよ!大体、男の子だったらそんなこと人前で言わないでしょ!」
すみれは力説する。ひかる以上にムキになっているが、どうしたのだろうか?
「そ、そうだったんだ。ゴメン。私、勘違いしてて...」
「まあ、勘違いしても無理はないわね。あれは全面的にひかるが悪い!」
すみれはかなり怒っているようだ。あの場にいなかったと思うのだが、やけに詳しい。
「ごめんなさいね、すみれ...さくらさん。そういう訳ですの。わたくし、特にお付き合いしている男性はおりませんのよ」
「そっか...じゃあ、これは聞けないかな...」
「何か聞きたいことがあったんですの?聞くくらいならよろしいですわよ。話すと気が楽になることもありますし...」
「えっと、すごく言いにくいんだけど...私の友達に相談されたんだけどね...」
またしても都合の悪いことは友達の話にするさくらだった。
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