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新たな冒険
プロローグ
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石川県輪島市内・袖ヶ浜(そでがはま)23時ごろ
23時頃とある親子2組がそこでキャンプをしていた。
この親子二人組以外誰も来ていない
袖ヶ浜の後ろにキャンプ場があるのだ。
男性はラジオから流れてくる音楽の事を良く知っているらしい。
その曲は「作曲:チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲op35」である。
浜に近い20mくらい離れた所で望遠鏡を覗いている子供たちがいる
満面の星空の下、とある元気な男の子と女の子そして小さい幼女が一人
代わる代わる望遠鏡でたくさんの星を眺めている。
楽しく話をしながら、望遠鏡をあっちへ向きこっちへ向き動かしている。
その望遠鏡にはどんな星が見えるだろう。
どんな銀河が見えるだろう。それはきっと大小様々な形があり
どんな宇宙が広がっているのか本人達にしか分からない。
どうやら男の子はこの曲を知らないらしく「ヴァイオリンの有名な曲」
とまでしか把握していないらしい。
「お父さん・・・この曲知ってるの・・・?」
男の子は今の曲を知らないらしい。
望遠鏡を眺めながら聞いていたのだろう。
「この曲かい?これはね「星の音色」を聞いているんだよ・・・」
「・・・星の音色・・・?」
お父さんは男の子に「星の音色」であると説明した。
「星の音色」と言われた男の子は少し疑問に思いつつもキャンプ場に
戻ろうとしていた。
「もう、遅いから寝る時間だぞ~」
そして、男の子含め女の子と幼女も、それぞれキャンプ場に戻り
就寝に着こうとする。この日の遊びをうんと楽しんだ親子は
ぐっすりと眠れそうだ。
「うん・・・」
楽しい時間と言うのは過ぎ去るのが早く感じるものだ。
この楽しい時間をいつまでも忘れない様に胸に留めて
明日を迎えようとするのだ。
一生の思い出を忘れない様にすることなど簡単な事では
ないのかもしれない。
・・・
・・
・
2040年 日本は世界の葛藤の中で動いていた
テレビのニュースでは(今日の自然)をテーマに
放送していた。どこの森や海を放送しているのか分からない
だが、毎日のように放送している。
どこかの教授が出てきて経済討論をしたり
政治家が出てきて政治論争を巻き起こしたり
世界はちょっとした混沌に入っていた。
一方の国民は、政治や経済などに関心も持たずに
生活を送っている。
混沌とした世の中かもしれないが、科学技術だけは邁進する一方である
しかし、世界はみな宇宙にロマンを抱いていたのだ。
宇宙進出はどこの国も目指している。
そこで開発されたとあるゲームが世界各国で流行っているのだ。
もちろん、プレイ出来ない場所も国もある。
そのゲームに没頭する人もいれば、リアルが忙しい人もいる。
人それぞれなのだ。
2040年、埼玉県所沢市にある、VRゲームを提供する会社
「ソウルメア」社のあるゲームのサービス終了に向けて社員は準備を進めていた。役員と研究員は会議室に集まりとある会議を行っている。
多少暗そうな会議室で20人程度の人数が椅子に座り会議をしている。
一人一人のテーブルの上に各資料とお茶が置かれている。
「では、この手筈で・・・」
一人の椅子に座ったスーツを着た男性が資料を見ながら答えた。
「うむ・・・」
上司か取締役と思われる人物が答えた。
「マスコミには私が対応します」
「あぁ、よろしく頼むよ・・・」
「本当によろしいんですか??」
白衣を着た者が上司に聞いた。少し深刻そうな顔である。
「もう、ここまで来たんだ・・・やるしかない・・・」
上司らしき人物はため息を吐いた声で答える、しかし、心の中は期待の
声で満たされているかもしれない。
・・・
・・
・
石川県にある百万石高校、夕方ほとんどの生徒は帰宅し、他の生徒は少し残っている感じだ。居残り勉強か若しくはカップルで帰宅をする生徒もいるであろう、部活動で教室を使用するなども考えられる。
「先生さようなら~」という声も聞こえてくる。
静まり返った校舎内の奥にある、音楽室でヴァイオリンの演奏が聞こえてきた。
石川県加賀市に建立された百万石高校に通う、3年生「天富奏護」(あまとみ そうご)は、本日も高校の管弦楽演奏部の
ヴァイオリンの練習終えて、帰る支度をしていた。
今度行われるコンクールの練習をしていたのだ。
黒髪のナチュラルショート系でどこにでもいそうな顔立ちの日本人だ。
175センチくらいのスリムの体系で、スラっとしている佇まいだ。
学ランを一枚脱いでワイシャツ姿でヴァイオリンの演奏をしていたが
時間が来たのか、片づけに入っている。
譜面台を片付け、ヴァイオリンケースにヴァイオリンを入れ終えて
天富は、谷内(やち)先生に帰りの挨拶をした。
「先生、本日もご指導ありがとうございました」
女性の谷内先生は管弦楽部の顧問であり指揮者だ。しかも美人である。
谷内先生は天富を見ながら楽譜を両手に持つ
「天富君、今日のクライスラーの前奏曲とアレグロは、やっぱり後半部分のアレグロ部分が胆ね、ハイポジションばかりを弾くことになるから
次の音符を弾く準備をしないと出遅れるわよ」
谷内先生は楽譜の2ページ目を指で指す
「それと、フォルテ、ピアノ、フォルテ、ピアノって続くでしょ、ここをはっきりと表現した方がいい出来になろと思うわよ。」
教え子に対ししっかりとしたアドバイスとフォローを先生は施す。
先生の役目をまっとうする良い先生だ。そしてその美人な顔に見とれて
しまいそうな男子生徒がたくさんいる。
しかし、それとは裏腹に、この谷内先生は宿題魔でたくさんの宿題を
生徒に押し付けることで生徒からも恐れられている。目を付けられては
最後、達成するまで宿題と指導のオンパレードだろう。
「はい、わかりました、家で強弱の練習をしてきます」
天富は家でしっかりと練習をして来ることを強調した。
「しっかりと練習してきてよ、今度のコンクール絶対に最優秀賞とるわよ!頑張りなっさい!!」
今度のコンクールで3位以内に入ると全日本コンクール出場権が与えられる。高校生最後のコンクールとなるであろう、このコンクールは秋に開催され、毎年多くの話題を呼び感動も呼ぶ。一言で表すなら、コンクールの甲子園とでも表現されても可笑しくはない。
一部ではそう呼ばれているのだ。
「おっしゃ!家で練習しまくるぜ」
「あら?お勉強の時間は??」
天富は勉強よりヴァイオリンをしたいと思っているが、やっぱり勉強も必要だろうかと考えている。
いや、学生である以上、本文はお勉強である。
いくらコンクールがあると言っても勉強しないと駄目だろう。
天富は谷内先生にこう返した
「も、もちろん勉強しますよ!俺の学力の為に!」
天富は少しアタフタした。音楽の先生も本人の学力に気を配っている
のかもしれない、音楽と勉強の両立は学生にとって、どちらか片方に
力を入れた方が伸びがある。
「ははは・・・分かったわ、練習もほどほどにね~」
音楽室から退出をしようとした天富は谷内先生に向く。
「それでは、帰ります。失礼します。」
この日は今度のコンクールに出場する生徒たちにマンツーマンで指導を
行っていたのだ。もちろん天富だけではない。時間が来たから先生と一緒に練習する時間になっただけなのだ。しかし、これで天富で今日の指導は終わりなので先生も帰りの支度をしようとしていた。
「気を付けてね~」
天富はドアをガシャンと閉めた。自宅に帰る為に生徒玄関に歩いて行く。
・・・
・・
・
天富は帰宅中の町中の路地
歩いていると背後から女性の声がかかる
「テンゴ、今日の練習どうだった?」
「あまとみそうご」だから、苗字の天と名前の後を取ってテンゴである。
これは千宙が名付けたあだ名でありゲーム内でのハンドルネームである。
天富は歩きながら振り返る、もちろん知っている人の声なので
誰が声を掛けてきたのか瞬時に理解出来た。
「なんだ、千宙か、まぁ上出来だと思うよ」
彼女の名前は「東矢 千宙」(とうや ちひろ)幼馴染だ。
ピアニストで小学1年の時から習い始めている。
中学時代においては腕前は県内では強豪である。
そんな彼女とはひょんな事から小学4年生の時に一緒にコンサートをすることになった。当時は喧嘩腰だった彼女は天富とよく一緒にコンサートに参加していた。そう、良い演奏家だった。
「ヴァイオリンの練習したし、今日は、大切な日だから分かってるよね」
千宙の発言からは寂しさがヒシヒシと伝わって来る。
今日はとあるグループとの別れの日なのだ。
家でヴァイオリンの練習より今日と言う日を大切に過ごしたいところだ。
今日くらいグループに顔を出して別れ前の「大宴会」をしてもいいくらいだ。その次の日にヴァイオリン練習をすればいいだけの話なのだ。
「テ、ン、ゴ!」
グループとの別れを知り俯いていた、天富にカツを入れるかのように
千宙は呼んだ。
「今日は仲間も最後の集まりだから、ちゃんと帰ってくるから、しっかりログインしなさいよ」
とあるゲームのサービス終了日なのである。
二人してそのゲームをプレイし、所属しているギルドがある
今日はその仲間内と合い、最後の打ち上げないし、懇親会を開き
今後のお互いの健闘をたたえ合うのだ。
「ヴァイオリンの練習もほどほどにね!」
谷内先生に言われたことを千宙にも言われた。
しかし千宙が天富に言った、この発言は別意味が込められていそうだ。
「なんだ、お前聞いてたのか!?」
千宙が近くにいた事は天富には気づいてはいなかったが、先生に言われた
セリフを千宙にも言われたとなると近くにいた事が伺える。
千宙は両手で顔を半分隠す。
「コソコソっと聞いちゃったよ~、だって練習見たいだもん♪」
「ははは、そうかよ」
天富は笑いながら答える。別に練習を見られて困るもんでもない。
そもそも千宙は管弦楽部には所属をしていない。ピアノを習っていた
演奏をしていた一般の生徒なのだ。
しばらく一緒に歩いたのち分かれ道に来た。
「じゃ、私こっちだから」
千宙は丁字路で天富とは別方向に歩き出す。傍には大きな木が生えている。
4月には桜が咲く、その木は今は夏の風物詩を醸し出しているかのようで
風が吹いていた。
「あぁ」
天富も千宙の自宅は知っているらしく、ここで別れる事は把握していた。
歩きながら、千宙からテンゴに手を振る。
「ちゃんとログインしなさいよ!!」
ログインしなければ何をされるか分からない。
「あぁ!もちろんだ、今日はみんなとのお別れ会だからな!!」
天富も数週間ぶりにみんなと会いたいのだ。
「待ってるからね~!ってか女性を待たせんなよ~!」
「おう!」
・・・
・・
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23時頃とある親子2組がそこでキャンプをしていた。
この親子二人組以外誰も来ていない
袖ヶ浜の後ろにキャンプ場があるのだ。
男性はラジオから流れてくる音楽の事を良く知っているらしい。
その曲は「作曲:チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲op35」である。
浜に近い20mくらい離れた所で望遠鏡を覗いている子供たちがいる
満面の星空の下、とある元気な男の子と女の子そして小さい幼女が一人
代わる代わる望遠鏡でたくさんの星を眺めている。
楽しく話をしながら、望遠鏡をあっちへ向きこっちへ向き動かしている。
その望遠鏡にはどんな星が見えるだろう。
どんな銀河が見えるだろう。それはきっと大小様々な形があり
どんな宇宙が広がっているのか本人達にしか分からない。
どうやら男の子はこの曲を知らないらしく「ヴァイオリンの有名な曲」
とまでしか把握していないらしい。
「お父さん・・・この曲知ってるの・・・?」
男の子は今の曲を知らないらしい。
望遠鏡を眺めながら聞いていたのだろう。
「この曲かい?これはね「星の音色」を聞いているんだよ・・・」
「・・・星の音色・・・?」
お父さんは男の子に「星の音色」であると説明した。
「星の音色」と言われた男の子は少し疑問に思いつつもキャンプ場に
戻ろうとしていた。
「もう、遅いから寝る時間だぞ~」
そして、男の子含め女の子と幼女も、それぞれキャンプ場に戻り
就寝に着こうとする。この日の遊びをうんと楽しんだ親子は
ぐっすりと眠れそうだ。
「うん・・・」
楽しい時間と言うのは過ぎ去るのが早く感じるものだ。
この楽しい時間をいつまでも忘れない様に胸に留めて
明日を迎えようとするのだ。
一生の思い出を忘れない様にすることなど簡単な事では
ないのかもしれない。
・・・
・・
・
2040年 日本は世界の葛藤の中で動いていた
テレビのニュースでは(今日の自然)をテーマに
放送していた。どこの森や海を放送しているのか分からない
だが、毎日のように放送している。
どこかの教授が出てきて経済討論をしたり
政治家が出てきて政治論争を巻き起こしたり
世界はちょっとした混沌に入っていた。
一方の国民は、政治や経済などに関心も持たずに
生活を送っている。
混沌とした世の中かもしれないが、科学技術だけは邁進する一方である
しかし、世界はみな宇宙にロマンを抱いていたのだ。
宇宙進出はどこの国も目指している。
そこで開発されたとあるゲームが世界各国で流行っているのだ。
もちろん、プレイ出来ない場所も国もある。
そのゲームに没頭する人もいれば、リアルが忙しい人もいる。
人それぞれなのだ。
2040年、埼玉県所沢市にある、VRゲームを提供する会社
「ソウルメア」社のあるゲームのサービス終了に向けて社員は準備を進めていた。役員と研究員は会議室に集まりとある会議を行っている。
多少暗そうな会議室で20人程度の人数が椅子に座り会議をしている。
一人一人のテーブルの上に各資料とお茶が置かれている。
「では、この手筈で・・・」
一人の椅子に座ったスーツを着た男性が資料を見ながら答えた。
「うむ・・・」
上司か取締役と思われる人物が答えた。
「マスコミには私が対応します」
「あぁ、よろしく頼むよ・・・」
「本当によろしいんですか??」
白衣を着た者が上司に聞いた。少し深刻そうな顔である。
「もう、ここまで来たんだ・・・やるしかない・・・」
上司らしき人物はため息を吐いた声で答える、しかし、心の中は期待の
声で満たされているかもしれない。
・・・
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・
石川県にある百万石高校、夕方ほとんどの生徒は帰宅し、他の生徒は少し残っている感じだ。居残り勉強か若しくはカップルで帰宅をする生徒もいるであろう、部活動で教室を使用するなども考えられる。
「先生さようなら~」という声も聞こえてくる。
静まり返った校舎内の奥にある、音楽室でヴァイオリンの演奏が聞こえてきた。
石川県加賀市に建立された百万石高校に通う、3年生「天富奏護」(あまとみ そうご)は、本日も高校の管弦楽演奏部の
ヴァイオリンの練習終えて、帰る支度をしていた。
今度行われるコンクールの練習をしていたのだ。
黒髪のナチュラルショート系でどこにでもいそうな顔立ちの日本人だ。
175センチくらいのスリムの体系で、スラっとしている佇まいだ。
学ランを一枚脱いでワイシャツ姿でヴァイオリンの演奏をしていたが
時間が来たのか、片づけに入っている。
譜面台を片付け、ヴァイオリンケースにヴァイオリンを入れ終えて
天富は、谷内(やち)先生に帰りの挨拶をした。
「先生、本日もご指導ありがとうございました」
女性の谷内先生は管弦楽部の顧問であり指揮者だ。しかも美人である。
谷内先生は天富を見ながら楽譜を両手に持つ
「天富君、今日のクライスラーの前奏曲とアレグロは、やっぱり後半部分のアレグロ部分が胆ね、ハイポジションばかりを弾くことになるから
次の音符を弾く準備をしないと出遅れるわよ」
谷内先生は楽譜の2ページ目を指で指す
「それと、フォルテ、ピアノ、フォルテ、ピアノって続くでしょ、ここをはっきりと表現した方がいい出来になろと思うわよ。」
教え子に対ししっかりとしたアドバイスとフォローを先生は施す。
先生の役目をまっとうする良い先生だ。そしてその美人な顔に見とれて
しまいそうな男子生徒がたくさんいる。
しかし、それとは裏腹に、この谷内先生は宿題魔でたくさんの宿題を
生徒に押し付けることで生徒からも恐れられている。目を付けられては
最後、達成するまで宿題と指導のオンパレードだろう。
「はい、わかりました、家で強弱の練習をしてきます」
天富は家でしっかりと練習をして来ることを強調した。
「しっかりと練習してきてよ、今度のコンクール絶対に最優秀賞とるわよ!頑張りなっさい!!」
今度のコンクールで3位以内に入ると全日本コンクール出場権が与えられる。高校生最後のコンクールとなるであろう、このコンクールは秋に開催され、毎年多くの話題を呼び感動も呼ぶ。一言で表すなら、コンクールの甲子園とでも表現されても可笑しくはない。
一部ではそう呼ばれているのだ。
「おっしゃ!家で練習しまくるぜ」
「あら?お勉強の時間は??」
天富は勉強よりヴァイオリンをしたいと思っているが、やっぱり勉強も必要だろうかと考えている。
いや、学生である以上、本文はお勉強である。
いくらコンクールがあると言っても勉強しないと駄目だろう。
天富は谷内先生にこう返した
「も、もちろん勉強しますよ!俺の学力の為に!」
天富は少しアタフタした。音楽の先生も本人の学力に気を配っている
のかもしれない、音楽と勉強の両立は学生にとって、どちらか片方に
力を入れた方が伸びがある。
「ははは・・・分かったわ、練習もほどほどにね~」
音楽室から退出をしようとした天富は谷内先生に向く。
「それでは、帰ります。失礼します。」
この日は今度のコンクールに出場する生徒たちにマンツーマンで指導を
行っていたのだ。もちろん天富だけではない。時間が来たから先生と一緒に練習する時間になっただけなのだ。しかし、これで天富で今日の指導は終わりなので先生も帰りの支度をしようとしていた。
「気を付けてね~」
天富はドアをガシャンと閉めた。自宅に帰る為に生徒玄関に歩いて行く。
・・・
・・
・
天富は帰宅中の町中の路地
歩いていると背後から女性の声がかかる
「テンゴ、今日の練習どうだった?」
「あまとみそうご」だから、苗字の天と名前の後を取ってテンゴである。
これは千宙が名付けたあだ名でありゲーム内でのハンドルネームである。
天富は歩きながら振り返る、もちろん知っている人の声なので
誰が声を掛けてきたのか瞬時に理解出来た。
「なんだ、千宙か、まぁ上出来だと思うよ」
彼女の名前は「東矢 千宙」(とうや ちひろ)幼馴染だ。
ピアニストで小学1年の時から習い始めている。
中学時代においては腕前は県内では強豪である。
そんな彼女とはひょんな事から小学4年生の時に一緒にコンサートをすることになった。当時は喧嘩腰だった彼女は天富とよく一緒にコンサートに参加していた。そう、良い演奏家だった。
「ヴァイオリンの練習したし、今日は、大切な日だから分かってるよね」
千宙の発言からは寂しさがヒシヒシと伝わって来る。
今日はとあるグループとの別れの日なのだ。
家でヴァイオリンの練習より今日と言う日を大切に過ごしたいところだ。
今日くらいグループに顔を出して別れ前の「大宴会」をしてもいいくらいだ。その次の日にヴァイオリン練習をすればいいだけの話なのだ。
「テ、ン、ゴ!」
グループとの別れを知り俯いていた、天富にカツを入れるかのように
千宙は呼んだ。
「今日は仲間も最後の集まりだから、ちゃんと帰ってくるから、しっかりログインしなさいよ」
とあるゲームのサービス終了日なのである。
二人してそのゲームをプレイし、所属しているギルドがある
今日はその仲間内と合い、最後の打ち上げないし、懇親会を開き
今後のお互いの健闘をたたえ合うのだ。
「ヴァイオリンの練習もほどほどにね!」
谷内先生に言われたことを千宙にも言われた。
しかし千宙が天富に言った、この発言は別意味が込められていそうだ。
「なんだ、お前聞いてたのか!?」
千宙が近くにいた事は天富には気づいてはいなかったが、先生に言われた
セリフを千宙にも言われたとなると近くにいた事が伺える。
千宙は両手で顔を半分隠す。
「コソコソっと聞いちゃったよ~、だって練習見たいだもん♪」
「ははは、そうかよ」
天富は笑いながら答える。別に練習を見られて困るもんでもない。
そもそも千宙は管弦楽部には所属をしていない。ピアノを習っていた
演奏をしていた一般の生徒なのだ。
しばらく一緒に歩いたのち分かれ道に来た。
「じゃ、私こっちだから」
千宙は丁字路で天富とは別方向に歩き出す。傍には大きな木が生えている。
4月には桜が咲く、その木は今は夏の風物詩を醸し出しているかのようで
風が吹いていた。
「あぁ」
天富も千宙の自宅は知っているらしく、ここで別れる事は把握していた。
歩きながら、千宙からテンゴに手を振る。
「ちゃんとログインしなさいよ!!」
ログインしなければ何をされるか分からない。
「あぁ!もちろんだ、今日はみんなとのお別れ会だからな!!」
天富も数週間ぶりにみんなと会いたいのだ。
「待ってるからね~!ってか女性を待たせんなよ~!」
「おう!」
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