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5 これは、結婚? それとも、監視?
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「ユオンッ!どういうことですのッ!! 」
私は部屋に迎えに来たユオンの目の前に、父上からの手紙をかざす。
ユオンは、私の反応は分かっていたとばかり、特に驚くこともなく微笑んだ。姿だけを見たら、真っ白な騎士の衣服に身を包み、マナーも完璧なユオンは、まるで絵本に出てくる王子様のように格好いい。
「そのままの意味ですよ。俺はあなたに結婚を申し込んだのです。あなたの父上にも許可は頂きましたし•••。」
季節の挨拶のように何てことのないように言うけれど、私からしたらそのすました顔が悪魔に見えるわ!!!
「結婚ってッ!!! 何がどうなったら、こういう話になるのッ!!!。」
やっと自由になれたと思ったのだ。容疑がかかってる以上、騎士団長であるユオンの見張りがつくのは仕方ないと諦めていたにしても•••。
(薔薇のような頬に、パチクリとしている瑠璃色の美しい瞳が、今は何だか頭にくるっ!!)
ユオンが手紙を持つ私の手をそっと包み込むように掴みながら降ろし、もう片方の手は指を絡めてギュッと握ってきた!!
両腕を掴まれ身動きできず、背の高いユオンを見上げる形になる。
彼の長い睫毛が影をつくり、星空のような声がほんの少し震える。
「では、アネラ、お尋ねしますが、あなたは殿下に婚約破棄をされ、このまま結婚しないおつもりか?」
不安そうに瞳を揺らす。
「そ、それはっ、、いずれは•••。」
殿下とああいう事になってしまった以上、結婚の事などしばらく考えたくもないっ!! でも、、そう、貴族の家に女性として生まれた者の義務として、いつかは避けて通ることはできない。
「誰かと予定は?」
首を少し傾け、私の顔を覗き込む。
あと少し前に出たら、このままユオンに抱きしめられてしまいそう。形の良い唇がすぐ目の前で動く。
(この体勢、すごく心臓に悪いっ!!)
「予定などあるわけないじゃないっ!! 貴族の令嬢など、家が決めた結婚に従うのみだわ。」
一気に捲し立てる。特にそのことについて不満があるわけじゃない。小さい頃から言われていたし、具体的に今誰か好きな人がいるわけでもない。でも、言いながら、心と身体がバラバラになりそうに重く沈んでくる。
「では、それが私でも良いでしょう?」
真剣な瞳で私を見つめ、息を詰めるように唇を結ぶ。
「そ、それはそうかもしれないけど•••。」
どうしてこの人はこんな風に言ってくれるの??
(美しい容姿のユオンなら、他に女性はいくらでもいるでしょうに。)
確かに、ユオンの家柄や騎士団長という身分は、シャーロウ王子に婚約破棄された今の私にとってはありがたい申し出だけど•••。
ユオンはまだ考えあぐねている私を見て、「本当は、あなたの気持ちが俺に向くまで待っていたかったが、、また、グズグズして、横からかっ攫われたらかなわない。」と、何事か早口でボソボソッと呟く。
「えっ?」
なに?と、目を見開いて問いかけると、ユオンは手を解いたかと思うと、優しい笑顔になった??んっ??目が•••笑ってない•••??
「いえ、何でもありません•••。では、こういう考え方はどうでしょう?俺と結婚すれば、あなたを「魔力なし」や「傷モノ」などと口さがなく言う連中のことを黙らせることもできるし、俺もこれ以上女性からのアプローチに悩まされることがなくなる。」
話してる間にも、騎士のマントの下に手を入れたかと思うと、ビュンッビュンッと手を抜くタイミングで短刀が放たれるッ•••えっ???全部で3本•••。シャーロウ殿下から妃候補に決まった時に頂いた、王家の紋章が入ったブラウスと帽子とハンカチが、それぞれ壁に•••刺さってい••••る•••???
(な、なぜこのタイミングで??? さっき少しだけユオンとの結婚に、イエスと答えそうになった自分を殴りたいっ!!!)
ユオンが、「失礼ッ。つい目に入ってしまって•••。」とか何とか言ってるけど、それ言い訳になってないからっ!!
私の咎めるような視線に気付いたのか、ユオンは肩を落とし、シュンと項垂れた子犬のようになる。黒髪が目にかかり、切なげな眼差しを、より一層強調する。こういう時、顔が良いって得だと思うの。まるで私の方が意固地になって悪いことしてる人みたい。
「互いの利益のためってことかしら?」
ユオンが先ほど言った、彼と結婚することによって得られる利益を改めて考えてみる。元々、家同士の損得勘定で結婚するのが、貴族の結婚なんでしょ?最初からそういうもんだと思っていれば、変な失望はしないのよ。
(私は、打算的な結婚ではなく愛する人と、なんて夢は最初から持たない方が幸せなんだからっ!!)
ユオンは、私の言葉に目をキラキラさせてパッと顔を起こす。
「•••あなたが納得する理由であれば何とでも。」
「•••」
でも、確かに悪くない話だ。どうせ家のために誰かと結婚するなら、ユオンが言うように最初から割り切って結婚した方が楽かもしれない。彼は随分仕事熱心みたいだから、現時点での事件の唯一の容疑者である私を、密かに監視もできるわよね???
ユオンが、私を見つめながら目を細めて微笑む。ゆっくりとした口調で、優しく言い聞かせるように話し出す。
「アネラ、俺はあなたの最高の夫になれると思いますよ。浮気もしないであなた一筋だし、あなたが嫌がる事は決してしないと誓いましょう。夜の営みだって、あなたの意志を最大限に尊重します。本当は今すぐにでもあなたを抱きたいが•••。」
!?
「ひゃいっッ???」
動揺して、つい舌を噛んでしまったっ!! 結婚ってそういうコト、するのよね???
(ユオンはまだ若くて体力も有り余ってるはずだもの•••。)
頬が赤くなるのを悟られそうで、視線を一瞬だけ逸らしてしまう。
ユオンがそんな私に畳み掛けるように言葉を紡いでいく。「俺とこのまま結婚しても、あなたが•••他の誰かを心から好きになったり、俺と何らかの理由で離縁したいと本当に思ったその時は、、俺は、あなたの望みを叶えます。それなら、あなたに不利益はないと思いますが•••?」
紺碧の美しい瞳に、どこまでも優しい光を灯す。そんなの、、私にだけ都合が良いのでは•••?
ここまで言ってくれてるのに、私が今ここで断ったら、この先、魔力なしの傷モノ令嬢に、プロポーズしてくれる人が現れるのだろうか?それに父上をまた無駄に心配させてしまう。私は「フゥー」と息を吐き出し、覚悟を固める。
「分かったわ。ユオン! 私、あなたと結婚する。」
(もうグダグダ言っても仕方ないものっ! )
プロポーズを受けるにしては、色気も素っ気もない勇ましい宣言だ。
「えっ!!! きゃぁあっ!!! 」
突然、フワッと身体が浮いて、天井のシャンデリアが視界の端に映る。鍛えた身体で、軽々と私を抱えお姫様抱っこをしたユオンが、少年のように無邪気な笑みを浮かべた。頬を綻ばせ、今にも跳び上がりそうなほど、私を抱えたまま、ダンスをするようにクルクルと回った。私は振り落とされないよう、必死でユオンの首にしがみつく。
ユオンの足が止まった途端、彼の首にキツく巻き付けていた自分の腕のせいで、いまだ動揺でドキドキとうるさく鳴る私の心臓の位置が、ちょうど彼の胸板と密着する体勢になっていた事に気付いてしまった!!!
ドレス越しでも分かる、がっしりとした筋肉の感触に、さらに心臓がバクバクと大きな音を立てる。
巻き付けていた腕を少しだけ緩めて、チラッとユオンを見ると、うっすらと蒸気した頬で、私を真っ直ぐに見つめるその表情は何だかすごく色っぽかった。
私の視線に気づくと、その端正な顔を私の耳元に寄せる。
「アネラ、承諾してくれてありがとう。もう決してあなたをあんな目にあわせはしない。」と静かに、けれど力強い口調で私の耳元で囁きながら、私を抱えるその手に力を込めた。
殿下とジェラリアに、衆人のど真ん中で、無実の罪で断罪された。その事を彼は言っているのだ。ユオンのせいじゃないのに•••。
ユオンの腕が強く私を抱きしめたその時、彼の両耳を飾る金細工が、霧のように現れては消えていく不思議な光を発した!?
私は部屋に迎えに来たユオンの目の前に、父上からの手紙をかざす。
ユオンは、私の反応は分かっていたとばかり、特に驚くこともなく微笑んだ。姿だけを見たら、真っ白な騎士の衣服に身を包み、マナーも完璧なユオンは、まるで絵本に出てくる王子様のように格好いい。
「そのままの意味ですよ。俺はあなたに結婚を申し込んだのです。あなたの父上にも許可は頂きましたし•••。」
季節の挨拶のように何てことのないように言うけれど、私からしたらそのすました顔が悪魔に見えるわ!!!
「結婚ってッ!!! 何がどうなったら、こういう話になるのッ!!!。」
やっと自由になれたと思ったのだ。容疑がかかってる以上、騎士団長であるユオンの見張りがつくのは仕方ないと諦めていたにしても•••。
(薔薇のような頬に、パチクリとしている瑠璃色の美しい瞳が、今は何だか頭にくるっ!!)
ユオンが手紙を持つ私の手をそっと包み込むように掴みながら降ろし、もう片方の手は指を絡めてギュッと握ってきた!!
両腕を掴まれ身動きできず、背の高いユオンを見上げる形になる。
彼の長い睫毛が影をつくり、星空のような声がほんの少し震える。
「では、アネラ、お尋ねしますが、あなたは殿下に婚約破棄をされ、このまま結婚しないおつもりか?」
不安そうに瞳を揺らす。
「そ、それはっ、、いずれは•••。」
殿下とああいう事になってしまった以上、結婚の事などしばらく考えたくもないっ!! でも、、そう、貴族の家に女性として生まれた者の義務として、いつかは避けて通ることはできない。
「誰かと予定は?」
首を少し傾け、私の顔を覗き込む。
あと少し前に出たら、このままユオンに抱きしめられてしまいそう。形の良い唇がすぐ目の前で動く。
(この体勢、すごく心臓に悪いっ!!)
「予定などあるわけないじゃないっ!! 貴族の令嬢など、家が決めた結婚に従うのみだわ。」
一気に捲し立てる。特にそのことについて不満があるわけじゃない。小さい頃から言われていたし、具体的に今誰か好きな人がいるわけでもない。でも、言いながら、心と身体がバラバラになりそうに重く沈んでくる。
「では、それが私でも良いでしょう?」
真剣な瞳で私を見つめ、息を詰めるように唇を結ぶ。
「そ、それはそうかもしれないけど•••。」
どうしてこの人はこんな風に言ってくれるの??
(美しい容姿のユオンなら、他に女性はいくらでもいるでしょうに。)
確かに、ユオンの家柄や騎士団長という身分は、シャーロウ王子に婚約破棄された今の私にとってはありがたい申し出だけど•••。
ユオンはまだ考えあぐねている私を見て、「本当は、あなたの気持ちが俺に向くまで待っていたかったが、、また、グズグズして、横からかっ攫われたらかなわない。」と、何事か早口でボソボソッと呟く。
「えっ?」
なに?と、目を見開いて問いかけると、ユオンは手を解いたかと思うと、優しい笑顔になった??んっ??目が•••笑ってない•••??
「いえ、何でもありません•••。では、こういう考え方はどうでしょう?俺と結婚すれば、あなたを「魔力なし」や「傷モノ」などと口さがなく言う連中のことを黙らせることもできるし、俺もこれ以上女性からのアプローチに悩まされることがなくなる。」
話してる間にも、騎士のマントの下に手を入れたかと思うと、ビュンッビュンッと手を抜くタイミングで短刀が放たれるッ•••えっ???全部で3本•••。シャーロウ殿下から妃候補に決まった時に頂いた、王家の紋章が入ったブラウスと帽子とハンカチが、それぞれ壁に•••刺さってい••••る•••???
(な、なぜこのタイミングで??? さっき少しだけユオンとの結婚に、イエスと答えそうになった自分を殴りたいっ!!!)
ユオンが、「失礼ッ。つい目に入ってしまって•••。」とか何とか言ってるけど、それ言い訳になってないからっ!!
私の咎めるような視線に気付いたのか、ユオンは肩を落とし、シュンと項垂れた子犬のようになる。黒髪が目にかかり、切なげな眼差しを、より一層強調する。こういう時、顔が良いって得だと思うの。まるで私の方が意固地になって悪いことしてる人みたい。
「互いの利益のためってことかしら?」
ユオンが先ほど言った、彼と結婚することによって得られる利益を改めて考えてみる。元々、家同士の損得勘定で結婚するのが、貴族の結婚なんでしょ?最初からそういうもんだと思っていれば、変な失望はしないのよ。
(私は、打算的な結婚ではなく愛する人と、なんて夢は最初から持たない方が幸せなんだからっ!!)
ユオンは、私の言葉に目をキラキラさせてパッと顔を起こす。
「•••あなたが納得する理由であれば何とでも。」
「•••」
でも、確かに悪くない話だ。どうせ家のために誰かと結婚するなら、ユオンが言うように最初から割り切って結婚した方が楽かもしれない。彼は随分仕事熱心みたいだから、現時点での事件の唯一の容疑者である私を、密かに監視もできるわよね???
ユオンが、私を見つめながら目を細めて微笑む。ゆっくりとした口調で、優しく言い聞かせるように話し出す。
「アネラ、俺はあなたの最高の夫になれると思いますよ。浮気もしないであなた一筋だし、あなたが嫌がる事は決してしないと誓いましょう。夜の営みだって、あなたの意志を最大限に尊重します。本当は今すぐにでもあなたを抱きたいが•••。」
!?
「ひゃいっッ???」
動揺して、つい舌を噛んでしまったっ!! 結婚ってそういうコト、するのよね???
(ユオンはまだ若くて体力も有り余ってるはずだもの•••。)
頬が赤くなるのを悟られそうで、視線を一瞬だけ逸らしてしまう。
ユオンがそんな私に畳み掛けるように言葉を紡いでいく。「俺とこのまま結婚しても、あなたが•••他の誰かを心から好きになったり、俺と何らかの理由で離縁したいと本当に思ったその時は、、俺は、あなたの望みを叶えます。それなら、あなたに不利益はないと思いますが•••?」
紺碧の美しい瞳に、どこまでも優しい光を灯す。そんなの、、私にだけ都合が良いのでは•••?
ここまで言ってくれてるのに、私が今ここで断ったら、この先、魔力なしの傷モノ令嬢に、プロポーズしてくれる人が現れるのだろうか?それに父上をまた無駄に心配させてしまう。私は「フゥー」と息を吐き出し、覚悟を固める。
「分かったわ。ユオン! 私、あなたと結婚する。」
(もうグダグダ言っても仕方ないものっ! )
プロポーズを受けるにしては、色気も素っ気もない勇ましい宣言だ。
「えっ!!! きゃぁあっ!!! 」
突然、フワッと身体が浮いて、天井のシャンデリアが視界の端に映る。鍛えた身体で、軽々と私を抱えお姫様抱っこをしたユオンが、少年のように無邪気な笑みを浮かべた。頬を綻ばせ、今にも跳び上がりそうなほど、私を抱えたまま、ダンスをするようにクルクルと回った。私は振り落とされないよう、必死でユオンの首にしがみつく。
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ドレス越しでも分かる、がっしりとした筋肉の感触に、さらに心臓がバクバクと大きな音を立てる。
巻き付けていた腕を少しだけ緩めて、チラッとユオンを見ると、うっすらと蒸気した頬で、私を真っ直ぐに見つめるその表情は何だかすごく色っぽかった。
私の視線に気づくと、その端正な顔を私の耳元に寄せる。
「アネラ、承諾してくれてありがとう。もう決してあなたをあんな目にあわせはしない。」と静かに、けれど力強い口調で私の耳元で囁きながら、私を抱えるその手に力を込めた。
殿下とジェラリアに、衆人のど真ん中で、無実の罪で断罪された。その事を彼は言っているのだ。ユオンのせいじゃないのに•••。
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