統合失調症、寛解。当事者のエッセイ

統合失調症、みた幻覚

ギロチン、断頭台

 帰宅して隣の部屋を覗いてみると「断頭台」と「ギロチン」が存在した。

家族は、怯える僕を見て、また何かしらを見ているのかとこちらに視線を送った。

人間ではないものを見てしまっていた。これは断頭台とギロチンだ。

「断頭台とギロチンが見える」、僕は今から死ぬ可能性があるらしい。

断頭台とギロチンは今にも作動しそうだ。

明らかにリアルだった。

しかし、断頭台とギロチンはテレビでもみたことがない。

「断頭台もギロチンもない」

と断言できる要素はない。
明日今日明日処刑されるかもしれない。

しかも、ベッドの上にギロチンと断頭台はあった。

「ギロチンか断頭台かどちらにするか悩んでいるのだろう」と思うまでに至った。

断頭台とギロチンについて、幻覚であることは触ってみて確認できた。

いや、むしろ僕が軽いと言われる理由は、幻覚に触る勇気がまだあるからだ。

幻覚を見ると触って確かめるまでが非常に大変なのだ。

断頭台とギロチンは、風呂に行くと姿を消していた。ただ、僕は、何かしらの「もうやめてくれ楽になりたい」を意味しているのかもしれない。と思うことにした。