統合失調症、寛解。当事者のエッセイ

統合失調症、みた幻覚

「下手なイラスト」

僕は、イラストが下手だ。

何度も練習するが、うまくいかない。そんな僕が統合失調症になってしまった。

襖にはイラストが浮かび上がる。

襖だけではない。

病院の玄関や機械にまで、汚い下手なイラストが浮かび上がることとなった。

幻覚は、イラストをスタンプのように表示してくる。

むしろ、統合失調症になった原因かもしれない。

僕は、自分が作ったイラストを脳裏に記憶しているのだろうか。

襖で点滅するイラストは衝撃的だった。

下手なイラストが襖や玄関に表示されてしまう。

待ってくれと思いたくなる光景だった。

誰であろう僕自身が、自分のイラストを下手だと思っているのだからさながら悪夢である。

僕のイラストよ、消えてくれ。そう怯えた。

本来であれば向上があって然るべきなのだが、イラストについては全くの不得手である。

自分のイラストがスタンプのように表示されるのは、
ダメージが大きいものなのだ。

顔のイラストが多かった。僕は、イラストの練習を諦めるに至った。もう文字しかないのだ。