41 / 44
41 理不尽な破壊
しおりを挟む
「キットーッ!!!」
「キトキトキットーッ!!!」
さて帰ろうかとしたところで、キトキトコンビの悲痛な鳴き声がきこえてきた。
「これは……!!」
何かを察したアシャールさんが、ミケ子を抱いたわたしを抱き寄せる。ピホはセシリア妃のところへ……。リガルさんはアシャールさんの腰にへばりついた。
ゴォォン バキバキ
天井が崩れて色んなものが舞う。
「あぁぁぁぁ!!!」
わたしは叫んだ。そりゃもう、叫んだ。
半泣きのキトキトコンビが、馬車を引いたまま、離宮の屋根を突き破って現れたからだ。
「キトキトォォォォ」
「キットキトォォォ」
わたしは途端にハーネスを外したキトキトコンビに挟まれ揉みくちゃにされる。
「あわ……あわ……アシャールさん、怪我人は……」
「幸い、人的被害は無いようです」
うううう。確かに金の日の朝に会って、土の日の夕刻近い今まで、顔は見せてなかったけど……。
だめなん? この甘えっ子どもは毎日わたしを吸わなきゃ生きていけない病気か何か?!
「アシャールさぁぁん。離宮がぁぁぁ。どうしようぅ」
当然、人が集まってくる気配がする。
わたしの心配をよそに、キトキトコンビはわたしに懸命にすりすりし、わたしを後ろから抱いたままのアシャールさんごと二匹でしっかりとわたしを挟んでいるのよ。身動き取れないっ。尚リガルさんは、とっくに押し出された。
当然ながら、わたし達は皇帝陛下の御前にですね。離宮破壊の下手人ですから連れて行かれるわけでしてね。
それがもう、シロとクロは絶対離れないとばかり両脇にぴったりとくっついているので、わたしとアシャールさんは、少しでも楽な体勢をと両腕をシロクロの背中に預ける。するとキトキトコンビの騎乗スキルのおかげで、ええ、特に負担なく移動が可能でした。ただし、足が地面から浮いてるのよ。背後のアシャールさんも同様よ。
これはイケメンリアカーに続く、人生でやめてほしい移動方法の上位にランクインしたわ。
そりゃあもうね。皇帝陛下、キトキトコンビに挟まれたまま移動して来たわたし達(主にアシャールさん)をみて大爆笑よ。
「はははは! わははは! 離宮からここまでその状態で……ははっ、このように腹の底から笑うなど、いかほどぶりか。魔物に挟まれたまま、浮いて……浮いておるではないか……っ」
なんかもう、わたしこの皇帝陛下には笑われる運命にあるのかしら?
でも離宮を壊しちゃったのはキトキトコンビだから、完全にわたしの責任。国の偉い人にってどう謝って、なにで交渉すればいいの?!
とりあえず先手必勝で。
「離宮を壊してしまって、申し訳ございません皇帝陛下……」
わたしはしょぼんと謝った。
皇帝はスンと無表情になって、玉座からわたしを見下ろしている。
皇帝の側には驚いた顔のリリーティア妃とマリーシェラさん、マリーシェラさんの護衛としてついていた奈々美さん。ああ、奈々美さんの顔が真っ青だわ。奈々美さんの責任はこれっぽっちもありませんからねー!! そしてわたし達の弁護のために、一緒についてきたセシリア妃。
「陛下! カオリコさん達は陛下や私達を害そうと思った訳ではないのですわ。この子達がカオリコさんと離れているのに我慢できずに会いに来ただけですの!」
「キト!」
「キト!」
わたしとアシャールさん、いつまで挟まれて浮いてなきゃいけないんだろう……。
「カオリコと申したか。其方の此度の働きは、第四皇妃より報告を受けていたところだ。此度の働きに免じて罪には問わぬ。其方の魔物が強かったというだけだ」
強さを尊ぶ魔族らしいお言葉に、わたしは、あからさまにホッとした。
「一応確認しておくが、我が国の神たるゼルヴァスヘルベインを倒したのは、其方で間違いないか」
え? 今度そっちの追求きちゃう?
「ええと、この子達やアシャールさんの魔導具に助けて貰いましたが、最終的にそれの命を奪ったのは間違いなくわたしです。ネコノメで暮らすには邪魔だったので」
そう、素材なんて耳障りの良い言葉に安心してたけど、実際魔物に関しては命を奪って素材にしてるのよね……。
「であれば、其方はゼルヴァスヘルベインより強い英雄であり神であるな」
「いいえ! 神は主神ライフォート様だけです!」
わたしは驚いた。何言いだすかな、この皇帝。
「問答無用! 其方を倒せば我は皇帝であり神である」
リリーティア妃とセシリア妃の形相が変わった。
「おやめください、陛下!!」
リリーティア妃が叫んだ時には、皇帝グレンドはスラリと剣を抜いてこちらに向かってくる。
「シロ! クロ! アシャールさんと一緒に離れて!」
わたしを狙うフリしてアシャールさんをズバっとされては、わたしが嫌だ。
アシャールさんは冷静な目で現状を見ていた。皇帝がわたしを傷つけることはできないと、絶対の自信を持って。
だって既に皇帝陛下は、わたしの間合いに入ってしまっているので。
まず物騒な武器を採取します。
流石皇帝陛下、腰の剣だけじゃなくて豪華なマントで隠してたんまり武器をお持ちでいらっしゃる。短剣やナイフ、鎖鎌……暗器のようなものまでお持ち……。
手に持った剣だけではなく、身体が軽くなったことで、皇帝は瞬時に武器が無くなったことに気づいた。
「其方、窃盗スキル持ちか」
「せ……?! 健全な素材採取スキルですぅぅ!」
「だが鑑定スキルも持ってるのだろう? 窃盗スキルで他人から奪ったスキルではないのか」
「盗んでません! 鑑定スキルは勇者召喚魔導具を壊しちゃったご褒美に主神からいただいたのですっ」
皇帝の足が止まった。
「グランヒュームの三大魔導具の一つを壊した……だと」
「……すみません。二つ壊しちゃいました」
「…………」
「アシャールさんが拘束されてた魔導具を壊したら、ご褒美に空間収納スキルが貰えると言われて……」
「それも主神にか?」
わたしは頷いた。
その瞬間、リリーティア妃が走りこんできて、わたしを抱きしめる。
「ああ、カオリコさん、貴女世界とフェイ族の恩人よ」
「……其方、ロンダリウムのテイマーではないのだな?」
わたしは神妙に頷いた。
「勇者召喚に巻き込まれた、ただの迷い人です」
皇帝も頷いた。
「それならば色々と得心がいった。もう其方を害そうとはせぬ故、武器を返して貰えぬか」
うん。分解までしてなくてよかった。
わたしは皇帝が装備されていた通りに武器を返す。……返せて良かった! 床に置いて、不敬! とか言われても困ったもの。グッジョブよスキルちゃん!
るるん。ららん。
「ふむ、それはそれとして、壊したものがものなだけに、正当な賠償を要求する」
ですよねー。
「陛下! それでしたら、離宮の建て替えを愚弟にさせて下さいませ!」
「そうですわ! 魔導貯蔵庫に清潔なおトイレ! 水道というのは、導入できますの?」
リリーティア妃とセシリア妃が乗り出した。
「あの……わたしの魔物がしでかしたことなので……」
「いいえ、叔父様の作った馬車が頑丈過ぎたのもいけませんわ!」
うん、まああのキトキト馬車、傷ひとつ付いて無かったのよ。
「いや待て、二人とも」
おそらく皇帝の狙いは奇跡の真珠よねと思うが、そんなことより暮らしの向上の方が大事なリリーティア妃とセシリア妃は真剣だ。
「陛下、今後私は、セシリアとエリドゥと三人で離宮でひっそりと暮らしていきたいと思っていますの。お願いしますわ」
「いや、うむ……しかしエリドゥは皇位を嗣ぐもの。ひっそりとは行かぬ」
「それはまだまだ先の話でしてよ。陛下はご健勝でいらっしゃって、エリドゥは若すぎます」
わたしは、チラリとアシャールさんを見て、スススと近づいた。
「アシャールさんはどうしたい? 流石に住むところがあの状態は不便だもの。賠償金に相当する何かを支払って、建て直しが終わるまでお義姉様達にネコノメに来てもらう? それとも……」
「さっさと建て直しをしてしまいましょう」
わぁ、即答。
「一旦全て取り壊して、全部建て直した方がはやいですね。建材もこちらで持ってるものを使います。よろしいですよね、姉上」
「ええ、よろしくってよ」
「いや、待て。離宮は皇家の財なのだが」
「ダメなんですの? 陛下……」
「ダメなんですか? 陛下……」
リリーティア妃とセシリア妃が渾身の上目遣いで、皇帝を見た。
これはもう、クリティカルに決まったに違いない。皇帝陛下さん、目尻が下がってましてよ。
「キトキトキットーッ!!!」
さて帰ろうかとしたところで、キトキトコンビの悲痛な鳴き声がきこえてきた。
「これは……!!」
何かを察したアシャールさんが、ミケ子を抱いたわたしを抱き寄せる。ピホはセシリア妃のところへ……。リガルさんはアシャールさんの腰にへばりついた。
ゴォォン バキバキ
天井が崩れて色んなものが舞う。
「あぁぁぁぁ!!!」
わたしは叫んだ。そりゃもう、叫んだ。
半泣きのキトキトコンビが、馬車を引いたまま、離宮の屋根を突き破って現れたからだ。
「キトキトォォォォ」
「キットキトォォォ」
わたしは途端にハーネスを外したキトキトコンビに挟まれ揉みくちゃにされる。
「あわ……あわ……アシャールさん、怪我人は……」
「幸い、人的被害は無いようです」
うううう。確かに金の日の朝に会って、土の日の夕刻近い今まで、顔は見せてなかったけど……。
だめなん? この甘えっ子どもは毎日わたしを吸わなきゃ生きていけない病気か何か?!
「アシャールさぁぁん。離宮がぁぁぁ。どうしようぅ」
当然、人が集まってくる気配がする。
わたしの心配をよそに、キトキトコンビはわたしに懸命にすりすりし、わたしを後ろから抱いたままのアシャールさんごと二匹でしっかりとわたしを挟んでいるのよ。身動き取れないっ。尚リガルさんは、とっくに押し出された。
当然ながら、わたし達は皇帝陛下の御前にですね。離宮破壊の下手人ですから連れて行かれるわけでしてね。
それがもう、シロとクロは絶対離れないとばかり両脇にぴったりとくっついているので、わたしとアシャールさんは、少しでも楽な体勢をと両腕をシロクロの背中に預ける。するとキトキトコンビの騎乗スキルのおかげで、ええ、特に負担なく移動が可能でした。ただし、足が地面から浮いてるのよ。背後のアシャールさんも同様よ。
これはイケメンリアカーに続く、人生でやめてほしい移動方法の上位にランクインしたわ。
そりゃあもうね。皇帝陛下、キトキトコンビに挟まれたまま移動して来たわたし達(主にアシャールさん)をみて大爆笑よ。
「はははは! わははは! 離宮からここまでその状態で……ははっ、このように腹の底から笑うなど、いかほどぶりか。魔物に挟まれたまま、浮いて……浮いておるではないか……っ」
なんかもう、わたしこの皇帝陛下には笑われる運命にあるのかしら?
でも離宮を壊しちゃったのはキトキトコンビだから、完全にわたしの責任。国の偉い人にってどう謝って、なにで交渉すればいいの?!
とりあえず先手必勝で。
「離宮を壊してしまって、申し訳ございません皇帝陛下……」
わたしはしょぼんと謝った。
皇帝はスンと無表情になって、玉座からわたしを見下ろしている。
皇帝の側には驚いた顔のリリーティア妃とマリーシェラさん、マリーシェラさんの護衛としてついていた奈々美さん。ああ、奈々美さんの顔が真っ青だわ。奈々美さんの責任はこれっぽっちもありませんからねー!! そしてわたし達の弁護のために、一緒についてきたセシリア妃。
「陛下! カオリコさん達は陛下や私達を害そうと思った訳ではないのですわ。この子達がカオリコさんと離れているのに我慢できずに会いに来ただけですの!」
「キト!」
「キト!」
わたしとアシャールさん、いつまで挟まれて浮いてなきゃいけないんだろう……。
「カオリコと申したか。其方の此度の働きは、第四皇妃より報告を受けていたところだ。此度の働きに免じて罪には問わぬ。其方の魔物が強かったというだけだ」
強さを尊ぶ魔族らしいお言葉に、わたしは、あからさまにホッとした。
「一応確認しておくが、我が国の神たるゼルヴァスヘルベインを倒したのは、其方で間違いないか」
え? 今度そっちの追求きちゃう?
「ええと、この子達やアシャールさんの魔導具に助けて貰いましたが、最終的にそれの命を奪ったのは間違いなくわたしです。ネコノメで暮らすには邪魔だったので」
そう、素材なんて耳障りの良い言葉に安心してたけど、実際魔物に関しては命を奪って素材にしてるのよね……。
「であれば、其方はゼルヴァスヘルベインより強い英雄であり神であるな」
「いいえ! 神は主神ライフォート様だけです!」
わたしは驚いた。何言いだすかな、この皇帝。
「問答無用! 其方を倒せば我は皇帝であり神である」
リリーティア妃とセシリア妃の形相が変わった。
「おやめください、陛下!!」
リリーティア妃が叫んだ時には、皇帝グレンドはスラリと剣を抜いてこちらに向かってくる。
「シロ! クロ! アシャールさんと一緒に離れて!」
わたしを狙うフリしてアシャールさんをズバっとされては、わたしが嫌だ。
アシャールさんは冷静な目で現状を見ていた。皇帝がわたしを傷つけることはできないと、絶対の自信を持って。
だって既に皇帝陛下は、わたしの間合いに入ってしまっているので。
まず物騒な武器を採取します。
流石皇帝陛下、腰の剣だけじゃなくて豪華なマントで隠してたんまり武器をお持ちでいらっしゃる。短剣やナイフ、鎖鎌……暗器のようなものまでお持ち……。
手に持った剣だけではなく、身体が軽くなったことで、皇帝は瞬時に武器が無くなったことに気づいた。
「其方、窃盗スキル持ちか」
「せ……?! 健全な素材採取スキルですぅぅ!」
「だが鑑定スキルも持ってるのだろう? 窃盗スキルで他人から奪ったスキルではないのか」
「盗んでません! 鑑定スキルは勇者召喚魔導具を壊しちゃったご褒美に主神からいただいたのですっ」
皇帝の足が止まった。
「グランヒュームの三大魔導具の一つを壊した……だと」
「……すみません。二つ壊しちゃいました」
「…………」
「アシャールさんが拘束されてた魔導具を壊したら、ご褒美に空間収納スキルが貰えると言われて……」
「それも主神にか?」
わたしは頷いた。
その瞬間、リリーティア妃が走りこんできて、わたしを抱きしめる。
「ああ、カオリコさん、貴女世界とフェイ族の恩人よ」
「……其方、ロンダリウムのテイマーではないのだな?」
わたしは神妙に頷いた。
「勇者召喚に巻き込まれた、ただの迷い人です」
皇帝も頷いた。
「それならば色々と得心がいった。もう其方を害そうとはせぬ故、武器を返して貰えぬか」
うん。分解までしてなくてよかった。
わたしは皇帝が装備されていた通りに武器を返す。……返せて良かった! 床に置いて、不敬! とか言われても困ったもの。グッジョブよスキルちゃん!
るるん。ららん。
「ふむ、それはそれとして、壊したものがものなだけに、正当な賠償を要求する」
ですよねー。
「陛下! それでしたら、離宮の建て替えを愚弟にさせて下さいませ!」
「そうですわ! 魔導貯蔵庫に清潔なおトイレ! 水道というのは、導入できますの?」
リリーティア妃とセシリア妃が乗り出した。
「あの……わたしの魔物がしでかしたことなので……」
「いいえ、叔父様の作った馬車が頑丈過ぎたのもいけませんわ!」
うん、まああのキトキト馬車、傷ひとつ付いて無かったのよ。
「いや待て、二人とも」
おそらく皇帝の狙いは奇跡の真珠よねと思うが、そんなことより暮らしの向上の方が大事なリリーティア妃とセシリア妃は真剣だ。
「陛下、今後私は、セシリアとエリドゥと三人で離宮でひっそりと暮らしていきたいと思っていますの。お願いしますわ」
「いや、うむ……しかしエリドゥは皇位を嗣ぐもの。ひっそりとは行かぬ」
「それはまだまだ先の話でしてよ。陛下はご健勝でいらっしゃって、エリドゥは若すぎます」
わたしは、チラリとアシャールさんを見て、スススと近づいた。
「アシャールさんはどうしたい? 流石に住むところがあの状態は不便だもの。賠償金に相当する何かを支払って、建て直しが終わるまでお義姉様達にネコノメに来てもらう? それとも……」
「さっさと建て直しをしてしまいましょう」
わぁ、即答。
「一旦全て取り壊して、全部建て直した方がはやいですね。建材もこちらで持ってるものを使います。よろしいですよね、姉上」
「ええ、よろしくってよ」
「いや、待て。離宮は皇家の財なのだが」
「ダメなんですの? 陛下……」
「ダメなんですか? 陛下……」
リリーティア妃とセシリア妃が渾身の上目遣いで、皇帝を見た。
これはもう、クリティカルに決まったに違いない。皇帝陛下さん、目尻が下がってましてよ。
21
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
落ちこぼれ公爵令息の真実
三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。
設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
投稿している他の作品との関連はありません。
カクヨムにも公開しています。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる