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十三章 女神の塔
252. 鳥ランド
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三階層は、所々に小さな池があり、飛ばない鳥ランドだった……鴨、雉、鶉、鶏などがのんびりしている。どれも知ってる大きさより、大型だったが。
(これって魔物なの?)
一応マグダリーナは鑑定してみると、『鴨(ダンジョン魔物)』と出て、思わずエステラの袖を引いた。
「ねえ、この鳥達って魔物なの?」
「ダンジョン内にいる動物や虫は、もれなく魔物よ。可愛くて撫でようと近づくと、必ず襲ってくるわ。四階からは、もっと魔物らしいのが出てくるし、熊師匠は二十階に居るわ」
「え? 今、虫って言った?」
エステラは頷いた。
「私も虫は苦手なの。どれも大きさが大きいから助かったかな。蚊みたいな小さいのに集団で襲われるんじゃなくって、本当に良かったわ……」
「大きさの問題なんだ……」
鳥ランドのドロップ品は、もちろん、鳥肉だ。笹のような葉に包まれた、綺麗な丸ごとお肉や、上等な麻袋に入った羽根や羽毛、食用の卵など出てくる。瓶に入ったレバーペーストもある。
弓矢のライアンとタマとシンが次々と鳥を倒していく中、ドロップ品をヒラとハラが素早く回収して、マグダリーナの前に集めてくれる。回収に使用したのは、きっと収穫魔法の改良版だ。
たまたまタマが返り討ちにあったときに、ヴェリタスかレベッカが仕留めてくれている。
アンソニーは遠くの鳥達を、風魔法で一気に仕留め、収穫魔法でドロップ品を回収していく。
それを見たヴェリタスが、ライアンとボス部屋の攻略について、話し合っていた。
初心者用なので、子供達を優先して、ダーモットやハイエルフはなるべく手を貸さない。マグダリーナは拾得物回収係だ。
三階のボス部屋もニレルに開けてもらって、超難コースだ。
扉が開いた瞬間、アンソニーとヴェリタスが、中に風魔法の刃を放つ。びっしりといた賑やかしの鳥の群れは全滅し、一際大きいボスモンスター五体が怪我を受けながらも残っている。
ライアンの弓矢では、ボスに致命傷まで与えられないが、ボス鳥の一羽がライアンに気を取られている間に、レベッカの拳が鳥の腹を打ち抜いた。
残りの四羽も、ライアンの弓矢の支援を受けながら、アンソニーとヴェリタスが二羽仕留めた。
一羽の鶉ボス鳥を、シンとタマが、ていっていっと攻撃している。シンがアンソニーを真似て小さな風魔法を繰り出しているのに、タマはスライムボディアタックしかしていない。マグダリーナは見ていてハラハラした。
案の定、鶉が嘴でつつき攻撃をしてくる。タマは床を転がって、ギリギリかわしていた。
「たま~」
「ギロチン!!」
半泣きになってるタマの顔を見て、マグダリーナはとうとう鶉の首を切り落としてしまった。
「タマちゃん!!」
タマは残り一羽のボス鳥の近くに転がっている。
(踏み潰されちゃうわ!)
タマを回収する為に駆け出したマグダリーナよりはやく、ライアンがタマを回収して、マグダリーナに投げてよこした。
ライアンはそのまま、最後のボス鳥に弓矢を放つ。続けて、アンソニーとヴェリタスが魔法攻撃を放って、なんとか仕留めた。
「宝箱の数多くね?」
罠が仕込まれてないか、鑑定で確認しながらヴェリタスが呟いた。
「超難コースだったからね。でも私達が手伝わなくても上手くやれたじゃない。初手で魔法使って、数を一気に減らしたのは良かったわ」
エステラが答える。
「トニーと二人ががりでなんとかな。超難でも、ここ初心者用だろ? 本当は全滅いけるんじゃね? とか思ってたんだよ」
ヴェリタスは肩をすくめた。
宝箱は、ボス鳥一羽あたり五箱落とした。五羽いたので全部で二十五箱だ。
その内五箱分は、やっぱり現金が入っていた。
「これが濡れ手に粟……ここでこんな大金手にしていいの? 金銭感覚ダメになっちゃわない?! むしろ入場料上げた方が良心的なんじゃ……」
「リーナ落ち着いて。ここで大金手にして装備や武器を整えないと、普通に元手の無い平民の冒険者は、上の階層には行けないわ。物価の高さを思い出して!」
マグダリーナは、はっとした。ショウネシーは人件費0レピのマゴーたちが、魔法で高品質の物をサクサク作ってくれるので、うっかりしていた。
「因みに安い防具で、おいくら万レピ?」
単位を万にしたのは、以前平民のチュニックが一枚六~七万と聞いたからだ。
「革を使う時点で、十五~二十万くらいかな。ただしこのレベルは、ここら辺の一回のボス部屋で壊れる。消耗品だね。因みにこんな大金があたるのも『女神の恩寵』による、初回討伐特典だよ。だから僕とエステラ、見てただけのハイエルフの分け前は気にしなくていい」
冒険者の物価に一番詳しい、ニレルが答えてくれた。ということは、お父さまの分の分け前も無しでいい。
急いで宝箱の中身と大量のドロップ品……とり肉と羽毛等を回収してボス部屋を出た。
(これって魔物なの?)
一応マグダリーナは鑑定してみると、『鴨(ダンジョン魔物)』と出て、思わずエステラの袖を引いた。
「ねえ、この鳥達って魔物なの?」
「ダンジョン内にいる動物や虫は、もれなく魔物よ。可愛くて撫でようと近づくと、必ず襲ってくるわ。四階からは、もっと魔物らしいのが出てくるし、熊師匠は二十階に居るわ」
「え? 今、虫って言った?」
エステラは頷いた。
「私も虫は苦手なの。どれも大きさが大きいから助かったかな。蚊みたいな小さいのに集団で襲われるんじゃなくって、本当に良かったわ……」
「大きさの問題なんだ……」
鳥ランドのドロップ品は、もちろん、鳥肉だ。笹のような葉に包まれた、綺麗な丸ごとお肉や、上等な麻袋に入った羽根や羽毛、食用の卵など出てくる。瓶に入ったレバーペーストもある。
弓矢のライアンとタマとシンが次々と鳥を倒していく中、ドロップ品をヒラとハラが素早く回収して、マグダリーナの前に集めてくれる。回収に使用したのは、きっと収穫魔法の改良版だ。
たまたまタマが返り討ちにあったときに、ヴェリタスかレベッカが仕留めてくれている。
アンソニーは遠くの鳥達を、風魔法で一気に仕留め、収穫魔法でドロップ品を回収していく。
それを見たヴェリタスが、ライアンとボス部屋の攻略について、話し合っていた。
初心者用なので、子供達を優先して、ダーモットやハイエルフはなるべく手を貸さない。マグダリーナは拾得物回収係だ。
三階のボス部屋もニレルに開けてもらって、超難コースだ。
扉が開いた瞬間、アンソニーとヴェリタスが、中に風魔法の刃を放つ。びっしりといた賑やかしの鳥の群れは全滅し、一際大きいボスモンスター五体が怪我を受けながらも残っている。
ライアンの弓矢では、ボスに致命傷まで与えられないが、ボス鳥の一羽がライアンに気を取られている間に、レベッカの拳が鳥の腹を打ち抜いた。
残りの四羽も、ライアンの弓矢の支援を受けながら、アンソニーとヴェリタスが二羽仕留めた。
一羽の鶉ボス鳥を、シンとタマが、ていっていっと攻撃している。シンがアンソニーを真似て小さな風魔法を繰り出しているのに、タマはスライムボディアタックしかしていない。マグダリーナは見ていてハラハラした。
案の定、鶉が嘴でつつき攻撃をしてくる。タマは床を転がって、ギリギリかわしていた。
「たま~」
「ギロチン!!」
半泣きになってるタマの顔を見て、マグダリーナはとうとう鶉の首を切り落としてしまった。
「タマちゃん!!」
タマは残り一羽のボス鳥の近くに転がっている。
(踏み潰されちゃうわ!)
タマを回収する為に駆け出したマグダリーナよりはやく、ライアンがタマを回収して、マグダリーナに投げてよこした。
ライアンはそのまま、最後のボス鳥に弓矢を放つ。続けて、アンソニーとヴェリタスが魔法攻撃を放って、なんとか仕留めた。
「宝箱の数多くね?」
罠が仕込まれてないか、鑑定で確認しながらヴェリタスが呟いた。
「超難コースだったからね。でも私達が手伝わなくても上手くやれたじゃない。初手で魔法使って、数を一気に減らしたのは良かったわ」
エステラが答える。
「トニーと二人ががりでなんとかな。超難でも、ここ初心者用だろ? 本当は全滅いけるんじゃね? とか思ってたんだよ」
ヴェリタスは肩をすくめた。
宝箱は、ボス鳥一羽あたり五箱落とした。五羽いたので全部で二十五箱だ。
その内五箱分は、やっぱり現金が入っていた。
「これが濡れ手に粟……ここでこんな大金手にしていいの? 金銭感覚ダメになっちゃわない?! むしろ入場料上げた方が良心的なんじゃ……」
「リーナ落ち着いて。ここで大金手にして装備や武器を整えないと、普通に元手の無い平民の冒険者は、上の階層には行けないわ。物価の高さを思い出して!」
マグダリーナは、はっとした。ショウネシーは人件費0レピのマゴーたちが、魔法で高品質の物をサクサク作ってくれるので、うっかりしていた。
「因みに安い防具で、おいくら万レピ?」
単位を万にしたのは、以前平民のチュニックが一枚六~七万と聞いたからだ。
「革を使う時点で、十五~二十万くらいかな。ただしこのレベルは、ここら辺の一回のボス部屋で壊れる。消耗品だね。因みにこんな大金があたるのも『女神の恩寵』による、初回討伐特典だよ。だから僕とエステラ、見てただけのハイエルフの分け前は気にしなくていい」
冒険者の物価に一番詳しい、ニレルが答えてくれた。ということは、お父さまの分の分け前も無しでいい。
急いで宝箱の中身と大量のドロップ品……とり肉と羽毛等を回収してボス部屋を出た。
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