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10 永麓寺
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翌日の午後、隆志が約束した時間に永麓寺を訪ねると、住職の真道が門まで出て待っていて、迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいました」
真道は本堂横にある自宅に隆志を招いてくれた。純和風の造りは世久の家とよく似ているが、ここには人が生活している温かみが感じられた。
「さて、お母様のお墓を建てたいと伺いましたが」
客間で茶と和菓子を隆志に勧めながら、真道は笑いかけた。
「世久家の墓所に比べれば狭いですが、それでよろしいなら、お世話できる場所があります。ご両親のお墓を御自分の住まわれている県外に移される予定の方がいらっしゃいまして、近々そこが空きます。いかがでしょうか」
「世久の墓へ納めない理由は聞かないんですか」
それは絶対聞かれるだろうと思っていたのだが、
「ご供養の形は人それぞれでしょうから、あえてお尋ね致しません」
真道は母と隆志の気持ちを察してくれたようだった。
「あの、もう一つお願いがあるんです。母の遺骨を、お墓ができるまで寺で預かってはもらえないでしょうか」
骨壷にひびが入ったのは、あの家にいたくないという母の意の表れなのではないかと隆志は思ったのだ。
「喜んでお引き受けいたしましょう」
隆志が持ってきたバッグから紫色の風呂敷包みを取り出すと、真道は合掌した。
「……本当は、あなたにはもっと早くにお会いしたかったのですよ」
何故か真道は憂いに満ちた目で隆志を見た。
「あの……それはどういう」
意味か、と問いかけた時、玄関の引き戸が開く音がした。
「ああ、帰ってきたかな。……私の息子と姪です。急用があって外出しておりましたので」
真道は部屋から玄関の方へ呼びかけた。
「拓司、詩織、こちらにきてご挨拶なさい。世久家の御当主がおいでだから」
息子は確か同級生と言った。顔を見れば思い出すかもしれないと隆志は部屋の廊下へ顔を向ける。
二人分の足音が近づいてきて、障子の影から大小の人影が現れた。その大きいほうの影と隆志は同時に声を上げだ。
「あっ、バスで会った――」
数珠をくれた彼だった。
「何だ、行儀の悪い。ちゃんと挨拶を」
真道の声を遮るように、高い悲鳴が響いた。
拓司の横にいる中学生くらいの少女が真っ青な顔で隆志を凝視し、固まっていた。
「あっ、あ、あああああ!」
彼女は荒い呼吸と共に再び叫び声を上げ――倒れた。
「どうしたの? だ、大丈夫?」
隆志は慌てて立ち上がり駆け寄ろうとしたが、
「大丈夫! 心配ない」
意外なほどの大声で拓司が止めた。
「時々、発作起こすんだ。でも休めば大丈夫だから」
彼は彼女を素早く抱き上げると、部屋に寝かせると言って運んでいった。
呆然と立ち尽くす隆志を真道がなだめて座らせる。
「お騒がせして申し訳ありません。あの子は……少々感受性の強い、とても内気な子でして……その、見知らぬ人に対して緊張が過ぎたのでしょう」
とてもそうは思えなかったが、真道の表情から何か簡単に言えない事情があるのだろうと察し、それ以上は何も聞かなかった。
再び玄関が開く音がして、真道を呼ぶ声が聞こえた。来客のようだった。真道は隆志に断って席を外した。
そのすぐ後に拓司が戻ってきた。
「びっくりしただろう。驚かせて悪かった」
廊下に立ったまま、軽く頭を下げる。
「いや、それはいいんだけど、あの子は本当に大丈夫?」
「一眠りすれば落ち着く。心配ないよ」
しかし彼は言葉とは裏腹に、暗い顔で目を伏せた。
「……それにしても、まさかあんたが世久家の新当主様とはね。何であの時気づかなかったんだろ」
彼は座敷にも入らずそのまま廊下に座る。
「いや、それは無理だよ。以前ここにいた時から八年も経ってるんだよ? 僕なんてお披露目会の時に真道さんから君の名前も聞いたのに、悪いけど全く顔すら思い出せなかった」
「あんたは一組で俺は三組だったから、一度もしゃべったこともない。お互い分からなくて当然だ――けど、そういう意味じゃないんだ」
曖昧に笑って、彼は視線を庭に向けた。隆志もつられて同じように庭を見ると、隅に青い屋根の犬小屋があった。
「犬、飼ってるの?」
「飼ってたけど、去年死んだ」
彼の目元がふと和らいだ。
「頭のいい奴だったけど、あんまり丈夫じゃなくてな」
「でも羨ましいよ。僕も犬が好きだから飼いたかったけど」
世久の家にいた頃、捨て犬を飼ってもらおうと両親に頼んだことがあったが、父が犬嫌いで飼ってもらえなかった。母と二人暮らしの時は住宅事情と経済的問題で駄目だった。
「今なら飼えるんじゃないか? でも、大型犬はやめといたほうがいい。手間がものすごくかかるぞ」
こら、と戻ってきた真道が横から叱った。
「何だ、世久家の御当主に向かってその口の利き方は」
しかし拓司は父親を無視して、隆志に笑いかけた。
「同級生なんだ、いいだろ」
隆志は頷く。彼の気さくな態度はとても好ましかったし、不思議と惹きつけられる魅力があった。
「今日は親父に用があるんだろうから、邪魔しないよ」
彼は立ち上がり「じゃあ、またな」とあっさり廊下の奥へ去った。
「誠に申し訳ありません。後でよく言って聞かせますので」
謝る真道に、隆志は首を振った。
「いや、いいですよ。彼の言う通り僕たちは同級生なんですから」
それより、と隆志は気を取り直して本来の用に話を戻した。
「あの、母の墓の話なんですが」
「ああ、そうですね。では、今から場所を見に行かれますか?」
真道は寺の裏にあるという候補地に案内してくれた。そこは思っていたより狭くなく、何より、世久家の墓所が見えないほど離れているのがよかった。
「お気に召したならば、値段については会計士の畑田さんに私が直接ご相談しましょう」
墓石なども知り合いの石材店に頼み、全てをひっくるめた値段で提示してくれるという。隆志には相場も何も分からないので、真道を信頼して全て任せることにした。
ふと視界の端に動くものを捉え、そちらを向くと墓石の向こうに一瞬ふさふさした白い犬のしっぽが見えて、隠れた。
「どうかなさいましたか?」
「あ、あの……あの墓の向こうに犬が」
指さしたが、もう犬の姿はどこにもない。それでも真道は心得たように頷いた。
「ああ、多分ゴン太でしょう」
近くの家で飼われている老犬で、近頃痩せて何かの拍子に首輪が抜けるようになってから時々ここまで散歩にやってくるのだという。
「人に吠えたりしない大人しい犬で、その辺を一回りして気が済むと自分で家に帰るので好きにさせてやってるんですよ。申し訳ありません。どうぞお気を悪くしないでください」
「いや、僕、犬は好きなので撫でてやりたいと思っただけですから」
ゴン太という名前だが実はメス犬であり、人間の年齢で言えば飼い主夫婦より年上で八十歳くらいだという話をしながら、真道は寺の門の外まで隆志を見送ってくれた。
家路に着きながら、隆志は卓司にバスで言った言葉や数珠をくれた意味について問わなかったことを思い出し、悔やんだ。
そしてふと疑問に思った。
何故、二人とも頭の包帯の訳を尋ねなかったのだろう、と。
隆志を門の外まで送って家に戻った真道は、真っ直ぐ詩織が休んでいる部屋に向かった。
廊下から障子越しに声をかけると、詩織の声で返事があった。
「大丈夫か」
部屋には拓司もいて、布団から身を起こした詩織の傍に座っていた。
「……お前、隆志様と最近どこかで会ったのか」
真道が座りながら尋ねると、拓司は隆志とバスの中で会った話をした。
「その時は何か妙な因縁に取り巻かれてるなと思ったくらいだったんだよ。でもさ、あいつが持ってるバッグから女の手が出て、必死にあいつの服を引っ張ってたんだ。よほどどこかに行かせたくなかったみたいだったけど」
それが世久家だったとは、と拓司は頭をガリガリ掻いた。
「見かねて数珠をひとつ持たせたんだけど、世久家なら無駄だったな」
そうか、と真道はため息を一つつくと、詩織に聞いた。
「お前は何が視えた」
「……背中に……あのお兄さんの背中に、一杯黒い人影みたいなもやが」
それから、と詩織は声を震わせた。
「お兄さんの頭の後から赤い花柄の着物の子供の手が出て……お兄さんの額を……小刀で切った」
真道は唸り、拓司は顔をしかめて自分の額を撫でた。
「道理で。普通の傷ではないと思ったが」
「俺なんか産毛が逆立って近寄りもできなかったよ。やっぱりそういう傷か」
「だからなのかな……」
怪訝な顔をする真道と拓司を前に、詩織は顔を強張らせた。
「あの遺骨の人が……ずっと、お兄さんに叫んでるの」
「何て言ってる」
真道の問いに、詩織が不安そうに答えた。
「あの家に行っちゃいけない。行けば――殺されるって」
「ようこそいらっしゃいました」
真道は本堂横にある自宅に隆志を招いてくれた。純和風の造りは世久の家とよく似ているが、ここには人が生活している温かみが感じられた。
「さて、お母様のお墓を建てたいと伺いましたが」
客間で茶と和菓子を隆志に勧めながら、真道は笑いかけた。
「世久家の墓所に比べれば狭いですが、それでよろしいなら、お世話できる場所があります。ご両親のお墓を御自分の住まわれている県外に移される予定の方がいらっしゃいまして、近々そこが空きます。いかがでしょうか」
「世久の墓へ納めない理由は聞かないんですか」
それは絶対聞かれるだろうと思っていたのだが、
「ご供養の形は人それぞれでしょうから、あえてお尋ね致しません」
真道は母と隆志の気持ちを察してくれたようだった。
「あの、もう一つお願いがあるんです。母の遺骨を、お墓ができるまで寺で預かってはもらえないでしょうか」
骨壷にひびが入ったのは、あの家にいたくないという母の意の表れなのではないかと隆志は思ったのだ。
「喜んでお引き受けいたしましょう」
隆志が持ってきたバッグから紫色の風呂敷包みを取り出すと、真道は合掌した。
「……本当は、あなたにはもっと早くにお会いしたかったのですよ」
何故か真道は憂いに満ちた目で隆志を見た。
「あの……それはどういう」
意味か、と問いかけた時、玄関の引き戸が開く音がした。
「ああ、帰ってきたかな。……私の息子と姪です。急用があって外出しておりましたので」
真道は部屋から玄関の方へ呼びかけた。
「拓司、詩織、こちらにきてご挨拶なさい。世久家の御当主がおいでだから」
息子は確か同級生と言った。顔を見れば思い出すかもしれないと隆志は部屋の廊下へ顔を向ける。
二人分の足音が近づいてきて、障子の影から大小の人影が現れた。その大きいほうの影と隆志は同時に声を上げだ。
「あっ、バスで会った――」
数珠をくれた彼だった。
「何だ、行儀の悪い。ちゃんと挨拶を」
真道の声を遮るように、高い悲鳴が響いた。
拓司の横にいる中学生くらいの少女が真っ青な顔で隆志を凝視し、固まっていた。
「あっ、あ、あああああ!」
彼女は荒い呼吸と共に再び叫び声を上げ――倒れた。
「どうしたの? だ、大丈夫?」
隆志は慌てて立ち上がり駆け寄ろうとしたが、
「大丈夫! 心配ない」
意外なほどの大声で拓司が止めた。
「時々、発作起こすんだ。でも休めば大丈夫だから」
彼は彼女を素早く抱き上げると、部屋に寝かせると言って運んでいった。
呆然と立ち尽くす隆志を真道がなだめて座らせる。
「お騒がせして申し訳ありません。あの子は……少々感受性の強い、とても内気な子でして……その、見知らぬ人に対して緊張が過ぎたのでしょう」
とてもそうは思えなかったが、真道の表情から何か簡単に言えない事情があるのだろうと察し、それ以上は何も聞かなかった。
再び玄関が開く音がして、真道を呼ぶ声が聞こえた。来客のようだった。真道は隆志に断って席を外した。
そのすぐ後に拓司が戻ってきた。
「びっくりしただろう。驚かせて悪かった」
廊下に立ったまま、軽く頭を下げる。
「いや、それはいいんだけど、あの子は本当に大丈夫?」
「一眠りすれば落ち着く。心配ないよ」
しかし彼は言葉とは裏腹に、暗い顔で目を伏せた。
「……それにしても、まさかあんたが世久家の新当主様とはね。何であの時気づかなかったんだろ」
彼は座敷にも入らずそのまま廊下に座る。
「いや、それは無理だよ。以前ここにいた時から八年も経ってるんだよ? 僕なんてお披露目会の時に真道さんから君の名前も聞いたのに、悪いけど全く顔すら思い出せなかった」
「あんたは一組で俺は三組だったから、一度もしゃべったこともない。お互い分からなくて当然だ――けど、そういう意味じゃないんだ」
曖昧に笑って、彼は視線を庭に向けた。隆志もつられて同じように庭を見ると、隅に青い屋根の犬小屋があった。
「犬、飼ってるの?」
「飼ってたけど、去年死んだ」
彼の目元がふと和らいだ。
「頭のいい奴だったけど、あんまり丈夫じゃなくてな」
「でも羨ましいよ。僕も犬が好きだから飼いたかったけど」
世久の家にいた頃、捨て犬を飼ってもらおうと両親に頼んだことがあったが、父が犬嫌いで飼ってもらえなかった。母と二人暮らしの時は住宅事情と経済的問題で駄目だった。
「今なら飼えるんじゃないか? でも、大型犬はやめといたほうがいい。手間がものすごくかかるぞ」
こら、と戻ってきた真道が横から叱った。
「何だ、世久家の御当主に向かってその口の利き方は」
しかし拓司は父親を無視して、隆志に笑いかけた。
「同級生なんだ、いいだろ」
隆志は頷く。彼の気さくな態度はとても好ましかったし、不思議と惹きつけられる魅力があった。
「今日は親父に用があるんだろうから、邪魔しないよ」
彼は立ち上がり「じゃあ、またな」とあっさり廊下の奥へ去った。
「誠に申し訳ありません。後でよく言って聞かせますので」
謝る真道に、隆志は首を振った。
「いや、いいですよ。彼の言う通り僕たちは同級生なんですから」
それより、と隆志は気を取り直して本来の用に話を戻した。
「あの、母の墓の話なんですが」
「ああ、そうですね。では、今から場所を見に行かれますか?」
真道は寺の裏にあるという候補地に案内してくれた。そこは思っていたより狭くなく、何より、世久家の墓所が見えないほど離れているのがよかった。
「お気に召したならば、値段については会計士の畑田さんに私が直接ご相談しましょう」
墓石なども知り合いの石材店に頼み、全てをひっくるめた値段で提示してくれるという。隆志には相場も何も分からないので、真道を信頼して全て任せることにした。
ふと視界の端に動くものを捉え、そちらを向くと墓石の向こうに一瞬ふさふさした白い犬のしっぽが見えて、隠れた。
「どうかなさいましたか?」
「あ、あの……あの墓の向こうに犬が」
指さしたが、もう犬の姿はどこにもない。それでも真道は心得たように頷いた。
「ああ、多分ゴン太でしょう」
近くの家で飼われている老犬で、近頃痩せて何かの拍子に首輪が抜けるようになってから時々ここまで散歩にやってくるのだという。
「人に吠えたりしない大人しい犬で、その辺を一回りして気が済むと自分で家に帰るので好きにさせてやってるんですよ。申し訳ありません。どうぞお気を悪くしないでください」
「いや、僕、犬は好きなので撫でてやりたいと思っただけですから」
ゴン太という名前だが実はメス犬であり、人間の年齢で言えば飼い主夫婦より年上で八十歳くらいだという話をしながら、真道は寺の門の外まで隆志を見送ってくれた。
家路に着きながら、隆志は卓司にバスで言った言葉や数珠をくれた意味について問わなかったことを思い出し、悔やんだ。
そしてふと疑問に思った。
何故、二人とも頭の包帯の訳を尋ねなかったのだろう、と。
隆志を門の外まで送って家に戻った真道は、真っ直ぐ詩織が休んでいる部屋に向かった。
廊下から障子越しに声をかけると、詩織の声で返事があった。
「大丈夫か」
部屋には拓司もいて、布団から身を起こした詩織の傍に座っていた。
「……お前、隆志様と最近どこかで会ったのか」
真道が座りながら尋ねると、拓司は隆志とバスの中で会った話をした。
「その時は何か妙な因縁に取り巻かれてるなと思ったくらいだったんだよ。でもさ、あいつが持ってるバッグから女の手が出て、必死にあいつの服を引っ張ってたんだ。よほどどこかに行かせたくなかったみたいだったけど」
それが世久家だったとは、と拓司は頭をガリガリ掻いた。
「見かねて数珠をひとつ持たせたんだけど、世久家なら無駄だったな」
そうか、と真道はため息を一つつくと、詩織に聞いた。
「お前は何が視えた」
「……背中に……あのお兄さんの背中に、一杯黒い人影みたいなもやが」
それから、と詩織は声を震わせた。
「お兄さんの頭の後から赤い花柄の着物の子供の手が出て……お兄さんの額を……小刀で切った」
真道は唸り、拓司は顔をしかめて自分の額を撫でた。
「道理で。普通の傷ではないと思ったが」
「俺なんか産毛が逆立って近寄りもできなかったよ。やっぱりそういう傷か」
「だからなのかな……」
怪訝な顔をする真道と拓司を前に、詩織は顔を強張らせた。
「あの遺骨の人が……ずっと、お兄さんに叫んでるの」
「何て言ってる」
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