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11 秘密の腕輪
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「でね、今日はいっぱい魔法使ってみたの!やっぱり見た目からイメージできる属性が得意みたいなんだけど、リナーってただ綺麗なだけで何が得意か分からなかったんだけど、風属性が得意みたいなの」
「嬉しそうで何よりなの」
「よかったね」
授業が終わっても興奮冷めやらぬわたしは、食堂で双子相手にマシンガントークを繰り広げている。
誰かに聞いて欲しくて、たまらなかったんだもん。
双葉を摘ままされた経緯から始まり、リーグが光魔法が得意なのは丘の上の一番日当たりのいい場所の木に住んでいたからだとか、ダナーが意外と多才だとか。
子供自慢の親がごとく親ばか発言が多かったと思うけど、嫌な顔せず聞いてくれた二人には感謝しかない。
「それにしても、そんな葉っぱが杖替わりになる事が驚きなの」
「だね」
今日も抱えた鉢に刺さる、ささやかなわたしの杖。
「わたしもびっくりだよ…そういえばフィフィちゃん達も妖精と契約してるんだよね、作った杖はどうしたの?」
「フィフィのは杖じゃないの」
「これ」
これ、と言いながら、ティティくんが左手を伸ばしてくる。けれど、その手のひらには特に何も握られていない。
「え、どれ?何?」
「これこれ、この腕輪なの」
「守護精は腕輪に宿るよ」
「守護精?」
「フィフィを守ってくれる妖精さんなの。だから、シェリーちゃんの妖精とはちょっと違うの」
多分、自分の契約した妖精のことだよね。文化が違うと、色々と変わってくるなぁ。
えっと、何で杖の話題から守護精なのか。
「子供が産れた日にね、庭に種を植えるの。子供にお乳をあげる時間に一緒に水をあげて、子供と同じように育てるの」
「1歳になったら、自分で世話をするよ。お母さんがご飯の準備をしている間に、僕達は自分の樹に水をあげるんだ」
「10歳になったら、樹を自分の身長で切るの。年輪の模様で子供の将来を占う、大事な儀式なの」
「切った樹で、腕輪を作ったよ」
代わる代わる話し手を変えて、話が続いていく。やっぱり双子って息がぴったりで凄いな、なんだか微笑ましい気持ちになってくる。
突然始まったこの腕輪の話が、どこに行きつくのかさっぱりだけどね。
2人は色んな事を丁寧に話してくれるんだけど、最初から最後まで説明してくれるから途中で何の話だったか分からなくなる事が度々あったりする。
「切った部分の一番上の枝で、自分の樹の妖精と契約するの。一緒に成長した、自分の分身な妖精さんなの」
「多分それが、シェリーの言う仮杖だね。それからこの腕輪が正式な杖ってとこかな」
「その腕輪が杖替わりなんだ!…ってことはいつでも魔法科にこれるじゃん!」
産れた時から10年かけて、杖をつくる準備をしてるってことになる。
毎日お世話していれば、自然と魔力も馴染むだろうしね。
「あれ、でもさ…絶対に妖精が住んでくれるとは限らないんじゃないの?」
「そこは、勧誘なり紹介なり、ね」
「家族やご近所さんの妖精の友達が住み着くことが多いの。アットホームなの」
2人の間でちょっと見解は違うみたいだけど、何となく状況は見えた。
うちも、そういうシステム教えといてくれたら小さい時から丹精込めて育てたのになぁ。
お父さんってばホント何の役にもたたない…。
「ごちそうさま」
「あ、ちょっと。話の途中だからまだ行かないでよね。守護精の話してよ」
いつも一番食べるのが遅いティティくんが、わたしより先に食べ終わってしまった。
ぐぬっ…喋りすぎたか。
「守護精は、守ってくれる妖精だよ。他の子はシェリーみたいに樹を砕いて杖を育て直したけど、僕達はやらないって言ったら腕輪を作ってくれた」
「長老が魔法をかけてくれて、この腕輪で魔法陣が完成してるの。外に向けて魔法発動はできないけど、自分を強化したり回復したりはできるの」
「それって、物凄く画期的じゃない?」
人は、魔力を持っている。魔力を放出する事はできるけれど、魔力には現象を引き起こす力はない。
魔力を魔法道具に通して、道具の効果を発動することはできるけれど、それだけだ。
妖精と繋がることによって、様々な効果を引き出してもらえるようになる。…というか、妖精に魔力を与えて、魔法という力に変換してもらっている。
自己強化や回復ができるなら、無駄な魔力の有効活用だし、何より戦力アップだ。
「生徒全員、それやるべきじゃない?」
「しー。こういう里の秘術は、秘密にしなきゃだめなの。シェリーちゃんはもう契約してるから話しちゃったけど、秘密なの」
「秘密だよ」
「えー…。じゃあわたしからは言わないけど、勿体ないなぁ」
こうやって、強くなる知識は眠っていくのかもしれない。
「それに、この樹はもうフィフィの一部のようなものだから上手く魔力が巡るの。卒業までの3年ぽっちじゃ、シェリーちゃんみたいに持ち歩いてても無理なの」
「足りないよね」
なるほど。だったらどうせ教えたところで、手に入るのが10年先なら普通に杖を作って魔法を使った方が早いのか。
双子と秘密を共用したまま、この豆知識は将来自分の子供にこっそり生かそうと思います。
「嬉しそうで何よりなの」
「よかったね」
授業が終わっても興奮冷めやらぬわたしは、食堂で双子相手にマシンガントークを繰り広げている。
誰かに聞いて欲しくて、たまらなかったんだもん。
双葉を摘ままされた経緯から始まり、リーグが光魔法が得意なのは丘の上の一番日当たりのいい場所の木に住んでいたからだとか、ダナーが意外と多才だとか。
子供自慢の親がごとく親ばか発言が多かったと思うけど、嫌な顔せず聞いてくれた二人には感謝しかない。
「それにしても、そんな葉っぱが杖替わりになる事が驚きなの」
「だね」
今日も抱えた鉢に刺さる、ささやかなわたしの杖。
「わたしもびっくりだよ…そういえばフィフィちゃん達も妖精と契約してるんだよね、作った杖はどうしたの?」
「フィフィのは杖じゃないの」
「これ」
これ、と言いながら、ティティくんが左手を伸ばしてくる。けれど、その手のひらには特に何も握られていない。
「え、どれ?何?」
「これこれ、この腕輪なの」
「守護精は腕輪に宿るよ」
「守護精?」
「フィフィを守ってくれる妖精さんなの。だから、シェリーちゃんの妖精とはちょっと違うの」
多分、自分の契約した妖精のことだよね。文化が違うと、色々と変わってくるなぁ。
えっと、何で杖の話題から守護精なのか。
「子供が産れた日にね、庭に種を植えるの。子供にお乳をあげる時間に一緒に水をあげて、子供と同じように育てるの」
「1歳になったら、自分で世話をするよ。お母さんがご飯の準備をしている間に、僕達は自分の樹に水をあげるんだ」
「10歳になったら、樹を自分の身長で切るの。年輪の模様で子供の将来を占う、大事な儀式なの」
「切った樹で、腕輪を作ったよ」
代わる代わる話し手を変えて、話が続いていく。やっぱり双子って息がぴったりで凄いな、なんだか微笑ましい気持ちになってくる。
突然始まったこの腕輪の話が、どこに行きつくのかさっぱりだけどね。
2人は色んな事を丁寧に話してくれるんだけど、最初から最後まで説明してくれるから途中で何の話だったか分からなくなる事が度々あったりする。
「切った部分の一番上の枝で、自分の樹の妖精と契約するの。一緒に成長した、自分の分身な妖精さんなの」
「多分それが、シェリーの言う仮杖だね。それからこの腕輪が正式な杖ってとこかな」
「その腕輪が杖替わりなんだ!…ってことはいつでも魔法科にこれるじゃん!」
産れた時から10年かけて、杖をつくる準備をしてるってことになる。
毎日お世話していれば、自然と魔力も馴染むだろうしね。
「あれ、でもさ…絶対に妖精が住んでくれるとは限らないんじゃないの?」
「そこは、勧誘なり紹介なり、ね」
「家族やご近所さんの妖精の友達が住み着くことが多いの。アットホームなの」
2人の間でちょっと見解は違うみたいだけど、何となく状況は見えた。
うちも、そういうシステム教えといてくれたら小さい時から丹精込めて育てたのになぁ。
お父さんってばホント何の役にもたたない…。
「ごちそうさま」
「あ、ちょっと。話の途中だからまだ行かないでよね。守護精の話してよ」
いつも一番食べるのが遅いティティくんが、わたしより先に食べ終わってしまった。
ぐぬっ…喋りすぎたか。
「守護精は、守ってくれる妖精だよ。他の子はシェリーみたいに樹を砕いて杖を育て直したけど、僕達はやらないって言ったら腕輪を作ってくれた」
「長老が魔法をかけてくれて、この腕輪で魔法陣が完成してるの。外に向けて魔法発動はできないけど、自分を強化したり回復したりはできるの」
「それって、物凄く画期的じゃない?」
人は、魔力を持っている。魔力を放出する事はできるけれど、魔力には現象を引き起こす力はない。
魔力を魔法道具に通して、道具の効果を発動することはできるけれど、それだけだ。
妖精と繋がることによって、様々な効果を引き出してもらえるようになる。…というか、妖精に魔力を与えて、魔法という力に変換してもらっている。
自己強化や回復ができるなら、無駄な魔力の有効活用だし、何より戦力アップだ。
「生徒全員、それやるべきじゃない?」
「しー。こういう里の秘術は、秘密にしなきゃだめなの。シェリーちゃんはもう契約してるから話しちゃったけど、秘密なの」
「秘密だよ」
「えー…。じゃあわたしからは言わないけど、勿体ないなぁ」
こうやって、強くなる知識は眠っていくのかもしれない。
「それに、この樹はもうフィフィの一部のようなものだから上手く魔力が巡るの。卒業までの3年ぽっちじゃ、シェリーちゃんみたいに持ち歩いてても無理なの」
「足りないよね」
なるほど。だったらどうせ教えたところで、手に入るのが10年先なら普通に杖を作って魔法を使った方が早いのか。
双子と秘密を共用したまま、この豆知識は将来自分の子供にこっそり生かそうと思います。
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