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回想~過去編
第二十二話 「ひまわり園~佐藤雄也との出会い」
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日差しのキツい焼け付くような炎天下の中、自転車を漕いで約十分。
ひまわり園に近づくにつれ、中庭の方からはひまわり園で共に過ごして行く仲間たちの遊び声が聞こえてくる。
ここへ来るだけでも汗が止まらないというのに、あの中ではみんなバタバタと元気に走り回ったりして騒いでいるのだろう。
そんな遊ぶことに全精力を注いでいる仲間たちには感心せざるを得ない。
自転車を止めて玄関へ入った後も、中庭のような賑やかで騒がしい雰囲気でいっぱいだった。
これでは指導員たちも大変だろう。
――こどもながら指導員の苦労を思う自分に、なぜか自嘲を覚え笑えてくるのだった。
自分は子どもであるという自覚はしっかり持っている。
しかし自分は子どもであることが嫌いらしい。
実に中途半端でややこしい感情だ。
――この頃にはもう、子どもは何も出来ないんだということをすでに知っていたのかもしれない。
いや、知っているというほど大仰な人間でも身分でもないが、父親の姿を通し、子どもには出来ること、制約が多すぎるということを身に沁みて感じていたんだろう。
親であれば、実の子を心配するのは当たり前と言って良い。
とにかく心配してしまうのだ。
その上、ウチの場合は親一人、子一人なので尚更の事だ。
そんな環境だと、父は親である責任を全て一人で引き受けなければならない。
母親が居ないためにそれを分け合う事も出来ないし、母親があげるべき愛情も注いでいかなければならない。
だから俺は心配される事が嫌だった。
自分が何も出来ない「子ども」だと思われていることが嫌だった。
子どもだと心配される。
そして父は心配する度に心を痛める。
葛藤でいっぱいになる。
そして……疲れる。
早く大人にならなければ。
心配する必要が無くなるくらいにしっかりしなければ。
そう思っていたのだと思う。
でもどんなに大人ぶろうと、子どもであることに変わりは無い。
逆に大人だと強がれば強がるほど、父は自分を責め、俺を哀れみ、得体も知れぬ責任を感じ続けるだろう。
当時の「僕は大人だ!」と主張する姿を思い出すと、なんて浅はかな奴だったんだと思わずにはいられない。
まあこんな事、当時の俺では思いもしなかっただろうけどど……にしても俺って父親の事大好きだったんだな。
――玄関に着いて困ったのだが、靴が無い。
まさか土足で上がりこむわけでもないだろう。
というか、手ぶらで来たけど大丈夫だよな?
どうすれば良いか分からず玄関をうろうろしていると、後ろから声を掛けられた。
「おはよっ!こんな所で何やってんの?」
元気な挨拶が聞こえたので、振り向いて見ると若い男の人が立っていた。
若いといっても、見た感じあどけなさが残っているので、まだ高校生といった所だろうか。
「あの、上履きとか持ってこなかったから入れなくて……」
「上履き?ああ、靴ね。履物はあのダンボールの中に入ってるから、どれでも好きなのを履きなよ」
彼が指差す先には、ただのゴミだと思っていたダンボール箱があった。
――何かを入れておくなら、側面に「靴入れ」とか書いておいて欲しいもんだ。
「本当に良いの?」
「うん。まあ大抵の子は自分の靴を持ってるんだけど、ここには使い古した靴がたくさんあるからね」
「……そうなんだ」
「うん?もしかして誰かのお下がりは嫌いな感じかな?」
「ううん、靴なんてなんでもいいよ」
「あはは、そっか。悪い悪い、なんか嫌そうな顔してたからさ」
――どうやら、自分は感情が露骨に顔に出るらしい。
「あそこの中のやつなら何でも良いんだよね?」
そう言うと、俺はそそくさとダンボールの中にある靴を見繕い、履き心地の良かった運動靴に履き替えた。
「おお似合ってんじゃん!そこにある靴は貸し出しとかじゃないから、良かったらもらって行っても良いよ?」
「ううん、いらないよ。借りれればそれで良いから」
「そっかあ……せっかく似合ってるのに」
似合ってても使い古された靴は履きたくない……というのが本音だ。
「てかさ、君って新入りの子だよね?今日が初めて?」
「うん、そうだよ」
「そっかそっか。じゃあまだひまわり園のこと知らないよね?――あっ、ごめん挨拶まだだったね。オレは佐藤雄也|《さとうゆうや》っていうんだ。雄也とでも呼んでくれ。君の名前は?」
「僕は望って言います。よろしくね、雄也……兄ちゃん」
「ああ、こちらこそよろしくな、望!」
快活そうな雰囲気を持っているこの人は、とても頼りになりそうだ。
――というのが第一印象だった。
この後、ひまわり園で過ごすにあたって何をすれば良いのか分からなかった自分に、雄也兄ちゃんは付きっ切りで園内の案内をしながら色んなことを教えてくれた。
肝心の一日の過ごし方だが、彼が言うところによると、ここでは午前と午後、遊びか勉強か選びなさいということだった。
要は午前に勉強したのなら午後は遊び。
午前に遊んだのなら午後に勉強。
といった具合だ。
ただし今は夏休み中なので、過ごし方は自由。
一日中寝ていても、遊んでいても、勉強していても構わないらしい。
クラスなどという括りも無く、歳も学年も関係ないので、ひまわり園はとても開放的な雰囲気だということも教えてくれた。
「――聞くの忘れてたんだけどさ、望って今いくつ?」
雄也兄ちゃんは、ふと俺の顔をマジマジと見ながら聞いてきた。
「九歳」
「九歳?なんだ、オレと八つも違うのかよ……君って歳の割りにクールだよな」
「どこが?」
「望の雰囲気が妙に大人びててさ、なんか年下と一緒に話してるような気がしないんだよ」
「……そうかな?」
会ったばかりの雄也兄ちゃんにそう言われ、ちょっぴり嬉しかった。
でもそう思われた以上、彼には父と一緒に居る姿は見られたくない。あの人すぐからかって来るからな……。
「ああ、俺が望の歳の時とは全然違うよ。すごいしっかりしてる」
雄也兄ちゃんはとても感心している様子だった。
「雄也兄ちゃんって高校生?」
「うん、そうだよ」
「だったら何でひまわり園に来てるの?」
「オレが何でここに来てるかって?オレは早百合さんのつてでここの指導員をしてるんだよ。まあ指導員っていうか、遊びに来てるついでにみんなの世話をしてるだけなんだけどね。……ああ、早百合さんってのはここの指導員やってる人な」
「ふうん。でもさ、その指導員ってのはなんなの?」
「指導員ってのはね、保育園の先生みたいなものだよ。保護者に代わって、児童を保育してあげる人……っていうかまんまなんだけどさ、そう思ってくれれば良いよ」
「へえ、そうなんだ」
「今はこうして指導員の真似事をさせてもらってるけど、オレも昔ここに入ってたんだぜ?」
「雄也兄ちゃんも?」
「ああ、オレの両親は共働きでね。ちょうど望くらいの頃には毎日ここに通ってたんだよ」
雄也兄ちゃんもこういった施設……いや、ひまわり園を利用していたと聞き、驚きはしなかったが彼の当時の心境が気になった。
聞いてどうなるわけでもないのだが、ちょっと尋ねてみたくなった。
「……その頃はどんな気持ちだったか覚えてる?」
俺が尋ねてみると、雄也兄ちゃんは待ってましたと言わんばかりの軽快さで話してくれた。
「ああ、もちろん!忘れるわけ無いよ。だって始めはこんなとこ行くの嫌で嫌でしょうがなかったんだから」
「そうなの?」
「ああ、だって知ってるやつ誰もいなかったんだもん。通ってた学校で来てたの俺だけだったからさあ」
「……そうだったんだね」
知ってる友達がいなくて嫌だったなんて、今の雄也兄ちゃんからは全く想像できなかった。
「でもさ、それでも毎日通ってたんでしょ?」
「ああ、まあ最初はほんと渋々だったけどね。俺結構人見知りだから内心ビビりながら来てたよ」
「ふーん。でも雄也兄ちゃんは全然そんな風に見えないけど……明るいし」
俺は素直な雄也兄ちゃんへの印象を言ったのだが、それを聞いた雄也兄ちゃんはニカッとした笑みを浮かべてとてもうれしそうに答えた。
「マジで!ありがとな、望。俺そこら辺の部分に関してはだいぶ変われたと思ってるから、そう言ってくれるとすげえうれしいんだ」
「そ、そう?それなら良かった」
「うん!まあ俺がこうなれたのも早百合さんがいたからってのがデカいんだけど」
早百合さんとはさっき雄也兄ちゃんが言っていた指導員のことだ。
どうやらその人のおかげで雄也兄ちゃんはひまわり園に通い続けることができ、彼自身も変わることができたのだろう。
――雄也兄ちゃんに良い影響を与えることができた早百合さんと呼ばれる人物は、それ相応の素晴らしい人間であるに違いない。
「ねえ、その早百合さんってどんな人?」
「気になるか?今日は書庫にいると思うんだけど……ん?」
ここで雄也兄ちゃんがなにかに気付いたようだった。
前方に見える長椅子の隅っこにちょこんと誰かがうずくまるように座っている。
――俺たちはいつの間にか園の中を一周し、玄関まで戻ってきていたらしい。
「あの子も見ない顔だなあ、ちょっと声掛けてみるか。せっかくだし望も挨拶がてら行こうぜ!」
「え?僕も行くの?」
「当たり前だろ?ひまわり園での最初のお友達になれるチャンスだ。さあさあ」
雄也兄ちゃんはまたニカッとした笑顔でそう言うと、俺の手を軽く引いて歩いた。
俺は少し気が引けたが、なぜか雄也兄ちゃんが言うなら行ってもいいかなという気持ちになったのだった――。
ひまわり園に近づくにつれ、中庭の方からはひまわり園で共に過ごして行く仲間たちの遊び声が聞こえてくる。
ここへ来るだけでも汗が止まらないというのに、あの中ではみんなバタバタと元気に走り回ったりして騒いでいるのだろう。
そんな遊ぶことに全精力を注いでいる仲間たちには感心せざるを得ない。
自転車を止めて玄関へ入った後も、中庭のような賑やかで騒がしい雰囲気でいっぱいだった。
これでは指導員たちも大変だろう。
――こどもながら指導員の苦労を思う自分に、なぜか自嘲を覚え笑えてくるのだった。
自分は子どもであるという自覚はしっかり持っている。
しかし自分は子どもであることが嫌いらしい。
実に中途半端でややこしい感情だ。
――この頃にはもう、子どもは何も出来ないんだということをすでに知っていたのかもしれない。
いや、知っているというほど大仰な人間でも身分でもないが、父親の姿を通し、子どもには出来ること、制約が多すぎるということを身に沁みて感じていたんだろう。
親であれば、実の子を心配するのは当たり前と言って良い。
とにかく心配してしまうのだ。
その上、ウチの場合は親一人、子一人なので尚更の事だ。
そんな環境だと、父は親である責任を全て一人で引き受けなければならない。
母親が居ないためにそれを分け合う事も出来ないし、母親があげるべき愛情も注いでいかなければならない。
だから俺は心配される事が嫌だった。
自分が何も出来ない「子ども」だと思われていることが嫌だった。
子どもだと心配される。
そして父は心配する度に心を痛める。
葛藤でいっぱいになる。
そして……疲れる。
早く大人にならなければ。
心配する必要が無くなるくらいにしっかりしなければ。
そう思っていたのだと思う。
でもどんなに大人ぶろうと、子どもであることに変わりは無い。
逆に大人だと強がれば強がるほど、父は自分を責め、俺を哀れみ、得体も知れぬ責任を感じ続けるだろう。
当時の「僕は大人だ!」と主張する姿を思い出すと、なんて浅はかな奴だったんだと思わずにはいられない。
まあこんな事、当時の俺では思いもしなかっただろうけどど……にしても俺って父親の事大好きだったんだな。
――玄関に着いて困ったのだが、靴が無い。
まさか土足で上がりこむわけでもないだろう。
というか、手ぶらで来たけど大丈夫だよな?
どうすれば良いか分からず玄関をうろうろしていると、後ろから声を掛けられた。
「おはよっ!こんな所で何やってんの?」
元気な挨拶が聞こえたので、振り向いて見ると若い男の人が立っていた。
若いといっても、見た感じあどけなさが残っているので、まだ高校生といった所だろうか。
「あの、上履きとか持ってこなかったから入れなくて……」
「上履き?ああ、靴ね。履物はあのダンボールの中に入ってるから、どれでも好きなのを履きなよ」
彼が指差す先には、ただのゴミだと思っていたダンボール箱があった。
――何かを入れておくなら、側面に「靴入れ」とか書いておいて欲しいもんだ。
「本当に良いの?」
「うん。まあ大抵の子は自分の靴を持ってるんだけど、ここには使い古した靴がたくさんあるからね」
「……そうなんだ」
「うん?もしかして誰かのお下がりは嫌いな感じかな?」
「ううん、靴なんてなんでもいいよ」
「あはは、そっか。悪い悪い、なんか嫌そうな顔してたからさ」
――どうやら、自分は感情が露骨に顔に出るらしい。
「あそこの中のやつなら何でも良いんだよね?」
そう言うと、俺はそそくさとダンボールの中にある靴を見繕い、履き心地の良かった運動靴に履き替えた。
「おお似合ってんじゃん!そこにある靴は貸し出しとかじゃないから、良かったらもらって行っても良いよ?」
「ううん、いらないよ。借りれればそれで良いから」
「そっかあ……せっかく似合ってるのに」
似合ってても使い古された靴は履きたくない……というのが本音だ。
「てかさ、君って新入りの子だよね?今日が初めて?」
「うん、そうだよ」
「そっかそっか。じゃあまだひまわり園のこと知らないよね?――あっ、ごめん挨拶まだだったね。オレは佐藤雄也|《さとうゆうや》っていうんだ。雄也とでも呼んでくれ。君の名前は?」
「僕は望って言います。よろしくね、雄也……兄ちゃん」
「ああ、こちらこそよろしくな、望!」
快活そうな雰囲気を持っているこの人は、とても頼りになりそうだ。
――というのが第一印象だった。
この後、ひまわり園で過ごすにあたって何をすれば良いのか分からなかった自分に、雄也兄ちゃんは付きっ切りで園内の案内をしながら色んなことを教えてくれた。
肝心の一日の過ごし方だが、彼が言うところによると、ここでは午前と午後、遊びか勉強か選びなさいということだった。
要は午前に勉強したのなら午後は遊び。
午前に遊んだのなら午後に勉強。
といった具合だ。
ただし今は夏休み中なので、過ごし方は自由。
一日中寝ていても、遊んでいても、勉強していても構わないらしい。
クラスなどという括りも無く、歳も学年も関係ないので、ひまわり園はとても開放的な雰囲気だということも教えてくれた。
「――聞くの忘れてたんだけどさ、望って今いくつ?」
雄也兄ちゃんは、ふと俺の顔をマジマジと見ながら聞いてきた。
「九歳」
「九歳?なんだ、オレと八つも違うのかよ……君って歳の割りにクールだよな」
「どこが?」
「望の雰囲気が妙に大人びててさ、なんか年下と一緒に話してるような気がしないんだよ」
「……そうかな?」
会ったばかりの雄也兄ちゃんにそう言われ、ちょっぴり嬉しかった。
でもそう思われた以上、彼には父と一緒に居る姿は見られたくない。あの人すぐからかって来るからな……。
「ああ、俺が望の歳の時とは全然違うよ。すごいしっかりしてる」
雄也兄ちゃんはとても感心している様子だった。
「雄也兄ちゃんって高校生?」
「うん、そうだよ」
「だったら何でひまわり園に来てるの?」
「オレが何でここに来てるかって?オレは早百合さんのつてでここの指導員をしてるんだよ。まあ指導員っていうか、遊びに来てるついでにみんなの世話をしてるだけなんだけどね。……ああ、早百合さんってのはここの指導員やってる人な」
「ふうん。でもさ、その指導員ってのはなんなの?」
「指導員ってのはね、保育園の先生みたいなものだよ。保護者に代わって、児童を保育してあげる人……っていうかまんまなんだけどさ、そう思ってくれれば良いよ」
「へえ、そうなんだ」
「今はこうして指導員の真似事をさせてもらってるけど、オレも昔ここに入ってたんだぜ?」
「雄也兄ちゃんも?」
「ああ、オレの両親は共働きでね。ちょうど望くらいの頃には毎日ここに通ってたんだよ」
雄也兄ちゃんもこういった施設……いや、ひまわり園を利用していたと聞き、驚きはしなかったが彼の当時の心境が気になった。
聞いてどうなるわけでもないのだが、ちょっと尋ねてみたくなった。
「……その頃はどんな気持ちだったか覚えてる?」
俺が尋ねてみると、雄也兄ちゃんは待ってましたと言わんばかりの軽快さで話してくれた。
「ああ、もちろん!忘れるわけ無いよ。だって始めはこんなとこ行くの嫌で嫌でしょうがなかったんだから」
「そうなの?」
「ああ、だって知ってるやつ誰もいなかったんだもん。通ってた学校で来てたの俺だけだったからさあ」
「……そうだったんだね」
知ってる友達がいなくて嫌だったなんて、今の雄也兄ちゃんからは全く想像できなかった。
「でもさ、それでも毎日通ってたんでしょ?」
「ああ、まあ最初はほんと渋々だったけどね。俺結構人見知りだから内心ビビりながら来てたよ」
「ふーん。でも雄也兄ちゃんは全然そんな風に見えないけど……明るいし」
俺は素直な雄也兄ちゃんへの印象を言ったのだが、それを聞いた雄也兄ちゃんはニカッとした笑みを浮かべてとてもうれしそうに答えた。
「マジで!ありがとな、望。俺そこら辺の部分に関してはだいぶ変われたと思ってるから、そう言ってくれるとすげえうれしいんだ」
「そ、そう?それなら良かった」
「うん!まあ俺がこうなれたのも早百合さんがいたからってのがデカいんだけど」
早百合さんとはさっき雄也兄ちゃんが言っていた指導員のことだ。
どうやらその人のおかげで雄也兄ちゃんはひまわり園に通い続けることができ、彼自身も変わることができたのだろう。
――雄也兄ちゃんに良い影響を与えることができた早百合さんと呼ばれる人物は、それ相応の素晴らしい人間であるに違いない。
「ねえ、その早百合さんってどんな人?」
「気になるか?今日は書庫にいると思うんだけど……ん?」
ここで雄也兄ちゃんがなにかに気付いたようだった。
前方に見える長椅子の隅っこにちょこんと誰かがうずくまるように座っている。
――俺たちはいつの間にか園の中を一周し、玄関まで戻ってきていたらしい。
「あの子も見ない顔だなあ、ちょっと声掛けてみるか。せっかくだし望も挨拶がてら行こうぜ!」
「え?僕も行くの?」
「当たり前だろ?ひまわり園での最初のお友達になれるチャンスだ。さあさあ」
雄也兄ちゃんはまたニカッとした笑顔でそう言うと、俺の手を軽く引いて歩いた。
俺は少し気が引けたが、なぜか雄也兄ちゃんが言うなら行ってもいいかなという気持ちになったのだった――。
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