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♦︎第1章
サイコロの目『2』
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カナシイネ
ボクハキミカラウマレタンダヨ
ツライヨネ
イタイホドツタワルキミノニクシミ
デモホントウハコワインダ
キミガキエルトボクモキエル
キミガシアワセニナレバボクハキエル
ほらごらん
また来たよ
僕とのゲームを望んでる子が
嬉しいね
次々と現れる憎悪の塊
さぁ さぁ 一緒に遊ぼうか――――
「ここはどこ・・・?」
一人の少年が口元を手で押さえ、体を小刻みに震わせながら、薄暗い道を手探りで進む。
一歩ずつ重い足を前に出し、少年の目が暗闇に慣れてくる頃、ピエロは少年の手を掴み明かりをつける。
灯りに照らされ露わになった少年の体には、無数の傷跡が姿を現した。
「傷跡だらけの男の子 僕と一緒にゲームをしよう」
ピエロは少年の俯いている顔をのぞきこみ、赤い大きな口を尖らせにっこりと微笑んだ。
それにつられて少年も不安で強張っていた顔の糸が切れ、にっこりと一緒に微笑んだ。
「さぁ、このサイコロを振ってごらん」
ピエロは少年に青いサイコロを渡すと、サイコロの絵に疑問を抱いた少年は眉をひそめ、小さな声で問いかけた。
「どうして『1』と『2』と『3』の数しかないの?」
ピエロが渡した青いサイコロには『1』『2』『3』の数しか書かれていなかった。
「普通は『1』『2』『3』『4』『5』『6』でしょ?」
少年は返答の無いピエロに再び問いかけた。
しかし、ピエロはにこりと微笑んだまま、何も答えず少年にせかすように言った。
「さぁ さぁ はやく、サイコロを振ってよ」
質問に答えようとしないピエロを少年は不振に思ったが、満面の笑顔でこちらを見ているピエロを見ていると、気にしていた自分が馬鹿馬鹿しくなり、早く遊んであげなくてはいけない気がした。
そして少年は
カラッ コロコロ
少年が出したサイコロの目の数は――――
『1』
「そうだそうだ!うっかりしてた。はじめに数字を決めなくちゃいけなかったのに」
少年が投げたサイコロの前に立つと、急に地面に倒れ込み、手足を上下にバタバタさせて、両手で顔を覆った。
少年はゆっくりとその場に近づくと、ピエロの肩に手を当て優しい口調で言った。
「今から決めようよ」
その言葉を聞くと、ピエロは素早く立ち上がり、姿勢を整え
『待っていました!!』
と言わんばかりに少年の手を握った。
すると何かを思い出したのか、少年の手を離し両手でポンッと手を叩き合わせる。
「ごめんごめん。君が投げた青いサイコロに一つだけ空白の部分があったでしょ。君が手にしたその瞬間に、君にふさわしい数が青色で浮き出るんだ」
そういうと、ピエロは駆け足でサイコロがある方へ向かった。
そして息を切らしながら帰ってくると、額に垂れた汗をふき取りながら少年の数を口にした。
「君の数字は『1』」
その言葉とともに青いサイコロがキラキラと光りだす。
金色の光があたり一面に差し込まれ、光が部屋中を包み込むとピエロはその光とともに一瞬にして姿を消した。
少年は慌ててピエロの名前を呼ぶと同時に、暗闇の奥の方から、優しく穏やかな何度も聞いたことのある、さっきまでいたピエロとは違う声が聞こえてくる。
少年は驚き目を丸くして、その明かりがさす方へ急いで走っていった。
一多く光が差し込むその場所へ近づくにつれ、何か人影のようなものが見えてくる。
その影はずっと少年が会いたかった人だった。
金色に輝くその椅子に座っていた人。
それは少年の『お母さん』。
「マ、マ、ママ・・・・・!?」
少年は女性の前でピタリと足を止め、目に涙を溜め込みじっと彼女を見つめていた。
それはまさしく、二年前に事故に巻き込まれて亡くなった母の姿だった。
小さき幼い少年は、母を亡くしてから自分の体を自らの手で傷つけてきた。
母の元へ行こうと、何度も何度も傷つけてきた。
しかし、誰かの手により止められて、母を追いかけることはできなかった。
それが母の方から迎えに来てくれたなんて・・・・。
少年は母の元へ身を寄せ、涙を流し続けた。
「少年は、青いサイコロを振ったんだ。僕の青いサイコロは死んだものを生き返らせる。
そんなことたやすいごようさ。あの子の心は自分への憎しみでいっぱいだった。
自分のせいで死んだんだと強く思い込んでいた。そういう子にはこの青いサイコロがお似合いさ」
「さぁ さぁ 今度は誰と遊ぼうか?」
END
ボクハキミカラウマレタンダヨ
ツライヨネ
イタイホドツタワルキミノニクシミ
デモホントウハコワインダ
キミガキエルトボクモキエル
キミガシアワセニナレバボクハキエル
ほらごらん
また来たよ
僕とのゲームを望んでる子が
嬉しいね
次々と現れる憎悪の塊
さぁ さぁ 一緒に遊ぼうか――――
「ここはどこ・・・?」
一人の少年が口元を手で押さえ、体を小刻みに震わせながら、薄暗い道を手探りで進む。
一歩ずつ重い足を前に出し、少年の目が暗闇に慣れてくる頃、ピエロは少年の手を掴み明かりをつける。
灯りに照らされ露わになった少年の体には、無数の傷跡が姿を現した。
「傷跡だらけの男の子 僕と一緒にゲームをしよう」
ピエロは少年の俯いている顔をのぞきこみ、赤い大きな口を尖らせにっこりと微笑んだ。
それにつられて少年も不安で強張っていた顔の糸が切れ、にっこりと一緒に微笑んだ。
「さぁ、このサイコロを振ってごらん」
ピエロは少年に青いサイコロを渡すと、サイコロの絵に疑問を抱いた少年は眉をひそめ、小さな声で問いかけた。
「どうして『1』と『2』と『3』の数しかないの?」
ピエロが渡した青いサイコロには『1』『2』『3』の数しか書かれていなかった。
「普通は『1』『2』『3』『4』『5』『6』でしょ?」
少年は返答の無いピエロに再び問いかけた。
しかし、ピエロはにこりと微笑んだまま、何も答えず少年にせかすように言った。
「さぁ さぁ はやく、サイコロを振ってよ」
質問に答えようとしないピエロを少年は不振に思ったが、満面の笑顔でこちらを見ているピエロを見ていると、気にしていた自分が馬鹿馬鹿しくなり、早く遊んであげなくてはいけない気がした。
そして少年は
カラッ コロコロ
少年が出したサイコロの目の数は――――
『1』
「そうだそうだ!うっかりしてた。はじめに数字を決めなくちゃいけなかったのに」
少年が投げたサイコロの前に立つと、急に地面に倒れ込み、手足を上下にバタバタさせて、両手で顔を覆った。
少年はゆっくりとその場に近づくと、ピエロの肩に手を当て優しい口調で言った。
「今から決めようよ」
その言葉を聞くと、ピエロは素早く立ち上がり、姿勢を整え
『待っていました!!』
と言わんばかりに少年の手を握った。
すると何かを思い出したのか、少年の手を離し両手でポンッと手を叩き合わせる。
「ごめんごめん。君が投げた青いサイコロに一つだけ空白の部分があったでしょ。君が手にしたその瞬間に、君にふさわしい数が青色で浮き出るんだ」
そういうと、ピエロは駆け足でサイコロがある方へ向かった。
そして息を切らしながら帰ってくると、額に垂れた汗をふき取りながら少年の数を口にした。
「君の数字は『1』」
その言葉とともに青いサイコロがキラキラと光りだす。
金色の光があたり一面に差し込まれ、光が部屋中を包み込むとピエロはその光とともに一瞬にして姿を消した。
少年は慌ててピエロの名前を呼ぶと同時に、暗闇の奥の方から、優しく穏やかな何度も聞いたことのある、さっきまでいたピエロとは違う声が聞こえてくる。
少年は驚き目を丸くして、その明かりがさす方へ急いで走っていった。
一多く光が差し込むその場所へ近づくにつれ、何か人影のようなものが見えてくる。
その影はずっと少年が会いたかった人だった。
金色に輝くその椅子に座っていた人。
それは少年の『お母さん』。
「マ、マ、ママ・・・・・!?」
少年は女性の前でピタリと足を止め、目に涙を溜め込みじっと彼女を見つめていた。
それはまさしく、二年前に事故に巻き込まれて亡くなった母の姿だった。
小さき幼い少年は、母を亡くしてから自分の体を自らの手で傷つけてきた。
母の元へ行こうと、何度も何度も傷つけてきた。
しかし、誰かの手により止められて、母を追いかけることはできなかった。
それが母の方から迎えに来てくれたなんて・・・・。
少年は母の元へ身を寄せ、涙を流し続けた。
「少年は、青いサイコロを振ったんだ。僕の青いサイコロは死んだものを生き返らせる。
そんなことたやすいごようさ。あの子の心は自分への憎しみでいっぱいだった。
自分のせいで死んだんだと強く思い込んでいた。そういう子にはこの青いサイコロがお似合いさ」
「さぁ さぁ 今度は誰と遊ぼうか?」
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