70 / 148
第3章 旧領へ。新たな統治
テパエ代官ネンズ
しおりを挟む
テパエについた時には、すでに夕方になっていた。
後半は順調だったが、途中の休憩に時間を取られすぎた。
ちょっと休んだら、腹がへったとかユルテが言い出し、森で食事休憩までとるハメになったのだ。本当は日帰りする予定だったのだが、ちょっと無理そうだ。
「な、なんだありゃ~!」「化物だ、化物が出たぞ!」「待て、誰か乗ってる!」
「ディニッサ様じゃないか!? ディニッサ様がこの街を滅ぼしにきたんだ!」
見ると、街では軽いパニックが起きていた。
たぶんテパエの住人にも、ディニッサをないがしろにしているという、後ろめたい気持ちがあるのだろう。だからこそ、ディニッサが怒って襲ってきたと判断したのだ。
あまり街の人を追い詰めると危なそうだ。
あくまで交渉でテパエを帰順させるのが目的であって、戦いに来たわけではないのだ。むしろ戦争になったら、それだけで敗北だと言っていい。
街の入り口あたりでシロを止めた。その場で待つ。
話に聞いている通りなら、代官が代表として出てくるはずだ。
──10分ほど待たされたあとで、人間ほどの大きさのコボルトがあらわれた。
普通のコボルトの倍近い身長で、話に聞いた特徴と一致する。
あいつが代官のネンズに違いない。
ネンズの手に握られた酒瓶を見て、オレは評価を一段下げた。
酒盛りにはまだ早いだろうに。
「おー、フェンリルだ! まさか本当だったとはなあ。それで姫様、こんな辺境に出向くなんてどんな風の吹き回しだい?」
「わらわがわらわの領地を訪れるのに、なんの不思議もあるまいよ」
ネンズは豪胆にもシロの鼻先まで歩いてきた。代官としてはすこし軽率に思えるが、みんなから聞いた評判どおりの行動でもある。
「そなた、わらわの領地の税をかすめ取っているようじゃな?」
オレの追求に、周囲の緊張が高まった。
その場にいるドワーフやコボルトたちが顔を青くする。
けれどネンズは、小憎たらしいほど余裕しゃくしゃくだった。
「姫様姫様、俺はトゥーヌル様に命じられてこの街の代官になったんだ。アンタの下についた覚えはないぜ。トゥーヌル様がアンタを助けろと言ったならともかく、現状アンタのためになにかをする気はねえな」
ネンズの言葉でさらに緊張が高まる。
侍女たちの敵意に満ちた視線が彼に集まり、シロが威嚇の唸り声をあげた。
(ディニッサ、敵。オレ、食イ殺ス?)
(やめよシロ。そなたは手をだすな)
自信なのか自暴自棄なのかわからないが、ネンズは堂々たる態度でオレたちを見上げていた。こちらはフェンリル+魔族4人だ。戦えばあっという間に殺されるとネンズもわかっているはずなんだけど。
「わらわを父上の後継者と認めぬと言うのか」
「アンタ、トゥーヌル様のあとを継ぐにふさわしいことをなんかしてたか?」
……ごもっとも。
ディニッサの9年間の活動──豪奢な料理を食べ、美麗な服を着る。お城から出ずに、お散歩、お昼寝、お絵かきをする。
ネンズの言葉を否定できるポイントが、どこにもない。
むしろ、直接的に襲わなかった分、ネンズたち代官を褒めてやっても良いくらいだ。
「……どうしたら、わらわを認めるのじゃ?」
「そりゃあ、やっぱ勝負だろ。俺は頭わりーからな。アンタが俺に勝ったら、その犬の餌にするなりなんなり好きにすりゃいいさ」
ネンズの反応は、事前に予想していた範疇だった。
それも、かなりオレに望ましい流れだ。
「わらわが勝てば言うことを聞くのじゃな?」
「ああ、なんなりと言いな」
「約束じゃぞ?」
「二言はねえ。けどオレに勝てるかな? フェンリルを倒したからといって──」
「──ディニッサちゃんは、10枚のコインを握りしめて市場にパンとリンゴを買いにいきました。パンはひとつ銀貨7枚でリンゴは1個につき銀貨3枚です」
「い、いきなりなに言ってやがるんだ?」
ネンズが面食らっている。
ネンズだけでなく、侍女や街の人間ふくめ全員があぜんとしていた。
だが、オレはかまわず続ける。
「ディニッサちゃんは、パンを9個とリンゴをいくつか買いました。その結果、コインの枚数が元より増えました。しかし元の倍以上にはなっていません。残ったコインは2種類で、偶然にも同じ枚数でそろっていました。また、買ったパンとリンゴの個数の合計は、残ったコインの枚数と同じでした。さて、最初に持っていた10枚のコインのうちわけと、最後に残ったコインの種類、枚数を答えてください」
「待て待て! なんの話だ!? 意味わからねえぞ」
「わらわは、算術勝負を要求するのじゃ!」
ネンズは殴り合いをしたかったのだろうが、オレにその気はない
まずは当初の予定通り、知力勝負をゴリ押ししてみた。
「さ、算術勝負……!?」
「そなたが勝負をふっかけてきたのだから、種目を決める権利は当然わらわにあるのじゃ。さ、早く解くがよいぞ」
「オレは、魔族同士の決闘って意味で──」
「恥を知れ! 後から条件を足すなど許されることではないのじゃ」
「う、あ……。し、しかたねえ。わかったよ。問題をもう一回、いや紙に書いてくれ。覚えきれねえ」
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ディニッサちゃんは、10枚のコインを握りしめて、市場にパンとリンゴを買いにいきました。パンはひとつ銀貨7枚でリンゴは1個につき銀貨3枚です。
ディニッサちゃんは、パンを9個とリンゴをいくつか買いました。その結果、コインの枚数が元より増えました。しかし元の倍以上にはなっていません。残ったコインは2種類で、偶然にも同じ枚数でそろっていました。
また、買ったパンとリンゴの個数の合計は、残ったコインの枚数と同じでした。
さて、最初に持っていた10枚のコインのうちわけと、最後に残ったコインの種類、枚数を答えてください
※ただしパンとリンゴの購入は一回の会計ですませることができます。またお店のひとは、もっともコインの枚数が少なくなるようにお釣りをくれます(金貨1枚の代わりに銀貨10枚を渡したりはしません)。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////
「なあ、一つ気になったんだが、パンとリンゴが高すぎじゃねえか?」
「それはどうでもよかろう。気になるなら酒にでもおきかえよ」
ネンズは声を出しながら、何度も問題を読みなおしている。
心配そうに遠巻きにしていた街の人達も、オレたちの様子をみて近づいてきた。
「ヒントをもらうのは禁止じゃぞ」
「わかってるさ。一騎打ちに加勢は呼ばねえ。……しかし姫様よー、ホントにこんな問題とけるのか? コインっていっても何種類もあるじゃねえか」
「大丈夫、頑張ればいけるのじゃ」
ちなみにコインの種類は、真金貨、真銀貨、真銅貨、白金貨、金貨、銀貨、黄銅貨、青銅貨の8種類もある。ひとつ右にいくごとに、ちょうど10倍の枚数と交換される。
* * * * *
30分ほどして、ネンズは降参した。
まわりを見ても問題を解けたのはフィアくらいのようだった。
基本の四則計算さえできれば、解けるはずなんだけどな。
「よしわらわの一勝じゃな。次はそなたが問題をだすがよい」
「も、問題か……。ね、ネンズ君は酒場でビールを12杯飲みました。ビールは一杯黄銅貨5枚です。ネンズ君はいくら支払えばいいでしょう?」
「黄銅貨60枚。銀貨6枚のほうが親切かもしれんが」
ネンズのふだんの生活がしのばれるような問題だった。
そして、おそろしく簡単だった。
まあ、問題を作るのにも知識がいる。いきなり作れと言われても難しい。
あらかじめ問題を用意できるこちらが、圧倒的に有利な勝負だったのだ。
「これでわらわのストレート勝ちじゃな。これからは、わらわを主として崇め奉るがよいぞ!」
「な、納得いかねえ……」
後半は順調だったが、途中の休憩に時間を取られすぎた。
ちょっと休んだら、腹がへったとかユルテが言い出し、森で食事休憩までとるハメになったのだ。本当は日帰りする予定だったのだが、ちょっと無理そうだ。
「な、なんだありゃ~!」「化物だ、化物が出たぞ!」「待て、誰か乗ってる!」
「ディニッサ様じゃないか!? ディニッサ様がこの街を滅ぼしにきたんだ!」
見ると、街では軽いパニックが起きていた。
たぶんテパエの住人にも、ディニッサをないがしろにしているという、後ろめたい気持ちがあるのだろう。だからこそ、ディニッサが怒って襲ってきたと判断したのだ。
あまり街の人を追い詰めると危なそうだ。
あくまで交渉でテパエを帰順させるのが目的であって、戦いに来たわけではないのだ。むしろ戦争になったら、それだけで敗北だと言っていい。
街の入り口あたりでシロを止めた。その場で待つ。
話に聞いている通りなら、代官が代表として出てくるはずだ。
──10分ほど待たされたあとで、人間ほどの大きさのコボルトがあらわれた。
普通のコボルトの倍近い身長で、話に聞いた特徴と一致する。
あいつが代官のネンズに違いない。
ネンズの手に握られた酒瓶を見て、オレは評価を一段下げた。
酒盛りにはまだ早いだろうに。
「おー、フェンリルだ! まさか本当だったとはなあ。それで姫様、こんな辺境に出向くなんてどんな風の吹き回しだい?」
「わらわがわらわの領地を訪れるのに、なんの不思議もあるまいよ」
ネンズは豪胆にもシロの鼻先まで歩いてきた。代官としてはすこし軽率に思えるが、みんなから聞いた評判どおりの行動でもある。
「そなた、わらわの領地の税をかすめ取っているようじゃな?」
オレの追求に、周囲の緊張が高まった。
その場にいるドワーフやコボルトたちが顔を青くする。
けれどネンズは、小憎たらしいほど余裕しゃくしゃくだった。
「姫様姫様、俺はトゥーヌル様に命じられてこの街の代官になったんだ。アンタの下についた覚えはないぜ。トゥーヌル様がアンタを助けろと言ったならともかく、現状アンタのためになにかをする気はねえな」
ネンズの言葉でさらに緊張が高まる。
侍女たちの敵意に満ちた視線が彼に集まり、シロが威嚇の唸り声をあげた。
(ディニッサ、敵。オレ、食イ殺ス?)
(やめよシロ。そなたは手をだすな)
自信なのか自暴自棄なのかわからないが、ネンズは堂々たる態度でオレたちを見上げていた。こちらはフェンリル+魔族4人だ。戦えばあっという間に殺されるとネンズもわかっているはずなんだけど。
「わらわを父上の後継者と認めぬと言うのか」
「アンタ、トゥーヌル様のあとを継ぐにふさわしいことをなんかしてたか?」
……ごもっとも。
ディニッサの9年間の活動──豪奢な料理を食べ、美麗な服を着る。お城から出ずに、お散歩、お昼寝、お絵かきをする。
ネンズの言葉を否定できるポイントが、どこにもない。
むしろ、直接的に襲わなかった分、ネンズたち代官を褒めてやっても良いくらいだ。
「……どうしたら、わらわを認めるのじゃ?」
「そりゃあ、やっぱ勝負だろ。俺は頭わりーからな。アンタが俺に勝ったら、その犬の餌にするなりなんなり好きにすりゃいいさ」
ネンズの反応は、事前に予想していた範疇だった。
それも、かなりオレに望ましい流れだ。
「わらわが勝てば言うことを聞くのじゃな?」
「ああ、なんなりと言いな」
「約束じゃぞ?」
「二言はねえ。けどオレに勝てるかな? フェンリルを倒したからといって──」
「──ディニッサちゃんは、10枚のコインを握りしめて市場にパンとリンゴを買いにいきました。パンはひとつ銀貨7枚でリンゴは1個につき銀貨3枚です」
「い、いきなりなに言ってやがるんだ?」
ネンズが面食らっている。
ネンズだけでなく、侍女や街の人間ふくめ全員があぜんとしていた。
だが、オレはかまわず続ける。
「ディニッサちゃんは、パンを9個とリンゴをいくつか買いました。その結果、コインの枚数が元より増えました。しかし元の倍以上にはなっていません。残ったコインは2種類で、偶然にも同じ枚数でそろっていました。また、買ったパンとリンゴの個数の合計は、残ったコインの枚数と同じでした。さて、最初に持っていた10枚のコインのうちわけと、最後に残ったコインの種類、枚数を答えてください」
「待て待て! なんの話だ!? 意味わからねえぞ」
「わらわは、算術勝負を要求するのじゃ!」
ネンズは殴り合いをしたかったのだろうが、オレにその気はない
まずは当初の予定通り、知力勝負をゴリ押ししてみた。
「さ、算術勝負……!?」
「そなたが勝負をふっかけてきたのだから、種目を決める権利は当然わらわにあるのじゃ。さ、早く解くがよいぞ」
「オレは、魔族同士の決闘って意味で──」
「恥を知れ! 後から条件を足すなど許されることではないのじゃ」
「う、あ……。し、しかたねえ。わかったよ。問題をもう一回、いや紙に書いてくれ。覚えきれねえ」
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ディニッサちゃんは、10枚のコインを握りしめて、市場にパンとリンゴを買いにいきました。パンはひとつ銀貨7枚でリンゴは1個につき銀貨3枚です。
ディニッサちゃんは、パンを9個とリンゴをいくつか買いました。その結果、コインの枚数が元より増えました。しかし元の倍以上にはなっていません。残ったコインは2種類で、偶然にも同じ枚数でそろっていました。
また、買ったパンとリンゴの個数の合計は、残ったコインの枚数と同じでした。
さて、最初に持っていた10枚のコインのうちわけと、最後に残ったコインの種類、枚数を答えてください
※ただしパンとリンゴの購入は一回の会計ですませることができます。またお店のひとは、もっともコインの枚数が少なくなるようにお釣りをくれます(金貨1枚の代わりに銀貨10枚を渡したりはしません)。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////
「なあ、一つ気になったんだが、パンとリンゴが高すぎじゃねえか?」
「それはどうでもよかろう。気になるなら酒にでもおきかえよ」
ネンズは声を出しながら、何度も問題を読みなおしている。
心配そうに遠巻きにしていた街の人達も、オレたちの様子をみて近づいてきた。
「ヒントをもらうのは禁止じゃぞ」
「わかってるさ。一騎打ちに加勢は呼ばねえ。……しかし姫様よー、ホントにこんな問題とけるのか? コインっていっても何種類もあるじゃねえか」
「大丈夫、頑張ればいけるのじゃ」
ちなみにコインの種類は、真金貨、真銀貨、真銅貨、白金貨、金貨、銀貨、黄銅貨、青銅貨の8種類もある。ひとつ右にいくごとに、ちょうど10倍の枚数と交換される。
* * * * *
30分ほどして、ネンズは降参した。
まわりを見ても問題を解けたのはフィアくらいのようだった。
基本の四則計算さえできれば、解けるはずなんだけどな。
「よしわらわの一勝じゃな。次はそなたが問題をだすがよい」
「も、問題か……。ね、ネンズ君は酒場でビールを12杯飲みました。ビールは一杯黄銅貨5枚です。ネンズ君はいくら支払えばいいでしょう?」
「黄銅貨60枚。銀貨6枚のほうが親切かもしれんが」
ネンズのふだんの生活がしのばれるような問題だった。
そして、おそろしく簡単だった。
まあ、問題を作るのにも知識がいる。いきなり作れと言われても難しい。
あらかじめ問題を用意できるこちらが、圧倒的に有利な勝負だったのだ。
「これでわらわのストレート勝ちじゃな。これからは、わらわを主として崇め奉るがよいぞ!」
「な、納得いかねえ……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです
忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる