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第6章 兆し
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その日は、朝から雨が降っていた。
「――よろしいようですね。万が一ということもございますから。……動きづらさや、違和感はございませんか?」
「うん……ありがとう」
神依は右肩に当て布をされた衣をまとい、うつむくように頷く。
布を増やしたのは、以前水に透けてしまったことのある日嗣の朱印を隠すためだ。外からはわからないよう、内側に透けにくい布を当てて禊が仕立て直してくれた。
なぜ日嗣や禊が同じ文言でこれを秘めたのか、今の神依には簡単に理解できる。日嗣に求められることの意味を、あのときの自分は正しく理解できていなかったのだ。
否、今も全てを正しく理解しているわけではない。ただ淡島の巫女という存在にとって、彼がどれだけ特別であったかは……もう嫌と言うほど理解させられた。
自分がどれほど天孫にふさわしくないかという話を、手を替え品を替えよく吹き込まれた。そしてついに、真っ向から問いただすにはあまりに過酷な……性を貶め、辱しめる内容まで出てきた。
けれど誰もが、それを直接は言ってこない。そういう話は風に乗せて、空気に混ぜて。
直接言えば、洞主や……それこそ日嗣や猿彦に告げ口されると思われているらしい。だがそのせいで、洞主や神たる猿彦まで悪く言う者まで出てきてしまった。
〝――お前、俺が怖くないのか?〟
かつて問われたそれが何を意味するか日嗣と並べられることでわかって、さらに穢れた自分を日嗣に近づけた禍津神だと言う者までいた。
それがやるせなくて、そうじゃないと神依が否定すればするほどに、美しい声が発する言葉は真実からはかけ離れていく。
やがて進貢に捧げる椿の花へは、哀しい謝罪の言葉が依りつくようになった。
その進貢の間でさえ腕の子龍を貶され、手にした小さな花を嗤われる。さりとて鮮やかなものを摘もうとすれば、それは禊に止められた。
わかっている。わかってはいるけれど――手のひらにある、小さなものを蔑まれるのは心が痛んだ。雑草だと罵られるのは、悔しかった。
それは確かにまだ小さいけれど、神依が淡島に流れ着いてからずっと神依の心の中にある存在だった。繋がってきた縁だった。培ってきた絆だった。
彼女たちだって、きっと流れ着いた頃はそれを覚えていただろうに――。
それが見下されるたびに、体の奥で何かが……ねじ切られんばかりにみちみちと音を立てて、ひしゃげていく気がしていた。
それはとても痛くて、平気なふりをしても、水滴が溜まるように、塵が積もるように、どうしようもない切なさを心の器に溜めていく。それを朝までに空にするように、夜、布団の中で思い出しては音も立てず泣いたこともあった。けれどそれは結局、自分がいかに孤立しているかをまざまざと思い知らされるだけだった。
***
「……じゃあ、いってきます」
「はい。今日は夕刻まで雨のようですから、もし外に出るようなことがありましたらお気をつけください」
「うん。……、いろいろ……心配かけて、ごめんなさい……」
「……そのお言葉は、今更です。もう慣れました」
「……うん」
そのひねくれた物言いに力なく笑む主に、禊もそれ以上の言葉もなく見送る。具合が悪そうに見えた。
だが奥社にいた間を含め、一ヶ月あまり――神依は何とかぎりぎりで持ちこたえ、ようやくここまで来ることができた。御霊祭ももう目前で、段々と稽古も本番に似せて行われるようになってきた。
だが――相変わらず、巫女たちとの関係は芳しくない。
いや、今になって思えば最初の方がどれだけましだったろうと思う。舞が下手だの才能がないだの物覚えが悪いだの、直接的に言われていた方がまだ気楽だった。怒る元気も出てくるし、事実そのとおりだったのだから仕方ない。
ただ三週間が経ち、所作が形になってくると今度は別のところに別の悪意が向けられるようになった。それは先のように神依自身のこともあるし、洞主や猿彦のこともあるし……禊や童のこともある。
特に童が心配だったが、家ではそんな素振り微塵も見せない。毎日神依を元気づけようと明るく振る舞い、一日の出来事を一生懸命語ってくれたり、心ない中傷から食を細らせた神依のために甘い野菜を持ち込み、禊に食卓に上らせるよう頼んでくれているのも見た。また鼠軼や鼠英も夕餉の席にともに並ぶようになって、酔っ払うまで酒を飲んでは場を賑やかし、騒いでみせてくれる。だから、神依は何とかここまで来れた。
「……おはようございます」
神楽殿に入ると、神依以外の皆はすでに集まって何やらひそひそと話をしていた。時折甲高い歓声が上がって、神依が一応の礼儀として返ってこない挨拶をすれば、それを機に悪意のある眼差しと笑い声が一斉に向かってくる。
もう気にしないようにして、そのままいつもの場所に荷物を下ろして準備を始める。
手提げを広げれば中に見慣れない紙の包みがあって、何だろうと開いてみれば、中には可愛い絵柄の飴が入っていた。
(……禊)
ご丁寧に、飴玉はそのどれもが色が違うし絵も違う。その変な几帳面さで、すぐに誰の仕業かわかった。
(甘いもの、いらないって言ったのに。わたし……あんな八つ当たりみたいなことしちゃったのに)
どんな大きな悪意よりも、小さな慰めの方に涙が浮かぶのはなぜだろう。
(本当にあまのじゃく……)
しかし神依は可愛くない女の子だったので、人前で泣くことだけはしなかった。目が痒かっただけ、と何事もないように一度袖で目元をぬぐい、瞳を空気に晒す。
(全部済むまで、泣かない)
めそめそすればきっと相手もそれを面白がって調子づく。それでまた涙を見せるような、弱い自分も嫌だった。
否――それが逆に気にくわなかったのか……壁になってしまったのかもしれないが……。
(でも……)
禊に連れられて見た祭祀の中の彼女たちは本当に綺麗だった。舞を見るのは楽しかったし、空気を満たす楽の音も好きだった。
だから一生懸命頑張れば、同じものを志せば、実力は敵わなくても、認めてくれる者が現れるかもしれない。儀式が成功すれば、違った関係を築けるかもしれない。
(最初から上手くいくことなんて、きっと大したことじゃない。今苦しいのは……きっと神様が、もっと良いご縁を探してくれてるから)
一時の不遇を嘆くより、あの水霊と大役を任せてくれた日嗣、応援してくれた猿彦や洞主、思いやってくれる禊と童、小さな神様たちのために頑張ろう、頑張って儀式を成功させようと自分に言い聞かせて、神依は飴玉をしまい立ち上がる。
その日は午後から洞主と大兄が訪れ、音楽も舞も神詞も、すべてを通して稽古が行われた。巫女たちとの不和を抜きにしても、舞どころか歩き方や礼の仕方まで厳しく仕込まれたこの一ヶ月あまり――神依は洞主の見守る中で、ただ一差し……三人の中心で、できる限りの舞を披露してみせた。
「――皆ようやった。此度は御令孫御自らのお降りであり、また一から全てが常ならず、重責に惑うこと、心魂を乱すこともあったと思う。しかしここに至っては、今日の天気を禊ぎの雨と思い――後は残された時間、今一度己が心構えを正して体を労り、端々まで抜かりなきよう、本番までに万全を期するように。……」
(――洞主様……!)
そうして洞主は最後に巫女らを集めそう語り、神依だけに特別に声をかけれぬぶん、やわらかい笑顔と眼差しとで、良くやったとその心を抱いてくれた。
――頑張ってよかった。
そのささやかな優しさが、今の神依の身と心には必要だった。洞主の言葉はたしかに、巫女たちへのものであり神依へのものでもあった。巫女たちもそのときばかりは何の思惑もないように笑みを交え、各々の技を讃え合っていた。
「――よろしいようですね。万が一ということもございますから。……動きづらさや、違和感はございませんか?」
「うん……ありがとう」
神依は右肩に当て布をされた衣をまとい、うつむくように頷く。
布を増やしたのは、以前水に透けてしまったことのある日嗣の朱印を隠すためだ。外からはわからないよう、内側に透けにくい布を当てて禊が仕立て直してくれた。
なぜ日嗣や禊が同じ文言でこれを秘めたのか、今の神依には簡単に理解できる。日嗣に求められることの意味を、あのときの自分は正しく理解できていなかったのだ。
否、今も全てを正しく理解しているわけではない。ただ淡島の巫女という存在にとって、彼がどれだけ特別であったかは……もう嫌と言うほど理解させられた。
自分がどれほど天孫にふさわしくないかという話を、手を替え品を替えよく吹き込まれた。そしてついに、真っ向から問いただすにはあまりに過酷な……性を貶め、辱しめる内容まで出てきた。
けれど誰もが、それを直接は言ってこない。そういう話は風に乗せて、空気に混ぜて。
直接言えば、洞主や……それこそ日嗣や猿彦に告げ口されると思われているらしい。だがそのせいで、洞主や神たる猿彦まで悪く言う者まで出てきてしまった。
〝――お前、俺が怖くないのか?〟
かつて問われたそれが何を意味するか日嗣と並べられることでわかって、さらに穢れた自分を日嗣に近づけた禍津神だと言う者までいた。
それがやるせなくて、そうじゃないと神依が否定すればするほどに、美しい声が発する言葉は真実からはかけ離れていく。
やがて進貢に捧げる椿の花へは、哀しい謝罪の言葉が依りつくようになった。
その進貢の間でさえ腕の子龍を貶され、手にした小さな花を嗤われる。さりとて鮮やかなものを摘もうとすれば、それは禊に止められた。
わかっている。わかってはいるけれど――手のひらにある、小さなものを蔑まれるのは心が痛んだ。雑草だと罵られるのは、悔しかった。
それは確かにまだ小さいけれど、神依が淡島に流れ着いてからずっと神依の心の中にある存在だった。繋がってきた縁だった。培ってきた絆だった。
彼女たちだって、きっと流れ着いた頃はそれを覚えていただろうに――。
それが見下されるたびに、体の奥で何かが……ねじ切られんばかりにみちみちと音を立てて、ひしゃげていく気がしていた。
それはとても痛くて、平気なふりをしても、水滴が溜まるように、塵が積もるように、どうしようもない切なさを心の器に溜めていく。それを朝までに空にするように、夜、布団の中で思い出しては音も立てず泣いたこともあった。けれどそれは結局、自分がいかに孤立しているかをまざまざと思い知らされるだけだった。
***
「……じゃあ、いってきます」
「はい。今日は夕刻まで雨のようですから、もし外に出るようなことがありましたらお気をつけください」
「うん。……、いろいろ……心配かけて、ごめんなさい……」
「……そのお言葉は、今更です。もう慣れました」
「……うん」
そのひねくれた物言いに力なく笑む主に、禊もそれ以上の言葉もなく見送る。具合が悪そうに見えた。
だが奥社にいた間を含め、一ヶ月あまり――神依は何とかぎりぎりで持ちこたえ、ようやくここまで来ることができた。御霊祭ももう目前で、段々と稽古も本番に似せて行われるようになってきた。
だが――相変わらず、巫女たちとの関係は芳しくない。
いや、今になって思えば最初の方がどれだけましだったろうと思う。舞が下手だの才能がないだの物覚えが悪いだの、直接的に言われていた方がまだ気楽だった。怒る元気も出てくるし、事実そのとおりだったのだから仕方ない。
ただ三週間が経ち、所作が形になってくると今度は別のところに別の悪意が向けられるようになった。それは先のように神依自身のこともあるし、洞主や猿彦のこともあるし……禊や童のこともある。
特に童が心配だったが、家ではそんな素振り微塵も見せない。毎日神依を元気づけようと明るく振る舞い、一日の出来事を一生懸命語ってくれたり、心ない中傷から食を細らせた神依のために甘い野菜を持ち込み、禊に食卓に上らせるよう頼んでくれているのも見た。また鼠軼や鼠英も夕餉の席にともに並ぶようになって、酔っ払うまで酒を飲んでは場を賑やかし、騒いでみせてくれる。だから、神依は何とかここまで来れた。
「……おはようございます」
神楽殿に入ると、神依以外の皆はすでに集まって何やらひそひそと話をしていた。時折甲高い歓声が上がって、神依が一応の礼儀として返ってこない挨拶をすれば、それを機に悪意のある眼差しと笑い声が一斉に向かってくる。
もう気にしないようにして、そのままいつもの場所に荷物を下ろして準備を始める。
手提げを広げれば中に見慣れない紙の包みがあって、何だろうと開いてみれば、中には可愛い絵柄の飴が入っていた。
(……禊)
ご丁寧に、飴玉はそのどれもが色が違うし絵も違う。その変な几帳面さで、すぐに誰の仕業かわかった。
(甘いもの、いらないって言ったのに。わたし……あんな八つ当たりみたいなことしちゃったのに)
どんな大きな悪意よりも、小さな慰めの方に涙が浮かぶのはなぜだろう。
(本当にあまのじゃく……)
しかし神依は可愛くない女の子だったので、人前で泣くことだけはしなかった。目が痒かっただけ、と何事もないように一度袖で目元をぬぐい、瞳を空気に晒す。
(全部済むまで、泣かない)
めそめそすればきっと相手もそれを面白がって調子づく。それでまた涙を見せるような、弱い自分も嫌だった。
否――それが逆に気にくわなかったのか……壁になってしまったのかもしれないが……。
(でも……)
禊に連れられて見た祭祀の中の彼女たちは本当に綺麗だった。舞を見るのは楽しかったし、空気を満たす楽の音も好きだった。
だから一生懸命頑張れば、同じものを志せば、実力は敵わなくても、認めてくれる者が現れるかもしれない。儀式が成功すれば、違った関係を築けるかもしれない。
(最初から上手くいくことなんて、きっと大したことじゃない。今苦しいのは……きっと神様が、もっと良いご縁を探してくれてるから)
一時の不遇を嘆くより、あの水霊と大役を任せてくれた日嗣、応援してくれた猿彦や洞主、思いやってくれる禊と童、小さな神様たちのために頑張ろう、頑張って儀式を成功させようと自分に言い聞かせて、神依は飴玉をしまい立ち上がる。
その日は午後から洞主と大兄が訪れ、音楽も舞も神詞も、すべてを通して稽古が行われた。巫女たちとの不和を抜きにしても、舞どころか歩き方や礼の仕方まで厳しく仕込まれたこの一ヶ月あまり――神依は洞主の見守る中で、ただ一差し……三人の中心で、できる限りの舞を披露してみせた。
「――皆ようやった。此度は御令孫御自らのお降りであり、また一から全てが常ならず、重責に惑うこと、心魂を乱すこともあったと思う。しかしここに至っては、今日の天気を禊ぎの雨と思い――後は残された時間、今一度己が心構えを正して体を労り、端々まで抜かりなきよう、本番までに万全を期するように。……」
(――洞主様……!)
そうして洞主は最後に巫女らを集めそう語り、神依だけに特別に声をかけれぬぶん、やわらかい笑顔と眼差しとで、良くやったとその心を抱いてくれた。
――頑張ってよかった。
そのささやかな優しさが、今の神依の身と心には必要だった。洞主の言葉はたしかに、巫女たちへのものであり神依へのものでもあった。巫女たちもそのときばかりは何の思惑もないように笑みを交え、各々の技を讃え合っていた。
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