世界一優しい死神さん

杜鵑花

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余命6日①

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 そして朝、俺は目を覚ました。
学校に行くべく俺はリビングに急いだ。
リビングの扉を開けるとそこには死神がいた。

「あっおはよ~よく眠れた?」

リビングの机の上には美味しそうな朝食が並べられていた。

「あぁおはよう……これどうしたんだ?」

「あぁこれはね……今死神としての業務がなくて暇だったから気分で作ってみた!」

「何でわざわざ俺のところなんだ?他にもいただろ?」
「死神は気分屋なんだよ~」

死神はいたずらっぽく笑いながら言った。
俺はその笑顔に危うく惚れてしまうところだった。
あいつは死神……死神…死神!ふぅひとまずこれで大丈夫だろう。

「どうしたの?急に黙って……あっもしかして迷惑だった?」

「いや全然そんなことないよ!逆に嬉しいよ朝食を作ってくれて……」

「ほんと?それなら良かった。早速食べてみてよ!久しぶりの料理だから味は分からないんだ~」

「お前はいらないのか?」

「死神は食べ物を食べないのです!便利でしょう?」

死神は自信満々にいった。

「いやでも……たまには食事を楽しむために食べておいたほうがいいんじゃないか?」

俺は食事を楽しむものだと思っている。それは人間でも死神でもだ。

「そうだね……たまにはそういうのも悪くないかな……でも今日は気分じゃないかな。」

「そうか……じゃあ気が向いたらまた言ってくれ。それじゃあ……いただきます!」

俺は死神が作った美味しそうな朝食を頬張った。

「どうかな?正直な感想を言ってくれると嬉しいな……」

「いや……これで店を出せるよ!そのレベルぐらい美味しい!」

「ありがとう!お世辞でも嬉しいよ。」

「いいやお世辞じゃないさ……ごちそうさまでした。」

俺は朝食が美味しすぎて音速の速さで完食してしまった。これには大食いタレントもびっくりだろう。

「えっ速!食べるの速!一瞬目を逸らしたらもうなくなってる!」

どうやら人外も驚かせられたらしい。

「それぐらい美味しかったってことさ。」

「えっもう制服着てる!速い!準備が速い!しかも制服ってことは学校に行くの!?やっぱり君は他の人とは違うみたいだね。残りの寿命を使って学校に行く人なんて初めて見た。」

「えっ他の人は学校に行ってないのか?」

「うん……他の人は自暴自棄になって暴れたりしたんだよ。自分の命が尽きようとすると最期だからという理由でおかしくなってしまう欲に取り込まれてしまうからね。」

「俺は今……平凡な日々を求めているからな。まぁ俺もいずれ他の人みたいになるかもしれないがな。」

「そうならないことを信じてるよ。」

「あぁ俺もそう信じたいよ。じゃあ学校に行ってくる。」

「気を付けてね。」

俺は家を出た。
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