異世界団地

あるちゃいる

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24話

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 その次の日の朝、私達はようやくこの村から出立出来た。
無駄に長い滞在であったし、得るものは何も無かった。

 村長不在になったあの村が、今後どのようになって行くのかは分からない、神のみぞ知るってやつだろう

 そんなこんなで、我が道を突き進む我々は次の町へと向かっていたが、思わぬハプニングとは続くものであるらしく、大きな川の手前で立ち往生を余儀なくされていた。

 この川は幅は広いが浅瀬が多く、人だけならば船で渡れば通れるが、馬車などを使っている人達は渡るすべが無く、直る日を今か今かと待ち侘びる日々を送っていたそうな。

 橋が壊れてから直してくれとお願いして、橋大工なる人達が来るまでに1ヶ月、見積もりで更に1ヶ月、資材搬入で更に1ヶ月過ぎて、滞在する人達も増えに増えていつしか此処に村が出来た。

 殆どの馬車が商業関係者だったもんだから、市場が立ち、それを利用する近隣者が通うのは面倒だと住み始め

 今じゃ流通の要にまでなってしまった

 方方から来る人がここで一度滞在する為だった、市があるなら当然偶々来た人も商売するんで店を出す。それを買いに人が集まりトントン拍子にもう直ぐ街になるそうだ。

 何だそりゃってなるのも無理はない。
橋も一向に直る気配すらないと来れば滞在する他なかったからだ。

 流石に馬車を処分するわけにも行かず、私達もこの街で滞在することになったのだが、先を急ぐ訳ではないとはいえ、長期滞在は困る。ならどうすべきか?

 猫ニャン出番だ! とばかりに酒で釣り上げ、魔法で橋を製造してレンガ造りの立派な橋が完成した。

 だがしかし、ここに市場というか街が出来始めてた。当然向こう岸にも出来始めてた街は、橋で繋がり大都市へと成長したもんだから、お祭騒ぎになってしまい、馬車で通行できない程人が溢れてしまった。

 こうなりゃ、ヤケクソだ! と、ばかりに私達の屋台も橋の入り口で店を構えて商売を始めた。

 今思えばそれが良くなかった……。
美味い飯屋と評判になり、珍しく美味い酒まであるってんで、連日満員御礼の大繁盛になってしまい、全く動けなくなった。

 「オヤジ……どーすんのこれ」と一樹が呆れ

「流石にちょっと……」と、困り顔の楓に
「お酒の残りが寂しいにゃ……」と、飲んだの大半お猫様だからね⁉と、ツッコミ

 流石に長居し過ぎたと旅支度を始めたら、移動したら困るデモが、始まってしまった。

 これは正直ウザイ
どーしたものかと悩んだ末に仕入れに行かないと酒も何も無いと言ってみた。

 すると、度数の無いエールはどうかと勧められ他の品で頼むと言われる始末

 だがしかし、此方も拘りがあるから出来る商売だと諭し、これが出来ないならもう商売辞める!と、暴れてみた。

 その結果、いつか戻ると約束させられ旅立つ事が出来たのだけれど、困ったのは酒の仕入先が異世界って事だ。

 悩んだ末にエールを蒸留して、ウィスキー作るか? となった訳だが、これが中々難しい。

 二度蒸留しないと、現代のようなウィスキーにはならないのだ

 しかも、それを作るには個人では限界がある。頭を捻って考えても埒が明かなくなり、本格的に辞めるか……と、考えていたら。

 ついに日本酒が空になったとわめき出した猫が「買いに行くニャ! 幹太! 儂に捕まるのニャ!」と、捕まったらテレポートして、元の店の前迄移動した。

 チョットどういう事か襟首掴んで聞いてみたら、日本酒あれば他の酒などどうでも良かったので、何も言わなかったらしい。

 はぁぁ……とため息が漏れ儲けた金貨を日本円に換金し、全て使って業者に発注し、前に買った分の2倍の酒を購入して馬車へと戻った。

 さあ出発ってなったのだが……
「やい猫よ、お前の能力なら目的地に直ぐ行けるんじゃないか⁉」と、問えば
目を逸らしやがった。「知らないニャー」とか、遅いからね!?

 まぁ、何か目的があるのだろうという考えに至ったので文句は言わなかったけど……。

 本当にこの旅の目的が何なのかサッパリ分からないお父さんでした。

    
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