24 / 56
24話
しおりを挟む
その次の日の朝、私達はようやくこの村から出立出来た。
無駄に長い滞在であったし、得るものは何も無かった。
村長不在になったあの村が、今後どのようになって行くのかは分からない、神のみぞ知るってやつだろう
そんなこんなで、我が道を突き進む我々は次の町へと向かっていたが、思わぬハプニングとは続くものであるらしく、大きな川の手前で立ち往生を余儀なくされていた。
この川は幅は広いが浅瀬が多く、人だけならば船で渡れば通れるが、馬車などを使っている人達は渡るすべが無く、直る日を今か今かと待ち侘びる日々を送っていたそうな。
橋が壊れてから直してくれとお願いして、橋大工なる人達が来るまでに1ヶ月、見積もりで更に1ヶ月、資材搬入で更に1ヶ月過ぎて、滞在する人達も増えに増えていつしか此処に村が出来た。
殆どの馬車が商業関係者だったもんだから、市場が立ち、それを利用する近隣者が通うのは面倒だと住み始め
今じゃ流通の要にまでなってしまった
方方から来る人がここで一度滞在する為だった、市があるなら当然偶々来た人も商売するんで店を出す。それを買いに人が集まりトントン拍子にもう直ぐ街になるそうだ。
何だそりゃってなるのも無理はない。
橋も一向に直る気配すらないと来れば滞在する他なかったからだ。
流石に馬車を処分するわけにも行かず、私達もこの街で滞在することになったのだが、先を急ぐ訳ではないとはいえ、長期滞在は困る。ならどうすべきか?
猫ニャン出番だ! とばかりに酒で釣り上げ、魔法で橋を製造してレンガ造りの立派な橋が完成した。
だがしかし、ここに市場というか街が出来始めてた。当然向こう岸にも出来始めてた街は、橋で繋がり大都市へと成長したもんだから、お祭騒ぎになってしまい、馬車で通行できない程人が溢れてしまった。
こうなりゃ、ヤケクソだ! と、ばかりに私達の屋台も橋の入り口で店を構えて商売を始めた。
今思えばそれが良くなかった……。
美味い飯屋と評判になり、珍しく美味い酒まであるってんで、連日満員御礼の大繁盛になってしまい、全く動けなくなった。
「オヤジ……どーすんのこれ」と一樹が呆れ
「流石にちょっと……」と、困り顔の楓に
「お酒の残りが寂しいにゃ……」と、飲んだの大半お猫様だからね⁉と、ツッコミ
流石に長居し過ぎたと旅支度を始めたら、移動したら困るデモが、始まってしまった。
これは正直ウザイ
どーしたものかと悩んだ末に仕入れに行かないと酒も何も無いと言ってみた。
すると、度数の無いエールはどうかと勧められ他の品で頼むと言われる始末
だがしかし、此方も拘りがあるから出来る商売だと諭し、これが出来ないならもう商売辞める!と、暴れてみた。
その結果、いつか戻ると約束させられ旅立つ事が出来たのだけれど、困ったのは酒の仕入先が異世界って事だ。
悩んだ末にエールを蒸留して、ウィスキー作るか? となった訳だが、これが中々難しい。
二度蒸留しないと、現代のようなウィスキーにはならないのだ
しかも、それを作るには個人では限界がある。頭を捻って考えても埒が明かなくなり、本格的に辞めるか……と、考えていたら。
ついに日本酒が空になったとわめき出した猫が「買いに行くニャ! 幹太! 儂に捕まるのニャ!」と、捕まったらテレポートして、元の店の前迄移動した。
チョットどういう事か襟首掴んで聞いてみたら、日本酒あれば他の酒などどうでも良かったので、何も言わなかったらしい。
はぁぁ……とため息が漏れ儲けた金貨を日本円に換金し、全て使って業者に発注し、前に買った分の2倍の酒を購入して馬車へと戻った。
さあ出発ってなったのだが……
「やい猫よ、お前の能力なら目的地に直ぐ行けるんじゃないか⁉」と、問えば
目を逸らしやがった。「知らないニャー」とか、遅いからね!?
まぁ、何か目的があるのだろうという考えに至ったので文句は言わなかったけど……。
本当にこの旅の目的が何なのかサッパリ分からないお父さんでした。
無駄に長い滞在であったし、得るものは何も無かった。
村長不在になったあの村が、今後どのようになって行くのかは分からない、神のみぞ知るってやつだろう
そんなこんなで、我が道を突き進む我々は次の町へと向かっていたが、思わぬハプニングとは続くものであるらしく、大きな川の手前で立ち往生を余儀なくされていた。
この川は幅は広いが浅瀬が多く、人だけならば船で渡れば通れるが、馬車などを使っている人達は渡るすべが無く、直る日を今か今かと待ち侘びる日々を送っていたそうな。
橋が壊れてから直してくれとお願いして、橋大工なる人達が来るまでに1ヶ月、見積もりで更に1ヶ月、資材搬入で更に1ヶ月過ぎて、滞在する人達も増えに増えていつしか此処に村が出来た。
殆どの馬車が商業関係者だったもんだから、市場が立ち、それを利用する近隣者が通うのは面倒だと住み始め
今じゃ流通の要にまでなってしまった
方方から来る人がここで一度滞在する為だった、市があるなら当然偶々来た人も商売するんで店を出す。それを買いに人が集まりトントン拍子にもう直ぐ街になるそうだ。
何だそりゃってなるのも無理はない。
橋も一向に直る気配すらないと来れば滞在する他なかったからだ。
流石に馬車を処分するわけにも行かず、私達もこの街で滞在することになったのだが、先を急ぐ訳ではないとはいえ、長期滞在は困る。ならどうすべきか?
猫ニャン出番だ! とばかりに酒で釣り上げ、魔法で橋を製造してレンガ造りの立派な橋が完成した。
だがしかし、ここに市場というか街が出来始めてた。当然向こう岸にも出来始めてた街は、橋で繋がり大都市へと成長したもんだから、お祭騒ぎになってしまい、馬車で通行できない程人が溢れてしまった。
こうなりゃ、ヤケクソだ! と、ばかりに私達の屋台も橋の入り口で店を構えて商売を始めた。
今思えばそれが良くなかった……。
美味い飯屋と評判になり、珍しく美味い酒まであるってんで、連日満員御礼の大繁盛になってしまい、全く動けなくなった。
「オヤジ……どーすんのこれ」と一樹が呆れ
「流石にちょっと……」と、困り顔の楓に
「お酒の残りが寂しいにゃ……」と、飲んだの大半お猫様だからね⁉と、ツッコミ
流石に長居し過ぎたと旅支度を始めたら、移動したら困るデモが、始まってしまった。
これは正直ウザイ
どーしたものかと悩んだ末に仕入れに行かないと酒も何も無いと言ってみた。
すると、度数の無いエールはどうかと勧められ他の品で頼むと言われる始末
だがしかし、此方も拘りがあるから出来る商売だと諭し、これが出来ないならもう商売辞める!と、暴れてみた。
その結果、いつか戻ると約束させられ旅立つ事が出来たのだけれど、困ったのは酒の仕入先が異世界って事だ。
悩んだ末にエールを蒸留して、ウィスキー作るか? となった訳だが、これが中々難しい。
二度蒸留しないと、現代のようなウィスキーにはならないのだ
しかも、それを作るには個人では限界がある。頭を捻って考えても埒が明かなくなり、本格的に辞めるか……と、考えていたら。
ついに日本酒が空になったとわめき出した猫が「買いに行くニャ! 幹太! 儂に捕まるのニャ!」と、捕まったらテレポートして、元の店の前迄移動した。
チョットどういう事か襟首掴んで聞いてみたら、日本酒あれば他の酒などどうでも良かったので、何も言わなかったらしい。
はぁぁ……とため息が漏れ儲けた金貨を日本円に換金し、全て使って業者に発注し、前に買った分の2倍の酒を購入して馬車へと戻った。
さあ出発ってなったのだが……
「やい猫よ、お前の能力なら目的地に直ぐ行けるんじゃないか⁉」と、問えば
目を逸らしやがった。「知らないニャー」とか、遅いからね!?
まぁ、何か目的があるのだろうという考えに至ったので文句は言わなかったけど……。
本当にこの旅の目的が何なのかサッパリ分からないお父さんでした。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる