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4話

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 「カオル今日は泊まって行くだろ?」
そう聞かれた。「う、うん……」俯き耳まで紅くなる。男友達の部屋に泊まると言うと親は迷惑じゃないのか? と聞いてきたが、ひとり暮らしで可哀想とかいうと、お前は優しいな。
酒とか飲むなよ?と言われ受話器を置いた

 まぁ彼氏彼女の関係ではあるんだけどね……。とは、言えず。

 少し後ろめたさを感じながらチラッと始を見る。今、始はご飯を作っている。何気に細かい奴だった。

 「と言ってもカレーだけどな!」と、笑う。勉強のあと話をしてひとり暮らしで、飯はどうしてるのか聞いたら、自炊をしてるという。弁当は流石にコンビニだけどと笑い。夜はほぼカレー……。いや、いーんだけとね?

 俺が作れれば作ってやるのに……
俺は家庭科が苦手たった
エプロンすると女に間違われて揶揄われたりした事もあって、台所に立つのに少し抵抗感が芽生えてしまって……
 でもこれからは立てそうな気がする
美味しい御飯を作って始から褒められたい。そう思った。

 このあと始特性カレーを、食べた。メチャウマだった、なんだこれ。作り方を聞いたら、普通だってと笑いながら教えてくれた。

 玉葱を5個微塵切りにしたら鍋で飴色になるまで焼く、玉葱から水が出るからそのまま、煮る。煮始めて形が崩れるかどうかってなったら、クラッシュトマトを入れて(鍋の7割くらいまで)再び煮る。一つの泡が出るくらいの火加減で30分程煮たら、フライパンでお肉を焼く、人参とざく切り玉葱も一緒に炒めて置く。カレー鍋の火を止めてカレールーを混ぜたらそのまま、溶かす(予熱で)とけたら、フライパンの肉野菜を混ぜて火を付けてまた、混ぜるんだって
煮立ったらお終い。

 手間暇掛けてるんだねーと驚いた。
何言ってんだよ、薫の笑顔が見たいからに決まってんじゃん。

 うわー……。顔がめっちゃ赤くなるのが、スッゲわかるー……。なんだよもーっと、上目遣いでしか見れなくなってると、食べ終わった始が、「風呂……先入る? 一緒に入る? 」と、言ってきて。フェッ!?て、なってしまった。

 「ぁ……ぅ……」しか、言葉が出ねーとか、まじでやべーからな! 

 「ご、ごめ! 先入るわ!」って、風呂場へ走ってった。 少し股間を抑えてたけど大丈夫かな?
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