「元」面倒くさがりの異世界無双

空里

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訓練と成長

パーティー

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パーティーは夜開催されるということだった。
レクスが国王に挨拶に行ったのだが、護衛としてついてきていた僕に真っ先にお礼を言ってきた。
王子様より優先して大丈夫なのかと思ったがレクスも気にしてなさそうだったので僕も気にしないことにした。
経緯の説明や国王への挨拶などで朝には到着していたのだが、正午くらいになっていた。
昼食は各自でとることになった。
僕は護衛なのでレクスと一緒に行動するのだと思っていたのだが、マイと過ごすことになった。
レクスは元々最上級の魔獣と戦ったものは休ませるべきと考えていたと言っていたが、絶対に他の目的があると断言出来る。
というのもマイはさっきのことをまだ怒っているのか機嫌が悪い。1回落ち着いたと思ったんだけどな。そう簡単には許してくれそうにない。
よく言えば仲直りしろと言っているのだが、
実際は僕が困っているところを遠くから見て楽しんでいるのだろう。
ちなみに今は昼食をとっている。
前と同じように沈黙だ。1週間で大分マシになっていたのだが逆戻りである。
その原因を作ったのは僕とも言える。
魔獣に責任をとれなんて言えないし。
なので意を決して話しかけた。
「マイ、本当にごめん。ただあの言葉は嘘偽りなく本当のことだよ。」
自分で言ってて恥ずかしくなってきて顔が赤くなっていく感覚を覚える。
マイは少し頬を赤らめながら
「もう無茶をしないって約束してください。」
「うん、約束する。」
「でも、今日はありがとうございました。カイ君がいなかったら私たちは死んでいたかもしれません。」
どう返して良いか少し戸惑ったがどういたしましてと返した。
それから後は機嫌も直ったようだった。
農業が盛んな国ではあるが街にはそこまで畑などはない。どこかに大きい農場があるのだろう。
街並みは至って普通だった。
そして色々な店に行った後休憩もかねてカフェに入った。
「ねえ、マイ。」
「何ですか?」
「敬語はやめようよ。そのもう僕達こ、恋人同士なん……だからさ。」
恥ずかしくなってきて途中で少し詰まってしまった。
「う~ん、カイ君が言うなら分かったよ。」
この会話以降マイとの距離が少し近づいた気がしていた。
そうして時間が過ぎていきパーティーが始まった。
初めに僕が紹介されて英雄とまで言われた。騒ぎすぎだと思ったのだが、レクスの身分は隠している。
ここにいるほとんどの人が旅をしてることを知らないからだ。
そのため僕が目立つ方が都合が良いとレクスに言われた。
そして今僕は貴族の令嬢らしき人達に囲まれている。
囲まれてしまってからレクスやマイがいるテーブルから少し離れてしまい、その間にも人が来たので帰れなくなっている。
初めは当たり障りのない質問だけだったのだが、途中から自分のアピールをして婚約をしてくれと頼まれだした。
僕はマイがいるので断るつもりだったのだが勢いが凄すぎてなかなか断れない。
魔法で透明にとも考えたのだが、ずっと透明でいるわけにもいかないしどこかで魔法を解除したらまた囲まれてしまうので問題の先送りにしかならない。
どうしようかと考えているとそこで背筋が凍った。
それは令嬢たちも同じなようでそれを感じる方向だけ道が開いている。
その先には、
「カイ君?楽しそうですね?」
顔は笑っているが目が笑ってないマイがいた。
めっちゃ怒ってるのが分かる。
敬語に戻っちゃってるし。
ここは恥ずかしいが1つ思い付いたことがあるので試すことにした。
まず道が空いているのでマイの横にいき
「僕にはもう心に決めた人がいますので。」
マイは赤くなっているが僕は覚悟を決めてから言ったのでそこまで赤くはなってないはずだ。
令嬢たちはザワついているがまだ引く様子がない。
考えた末、僕はマイの頬にキスをすることにした。入り込む隙がないと思わせるにはこれくらいのことをしなければならないと考えた。頬にしたのはマイに出来るだけ引かれないようにするためだ。
マイはさっきより顔を赤くしている。今度ばかりは僕も真っ赤だろう。
ただ効果は絶大でほとんどの人が自分のテーブルへと帰って行った。
僕とマイが元のテーブルに戻るとレクスが息が苦しくなるほどまで笑っていた。
「フウ……ブッ……………凄いなカイ。こ……プッ
こんなに……………笑ったのは……………初めてだ。」
「それもこれもレクスの身分を隠すために僕を英雄にしたんだからレクスのせいだろ。」
「フウ……………王子の護衛だと知られていればもっと来る令嬢が増えていただろうな。
それにしてもあの切り抜け方は面白いな。
決めた人か。もう婚約者じゃないか。
まあ見知らぬ女に囲まれるのが大変なのは私も身をもって経験している。あそこまでしてでも追い払いたいのは分かるが今のは………ブッ。」
落ち着いて話し出したと思ったら思い出してまた笑い出しやがった。
そういえばマイは喋ってないなと思いマイを見ると顔を赤くしたまま呆然としていた。
「マイ?もしかして嫌だった?」
これで嫌と言われたらショックで3日くらい倒れる自信があるが聞いておかないと知らないところで嫌われる可能性がある。それだけは避けたい。
「そ、その驚いただけだから……」
嫌ではなかったらしい。良かったと心底安心した。
その後は特に令嬢に囲まれることもなくパーティーが終わるのだった。
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