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訓練と成長
謎の敵
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「何故貴方がここに?」
アゴットの疑問は当然である。
ロヴァイトが王都を拠点にしていることは有名な話だが、外出している時間が長く街を留守にしていることが多いのだ。
そんな彼がこんな良いタイミングで現れたのだ。
「依頼帰りだ。話は後にしてこいつらを片づけるぞ!」
「分かりました。皆の者、続けー!!」
『ウオーーー!!』
アゴットの声は全員には届かなかったが、雄叫びは伝染していき兵達の士気が最高潮に上がる。
その勢いは凄まじく押し返し始める。
しかし、その勢いは一体の魔獣により止まる。
その魔獣とはロウオウ。
当初キングウルフだと思われていたがそれにしては強すぎ、レクスからロウオウの話を聞いていた警備軍はそう判断した。
「俺が行こう」
ロヴァイトはそうアゴットに告げる。
「分かりました。どうかお気をつけて」
「ああ」
そう答えロヴァイトはロウオウがいる方へ走り出す。
その少し後アゴットの方へ3人組がやって来た。
魔獣を倒しながら横目にその姿を見たとき目を疑った。
「レ、レクス様!?」
「驚かせてすまん。状況を教えてくれ」
「はい。現状、魔獣の群れは何とか対処可能です。問題があるとすれば……………」
「何かあるのか?」
「ロウオウと思われる個体が出現しまして、ロヴァイト様が1人で向かわれました」
その頃ロヴァイトはロウオウと対峙していた。
ロヴァイトを認識したロウオウは右前脚で引っ掻こうとする。
それを冷静に避けたロヴァイトだったがその後咄嗟に後ろに引く。
その直後、元いた場所にロウオウの左前脚からの攻撃がきた。
それは右前脚の攻撃よりも強いものだった。
ロヴァイトは魔獣がフェイントを使ったことに驚く。
ギルドで魔獣討伐の依頼を受ける事も多いロヴァイトだがフェイントを仕掛けてくる魔獣を見たことがない。
しかし、それだけでは魔獣を倒せない。
そのため攻撃を仕掛ける。
初めは通じていたが徐々に通じなくなる。
(これは……………学習しているのか?)
「ロヴァイトさん!!大丈夫ですか?」
「うん?ああ、カイ君か。こいつは手強いぞ」
「ロウオウですよね?」
「ああ。だが、ライより断然強い。戦闘経験が豊富なんだろう」
「分かりました。僕が引き受けます」
「ああ、頼む。王子とマイはこちらで守ろう」
「お願いします」
ロウオウには相手の記憶を見る可能性があるから早く殺さないと……………
あれ?何で殺さないとって思ったんだろう?
「っと」
考え事をしているとロウオウが攻撃してきた。
確かにライより攻撃が鋭い。
これは剣では無理だな。
そう思い魔法で風の刃を作り撃ち込む。
それは意外と簡単に避けられた。
しかし、避けたということは効くということ。
10個同時に発動しロウオウを全方位から攻撃するように撃つ。
鳥かご作戦ならぬ狼かご作戦だ。
結果はオーバーキルだった。
個数を増やす分威力を落とすべきだったかもしれない。
ロウオウを倒してもまだ魔獣は残っている。
しかし、ロヴァイトさんに任せた2人の事が気になったので辺りを探す。
少し離れた場所に信じられない光景が広がっていた。
時は少し遡る。
王子と娘を任されたロヴァイトは順調に周りの魔獣を倒していた。
そんな彼に話し掛ける者がいた。
帝国で色々工作しているリーセスだ。
「これはこれはSランク冒険者のロヴァイトさんではありませんか」
「何者だ」
戦場とは思えないゆったりとした声に違和感を感じ警戒する。
「何者……ですか。そうですね。言うなれば死神の使者でしょうか」
「何を言っているんだ?」
「分からないなら結構。それでは失礼して…」
リーセスはロヴァイトの腹を殴った。
ロヴァイトは避けたと思ったがダメージを受け膝をつく。
「今ので気絶しないのですか?流石はSランク。まあ、もう動けないでしょうけどそこでじっとしていてくださいね。用があるのはそこの2人ですから」
「なに?」
「今や最大の脅威は貴方ではなくカイ=マールスという男でしょう。かと言って負ける気はしませんが切り札は持っておくべきですから。連れ帰り易くするために気絶させましょうか」
そう言い軽く魔法を放つ。
すると防御魔法が現れた。
リーセスは目を疑う。
確実にあの2人は魔獣の対処にかかりきりでこちらに気づいていなかった。
ロヴァイトは魔法は下手だと聞く。
カイに関してはロウオウの方に行っているから出来ないだろう。
「なっ!?」
「お父さん!!」
しかもそのせいでこちらに気づかれた。
2人はロヴァイトが膝をついている状況からある程度理解し、リーセスに魔法を放つ。
リーセスはそれを避けながら、もう一度魔法を撃って試してみる。
しかし、結果は同じ。
そのため少しずつ威力を上げていく。
初めから本気で撃たないのは生け捕りにするためだろう。
威力を上げていけばいずれ防御魔法を破れはするだろう。
それは正しかったがリーセスはある誤算をしていた。
このタイミングでロウオウを倒したカイがこちらに気付き近づいてきていたのだ。
「3対1な上にカイ=マールスが加わるのはまずいですね。ここは撤退させていただきます」
アゴットの疑問は当然である。
ロヴァイトが王都を拠点にしていることは有名な話だが、外出している時間が長く街を留守にしていることが多いのだ。
そんな彼がこんな良いタイミングで現れたのだ。
「依頼帰りだ。話は後にしてこいつらを片づけるぞ!」
「分かりました。皆の者、続けー!!」
『ウオーーー!!』
アゴットの声は全員には届かなかったが、雄叫びは伝染していき兵達の士気が最高潮に上がる。
その勢いは凄まじく押し返し始める。
しかし、その勢いは一体の魔獣により止まる。
その魔獣とはロウオウ。
当初キングウルフだと思われていたがそれにしては強すぎ、レクスからロウオウの話を聞いていた警備軍はそう判断した。
「俺が行こう」
ロヴァイトはそうアゴットに告げる。
「分かりました。どうかお気をつけて」
「ああ」
そう答えロヴァイトはロウオウがいる方へ走り出す。
その少し後アゴットの方へ3人組がやって来た。
魔獣を倒しながら横目にその姿を見たとき目を疑った。
「レ、レクス様!?」
「驚かせてすまん。状況を教えてくれ」
「はい。現状、魔獣の群れは何とか対処可能です。問題があるとすれば……………」
「何かあるのか?」
「ロウオウと思われる個体が出現しまして、ロヴァイト様が1人で向かわれました」
その頃ロヴァイトはロウオウと対峙していた。
ロヴァイトを認識したロウオウは右前脚で引っ掻こうとする。
それを冷静に避けたロヴァイトだったがその後咄嗟に後ろに引く。
その直後、元いた場所にロウオウの左前脚からの攻撃がきた。
それは右前脚の攻撃よりも強いものだった。
ロヴァイトは魔獣がフェイントを使ったことに驚く。
ギルドで魔獣討伐の依頼を受ける事も多いロヴァイトだがフェイントを仕掛けてくる魔獣を見たことがない。
しかし、それだけでは魔獣を倒せない。
そのため攻撃を仕掛ける。
初めは通じていたが徐々に通じなくなる。
(これは……………学習しているのか?)
「ロヴァイトさん!!大丈夫ですか?」
「うん?ああ、カイ君か。こいつは手強いぞ」
「ロウオウですよね?」
「ああ。だが、ライより断然強い。戦闘経験が豊富なんだろう」
「分かりました。僕が引き受けます」
「ああ、頼む。王子とマイはこちらで守ろう」
「お願いします」
ロウオウには相手の記憶を見る可能性があるから早く殺さないと……………
あれ?何で殺さないとって思ったんだろう?
「っと」
考え事をしているとロウオウが攻撃してきた。
確かにライより攻撃が鋭い。
これは剣では無理だな。
そう思い魔法で風の刃を作り撃ち込む。
それは意外と簡単に避けられた。
しかし、避けたということは効くということ。
10個同時に発動しロウオウを全方位から攻撃するように撃つ。
鳥かご作戦ならぬ狼かご作戦だ。
結果はオーバーキルだった。
個数を増やす分威力を落とすべきだったかもしれない。
ロウオウを倒してもまだ魔獣は残っている。
しかし、ロヴァイトさんに任せた2人の事が気になったので辺りを探す。
少し離れた場所に信じられない光景が広がっていた。
時は少し遡る。
王子と娘を任されたロヴァイトは順調に周りの魔獣を倒していた。
そんな彼に話し掛ける者がいた。
帝国で色々工作しているリーセスだ。
「これはこれはSランク冒険者のロヴァイトさんではありませんか」
「何者だ」
戦場とは思えないゆったりとした声に違和感を感じ警戒する。
「何者……ですか。そうですね。言うなれば死神の使者でしょうか」
「何を言っているんだ?」
「分からないなら結構。それでは失礼して…」
リーセスはロヴァイトの腹を殴った。
ロヴァイトは避けたと思ったがダメージを受け膝をつく。
「今ので気絶しないのですか?流石はSランク。まあ、もう動けないでしょうけどそこでじっとしていてくださいね。用があるのはそこの2人ですから」
「なに?」
「今や最大の脅威は貴方ではなくカイ=マールスという男でしょう。かと言って負ける気はしませんが切り札は持っておくべきですから。連れ帰り易くするために気絶させましょうか」
そう言い軽く魔法を放つ。
すると防御魔法が現れた。
リーセスは目を疑う。
確実にあの2人は魔獣の対処にかかりきりでこちらに気づいていなかった。
ロヴァイトは魔法は下手だと聞く。
カイに関してはロウオウの方に行っているから出来ないだろう。
「なっ!?」
「お父さん!!」
しかもそのせいでこちらに気づかれた。
2人はロヴァイトが膝をついている状況からある程度理解し、リーセスに魔法を放つ。
リーセスはそれを避けながら、もう一度魔法を撃って試してみる。
しかし、結果は同じ。
そのため少しずつ威力を上げていく。
初めから本気で撃たないのは生け捕りにするためだろう。
威力を上げていけばいずれ防御魔法を破れはするだろう。
それは正しかったがリーセスはある誤算をしていた。
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